JPH02238011A - 耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法

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JPH02238011A
JPH02238011A JP5630889A JP5630889A JPH02238011A JP H02238011 A JPH02238011 A JP H02238011A JP 5630889 A JP5630889 A JP 5630889A JP 5630889 A JP5630889 A JP 5630889A JP H02238011 A JPH02238011 A JP H02238011A
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vinyl bond
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隆 川田
Takami Hirao
平尾 孝見
Fumio Tsutsumi
堤 文雄
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法に関
し、さらに詳細には特定のブタジエン系(共)重合体の
存在下に芳香族ビニル化合物をグラフト重合し、優れた
耐衝撃性、良好な光沢および優れた着色が要求される種
々の成形品、例えば電気製品、家具、建材の成形材料と
して利用される耐it性芳香族ビニル系樹脂を製造する
方法に関する。
〔従来の技術〕
耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂は、耐衝撃性のほかに成形
性、その他の物性に優れているため、耐衝撃性の要求さ
れる成形品の成形材料として汎用されているが、その用
途の拡大および該耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂から得ら
れる製品の品質向上を図るうえから、優れた耐衝撃性、
良好な光沢および優れた着色性を有することが望まれて
いる.一般に、耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の光沢を改
良するには、原料ゴム(ポリブタジェン)として溶液粘
度の低いものを、またポリプタジェン部分のビニル結合
金量が高いものを用いる必要がある。
しかしながら、溶液粘度の低い原料ゴム、あるいはビニ
ル結合金量の高いポリブタジエンを用いると、得られる
耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の耐衝撃性が低下するとい
う問題が生じる。
このように、耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂において、光
沢および着色性と耐衝撃性とは相反する特性であり、耐
衝撃性を低下させることなく、良好な光沢を有する耐衝
撃性芳香族ビニル系樹脂を得ることは困難であった。
前記問題点を解決するために、リチウム系触媒により得
られる比較的分子量の高いポリブタジエンを原料ゴムと
して用いる方法が提案されている(特開昭61−143
414号公報)。
しかしながら、この方法でも、耐衝撃性のレベルが未だ
充分とはいえない。
〔発明が解決しようとする課題] 本発明は、前記従来技術の課題を背景になされたもので
、特定のミクロ構造と特定の溶液粘度を有するブタジエ
ン系(共)重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物をグ
ラフト重合し、かつ得られる樹脂中の分散ゴム粒子を特
定の粒子径範囲に、また固有粘度を一定値以上に調節す
ることにより、耐衝撃性と光沢および着色性とを高度に
ハランスさせた耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段] 本発明は、ブタジエン系(共)重合体の存在下に芳香族
ビニル化合物をグラフト重合するに際し、該ブタジエン
系(共)重合体が (a)25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度(以
下「スチレン溶液粘度」という)が550〜2,000
センチボイズであり、全ビニル結合金量が20モル%を
超え、70モル%以下であるか(以下「ブタジエン系(
共)重合体(a)」という)、または (b)スチレン溶液粘度が200〜2,000センチポ
イズであり、全ビニル結合金量が20モル%以下であり
、しかもビニル結合金量が15モル%以下の部分(以下
「低ビニル部分」ということがある)が30〜95重量
%で、ビニル結合金量が25〜75モル%の部分(以下
「高ビニル部分」ということがある)が70〜5重量%
を含む混合物もしくはブロックタイプであり(以下「ブ
タジエン系(共)重合体(b)」という)、かつ得られ
る樹脂中に分散した分散ゴム粒子の平均粒子径を0.4
〜2.5μmの範囲に、また樹脂の固有粘度を0.1c
U/g以上に調節する、ことを特徴とする耐衝撃性芳香
族ビニル系樹脂の製造方法を提供するものである。
