JPH022318Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、衣類乾燥機の前部軸受部に係り、特
に、クツシヨンとシールを兼ねそなえた軸受部材
に関するものである。

〔考案の背景〕

従来のドラム前面軸受部はドラムサポートの外
径に、クツシヨンとシールをかねそなえた軸受部
材を貼りドラムと嵌合させているが、組立の際、
嵌合がスムーズにいくように、ドラムとドラムサ
ポート間にギヤツプを設けている。そのため、組
立後はドラムの自重でドラムが下方に落ちるので
ドラムとドラムサポートの軸受部下方に大きく隙
間ができ、ここより熱気が漏れ性能がダウンす
る。また、漏れた熱風が外枠内部で露結するた
め、外枠が錆るなどの不具合があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、顧客に対して、性能がよく、
信頼性の高いものとするため、ドラムを回転自在
に支持している前面軸受部の隙間を少なくし熱風
の漏れを減少させ、この目的を達成するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、ドラムサポートの外周にドラムの前
側内周部を回転自在に支持する衣類乾燥機におい
て、ドラムサポートの外周とドラムの前側内周部
との間に、ほぼ全周にわたつて介在されるクツシ
ヨンとシールを兼ねた軸受部材を配置し、この軸
受部材はドラムサポートの上外周を囲うように置
かれる上側軸受部材片とドラムサポートの下外周
を囲うように配置される下側軸受部材片とをもつ
てほぼリング状に形成し、上下両軸受部材片の厚
さを変えるとともに、厚い方の軸受部材片の長さ
を軸受部材の全長の1/2未満にとつたことを特徴
とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面により、詳細に
説明する。第１図において、５は外枠、３はドラ
ムで外枠５内に回転自在に支持されている。２
は、ドラム３前部を支持する前面軸受部で、ドラ
ムサポート２１によつて支持されている。１０
は、ドラム３の後部を支持する後部軸受部であ
る。電動機１４を駆動して、フアンケーシング内
にある送風フアン１７をベルト１９をへて回転さ
せ、外気を吸気フイルターガード１６、吸気フイ
ルター１５を通過させ、ヒータ１８で熱風とし、
ドラムサポート２１の流入穴２２を通し、ドラム
３内へ入れる。被乾燥物２３を通過した熱風は、
内部フイルターガード９、内部フイルター８の順
で通り、排気口６より外に排気されるわけであ
る。９の内部フイルターガードは、ドラム３内の
後に設け、ドラム３から流出する気流中の綿塵を
補集する内部フイルター８を保護するものであ
る。伝達装置は、電動機１４の軸に設けたドラム
プーリ１３と、このドラムプーリ１３と、ドラム
３の外周に取付けたベルト１１とからなつてい
る。１２はベルト１１用のテンシヨンプーリであ
る。７は外枠５の裏面に設けた裏板である。１は
ドラム３、送風フアン１７を駆動する電動機１４
の駆動時間を制御するタイマー、２０は外枠５に
設けた開閉自在のドアで外枠５に固定されてい
る。４は被乾燥物２３をドラム回転と同時に回転
方向に持上げる役目をするリフターである。以上
の構成より被乾燥物２３をドア２０を開けドラム
３内に入れた後ドア２０を閉じ、タイマー１をセ
ツトすると電動機１４とヒータ１８が通電状態と
なり、ドラム３および送風フアン１７が回転し
て、ヒータ１８が発熱し始め乾燥が行なわれるわ
けである。この乾燥中に熱風が前面軸受部３の下
方部の隙間２４より外枠５内に逃げ、ドラム２内
の被乾燥物２３に当る熱量が少なくなり性能が低
下する。また、被乾燥物２３より乾燥中に発生す
る綿塵がこの隙間２４より外枠５内に落ち電動機
１４を覆い電動機１４が加熱し燃焼する原因とな
る。

