JPH0224752Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は収納容器に関する。

従来、種々の収納容器が知られているが、飲食
物や衣類等をコンパクトに収納し、出し入れが容
易で、使用時と不使用時に最適の容積に変化させ
うるか否かの点では、いまだ不十分であつた。

本考案はこの点に鑑みて考案されたものであつ
て、果物等の飲食物、あるいはタオルやシヤツ等
の衣類をコンパクトにかつ整然と収納出来、前
方・上方・左右の何れの方向からでも内部を見る
ことができ、収納物品が一目瞭然で捜し易くなる
と共に、奥部に収納したものでも簡単に取り出す
ことが可能であり、使用状態では安定姿勢に積上
げ出来、しかも、積上げを容易かつ迅速に行い得
る収納容器の提供を目的とする。

以下、図示の実施例に基づき本考案を説明す
る。

第１図に於て、収納容器として果物や菓子類や
調味料等の飲食物を収納して使用している状態で
あり、１…は奥行寸法の異なる複数の容器単体で
あつてプラスチツクにて一体成型され、該容器単
体１は、底壁２と左右側壁３，３と後壁４とを有
し、前壁を省略して、前方及び上方が開口状とさ
れ、かつ階段状に上下複数段に積上げ可能であ
る。図例では下段から上段にいくにしたがつて奥
行寸法が小さくなるように、上段・中段・下段の
３段に積上げられ、第２図に下段の容器単体１
を、第３図に中段の容器単体１を示す。

第４図の底面図と第５図の拡大図、及び第１図
と第２図と第３図に示す如く、各容器単体１の底
壁２の左右前方位置に係止突片５，５が垂設され
ている。具体的には、左右側壁３，３は下方に縮
小するように傾斜しており、その側壁３，３の前
端縁には左右外方に突出状の外鍔部６，６が連設
されている。この外鍔部６の外端縁６ａは鉛直状
であり、従つて、側壁３からの突出長さは、下方
にゆくにつれて増加しており、このような外鍔部
６の下端に、前記係止突片５が垂設される。

この係止突片５は、底壁２の前方左右角部から
さらに側外方に位置して配設され、第１図のよう
に、夫々の容器単体１…の後壁４…を揃えて、該
後壁４…にて鉛直面を形成するように積上げたと
き、下方の容器単体１の左右側壁３，３の上端縁
３ａ，３ａの所定中途部に位置する。この上端縁
３ａの前端、即ち外鍔部６の上端には、切欠状の
係合雌部７が設けられると共に、さらに下段の容
器単体１の上端縁３ａ，３ａ中途部には、第２図
の如く夫々２個の係合雌部７，７が対称位置に設
けられている。また、中段の容器単体１の上端縁
３ａ，３ａ中途部には、第３図の如く係合雌部
７，７が対称に設けられている。なお、上段の容
器単体１には第１図の如く上端縁３ａの前端にの
み係合雌部７が設けられている。

そして中段の容器単体１の係止突片５，５を下
段の容器単体１の中間係合雌部７ａに上方から係
合させると共に、さらに上段の容器単体１の係止
突片５，５を中段の容器単体１の後方係合雌部７
ｂに上方から係合させて、３段に容器単体１…が
積上げられる。また、前方係合雌部７ｃは、第９
図の如く同一形状寸法の容器単体１，１を積上げ
る場合に係止突片５，５が係合される。なお、下
段の容器単体１の後方係合雌部７ｂは上段の容器
単体１の係止突片５，５が係合可能な位置に設け
られ、中段の容器単体１を除いて上下２段の収納
容器とするも好ましい（図示省略）。第５図と第
６図に於て、矢印Ａがその係合方向を示す。なお
第９図は衣類の収納状態を例示する。

ところで、第４図に中段の容器単体１を一部断
面で示し、かつ第５図と第６図に示す如く、係止
突片５は、後壁４に略平行な係止雄片部５ａと側
壁３に略平行な当接片部５ｂとからなる略断面Ｌ
字型とされ、該係止雄片部５ａが、係合雌部７に
係止すると共に、該当接片部５ｂが側壁３の上端
縁３ａの内面に当接し、もつて前後左右方向の位
置ずれを防止するようになつている。

なお第４図では各壁２，３，３の貫孔模様を省
略して示すが、種々形状の貫孔模様を付設するも
好ましい。

また、底壁２の裏面にはリブ８…が突設される
が、その前後方向のリブ８の後端部を一部下方に
突隆して係止突片９とし、第７図に示すように、
この係止突片９を、下方の単体１の後壁４の上端
縁４ａに係止させ、上方の単体１が後方へ移動し
ないように規制しつつ、上方の単体１を支持す
る。なお、上段及び下段の容器単体１，１にも同
一形状の係止突片５，９が突設される。

しかして、容器単体１…を最も容易かつ迅速に
積上げるには、次の方法で行うのがよい。即ち、
上方の容器単体１の係止突片５，５を、下方の単
体１の左右側壁３，３の上端縁３ａ，３ａ上面に
載せると共に、該容器単体１の後端側を若干浮き
上がらせた状態に保持しつつ、上方の単体１を前
後方向にスライドさせれば、該係止突片５の係止
雄片部５ａが先ず係合雌部７と嵌合するので、そ
こで単体１を水平状とすることにより係止突片９
…もほとんど同時に後壁４の上端縁４ａに係止す
る。

また、第１図のように階段状に上下複数段に積
上げられた容器単体１…の内の最下段のものは、
その係止突片５，５及び係止突片９，９，９が直
接に床面等に接して載置される。

しかして、第８図に示す如く、収納容器として
使用しないとき、即ち不使用状態では、上方の容
器単体１の外鍔部６が、下方の容器単体１の底壁
２の前端縁２ａよりも前方位置となるように、上
方にゆくにしたがつて前方となるように重合させ
るものである。