本発明に使用されるブタジエン系(共)重合体としては
、ポリブタジエンゴム、ブタジエンーイソプレンゴムな
どが挙げられる。
このブタジエン系(共)重合体において、1,3−ブタ
ジエンと共重合されるイソプレンなどの他の単量体の金
量は、30重量%以下、好ましくは15重量%以下であ
る。
このブタジエン系(共)重合体のスチレン溶液粘度は、
ブタジエン系(共)重合体(a)の場合、550 〜2
,OOOcps,好ましくは600〜1,500cps
であり、またブタジエン系(共)重合体(b)の場合に
は、200 〜2,OOOcps、好ましくは600〜
L,500cpsであり、スチレン溶液粘度が低すぎる
場合には、芳香族ビニル系樹脂に分散したゴム粒子の粒
径と固有粘度を同時に達成することが困難で、得られる
樹脂の耐衝撃性が劣り、一方2,OOOcpsを超える
ものを得るには工業的に困難で、かつゴム粒子の粒径が
不揃いとなり光沢が低下する。
また、ブタジエン系(共)重合体のビニル結合金量は、
ブタジエン系(共)重合体(a)の場合、全ビニル結合
金量が20モル%を超え、70モル%以下あり、またブ
タジエン系(共)重合体(b)の場合には、全ビニル結
合金量が20モル%以下で、しかもビニル結合金量が1
5モル%以下の部分が30〜95重量%で、ビニル結合
金量が25〜75モル%の部分が70〜5重量%を含む
混合物もしくはブロックタイプであることが必要である
ブタジエン系(共)重合体(a)の場合、全ビニル結合
金量が20%以下では着色性に劣り、一方70モル%を
超えると着色性は良好となるものの低温での耐衝撃性が
低下し好ましくない。
ブタジエン系(共)重合体(a)の全ビニル結合金量は
、好ましくは25〜60モル%である。
一方、ブタジエン系(共)重合体(b)の場合には、全
ビニル結合金量は20モル%以下、好ましくは1−17
モル%、さらに好ましくは2〜16モル%であり、20
モル%を超える場合は、光沢は良好となるものの低温で
の衝撃性が低下し好ましくない。また、このブタジエン
系(共)重合体(b)は、ビニル結合金量が15モル%
以下の部分が30〜95重量%、好ましくは50〜90
重量%、さらに好ましくは70〜90重量%と、ビニル
結合金量が25〜75モル%の部分が70〜5重量%、
好ましくは50〜10重量%、さらに好ましくは30〜
10重量%のものを含むものであり、後者の部分が5重
景%未満では着色性に劣り、一方70重量%を超えると
低温での耐衝撃性が低下し好ましくない。ここで、「含
む」とは、ビニル結合金量の異なる2種のブタジエン系
(共)重合体のブレンド物であってもよいし、ビニル結
合金量の異なる2種以上ブロック体からなるフロック(
共)!1合体であってもよい。
なお、本発明のブタジエン系(共)重合体におけるトラ
ンス1.4結合金量は1〜70モル%、シス1.4結合
金量は22〜99モル%程度である。
また、ブタジエン系(共)重合体のムーニー粘度(ML
+−,、1 0 0“C、以下「ムーニ一粘度」と略記
する)は、好ましくは50〜200、さらに好ましくは
100〜180程度である。
本発明においては、前記の特定のブタジエン系(共)重
合体を使用することと同時に、得られる樹脂中に分散し
た分散ゴム粒子〔グラフト(共)重合体およびブタジエ
ン系(共)重合体の粒子〕?平均粒子径を0.4〜2.
5μm、好ましくは0.5〜2.0μmの範囲にする必
要がある。
この平均粒子径が0.4μm未満では、アイゾット衝撃
強度が劣り、一方2.5μmを超え■・る場合には、表
面光沢の劣ったものしか得られない。
また、本発明によって得られる樹脂の固有粘度は、0.
7dl/g以上、好ましくは0.7〜1.4di/gで
あり、0.7dl/g未満では耐衝撃性に劣り好まし《
ない。
前記のように、高い固有粘度の範囲で、かつ平均粒子径
を04〜2.5μmの特定範囲に調節するには、通常、
行われているようなグラフト重合時の攪拌の回転数の調
節だけでは困難であり、分子量調節剤の量を極めて少な
く、好ましくは芳香族ビニル化合物に対して300pp
m以下とし、かつ前記特定の溶液粘度のブタジエン系(
共)重合体を使用する必要がある。
本発明に使用される前記ブタジエン系(共)重合体は、
溶液重合によって得られる。特に、炭化水素溶媒中で、
公知のリチウム系あるいは二ツケル系触媒を開始剤とし
て、1.3−ブタジエンおよび必要に応じて前記他の単
量体とを溶液(共)重合するのが好ましい。
ここで、前記炭化水素溶媒としては、特に制限はないが
、重合条件下で液状である脂肪族、脂環族および芳香族
炭化水素を使用することができる。
好ましい炭化水素溶媒としては、例えばペンタン、n−
ヘキサン、n−へブタン、イソオクタン、n−テカン、
シクロヘキサン、メチルシクロベンクン、ベンゼン、ジ
エチルベンゼンなどが挙げられ、これらは1種のみなら
ず2種以上の混合物であってもよい。
なお、前記製造方法において、ミクロ構造調整剤として
、エーテルや第3級アミン化合物も添加することができ
る.このエーテルおよび第3級アミンの具体例としては
、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、トリエチルアミン、ピリジン
、N.N,N’ ,N’−テトラメチルエチレンジアミ
