JPH02250204A - ポリアセチレンフィルム - Google Patents

ポリアセチレンフィルム

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JPH02250204A
JPH02250204A JP6922289A JP6922289A JPH02250204A JP H02250204 A JPH02250204 A JP H02250204A JP 6922289 A JP6922289 A JP 6922289A JP 6922289 A JP6922289 A JP 6922289A JP H02250204 A JPH02250204 A JP H02250204A
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JP
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film
polyacetylene
catalyst
electric conductivity
electrical conductivity
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JP6922289A
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Akio Takahashi
昭夫 高橋
Jun Tsukamoto
遵 塚本
Kikuko Kawasaki
河崎 菊子
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、異方性の少ない高導電性ポリアセチレンに関
するものである。本発明で得られるポリアセチレンは、
電池材料、電極材料、電磁シールド材料、電気部品その
他の電子材料の用途に広く用いられる。
[従来の技術] ポリアセ、チレンの合成法は古くから検討されているが
、白州らによるチーグラー・ナツタ系触媒を用いた方法
が最も一般的な方法として知られている[例えばJ、P
olym、 Sci、 Polym、 Ed、 、 1
2.11(1974)、]。特公昭59−51904号
公報においては、チーグラー・ナツタ系触媒を有機溶媒
中、20°C〜100℃で熱処理(以下「エージング」
と呼ぶ)し、その触媒を用いて重合した後、ヨウ素ドー
プすることにより、〜102S/cmの電導度を有する
ポリアセチレンを合成し、さらに、6〜7倍に延伸処理
を施すことにより、2×103S/cmの電導度を有す
るポリアセチレンを合成する方法が示されている。
また、前記[Polymer Journal、  1
9,1.85(1987)、]において、液晶溶媒中で
チーグラー・ナツタ系触媒を用いて重合することにより
、すでに重合時に配向したポリアセチレンフィルムを得
る方法が提案されている。この方法により得たフィルム
は、ヨウ素ドープすることにより、4.8X103S/
cmの電導度をもつポリアセチレンが得られている。
このように、従来技術における延伸前のポリアセチレン
フィルムの電導度は、高々102〜103S/cmと不
十分なものであるため、延伸することにより配向させ、
導電性の向上を図っていた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来法の延伸により配向させたポリアセ
チレンフィルム面内においては、延伸配向方向の導電性
は高いという長所があるが、その垂直方向の導電性は逆
に延伸前のものより低くなるといった、フィルム面内で
の大きな異方性のために、導電材料として使用するには
大きな欠点となるものであった。例えば、前記5oli
d 5tate C。
munication、 65.147 (1988)
においては、延伸、ヨウ素ドープ後、4.6X103S
/cmの電導度を有するポリアセチレンが、30〜12
0の異方性を有することが示されている。さらに、かか
る垂直方向においては、フィルム強度についても低下す
るという欠点も有する。
また、前記[Po17mer Journal、  1
