JPH0224848Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業の利用分野） 本考案はひとつの壁面に別の壁の一側辺を接合
固定する場合の接合構造に関するものであり、主
として家屋にサンルーム等の別室を増設する際の
接合構造に関するものである。

（従来技術） 通常、家屋は年数を経るに従つて傾きや捩れを
生じ、その家屋にサンルーム等の別室を増設する
場合に接合箇所に隙間が生じることは不可避であ
る。従来その隙間を埋めるため、隙間の形状に加
工した木材を嵌め込んだり、大量のコーキング材
を用いる方法が採用されている。

ところが発生する隙間は千差万別であり、隙間
に木材を嵌め込む場合にはその木材を隙間と同一
形状に加工するのに熟練と手間を要する不具合が
ある。又コーキング材で隙間を埋める場合には、
少し隙間が大きくなれば大量のコーキング材が必
要となるばかりでなく、強度不足となる不具合が
ある。

（考案の目的） 本考案は上記不具合に鑑み、ひとつの壁面に別
の壁の一側辺を接合固定する場合に生じる接合箇
所の隙間を埋めるに際し、作業が容易で熟練と手
間が不要であり、施工所要時間が短くて済むばか
りでなく、充分な強度を有する２壁間の接合構造
を提供することを目的としている。

（考案の構成） 本考案は第１の壁の面に、それと略直角方向の
第２の壁の一側辺を固定する２壁間の接合構造に
おいて、上記第１の壁の面に断面略方形で上記第
２の壁の一側辺に沿う姿勢の角材を固定し、第２
の壁の一側辺に断面略コ字形の覆材を固定し、上
記角材に上記覆材をパツキンを介して嵌合しかつ
固定し、上記角材の両側面に第１の壁の面に近接
しかつ平行なフインを設け、第１の壁の面と室外
側フインの間にコーキング材を充填したことを特
徴とする２壁間の接合構造である。

（実施例） 次に図面に基づいて本考案を説明する。第１図
において、母屋１にサンルーム２が併設されてお
り、サンルーム２のフレーム３によつて多数枚の
ガラス板４が支持されることにより上壁５（屋
根）、前壁６、側壁７，８が形成されている。

母屋１の壁１ａにサンルーム２の側壁７を固定
する場合の接合構造を第２図に示す。第２図にお
いて、壁１ａの外側面９には垂直方向かつ断面長
方形の角材１０（寸法調整枠）がビス止め等によ
り固定されており、角材１０には室外側及び室内
側にそれぞれ突出するフイン１２，１３が一体に
形成され、室外側フイン１２と外側面９間にはコ
ーキング材１４が充填されている。一方側壁７の
壁１ａ側の側辺１５には、垂直方向かつ断面略コ
字形の覆材１６が溝部１７を壁１ａ側に向けて開
く姿勢で固着されており、溝部１７は角材１０に
嵌合している。溝部１７の先端両側部分（壁１ａ
側部分）には垂直方向に長いパツキン１８の基部
が固定されており、両パツキン１８，１８の先端
部は角材１０に弾性的に圧接して角材１０と溝部
１７間をシールしている。覆材１６の室外側部分
１９と室内側部分２０はそれぞれ断面が中空の長
方形となるように形成されており、室外側部分１
９及び室内側部分２０のうち溝部１７を形成する
平板部分が、垂直方向に多数配置されているタツ
ピンねじ２１，２２（各１個ずつ図示）によつて
角材１０に対しわずかな間隔を隔てて固定されて
いる。又室外側部分１９の室外側面は側壁７の竪
枠７ａの室外側面及びフイン１２の先端面と同一
平面上に配置され、室内側部分２０の室内側面は
竪枠７ａの室内側面及びフイン１３の先端面と同
一平面上に配置されており、タツピンねじ２１，
２２の螺着作業用に形成された孔にはそれぞれゴ
ム状樹脂製のめくら蓋２３，２４が嵌め込まれて
いる。なお２５はコーキング材、２６はガラス４
を支持するためのゴムパツキンである。又上述の
フレーム３（第１図）、角材１０、覆材１６はい
ずれもアルミニウムの押出成形品である。

第１図の壁１ａにサンルーム２の上壁５を固定
する場合の接合構造を第３図に示す。第３図にお
いて、壁１ａの外側面９には水平方向かつ断面長
方形の角材３０（寸法調整枠）がビス止め等によ
り固定されている。この場合の角材３０は中空で
しかも一辺が省略されており、断面コ字形の部材
である。角材３０には室外側及び室内側にそれぞ
れ突出するフイン３２，３３が一体に形成され、
室外側フイン３２と外側面９間にはコーキング材
３４が充填されている。一方上壁５の壁１ａ側の
上枠３５において、上枠３５の上板部分３５ａと
下板部分３５ｂとの間には断面略コ字形の覆材３
６の水平部分３７，３８が嵌合し、上枠３５に形
成された当接部分３９に覆材３６の底板４０が当
接し鎖線４１の箇所でビス止めされている。覆材
３６の溝部４２は角材３０に嵌合しており、溝部
４２の先端両側部分（壁１ａ側部分）には第３図
の紙面と直角方向に長いパツキン４３の基部が固
定されており、両パツキン４３，４３の先端部は
角材３０に弾性的に圧接して角材３０と溝部４２
間をシールしている。覆材３６の室外側部分４４
と室内側部分４５はそれぞれ断面が中空の長方形
となるように形成されており、室外側部分４４及
び室内側部分４５のうち溝部４２を形成する平板
部分が、鎖線４６の箇所でタツピンねじ（図示せ
ず）により角材３０に対しわずかな間隔を隔てて
固定されている。室外側部分４４の室外側面及び
室内側部分４５の室内側面にはそれぞれタツピン
ねじの螺着作業用の孔（図示せず）が設けられ、
めくら蓋４７，４８が嵌め込まれている。上枠３
５の上板部分３５ａと壁１ａとの間には水切り板
４９が載置され、鎖線５０，５１の箇所でそれぞ
れビス止めされている。なお、５２はコーキング
材、５３はガラス４を支持するためのゴムパツキ
ン、５４はタツピン溝である。又角材３０、上枠
３５、覆材３６、水切り板４９はいずれもアルミ
ニウムの押出成形品である。