ンなどが挙げられる、 重合温度は、通常、室温〜200℃、好ましくは50〜
1 5 0 ’Cである。重合反応は、回分式でも、連
続式でもよい。
なお、炭化水素溶媒中の単量体濃度は、通常、5〜50
重量%、好ましくは10〜30重量%である。
本発明は、前記特定のブタジエン系(共)重合体を使用
し、これに芳香族ビニル化合物をグラフト重合するもの
である。
前記ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビ
ニルナフタレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレ
ンなどを挙げることができるが、好ましくはスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレンであり、さら
に好ましくはスチレンである。
前記ブタジエン系(共)重合体と芳香族ビニル化合物の
混合割合は、前者が3〜25重量%、好ましくは5〜1
5重量%、さらに好ましくは7〜13重量%、後者が9
7〜75重量%、好ましくは95〜85重量%、さらに
好ましくは93〜87重量%である。ブタジエン系(共
)重合体の使用量が3重量%未満では、得られる樹脂の
耐衝撃性が低下し、本発明の目的を達成し難く、一方2
5重量%を超えるとグラフト重合溶液の粘度が非常に高
くなるため、実際にグラフト重合が困難となり、また引
張強度などの機械的強度が低下する。
前記特定のブタジエン系(共)重合体に芳香族ビニル化
合物をグラフ}II!合する方法は、特に制限されるも
のではないが、例えばブタジェン系(共)重合体を溶解
した芳香族ビニル化合物溶液を塊状重合するか、塊状重
合一縣濁重合を組み合わせて、ラジカル重合する方法に
より実施することができる。
塊状重合によってブタジエン系(共)重合体と芳香族ビ
ニル化合物をラジカル重合する場合には、前記ブタジエ
ン系(共)重合体を芳香族ビニル化合物に溶解させ、次
いで必要に応じて分子量調節剤を添加する。
分子量調節剤としては、例えばα−メチルスチレンダイ
マー n−デシルメルカブタン、t−ドデシルメルカブ
タン、1−フェニルプテンー2フルオレン、ジペンテン
、クロロホルムなどのメルカブタン類、テルペン類、ハ
ロゲン化合物などが用いられる。
また、得られる樹脂の成形加工性を向上させるために、
一般的な滑剤が加えられる。その例としては、ステアリ
ン酸ブチル、フタル酸ブチルなどのエステル系滑剤、ミ
ネラルオイル、パラフィンワックスなどの従来の樹脂加
工において用いられる滑剤を使用することができる。
これらの分子量調節剤および滑剤を、前記の重合体溶液
に溶解したのち、開始剤として例えばペンゾイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、キュメンハイド
ロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド
、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、t−プチルパーオキシアセテート、ジ
ー1 −ブチルジパーオキシイソフタレート、2,5−
ジメチル−28 5−ジ(t−プチルパーオキシ)ヘキ
サンまたはアゾビスイソブチロニトリルなどを添加して
、不活性ガス雰囲気下で、反応温度60〜200℃で攪
拌しながら反応を完結させる。
また、無触媒で熱重合する場合には、通常、100〜2
00℃において加熱重合し、反応を完結させる。
前記塊状重合反応中においては、通常、芳香族ビニル化
合物の重合率が約30%になるまでの段階において効果
的に攪拌することが好ましく、特に本発明においては分
散ゴム粒子の平均粒子径が本発明の範囲内となるように
攪拌を調整する必要がある。一方、芳香族ビニル化合物
の重合率が約30%を超えて進んだのちは、攪拌を緩和
することが好ましい。
またこの際、重合系の粘度を低下させるために、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレンなどの炭化水素溶媒を加
えてもよい。
重合終了後、ベント式ルーグーまたはスチームストリッ
ピングなどによって、脱モノマー、脱溶媒することによ
り、モノマーおよび溶媒が回収される。
また、塊状重合一懸濁重合の組合せによってラジカル重
合する場合においては、まずモノマー(芳香族ビニル化
合物)の約10〜45重量%が重合体に転化するまで塊
状重合を行ったのち、反応溶液をポリビニルアルコール
、ポリメタクリル酸塩、第三リン酸カルシウムなどの懸
濁安定剤を溶解した水溶液中に分散させ、懸濁状態を保
ちながら反応温度を60〜160℃にして重合を完結さ
せる。重合終了後、懸濁安定剤を充分に水洗して除去し
たのち、芳香族ビニル系樹脂を回収する。
なお、前記塊状重合あるいは塊状一懸濁重合によりラジ
カル重合する際に、使用する七ノマーの50重量%以上
が前記芳香族ビニル化合物であることが好ましく、モノ
マーの50重量%未満を該化合物以外のアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチルなどの脂肪族ビニル化合物で置
