JPH064687B2 - 導電性ポリアセチレンの製造方法 - Google Patents

導電性ポリアセチレンの製造方法

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JPH064687B2 JP63094504A JP9450488A JPH064687B2 JP H064687 B2 JPH064687 B2 JP H064687B2 JP 63094504 A JP63094504 A JP 63094504A JP 9450488 A JP9450488 A JP 9450488A JP H064687 B2 JPH064687 B2 JP H064687B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高導電性を示すポリアセチレンの製造方法に
関するものである。
本発明の製造方法によって得られるポリアセチレンは、
太陽電池、蓄電池、電子部品、電気部品などの電子材料
として好適に用いられる。
[従来の技術] アセチレンをチーグラー・ナッタ系触媒で重合する方法
としては、アセチレンを触媒溶液の自由表面付近で重合
することにより直接フィルム状ポリアセチレンを得る方
法が知られている。(例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Che
m.Ed.,12,11(1974)]。この重合体の電導度は10-8S/cm
程度であるが、電子供与性物質あるいは電子受容性物質
をドープすることによって、10S/cm以上の高い導電
性を付与できることも知られている(C.K.Chiangら,App
l.Phys.Lett.,33,18(1978)。特にポリアセチレンを機械
的な手段を用いて延伸することによって一軸配向性を高
めると、10S/cm以上の導電性が発現できる。一軸配
向性を高める方法としては、機械的な延伸方法以外にも
エピタキシャル重合法(特開昭(59-108007号公報)、
液晶溶媒中で重合する方法(特開昭60-255806号公報)
がある。しかし、これらの方法で得られる導電性は高
々、1.1×10S/cmであり、金属の電導度と比べる
と低いものがあった。
一方、チーグラー・ナッタ系触媒を用いてポリアセチレ
ンフィルムを直接重合する方法において、溶媒としてシ
リコーンオイルを使用し、この溶媒中で触媒を120℃
以上で加熱熟成することによって合成されたポリアセチ
レンは、ヨウ素をドープすることによって2×10S/
cmまで、電導度が向上することが報告されている。[Syn
thetic Metals,22,1(1987)]。該報告中でブチルリチウ
ムを触媒としてもちいるとさらに高導電性を示すポリア
セチレンが得られると記載されているが、ポリマーフィ
ルム上に形成された透明状の薄膜であることから数百オ
ングストロームの厚みと考えられる。したがって、この
ような薄膜はフリースタンディング(すなわち重合体自
身が可撓性を有し、かつ取扱いが容易な形状のもの)な
フィルムとして取り出すことができず、導電性高分子材
料としての用途展開を図る上で大きな障害となる。
[発明が解決しようとする課題] 上述したように従来の方法では、フリースタンディング
なポリアセチレンとしては電導度が不充分であり、金属
のもつ10S/cm以上のものは得られていない。また、
比較的高く2×10S/cmの電導度を有する方法におい
ては、取り扱いが容易な厚みを持つフリースタンディン
グなフィルムを得ることができない。
本発明は、高導電性を示し、かつ取り扱い容易なフリー
スタンディングなポリアセチレンフィルムを製造する方
法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明は下記の構成を有す
る。
「(1)液晶溶媒中でチーグラー・ナッタ系触媒を用いて
アセチレンを重合する方法において、液晶溶媒中でチー
グラー・ナッタ系触媒を加熱および冷却する処理を、少
なくとも1回施すことにより熟成した後、これにアセチ
レンモノマーを導入してアセチレンを重合することを特
徴とする導電性ポリアセチレンの製造方法。
(2)液晶溶媒中で、チーグラー・ナッタ系触媒を用いて
アセチレンを重合する方法において、該チーグラー・ナ
ッタ系触媒を有機溶媒中で加熱および冷却する処理を、