9.185(198?)、]においても、重合時にすで
に配向したものであり、その異方性は、12であること
が示されている。
本発明は、かかる従来技術の欠点を解消しようとするも
のであり、配向しない状態、すなわち、異方性のない状
態において、充分に高い電導度を有するポリアセチレン
フィルムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明は下記の構成を有す
る。
[ドーピングされたポリアセチレンフィルムであって、
電導度σ1が5X10’S/cm以上であり、かつ、フ
ィルム面内での電導度の異方性(σ1/σ2)が1.0
以上、2.0以下であることを特徴とするポリアセチレ
ンフィルム(ただし、σは、フィルム面内で最も高い電
導度を有する方向における電導度、σ2は、同一フィル
ム面内で最も低い電導度を有する方向における電導度)
。」本発明における電導度の異方性とは、同一フィルム
面において、電導度が最高値を示す方向、及び最低値を
示す方向でのそれぞれの電導度をσ1、σ2とした場合
、σ1とσ2の比(σ1/σ2)を意味する。
本発明のポリアセチレンの製造方法としては、下記の方
法が挙げられる。
イ、チーグラー・ナツタ系触媒を、有機溶媒中、150
8C以上で加熱した後、冷却処理を行い、 口0次いで、該触媒の中で1μmを越える粒径を有する
ものを除去することにより、精製された触媒分散体とし
、 ハ、該触媒分散体にアセチレンモノマーを、不活性ガス
に対して、0.5体積%以上、10体積%以下の濃度(
アセチレンガスのみの場合には、アセチレンの圧力を3
.8mmHg以上、75mmHg以下とする)で導入し
、かつ、重合温度が、−100℃以上、−30℃以下で
重合し、 二、さらに、得られた重合体にドープ処理を施す ことにより合成される。
本発明の高導電性ポリアセチレンフィルムを得るための
合成法について、さらに詳しく述べる。
本発明で言う有機溶媒とは、チーグラー・ナツタ系触媒
を溶解する、飽和炭化水素、芳香族炭化水素であって、
かつその沸点が150℃以上である溶媒を言う。また、
その沸点の上限は、300℃以下であることが好ましい
。このような溶媒の具体例として、飽和炭化水素として
は流動パラフィン、ヘキサデカン、デカリン、デカン、
テトラデカン、テトラリン、インデン、アイソファーM
(飽和脂肪族炭化水素、エクソンケミカル社製)などが
、また、芳香族炭化水素としては、シクロヘキシルベン
ゼン、1.1−フェニルエタン、ジフェニルエーテル、
ジベンジルエーテル、ジペンテン、1.2−ジメチルナ
フタレン、1.6−ジメチルナフタレン、1.4−ジメ
チルナフタレン、3.3−ジメチルビフェニル、ジメト
オキシベンゼン、1,2,3.4−テトラメチルベンゼ
ン、1,2,3.5−テトラメチルベンゼン、1−メチ
ルナフタレンなどが挙げられる。これらは通常単独で用
いられるが、2種以上混合して用いることもできる。
本発明に用いられるチーグラー・ナツタ系触媒は、二元
系触媒であり、有機金属化合物と遷移金属化合物とが組
み合わされたものである。有機金属化合物の具体例とし
ては、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウム
クロライド、エチルアルミニウムジクロライド、トリメ
チルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、
メチルアルミニウムジクロライド、トリブチルアルミニ
ウム、ジブチルアルミニウムクロライド、ブチルアルミ
ニウムジクロライド、トリエチルホウ素、ジエチルホウ
素クロライド、エチルホウ素ジクロライドなどであり、
これらの有機金属化合物を単独で、あるいは2種以上混
合して用いることもできる。また、遷移金属とは、チタ
ニウム、ジルコニウム、バナジウム、セリウム、ネオジ
ウム、ニオブ、タンタルなどであり、遷移金属化合物の
具体例としては、テトラアルキルオキサイド、チタニウ
ム、テトラアルキルオキサイドジルコニウム、トリアル
キルオキサイドネオジウム、ジアセチルアセトネートバ
ナジウム、トリアセチルアセトネートチタニウム、トリ
アセチルアセトネート鉄、トリアセチルアセトネートク