本考案は従来の前軸受部材２Ａの厚さ一定なも
のを、故意に厚さを変え、組立の際、前軸受部２
Ａに嵌めやすくするために設けてあるクリアラン
スによつて下方にできるドラム３との隙間２４を
なくすることであり、前記軸受部材２Ａの上側を
うすく、下側を厚くする。こうすると、乾燥中
に、ドラム３の自重と被乾燥物２３の重さによつ
て生ずる下側の隙間２４を少なくすることができ
る。この構成によれば、隙間２４を少なくするこ
とができ、乾燥中に漏れる熱が少なくなり、高効
率な性能が得られる。また、被乾燥物２３より発
生する綿塵がこの隙間２４より落ちることがなく
なるので、電動機１４の燃焼の原因をたつことが
できる。一実施例は、排気形乾燥機の例である
が、除湿形乾燥機の場合はこの隙間２４より熱風
を漏らすと外枠５内に露結し外枠５が錆てしまう
のでこのように隙間２４を少なくすれば錆も生じ
ない。

下側の厚い前軸受部材２Ｂは円周の1/2未満と
すると、組立際スムーズに組立てることができ
る。

又、これと反対に上側に厚い前面軸受部材２
Ｂ、下側に薄い前面軸受部材２Ａにしても、同じ
効果が得られる。

以上述べたように、本考案は、外枠内に回転自
在に置かれるドラムと、ドラム内に空気を通風さ
せる送風装置と、ドラム内に流入する空気を加熱
するヒータと、送風装置ないしドラムを回転駆動
させる電動機と、ドラムサポートとを備え、ドラ
ムサポートの外周にドラムの前側内周部を回転自
在に支持する衣類乾燥機において、ドラムサポー
トの外周とドラムの前側内周部との間に、ほぼ全
周にわたつて介在されるクツシヨンとシールを兼
ねた軸受部材を配置し、この軸受部材はドラムサ
ポートの上外周を囲うように置かれる上側軸受部
材片とドラムサポートの下外周を囲うように配置
される下側軸受部材片とをもつてほぼリング状に
形成し、上下両軸受部材片の厚さを変えるととも
に、厚い方の軸受部材片の長さを軸受部材の全長
の1/2未満にとつたことを特徴とするものである。

この構成によれば、次のような良さを得ること
ができる。

(1) ドラムサポートとドラムを組合わせる組立に
おいて、まず、厚い方の軸受部材片の外周にド
ラムの前側内周部を当接して押圧することによ
り、厚い軸受部材片がクツシヨン性に富むの
で、十分に圧縮され、反対側になるドラムの前
側内周部を薄い軸受部材片の外周に容易に嵌め
込むことができるというものである。

(2) しかも組合わせがとられた後は、厚い軸受部
材片が圧縮力に抗して元の状態に戻るように作
用するので、薄い軸受部材片の外周とドラムの
前側内周部との隙間もなくなる。このために、
ドラムサポートとドラムの前側内周部との回転
摺動部分は、全周にわたり、軸受部材にてシー
ルがよくとられることになる。熱ないし綿塵の
漏れを少なくすることができる。

(3) 厚い方の軸受部材片は、軸受部材全長の1/2
未満の長さにとつているので、上記組立がより
し易いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の側面断面図、第２図は従来の
要部側面図、第３図は第２図の側面図、第４図は
本考案の要部側面図、第５図は第４図の側面図で
ある。 ２……前面軸受部、３……ドラム、５……外
枠、１４……電動機、２３……被乾燥物、２Ａ…
…薄い前面軸受部材、２Ｂ……厚い前面軸受部
材、２４……隙間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 外枠内に回転自在に置かれるドラムと、ドラム
   内に空気を通風させる送風装置と、ドラム内に流
   入する空気を加熱するヒータと、送風装置ないし
   ドラムを回転駆動させる電動機と、ドラムサポー
   トとを備え、ドラムサポートの外周にドラムの前
   側内周部を回転自在に支持する衣類乾燥機におい
   て、 ドラムサポートの外周とドラムの前側内周部と
   の間に、ほぼ全周にわたつて介在されるクツシヨ
   ンとシールを兼ねた軸受部材を配置し、この軸受
   部材はドラムサポートの上外周を囲うように置か
   れる上側軸受部材片とドラムサポートの下外周を
   囲うように配置される下側軸受部材片とをもつて
   ほぼリング状に形成し、上下両軸受部材片の厚さ
   を変えるとともに、厚い方の軸受部材片の長さを
   軸受部材の全長の1/2未満にとつたことを特徴と
   する衣類乾燥機。