少なくとも1回施すことにより熟成した後、熟成された
触媒を、液晶溶媒中に溶解または分散させてアセチレン
を重合することを特徴とする導電性ポリアセチレンの製
造方法。」 本発明でいう液晶溶媒とは、−78℃〜50℃の範囲内
にネマチック相をしめす物質であり、中でもp-アルコキ
シベンジリデン-p-アルキルアニリン系、p-アルキル・
アルコキシ・フェニルシクロヘキサン系が触媒活性をそ
こなわない液晶溶媒として好ましく用いられる。
本発明に用いられるチーグラー・ナッタ触媒は二元系触
媒であり、有機金属化合物と遷移金属化合物とが組み合
わされたものである。有機金属化合物の具体例として
は、トリエチルアルミニウムETAl、ジメチルアル
ミニウムクロライドEtAlCl、エチルアルミニウ
ムジクロライドEtAlCl2、トリメチルアルミニウム
(CH)3Al、ジメチルアルミニウムクロライド
(CH)2AlCl、メチルアルミニウムジクロライ
ドCHAlCl、トリブチルアルミニウムBu
l、ジブチルアルミニウムクロライドBuAlCl、
ブチルアルミニウムジクロライドBuAlCl、トリ
エチルホウ素EtB、ジエチルホウ素クロライドEt
BCl、エチルホウ素ジクロライドEtBClなど
であり、もちろんこれらの有機金属化合物を2種以上混
合して用いることもできる。また、遷移金属としてはチ
タニウムジルコニウム、バナジウム、セリウム、ネオジ
ウム、ニオブ、タンタルなどであり、このような具体例
としてはテトラアルキルオキサイドチタニウムTi(O
R)、テトラアルキルオキサイドジルコニウムZr
(OR)、トリアルキルオキサイドネオジウムNd
(OR)、ジアセチルアセトネートバナジウムVO
(acac)、トリアセチルアセトネートチタニウム
Ti(acac)、トリアセチルアセトネート鉄Fe
(acac)、トリアセチルアセトネートクロムCr
(acac)、三塩化チタンTiCl、四塩化チタ
ンTiCl、三塩化ニッケルNiCl、三塩化鉄F
eCl、五塩化ニオブNbCl、五塩化モリブデン
MoCl、五塩化タンタルTaClなどであり、こ
こにRはアルキル基を示し、acacはアセチルアセト
ネートを示す。これらの触媒系の中で有機アルキルアル
ミニウム化合物とチタン化合物との組合せが有効であ
り、その中でもトリエチルアルミニウム−テトラブトオ
キサイドチタニウム系がより好ましい。
触媒濃度については用いる有機金属化合物、および遷移
金属化合物の種類などにより種々選択できるが、例えば
トリエチルアルミニウム−テトラブトオキサイドチタミ
ウム系を用いた場合にはTi濃度が0.05〜1.0モ
ル/l、また、Al/Tiのモル比が1〜5の範囲にな
るように調整するのが好ましい。これ以上の濃度にする
と溶媒の液晶層が破壊され等方性溶媒となる傾向があ
る。
次に、上述した液晶溶媒に、上記触媒を溶解または分散
させることにより触媒溶液を調整し、該触媒、溶液を加
熱・冷却する。この加熱・冷却処理としては、例えば、
アルゴンガス中あるいは減圧下にて160〜260℃、
かつ30〜120分の範囲で加熱処理を行なった後、室
温まで冷却し、これらを1回または数回繰り返して行な
う。このように触媒溶液の加熱・およびその後の冷却処
理からなるエージング処理を数回繰り返して行うこと
が、高導電性のポリアセチレンを得るための重要な要件
である。このようなエージングの後、該触媒溶液をネマ
チック相を示す温度、好ましくは50℃以下に下げてア
セチレンの重合を行う。
ここで、本発明の特徴は、上述のごときエージング処理
を行なった触媒を液晶溶媒中で使用することによって高
導電性ポリアセチレンを得ることにある。すなわち、エ
ージング中の溶媒が、液晶物質であることは必ずしも必
須要件ではなく、有機溶媒中で前述の触媒のエージング
処理を行なった後、液晶溶媒中に該触媒を混合せしめる
ことによって触媒溶液を調整し、該触媒容液を用いてア
セチレンの重合を行うことも可能である。液晶溶媒中で
チーグラー・ナッタ系触媒を加熱すると液晶と触媒とが
反応して触媒作用が低下、あるいは消失する可能性があ
る。それに対し、有機溶媒を用いる方法では、液晶溶媒
中での触媒の加熱が不必要となるため、使用可能な液晶
の種類が広がり、重合温度の条件設定がより容易とな
る。したがって、液晶溶媒中でエージングと重合をとも
に行なう前述の方法と比べて、エージング時には有機溶