ロム、三塩化チタン、四塩化チタン、三塩化ニッケル、
三塩化鉄、五塩化ニオブ、五塩化モリブデン、五塩化タ
ンタルなどが挙げられる。これらの触媒系の中でアルキ
ルアルミニウム化合物とチタン化合物との組合せが好ま
しく、その中でもトリエチルアルミニウムーテトラブト
キサイドチタニウム系がより好ましい。
触媒濃度については、遷移金属濃度が0.05〜1.4
モル/lであることが良質のフィルムとするためには好
ましく、また、遷移金属化合物に対する有機金属化合物
のモル比が1〜5の範囲になるように調整することが好
ましい。
前記の重合溶媒に、前記触媒を溶解させることにより触
媒溶液とし、該触媒溶液をアルゴンガス中、あるいは減
圧下にて150℃以上で熱処理する。150℃未満にお
いては、本発明の目的とする高導電性のポリアセチレン
フィルムを得ることはできない。また、熱処理温度が高
すぎると、触媒が分解する場合があり、加熱処理の上限
は、特に限定されないが、260℃以下であることが好
ましい。また、反応時間は、特に限定されるものではな
いが、20〜120分の範囲が好ましく、反応後、少な
くとも50℃以下、好ましくは室温まで冷水浴で急冷す
る。
上記加熱・冷却処理のエージングは、2回以上繰り返し
行うことが、導電性向上の点で好ましく、特に2〜4回
繰り返すことが好ましい。
上記触媒を重合溶媒に溶解した際には、触媒はほぼ均一
に溶解した状態にあるが、上述の加熱処理を行うにつれ
て、触媒が会合するため懸濁液あるいは粗粒子分散液と
なることが認められる。これらの粒子状分散体は、ポリ
アセチレンの重合時、重合体中に包含されて配向性を低
下させ、かつ重合体中に欠陥を生じさせる原因となる。
そこで、本発明では、上述の触媒微粒子の中で、1.0
μmを越える粒径を有するものを除去する工程を必須要
件とする。さらに、0.5μmを越えるものを除去する
とより効果的である。またここで、粒径とは、触媒微粒
子の最高径を意味する。
精製は、アセチレン重合活性を保持するために、アルゴ
ンあるいは窒素などの不活性ガス雰囲気中にて行う。精
製方法としては、濾過あるいは遠心分離などが挙げられ
る。具体的な濾過方法の一例としては、メンブレンフィ
ルター(濾紙)を、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロ
ピレン、変性アクリル樹脂またはポリテトラフルオロエ
チレンなどで被覆したもの(シリンジフィルター)を、
シリンジ(注射器)に取付け、シリンジの加圧を利用し
、触媒媒体を押し出して濾過する方法が挙げられる。加
圧は、数kg/crl〜10kg/cnfが好ましい。
メンブレンフィルターの細孔径は、1.0μm以下であ
るが、また0、2μm以上であることが好ましい。0.
2μm未満では、濾過速度が遅くなる傾向にあり、さら
に濾過圧が高くなり、濾過が困難になる場合がある。
メンブレンフィルターの材質としては、セルロ−スアセ
テート、ナイロンおよびポリテトラフルオロエチレンな
どが挙げられるが、触媒媒体に全く溶解しない点からポ
リテトラフルオロエチレンが最も好ま]7い。
本発明の導電性ポリアセチレンフィルムの製造手順の一
例としては、まず、有機溶媒にチーグラー・ナツタ触媒
を溶解し、これを加熱・冷却処理することにより熟成し
、さらに1μmを越える該触媒を除去した後、精製され
た触媒媒体を重合容器の壁面あるいは触媒と反応しない
固体(例えばガラス、フィルム、金属、織物、皮革など
が挙げられ、特に基板によって保持されているものが好
ましい)の表面に塗布し、触媒媒体の液膜を作り、アセ
チレンを導入する方法が挙げられる。このようにして触
媒媒体の表面、器壁、基板上にポリアセチレンフィルム
が得られる。
ここで、アセチレンを触媒分散体に導入し、重合する際
の温度としては、−100℃以上、−30℃以下である
ことが必要であり、好ましくは−100〜−40℃の範
囲、特に好ましくは−80〜−50℃の範囲である。重
合温度が、−30°Cを越える高温側ではフィルム形成
は認められるが、充分な高導電性フィルムは得られなく
なる。おそらくこれは反応速度が大きくなり、結晶性の