即ち、前記係止突片５，５は、容器単体１の底
壁２よりも左右に突出した位置にあつて、重合す
るうえで邪魔となるのを、第８図に示す如く、順
次前方へずらすことによつて、単体１…を重合し
てコンパクトにすることを可能としている。

なお、左右側壁３，３の上端縁３ａ，３ａの前
方係合雌部７ｃ，７ｃを省略するも自由である。

本考案は以上詳述したように、奥行寸法の異な
る複数の容器単体１…を、階段状に上下複数段に
積上げ可能とし、容器単体１…は、夫々前方及び
上方が開口状として底壁２と左右側壁３，３と後
壁４とを有し、かつ該左右側壁３，３を下方に縮
小するように傾斜させた構成より、果物や菓子類
や調味料等の飲食物、タオルやシヤツやくつした
等の衣類、本や書類等をも階段状に上下複数段に
整然と収納出来、また下方の単体１の左右側壁
３，３の上端縁３ａ，３ａと底壁２との間にも間
〓部が形成されるので、前方・上方・左右方向か
ら内部を見ることができ、従つて、収納物品が一
目瞭然で捜し易くなる。さらに、前方及び上方か
ら容易に物品の出し入れが可能であつて取出した
い物品の識別も迅速に出来、上に積上げた容器単
体１が邪魔にならず、奥部に収納したものでも簡
単に取り出すことが可能となる。かつ、所望の段
数に容易に変更出来ると共に、収納物品の形状・
数量等に対応して奥行寸法の異なる容器単体１…
を適宜、組替え可能で便利である。

底壁２の左右前方向位置に、後壁４に略平行な
係止雄片部５ａと側壁３に略平行な当接片部５ｂ
とからなる略断面Ｌ字型の係止突片５，５を垂設
すると共に、該底壁２の裏面に前後方向のリブ８
…を突設し、かつ該リブ８…の後端部に下方突出
状に係止突片９…を形成し、上記左右側壁３，３
の上端縁３ａ，３ａの中途部には、最上段に積上
げられる容器単体１を除き後壁４と平行方向に切
欠いて係合雌部７，７を形成し、上方にいくに従
つて奥行寸法が小さくなるように容器単体１…を
積上げた使用状態では、上方の容器単体１の上記
係止突片５，５の係止雄片部５ａ，５ａが下方の
容器単体１の係合雌部７，７に係止して前後方向
の位置ずれを防止すると共に、上記係止突片５，
５の当接片部５ｂ，５ｂが側壁３，３の上端縁３
ａ，３ａ内面に当接して左右方向の位置ずれを防
止し、かつ上記係止突片９…が下方の容器単体１
の後壁４の上端縁４ａ内面に当接して上方の容器
単体１の後方への移動を規制するように構成した
ことにより、容器単体１の上に他の容器単体１を
極めて容易かつ迅速に積上げることが可能であ
る。係合雌部７…は単に後壁４と平行方向に切欠
いただけの形状であり、係止突片９は前後方向の
リブ８…に単に突出部を形成しただけであるか
ら、本願考案における上下の容器単体１…相互の
左右前後方向の位置ずれ防止機構は極めて簡易な
ものである。

また、階段状に積上げた状態では、積上げられ
た容器単体１…は上方に行くにしたがつて奥行寸
法が小さく、即ち上方の容器単体１に比べて下方
の容器単体１の方が収納量が大であるから、重心
が低く、衝撃が加わつても転倒し難い安定度の極
めて大きな収納容器となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は下段の容器単体の斜視図、第３図は中段の容
器単体の斜視図、第４図は底面図、第５図は一部
破断で示す要部拡大正面図、第６図は要部拡大斜
視図、第７図は要部拡大側面断面図、第８図は不
使用状態の側面図、第９図は他の使用状態の斜視
図である。 １……容器単体、２……底壁、３……側壁、３
ａ，４ａ……上端縁、４……後壁、５……係止突
片、５ａ……係止雄片部、５ｂ……当接片部、７
……係合雌部、８……リブ、９……係止突片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 階段状に上下複数段に積上げ可能とした奥行寸
   法の異なる複数の容器単体１…から成り、 該容器単体１…は、夫々前方及び上方が開口状
   として底壁２と左右側壁３，３と後壁４とを有
   し、かつ該左右側壁３，３を下方に縮小するよう
   に傾斜させ、さらに、該底壁２の左右前方向位置
   に、後壁４に略平行な係止雄片部５ａと側壁３に
   略平行な当接片部５ｂとからなる略断面Ｌ字型の
   係止突片５，５を垂設すると共に、該底壁２の裏
   面に前後方向のリブ８…を突設し、かつ該リブ８
   …の後端部に下方突出状に係止突片９…を形成
   し、上記左右側壁３，３の上端縁３ａ，３ａの中
   途部には、最上段に積上げられる容器単体１を除
   き後壁４と平行方向に切欠いて係合雌部７，７を
   形成し、上方に行くに従つて奥行寸法が小さくな
   るように容器単体１…を積上げた使用状態では、
   上方の容器単体１の上記係止突片５，５の係止雄
   片部５ａ，５ａが下方の容器単体１の係合雌部
   ７，７に係止して前後方向の位置ずれを防止する
   と共に、上記係止突片５，５の当接片部５ｂ，５
   ｂが側壁３，３の上端縁３ａ，３ａ内面に当接し
   て左右方向の位置ずれを防止し、かつ上記係止突
   片９…が下方の容器単体１の後壁４の上端縁４ａ
   内面に当接して上方の容器単体１の後方への移動
   を規制するように構成されたことを特徴とする収
   納容器。