媒を用い、重合にのみ液晶を用いるこの方法がより好ま
しく用いられる。この時の有機溶媒中におけるチーグラ
ー・ナッタ系触媒の濃度は、触媒の種類によっても異な
るが、例えば遷移金属化合物としてテトラ・ブトキサイ
ド・チタニウム、有機金属化合物としてトリエチルアセ
チレンを使用する場合は、テトラ・ブトキサイド・チタ
ニウムの濃度、0.5モル/l〜1.4モル/l、Al
/Tiのモル比が1〜5の範囲になることが好ましい。
上述のように有機溶媒中に溶解されたチーグラー・ナッ
タ系触媒はエージングされた後、液晶物質中に溶解また
は分散される。液晶物質中での触媒の濃度は、物質によ
ってそれぞれ異なるが、例えば、トリエチルアルミニウ
ム−テトラ・ブトキサイド・チタミウムを使用する場合
は、テトラ・ブトキサイド・チタニウムの濃度が0.0
5〜1.0モル/l、Al/Tiのモル比が1〜5の範
囲にあることが好ましい。
ここで言う有機溶媒とは、チーグラー・ナッタ触媒を均
一に溶解するものであり、飽和炭化水素、芳香族炭化水
素からなり、好ましくは、その沸点が150〜300℃
の範囲にある化合物である。このような溶媒の具体例と
しては、流動パラフィン、ヘキサデカン、デカリン、デ
カン、テソラデカン、テトラリン、インデン、アイソフ
ァーM(飽和脂肪族炭化水素、エクソンケミカル社
製)、シクロヘキシルベンゼン、1,1-フェニルエタン、
ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ジペンテ
ン、1,2-ジメチルナフタレン、3,3′−ジメチルビフェ
ニル、ジメトオキシベンゼンなどであり、これらは通常
単独で用いられるが、もちろん2種以上混合して用いる
こともできる。
重合時には、液晶溶液または液晶分散体を配向させるこ
とが必要であるが、配向手段としては、種々の方法が挙
げられる。液晶溶液を塗布する固体表面を一方方向にラ
ッビング処理する方法、固体表面上に斜方蒸着を施す方
法、液晶の流動配向性を利用する方法、延伸した高分子
表面を利用する方法、剪断応力を加える方法、磁界を固
体表面に平行に印加する方法などがあるが、いずれの方
法でも高配向性のポリアセチレンが合成される。上記の
配向方法はいずれも液晶物質を固体表面に平行に配向さ
せる、すなわちホモジニアス(homogeneous)配向を施
す方法であるが、固体表面に液晶物質を垂直いん配向さ
せる、すなわち、ホメオトロピック(homeotropic)配
向も本発明において有効である。ホメオトロピック(ho
meotropic)な配向を施す手段としては、磁界を固体表
面に垂直に印加する方法、シランカップリング剤、クロ
ム酸錯体などのカップリング剤を固体表面に塗布する方
法が挙げられる。
本発明の導電性ポリアセチレンフィルムの製造手順とし
ては、まず、液晶溶媒にチーグラー・ナッタ触媒を溶解
または分散する。これを加熱・冷却処理を数回くり返し
て施すことにより熟成し、該触媒溶液を予め表面配向処
理を行った重合反応容器の内壁あるいは固体表面(例え
ばガラス、高分子フィルム、金属、織物の表面)に塗布
することによって触媒溶液の液膜を形成した後、アセチ
レンガスを導入する。また、熟成時の溶媒として、有機
溶媒を用いる場合においても、同様に熟成した後、液晶
溶媒に溶解または分散すればよい。
ただし、配向方法として流動配向法、磁界印加による方
法を採用する場合には固定表面上に予め配向処理を行う
必要はない。
このようにして、重合反応容器の内壁、あるいは固体表
面上に配向したポリアセチレンフィルムを得ることがで
きる。
上記重合反応の際の温度は特に限定されないが、−78
℃〜50℃の温度範囲が高導電性を得るには好ましい。
また、導入するアセチレンモノマについては、高導電性
ポリアセチレンを得るために、超高純度アセチレンガス
(99.9999Vol%以上、高圧ガス工業(株))を用い、こ
れを30%トリエチルアルミニウム流動パラフィン溶液
に通気して、不純物である酸素、水分などを極力除去し
精製することが好ましい。導入するアセチレンの圧力に
ついては100〜1140mmHgの範囲が好ましいが、こ
れ以外でも重合は進行する。
重合時間については、目的とするポリアセチレンフィル
ムの膜厚、触媒濃度あるいはアセチレンモノマーの圧力
などにより異なるため、特に限定されないが通常2〜2