低いポリアセチレンが生成するためと考えられる。また
、−30℃を越える高温側では、延伸可能なシス型ポリ
アセレチンの割合が減少するため、延伸処理を施したフ
ィルムとした場合において、導電性が低く不十分となる
。一方、−100°C未満の低温側においては、反応速
度が遅くなり、重合時間が長くなる。さらに、触媒溶液
が凝固し、フィルム形成が困難になる。
また、導入するアセチレンモノマーは高導電性ポリアセ
チレンを得るためには、超高純度アセチレンガス(99
,9999Vof%以上、高圧ガス工業■)を用い、こ
れを30%トリエチルアルミニウム流動パラフィン溶液
に通気して、不純物である酸素、水分などを極力除去し
精製することが好ましい。
本発明で用いられる導入アセチレンの最適濃度条件は、
0.5体積%以上、10体積%以下であり、中でも0,
5体積%以上、6.0体積%以下の範囲が好ましく、特
に好ましくは1〜4体積%の低濃度雰囲気下がよい。こ
こで、用いられる希釈用バランスガスとしては、一般に
酸素、水などを含まないアルゴンや窒素などの不活性ガ
スが用いられるが、希釈ガスを含まないアセチレンモノ
マーガスのみであってももちろん可能である。この場合
の導入するアセチレンモノマー圧力は3゜8mmHg以
上、76mmHg以下であり、好ましくは3゜8〜45
. 6mm)Ig、特に好ましくは7.6〜30゜4m
m)Igの範囲である。10体積%(希釈ガスなしでは
モノマー圧カフ6mmHg)を越える高濃度側では、反
応速度が速くなるため、重合温度の場合と同様におそら
く結晶性が低下し、充分に高い電導度を有するポリアセ
チレンが生成しなくなる。また、0.5体積%(希釈ガ
スなしではモノマー圧力3. 8mtnHg)未満の低
濃度側では、反応速度が遅くなりフィルムの生成が困難
になる。
重合時間については、目的とするポリアセチレンフィル
ムの膜厚、触媒濃度あるいはアセチレンモノマーの圧力
などにより異なるため、特に限定されないが通常2分〜
24時間である。
本発明においては、以上により得られたポリアセチレン
フィルムを、ヨウ素、塩化アルミニウムあるいは塩化鉄
などによりドープ処理を施すことにより、電導度σ1が
5X103S/an以上であり、かつ、フィルム面内で
の電導度の異方性(σ1/σ2)が1.0以上、2.0
以下である高導電性ポリアセチレンフィルム(ただし、
σ1は、フィルム面内で最も高い電導度を有する方向に
おける電導度、σ2は、同一フィルム面内で最も低い電
導度を有する方向における電導度)を得ることができる
さらに、ドープ処理を施す前に、延伸処理を施すること
により、フィルム面内で最も高い電導度を有する方向に
おける電導度が、金属前である、すなわち、少なくとも
2X105S/cmであるポリアセチレンフィルムを得
ることができる。
本発明のポリアセチレンフィルムは、異方性が1.0以
上、2.0以下であり、かつ、高い電導度を有するため
、種々の材料、特に、導電材料として好適に用いられる
。例えば、半導体として、光センサ−、ガスセンサー材
料、蓄電池電極材料、また導電体として電線、発熱体、
抵抗素子、電磁遮蔽板、制電材料、軽量導電材料として
利用される可能性が大きい。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 アルゴン雰囲気下で内容積600 mlのガラス製反応
容器にデカリン(CloHxg)13mlとり、撹拌し
ながら9mlのトリエチルアルミニウム((C2H5)
3 Al)と11m1のテトラブトキサイドチタニウム
(n−C4Hg O) 、s T iを加える。室温に
て30分間放置した後、該触媒溶液を真空ポンプで吸引
排気しながら、オイルバスで約120℃まで徐々に加熱
する。次に反応容器をアルゴン雰囲気にもどし、500
 ml/ minのアルゴンを通気しながら常圧下で2
00℃まで触媒媒体を加熱・還流する。200℃で30
分加熱熟成(エージング)したのち、冷水浴を用いて室
温まで急冷する。急冷後、再度、同様の方法にて、加熱
、冷却を行い2回目のエージングを行った。
この触媒媒体を、アルゴン雰囲気中で細孔径0゜2μm