次に接合手順の一例を説明する。まず第２図に
示すように、母屋１の壁１ａに側壁７を接合固定
する場合（第１図の側壁８についても同様）に
は、外側面９に角材１０を垂直な姿勢でビス止め
し、コーキング材１４を外側面９とフイン１２間
に充填する。次いで側壁７に固定された覆材１６
の溝部１７を角材１０に嵌合した後、側壁７の竪
枠７ａの垂直を出す。外側面９は通常正確な垂直
面でなく傾きが生じているが、その傾きは角材１
０と覆材１６との嵌合具合の浅深の調整（矢印
X₁方向）の摺動）によつて吸収され、壁１ａと
側壁７間に隙間が生じることはない。母屋１に対
して側壁７の位置が決定したところで、めくら蓋
２３，２４を除去しドリル等を用いて角材１１０
に孔を形成し、タツピンねじ２１，２２を螺合し
て角材１０と覆材１６とを固定する。

第３図に示す上壁５の接合手順もほぼ同様であ
り、主屋１に固定された角材３０に上壁５に固定
された覆材３６を嵌合し、上壁５を所定位置に配
置したところで、鎖線４６の箇所でタツピンねじ
により角材３０と覆材３６とを固定する。水切り
板４９はその後、上板部分３５ａと外側面９とに
ビス止めされる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によると、第１の壁
（例えば壁１ａ）の面９に、それと略直角方向の
第２の壁（例えば上壁５、側壁７，８）の一側辺
１５（当接部分３９）を固定する２壁間の接合構
造において、上記第１の壁の面に断面略方形の角
材１０，３０を設け、上記第２の壁の側辺に断面
略コ字形の覆材１６，３６を設け、上記角材１
０，３０に上記覆材１６，３６を嵌合したので、
ひとつの壁面に別の壁の一側辺を接合固定する場
合に生じる接合箇所の隙間を埋めるに際し、角材
１０，３０と覆材１６，３６間の嵌合の浅深を調
整するだけでよくなり、作業が容易で熟練を要さ
ず、施工時間が短くて済む利点がある。更に本考
案においては角材１０の両側面に第１の壁１ａに
近接しかつ第１の壁１ａの面と平行なフイン１
２，１３を設け、第１の壁１ａの面と室外側フイ
ン１２の間にコーキング材１４を充填したので、
第１の壁１ａと角材１０の間のシール性が確保で
きると共に、コーキング材１４の量を最少かつ各
部分で均一に保持することができ、しかも第１の
壁１ａに対する角材１０の取付け姿勢をフイン１
２，１３により予め知ることができ、取付けミス
が減る。又フイン１２，１３により角材１０の壁
１ａに対する取付け部分の強度が増し、構造全体
の強度が向上する。更に角材１０と覆材１６の間
にはパツキン４３が介装されているので、両者の
間の嵌合の浅深を調整しても両者間のシール性を
常時確保できる利点がある。

なお本考案を実施するにあたり、第２図の構造
に代えて、第４図の構造を採用することができ
る。第４図において第２図に相当する箇所には同
一符号を付した。ただし角材１０は中空かつ一片
が省略された断面略コ字形の部材である。又本考
案の実施に際し、フレーム３や角材１０，３０等
はアルミニウム製に限られることはなく、鉄板や
木を用いることもできる。又本考案による接合構
造はサンルーム２の母屋１への接続に採用される
だけでなく、母屋に別室を併設する際に主として
有効な構造であり、例えば物置き室やカーポート
等を増設する場合にも利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による接合構造の採用される一
例の斜視略図、第２図、第３図はそれぞれ第１図
の−断面図及び−断面図、第４図は別の
実施例の第２図に相当する図である。 １ａ……壁（第１の壁の一例）、５，７，８…
…壁（第２の壁の例）、１０，３０……角材、１
５……一側辺、１６，３６……覆材、３９……当
接部分（一側辺の一例）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１の壁の面に、それと略直角方向の第２の壁
   の一側辺を固定する２壁間の接合構造において、
   上記第１の壁の面に断面略方形で上記第２の壁の
   一側辺に沿う姿勢の角材を固定し、第２の壁の一
   側辺に断面略コ字形の覆材を固定し、上記角材に
   上記覆材をパツキンを介して嵌合しかつ固定し、
   上記角材の両側面に第１の壁の面に近接しかつ平
   行なフインを設け、第１の壁の面と室外側フイン
   の間にコーキング材を充填したことを特徴とする
   ２壁間の接合構造。