4時間である。
上記の方法により1ミクロンメーター(μm)以上の厚
みの一軸配向性したポリアセチレンフィルムが得られる
か、より配向性を向上させるため、このフィルムを重合
後延伸することも可能である。
[実施例] 実施例1 アルゴン雰囲気下で内容積600mlのガラス製反応容器
に、ネマチック型液晶4-(トランス-4-n−プロピルシク
ロヘキシル)−エトオキシベンゼン(C3・C610
C6・OC2、13.4gと、4−(トランス−4
−n−プロピルシクロヘキシル)−ブトオキシベンゼン
(C3・C610・C6・OC4)を15.0g取
り、50℃で加熱溶融して混合する。これに攪拌しなが
らトリエチルアルミニウム(C2Al、0.6ml
とテトラブトオキシチタニウム(C40)Ti,
0.5mlを加える。室温にて30分間放置した後、該触
媒溶液を真空ポンプで吸引排気しながら、オイルバスで
160℃まで徐々に加熱する。約160℃で1時間加熱
熟成(エージング)したのち、これを室温まで冷却し、
再度、200℃まで昇温加熱して1時間エージングを行
った。この触媒溶液を室温まで冷却して重合用触媒溶液
とした。反応器を回転させながら該触媒溶液を器壁に塗
布し、流動配向させたのち、これに30wt%トリエチル
アルミニウム−流動パラフィン溶液に通気してあらかじ
め精製したあるアセチレンモノマーを圧力760mmHgで
供給し、室温にて2時間重合を行った。重合開始後、徐
々に触媒溶液表面および容器内壁で重合が起り黒褐色〜
赤褐色状の金属光沢のあるポリアセチレンフィルムが生
成した。
重合終了後、アルゴンガスに切替、器内をArガス雰囲
気にした。アルゴンガス雰囲気下で触媒溶液を除いた
後、あらかじめアルゴンで脱気してある500mlのトル
エンを用いて数回洗浄をくり返した。次いで10%HC
lメタノール溶液500mlで数回洗浄後、更にメタノー
ルでフィルムの洗浄液のPHがほぼ中性になるまで洗浄
をくり返した後、アルゴン中室温にて乾燥した。得られ
たポリアセチレンフィルムは厚さ3〜5μmの銀色金属
光沢のフィルムであった。また、このフィルムを偏光板
を介して透視したところ著しい偏光性を示す明暗が認め
られ該フィルムが配向していることが判った。さらにこ
のフィルムは室温、空気中にて約1.1倍程度延伸可能
であった。また、この1.1倍に延伸したフィルムの電
導度を四端法、室温、ヨウ素雰囲気中にて測定したとこ
ろ、電導度は7.9×10S/cmであり、従来の方法
と比べ約1桁以上高い導電性ポリアセチレンフィルムで
あることが判った。フィルム厚みおよびヨウ素ドーピン
グ後の電導度の測定結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1の液晶、4-(トランス-4-n−プロピルシクロヘ
キシル)−エトオキシベンゼンと4-(トランス-4-n−プ
ロピルシクロヘキシル)−ブトオキシベンゼンの混合液
の代わりに、4′−メトオキシベンジリデン-4-n−ブチ
ルアニリン、CH3O・C6H4・CH=N・C6H4・C4
30.0gをもちいた。触媒塗布用基材(配向膜)とし
て、ポリプロピレン製ミクロポーラスフィルム(ポリプ
ラスチックス(株)、商品名ジュラガード)110×2
20mm×20μmを用いた以外は、実施例1と全く同様
の方法で重合および洗浄を行なった。基材のポリプロピ
レン製配向膜から剥離して得られたポリアセチレンフィ
ルムは、厚み2〜4μmで銀色金属光沢があり、また、
ヨウ素によるドーピング後の電導度は、3.4×10
S/cmであった。
さらに偏光板による配向試験の結果においても、著しく
配向したフィルムであった。このように液晶として4′
−メトオキシベンジリテン-4-n−ブチルアニリンを用い
ること、また、液晶を配向させるための配向膜を基材と
して用いることにより、より配向した、かつ導電性の高
いフリースタンディングなポリアセチレンフィルムを得
ることができた。
実施例3 アルゴン雰囲気下で反応容器に流動パラフィン1.5ml
をとり、これを攪拌しながら触媒のトリエチルアルミニ
ウム,0.6mlとテトラブトオキサイドチタニウム,
0.5mlを加え、液晶なしで触媒のエージングを実施例
1と同じ温度にて2回行なった。エージング終了後、5
0℃に降温し、実施例1で用いた液晶の4-(トランス-4
-n−プロピルシクロヘキシル)−エトオキシベンゼン,