き換えてもよい。
また、前記各重合法で得られた樹脂は、既知の酸化防止
剤、例えば2.6−ジーt−ブチルー4−メチルフェノ
ール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4.6−ジ
メチルフェノール、2.2′一メチレンービス(4−エ
チル−6−t−7’チルフェノール)、4.4’−チオ
ビス−(6−t−ブチル)−3−メチルフェノール、ジ
ラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジーノニルフ
エニル)ホスファイト、ワックス;紫外線吸収剤、例え
ばp−t−プチルフェニルサリシレート、2.2′−ジ
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’
 −ヒドロキシ−4′一nニオクトキシフエニル)ペン
ゾチアゾール;滑剤、例えばパラフィンワックス、ステ
アリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステ
アロアミド、nブチルステアレート、ケトンワックス、
オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ヒドロキシ
ステアリン酸トリグリセリド;難燃剤、例えば酸化アン
チモン、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛、トリクレジ
ルホスフェート、塩素化パラフィン、,テトラブ口モブ
タン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノ
ールA;帯電防止剤、例えばステアロアミドプ口ピルジ
メチルーβ−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレート
;着色剤、例えば酸化チタン、カーボンブラック、その
他の無機あるいは有機顔料;充填剤、例えば炭酸カルシ
ウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボ
ン繊維などを必要に応じて添加することができる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが
、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り、重
量部および重量%を示す。
また、実施例中に示すデータは、下記の方法に従って測
定した。
ブタジエン系(共)重合体のミクロ構造は、赤外法(モ
レロ法)により測定した。
25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度は、キヤノ
ンフェンスケ型粘度計により測定した。
ムーニー粘度は、100℃の温度でL型ローターを用い
、ムーニーマシンにて1分予熱後、4分目の値を測定し
た。
分散ゴム粒子の平均粒子径は、樹脂ベレット1〜2粒を
、ジメチルホルムアミド約50m/!中に入れ、約3時
間放置し、次にこのジメチルホルムアミド溶解液を電解
液(ISOTON II、コールターサイエンティフィ
ックジャパン社製)に添加し、適度の粒子濃度としてコ
ールターカウンターにて測定し、得られた粒径分布から
50%メジアン径を算出することにより求めた。
平均粒子径が0.4μm以下の場合は、このジメチルホ
ルアミド溶解液を、コールターN4型サブミクロン粒子
アナライザーで測定した。
固有粘度は、樹脂ペレットをトルエンに溶解したのち、
遠心分離機でゴム分と樹脂分を分離し、得られた樹脂分
について、ウデローデ型粘度計で25℃、トルエン中で
測定した。
耐衝撃性ボリスチレン系樹脂の物性は、次の方法に従っ
て測定した。
すなわち、アイゾット衝撃強度(1/4インチ、ノッチ
付き)は、8。3射出成形機を用い、シリンダー温度2
00℃で成形して得られた成形品について、ASTMD
−2 5 6に準じて測定した。
光沢は、8。2射出成形機を用い、シリンダー温度20
0℃で成形して得られた成形品について、ASTM  
D−523に準じ、60゜の反射光沢度を測定した。
着色性は、樹脂lOO部に対し、ミクロカーボンブラッ
クを0.3部添加し、厚さ2m+nのシート片を射出成
形にて作製し、目視により着色性の優れたものを5点、
劣るものを1点として5段階で評価した。
引張強度は、8。2射出成形機を用い、シリンダー温度
200℃で成形して得られた成形品について、ASTM
D−6 3 8に準じて測定した。
実施例1〜4、比較例3 第1表に示すように、n−ブチルリチウムを触媒とし、
テトラヒドロフランの量を変更することにより、種々の
ビニル結合金量の異なるポリブタジエンゴムA〜Gを得
た。
これらのポリブタジエンゴムを使用し、以下の方法でグ
ラフト重合を行った。
すなわち、ポリブタジエンゴム7部を、スチレン93部
に溶解した溶液を、内容積10P.のりボン翼型攪拌機
付き反応器に移し、L−ドデシルメルカブタンをスチレ
ンに対して150ppm添加したのち、回転数30Or
pm、118℃でスチレンの重合率が30%になるまで
重合させた。
次いで、重合液100部あたりジクミルパーオキサイド