のシリンジフィルター(Nalge Co、 製、  
PTFE、 No、 199−2020)を用いて、5
0m1のシリンジにて触媒媒体を濾過精製し、この濾液
をアセチレン重合用触媒媒体とした。この該触媒媒体と
反応器を冷却循環恒温槽(大洋科学工業■製、クールパ
イプ、D−2型)で−70℃に冷却しながら、反応器を
回転させ、該触媒媒体を器壁に塗布した。これに3Qw
t%トリエチルアルミニウムー流動パラフィン溶液に通
気して、あらかじめ精製した、アセチレンモノマ濃度2
.6体積%(希釈ガスアルゴン)の混合ガスを常圧まで
供給し、−70°Cにて15時間重合を行った。重合開
始後、徐々に触媒媒体表面および容器内壁で重合が起り
赤褐色状の金属光沢のあるポリアセチレンフィルムが生
成した。重合終了後、アルゴンガスに切替、器内をアル
ゴンガス雰囲気にした。アルゴンガス雰囲気下で触媒媒
体を除いた後、あらかじめアルゴンガスで脱気しである
5 00 mlのトルエンを用いて数回洗浄をくり返し
た。次いで10%HCIメタノール溶液500 mlで
数回洗浄後、更にメタノールでフィルムの洗浄液のpH
がほぼ中性になるまで洗浄をくり返した。トルエン、1
0%HCIメタノール、メタノールの順でフィルムを洗
浄後、アルゴン中室温にて乾燥した。得られたポリアセ
チレンフィルムは厚さ12μmの銀色金属光沢があり、
このフィルムは室温、空気中にて約5.5倍程度延伸可
能であった。次いで、この5.5倍延伸したフィルムと
延伸前のフィルム(未延伸フィルム)をそれぞれ室温で
、ヨウ素蒸気と接触させ、ヨウ素をドーピングして、四
端子法により電導度(最も高い電導度を有する方向にお
ける電導度)を測定した。未延伸フィルムの同一面にお
ける電導度の最高値σlと最低値σ2、及び5.5倍延
伸フィルムのヨウ素ドーピング後の電導度は各々1.4
X10’ S/am、1.lXl0’ 37cm。
4、 3 X 105S/cmであった。
また、得られた未延伸フィルムの赤外スペクトルを透過
法により測定した。この赤外スペクトルのシス型ポリア
セチレン(吸収バンド、740cm−1)とトランス型
ポリアセチレン(吸収バンド、1015(2)一つから
求めた含有比率は、各々98%と2%であった。また、
未延伸フィルムの密度(g/ c!11)を測定したと
ころ、1.10g/cnfであり、非常に高いものであ
った。未延伸及び延伸後のヨウ素ドーピング後の電導度
の測定結果と、赤外スペクトルから求めたシス型とトラ
ンス型ポリアセチレンの含有比率の結果を、第1表に示
す。
実施例2 実施例1において、導入アセチレンモノマー濃度を2.
6体積%から562体積%に変えた以外は、実施例1と
全く同様の方法でアセチレンの重合及びフィルムの洗浄
を行った。得られたポリアセチレンフィルムの未延伸(
C1とC2)及び延伸フィルムのヨウ素ドーピング後の
電導度の測定結果と、延伸フィルムの赤外スペクトルよ
り求めた、シス型、トランス型ポリアセチレンの含有比
率の結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1において、導入アセチレンガスとして2.6V
o1%の混合ガス(アルゴン希釈ガス)を用い、常圧下
で重合しているが、この混合ガスの代わりに100%ア
セチレン純ガスを2QmmHg導入し、減圧下で重合し
た。
さらに、実施例1における重合温度−70℃を、−50
℃に変えて重合を行った以外は、実施例1と全く同様の
方法で重合及びフィルムの洗浄を行った。得られた未延
伸(σ1とσ2)及び延伸フィルムのヨウ素ドーピング
後の電導度測定結果と未延伸フィルムのシス型、トラン
ス型ポリアセチレンの含有比率の結果を第1表に示す。
実施例4 実施例1において、触媒の加熱、冷却処理エージング)
を200℃、30分で2回くり返し行っているが、この
エージングくり返し回数′を3回とし、また、導入する
アセチレンモノマーガスとして、アセチレン純ガスのみ
を45mmHgの減圧下にて用いた以外は、実施例1と
同様にしてポリアセチレンフィルムの重合および洗浄を
行った。さらに、得られたフィルムを0. 05mol
 /Iの塩化アルミニウム(AlCl2)のニトロメタ