13.4gと4-(トランス-4-n−プロピルシクロヘキシ
ル)−ブトオキシベンゼン,15.0gを加えて、触媒
溶液を調整した。該触媒溶液を実施例1と同じ方法にて
管壁に塗布し、これにアセチレンモノマを通気して室温
にて5時間重合を行なった。重合終了後、実施例1と同
様の方法にてフィルムの洗浄および乾燥を行ない厚み2
〜5μmの銀色金属光沢したポリアセチレンフィルムを
得た。また、このフィルムのヨウ素ドーピング後の電導
度は8.0×10S/cmと非常に導電性の高いポリアセ
チレンフィルムであった。このように、触媒を少量の有
機溶媒中で予め高温エージングしたのちに、液晶を加え
て重合すると、導電性の高いポリアセチレンフィルムが
得られることが判った。
実施例4 実施例3と全く同じ方法にて、触媒をあらかじめエージ
ングしたのち、実施例3の液晶4-(トランス-4-n−プロ
ピルシクロヘキシル)−エトオキシベンゼンと4-(トラ
ンス-4-n−プロピルシクロヘキシル)−ブトオキシベン
ゼンの混合物の代わりに、4′−メトオキシベンジリデ
ン-4-n−ブチルアニリン30gを用い、また、触媒塗布
用基材とてポリプロピレン製ミクロポーラスフィルムを
用いて、それ以外は実施例3と全く同様にして重合およ
び洗浄を行なった。基材から剥離して得られたポリアセ
チレンフィルムは厚み2〜4μmであった。
このフィルムのヨウ素ドーピング後の電導度は6.3×
10S/cmであり、非常に高い導電性を示した。このよ
うに、あらかじめ少量の有機溶媒中で高温エージングし
た後に液晶を加えて、重合する方法は、高導電性ポリア
セチレンフィルムを得る上で非常に有効であることが判
った。
比較例1 実施例1の高温エージングを行なわず、それ以外は実施
例1と全く同様にして重合およびフィルム洗浄、乾燥を
行なった。得られたフィルムの厚みは5〜7μmで、こ
のフィルムのヨウ素ドーピング後の電導度は5〜10
S/cmであり、高温で2回繰返しエージングした。実施例
1によるものと比べ、約1桁以上低いものであった。
[発明の効果] 本発明は、導電性を有するポリアセチレンを製造する方
法において、チーグラー・ナッタ系触媒を、加熱、冷却
処理を数回くり返することによって、熟成した後に、該
触媒をネマチック液晶中で重合触媒として用いて、ポリ
アセチレンを製造するため、従来の方法と比べて高い導
電性を示し、かつフリースタンディングなフィルムを得
ることができる。
これらの重合体は半導体として、光センサー、ガスセン
サー材料、蓄電池電極材料、また導電体として電線、発
熱体、抵抗素子、電磁遮蔽板、制電材料、軽量導電材料
として利用される可能性が大きく、将来の有望な工業材
料となることが期待される。
本発明において提案される導電性ポリアセチレンは基板
上に直接フィルム状に生成し、しかも基質との密着性に
優れているため、絶縁性の基板の表面に導電性を付与す
る材料として好適に用いられる。また、本発明は基材に
触媒を塗布して合成するため、繊維及び複雑な形態を有
する基材などにも容易な均質な導電性ポリアセチレンを
生成させることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶溶媒中でチーグラー・ナッタ系触媒を
    用いてアセチレンを重合する方法において、液晶溶媒中
    でチーグラー・ナッタ系触媒を加熱および冷却する処理
    を、少なくとも1回施すことにより熟成した後、これに
    アセチレンモノマーを導入してアセチレンを重合するこ
    とを特徴とする導電性ポリアセチレンの製造方法。
  2. 【請求項2】液晶溶媒中で、チーグラー・ナッタ系触媒
    を用いてアセチレンを重合する方法において、該チーグ
    ラー・ナッタ系触媒を有機溶媒中で加熱および冷却する
    処理を、少なくとも1回施すことにより熟成した後、熟
    成された触媒を、液晶溶媒中に溶解または分散させてア
    セチレンを重合することを特徴とする導電性ポリアセチ
    レンの製造方法。
JP63094504A 1988-02-09 1988-04-19 導電性ポリアセチレンの製造方法 Expired - Lifetime JPH064687B2 (ja)

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