0.05部を添加し、さらに懸濁安定剤として第三リン
酸カルシウム3部、界面活性剤としてドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.005部を含む水150部を
加え、撹拌下に懸濁させた。この懸濁物を攪拌しつつ、
120“Cで2時間、140℃で2時間、さらに160
℃で2時間加熱して重合させた。
得られたビーズ状の樹脂を濾別し、水洗処理後、乾燥し
て押し出し機でペレット化した。
かくして得られた耐衝撃性ボリスチレンを射出成形して
物性測定用の試験片を作製し、その物性を評価した。そ
の結果を第2表に示す。
比較例4 ポリブタジエンゴムCを用い、むードデシルメルカブタ
ンをスチレンに対して700ppmに変更した以外は、
実施例1と同様に実施した。
得られた樹脂の物性を第2表に示す。
第2表 第2表(続き) 第1表(続き) 第1〜2表から明らかなように、実施例1〜4では、優
れた着色性および耐衝撃性と光沢のバランスの優れた耐
衝撃性スチレン系樹脂(耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂)
が得られる。
これに対し、比較例1では、ゴム中のビニル結合金量が
高すぎるため、耐衝撃性に劣り、比較例2では、スチレ
ン溶液粘度が低すぎるためゴム粒径が小さくなり、結果
として耐衝撃性に劣る。
また、比較例3では、ビニル結合金量が低すぎるため着
色性に劣り、さらに比較例4では、得られる樹脂の固有
粘度が低すぎるため耐衝撃性と引張強度に劣る。
実施例5〜9、比較例5〜10 第3表に示すように、ポリブタジエンゴムH〜Pを得た
なお、ポリブタジエンゴムH−Kは、n−ブチルリチウ
ムを触媒とする溶液重合によって得られたものであり、
ポリブタジエンゴムしは、有機アルミニウム化合物とニ
ッケル化合物を触媒に用いて得られたものであり、ポリ
ブタジエンゴムMはn−プチルリチウム触媒を用いて重
合したのち、ニッケル化合物を添加して重合を継続して
得られたものであり、ポリブタジエンゴムN−Pは、n
−ブチルリチウムを触媒として溶液重合によって得られ
たものである。
これらのポリブタジエンゴムを使用し、実施例1と同様
の方法でグラフト重合を行い、同様にして射出成形して
物性測定用の試験片を作製し、その物性を評価した。そ
の結果を第4表に示す。
比較例11 ポリブタジエンゴムJを用い、t−ドデシルメルカプ多
ンをスチレンに対して700ppmに変更した以外は、
実施例1と同様に実施した。
得られた樹脂の物性を第4表に示す。
(以下余白) 第3表 第4表 第3表(続き) (以下余白) 第4表(続き) 第3〜4表から明らかなように、実施例5〜9では、優
れた着色性および耐衝撃性と光沢のバランスの優れた耐
衝撃性スチレン系樹脂が得られる。
これに対し、比較例5〜7では、全ビニル結合金量が本
発明の範囲から外れるため、低温耐衝撃性に劣り、比較
例8では、低ビニル部分と高ビニル部分の割合が本発明
の範囲から外れるため、低温耐衝撃性に劣る。また、比
較例9では、スチレン溶液粘度が本発明の範囲から外れ
るため耐衝撃性に劣り、比較例10は、高ビニル部分が
ないため、着色性、光沢に劣る。比較例11は、固有粘
度が本発明の範囲を外れるため、機械的強度(引張強度
)に劣る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、耐衝撃性、光沢、着色性に優れた耐衝
撃性芳香族ビニル系樹脂を得ることができ、テレビ、冷
蔵庫、エアコンディショナー、洗濯機などの家庭用電器
製品の部品、パソコン、ワードプロセッサーなどの事務
機器の部品、建材、雑貨などに有用である。
特許出願人 日本合成ゴム株式会社 代理人 弁理士  白 井 重 隆

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ブタジエン系(共)重合体の存在下に芳香族ビニ
    ル化合物をグラフト重合するに際し、該ブタジエン系(
    共)重合体が (a)25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が5
    50〜2,000センチポイズであり、全ビニル結合金
    量が20モル%を超え、70モル%以下であるか、また
    は (b)25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が2
    00〜2,000センチポイズであり、全ビニル結合金
    量が20モル%以下であり、しかもビニル結合金量が1
    5モル%以下の部分が30〜95重量%で、ビニル結合
    金量が25〜75モル%の部分が70〜5重量%を含む
    混合物もしくはブロックタイプであり、 かつ得られる樹脂中に分散した分散ゴム粒子の平均粒子
    径を0.4〜2.5μmの範囲に、また樹脂の固有粘度
    を0.7dl/g以上に調節する、ことを特徴とする耐
    衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法。
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