ン溶液に浸漬させ、塩化アルミニウムをドーピングした
得られた未延伸(σ1とσ2)及び延伸フィルムの塩化
アルミニウムドーピング後の電導度と未延伸フィルムの
シス、トランス型ポリアセチレンの含有比率の結果を第
1表に示す。
比較例1 実施例1の導入アセチレンモノマー濃度を2゜6体積%
から20体積%に変えた以外は、実施例1と全く同様の
方法でアセチレンの重合及びフィルムの洗浄を行った。
得られた未延伸(σ1とσ2)及び延伸後のポリアセチ
レンフィルムのヨウ素ドーピング後の電導度の測定結果
及び未延伸フィルムのシス型、トランス型ポリアセチレ
ンの含有比率の結果を第1表に示す。
比較例2 実施例1の重合温度を一70℃から0℃に変えた以外は
、実施例1と同様の方法で重合及びフィルムの洗浄を行
った。得られた未延伸(σ1とσ2)ポリアセチレンフ
ィルムのヨウ素ドーピング後の電導度の測定結果及び未
延伸フィルムのシス型、トランス型ポリアセチレンの含
有比率の結果を第1表に示す。
比較例3 実施例1において、重合溶媒としてシリコーンオイル(
ポリジメチルシロキサン、信越化学工業(株)製、KF
96.29C3)を用い、加熱エージングを120℃、
2時間、1回として、さらに重合温度を室温とした以外
は、実施例1と同様にして重合およびフィルムの洗浄を
行った。得られた未延伸(σ1とσ2)および延伸後の
ポリアセチレンフィルムのヨウ素ドーピング後の電導度
および未延伸フィルムのシス、トランス型ポリアセチレ
ンの含有比率の結果を第1表に示す。
比較例4、比較例5 実施例1において、導入アセチレンモノマー濃度を0.
3体積%(アルゴン希釈ガス)に変えた以外は実施例1
と全く同様の方法(比較例4)で、あるいは、実施例1
において、重合温度を一110℃に下げた以外は実施例
1と全く同様の方法(比較例5)で重合を行った。
その結果、比較例4及び比較例5のいずれの場合も電導
度が測定できるようなポリアセチレンフィルム生成が認
められなかった。
[発明の効果コ 本発明のポリアセチレンフィルムは、異方性が1.0以
上、2.0以下であり、かつ、高い電導度を有するため
、種々の材料、特に、導電材料として好適に用いられる
さらに、本発明のポリアセチレンをさらに延伸すること
により、金属並の高い電導度を有することができる。
また、本発明において提案される導電性ポリアセチレン
は基板上に直接フィルム状にするため、基質との密着性
に優れ、また、本発明のフィルムは基材に触媒を塗布し
て合成するため、繊維及び複雑な形態を有する基材上な
どにも容易に均質な導電性ポリアセチレンフィルムを生
成させることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ドーピングされたポリアセチレンフィルムであっ
    て、電導度σ_1が5×10^3S/cm以上であり、
    かつ、フィルム面内での電導度の異方性(σ_1/σ_
    2)が1.0以上、2.0以下であることを特徴とする
    ポリアセチレンフィルム(ただし、σ_1は、フィルム
    面内で最も高い電導度を有する方向における電導度、σ
    _2は、同一フィルム面内で最も低い電導度を有する方
    向における電導度)。
JP6922289A 1989-03-23 1989-03-23 ポリアセチレンフィルム Pending JPH02250204A (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5818227A (ja) * 1981-07-27 1983-02-02 Toray Ind Inc 電気的特性の優れたポリアセチレンフィルムの製造方法

Patent Citations (1)

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JPS5818227A (ja) * 1981-07-27 1983-02-02 Toray Ind Inc 電気的特性の優れたポリアセチレンフィルムの製造方法

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