JPH0131192Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は被乾燥物をフアンとヒータとで生成す
る熱風により乾燥させる構成の乾燥機に関する。

〔考案の技術的背景〕

従来よりこの種乾燥機は、被乾燥物を収容して
回転するドラムなど乾燥室と共に、フアン及びヒ
ータを具え、そのフアンが起こす風をヒータ部分
を通すことにより熱して熱風化し、そしてその熱
風を上記乾燥室内に通すことにより被乾燥物を乾
燥させるという様にしている。

〔背景技術の問題点〕

然しながら上記従来のものの場合には、ヒータ
の熱がヒータの周辺部に発散されるという事情に
あるにも拘らず、フアンが起こす風はそのヒータ
の周辺部など通らずヒータ部分に真直ぐ通される
ものであり、このためヒータの周辺部に発散され
る熱を回収し切れず多くの熱の無駄を生じ、又、
その発散された熱により熱くなつた部分に被乾燥
物を出し入れする使用者が手を触れて火傷をする
という様な危険性すらあつた。

〔考案の目的〕

本考案は上述の事情に鑑みなされたものであ
り、従つてその目的は、熱効率の向上を図り得る
と共に安全性の向上を図り得、併せて外箱通気口
の形状を必要に応じ簡単にすることもできる乾燥
機を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、外箱の通気口とこれに近接状態で略
対向するヒータとの間に位置してフアンによる風
を該ヒータの周辺部を経させてヒータ部分に至ら
しめるダクトを形成するガイド部材を設け、それ
にてヒータ熱の発散を極力防止すると共にその回
収も充分に行ない、そして外箱通気口から入つた
水沫のヒータへのかかりもガイド部にて防止する
様にしたことを特徴とするものである。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明するに、先ず第１図及び第２図に於いて、１は
外箱であり、これの内部に内部が乾燥室であるド
ラム２を配設し、その後壁中心部から外方（後
方）へ突設した軸３を、外箱１の背面部内側に横
架した支持板４に支持せしめている。一方、５は
外箱１の前面略中央部に形設した被乾燥物出入口
で、これの両側には通気口６，７を形成し、その
うち図中右側に存する通気口７の更に外方には今
一つの通気口８を形成していて、該通気口８にフ
イルタ９を張設している。１０は通気口６を前方
より覆つた一方の前カバーで、１１は通気口７，
８の両方を同じく前方より覆つた他方の前カバー
であり、そのうち一方の前カバー１０には通気口
６に対応させて吸気口１２を形設し、且つ該吸気
口１２にはフイルタ１を張設している。さて、１
４は外箱１内に於いて通気口６から通気口７にか
け被乾燥物出入口５を囲繞する環状に固定配設し
たドラム支えで、これには通気口６と対応する部
分に通気孔１５を、又、通気口７と対応する部分
に通気孔１６を夫々所要数形設していて、そのう
ち通気孔１５部分の前面従つて通気孔６と近接状
態で略対向する位置に例えばハニカム構造の正特
性サーミスタから成るヒータ１７を詳細には第３
図に示す枠状のヒータ支え１８により支持して装
着している。１９はヒータ１７と通気口６との間
に位置してヒータ支え１８のボス２０に螺子２１
によつて取着したガイド部材で、これも詳細には
第３図に示す様に後面が開放した箱蓋状を成し、
その全体にて前記ヒータ１７を通気口６から遮蔽
しつつヒータ支え１８ごと覆い、該ヒータ支え１
８との間で図中矢印で示す如くヒータ１７の周辺
部を経てヒータ１７部分に至るダクト２２を形成
している。尚、２３は前記被乾燥物出入口５を開
閉する様に設けた扉で、又、２４は外箱１内に於
いて前記通気口８に連通させ上方へ延ばした排気
ダクトであり、これの先端部に排気口２５を外箱
１上面から露出させたフアン２６のケーシング２
７を連通させ、そのケーシング２７内には羽根車
２８を配設している。そして一方、２９はフアン
２６と対称的に外箱１内の下隅部に配設したモー
タで、これの回転軸に駆動プーリ３０を取着し、
該駆動プーリ３０からテンシヨンプーリ３１及び
前記ドラム２並びに上記羽根車２８の回転軸に取
着した従動プーリ３２へとベルト３３を掛け、以
てドラム２及びフアン２６の羽根車２８をモータ
２９により回転駆動する様にしている。

次に作用を述べるに、上記構成のものの場合、
その運転を開始させると、ヒータ１７とモータ２
９とが通電されるもので、それによりヒータ１７
は発熱し、モータ２９は起動する。而してモータ
２９の起動によりベルト３３を介してドラム２及
びフアン２６の羽根車２８が回転駆動され、それ
によつてドラム２はその内部に収容した被乾燥物
（図示せず）を撹拌する。一方、フアン２６の羽
根車２８は機外の空気を吸気口１２からフイルタ
１３を通じて吸入するもので、吸入された空気は
その後第３図中矢印で示す様に通気口６からガイ
ド部材１９の外周囲を通りダスト２２内に至る。
そしてその後ダクト２２内を通ることによつてヒ
ータ１７の周辺部を通りヒータ１７部分に至らし
められて該ヒータ１７部分を通過する。このと
き、ヒータ１７の周辺部では該ヒータ１７部分を
ガイド部材１９が覆つていることによりヒータ１
７より発せられる熱がダクト２２内にこもる様に
なつており、其処を上述の如く外気が通過するの
であるから、その熱も外気に含まれ、更にその外
気はヒータ１７周辺部のヒータ支え１８やドラム
支え１４及びガイド部材１９に加えられた熱をも
奪い、そしてヒータ１７部分を通過する折り該ヒ
ータ１７に接し本格的に加熱される。斯くしてそ
の後は熱風となつた外気が通気孔１５からドラム
２内に吸入されるもので、該ドラム２内で撹拌中
にある前記被乾燥物と接してその湿気を奪い、然
る後、通気孔１６、通気口７、通気口８（フイル
タ９）、ダクト２４、ケーシング２７を順に経て
排気口２５から機外の上方へと排出されるもので
あり、これを繰返して被乾燥物を乾燥させる。

以上の様に本実施例によれば、ヒータ１７の周
辺部に該ヒータ１７部分を覆つてフアン２６によ
る風を該ヒータ１７の周辺部を経させてヒータ１
７部分に至らしめるダクト２２を形成するガイド
部材１９を設けていて、それによりヒータ１７か
ら発せられる熱を従来の様に発散させることを避
け、逆にダクト２２中にこもらせて該ダクト２２
を通る風に与え、同時にヒータ１７周辺部の各部
材に加えられた熱もそのダクト２２を通る風に奪
われるという様にしているので、従来の様な熱の
無駄を生ぜず、実に熱効率良く運転させ得、殊に
ヒータ１７に正特性サーミスタを使用した本実施
例に於いてはヒータ１７に入る風の温度が高まる
分正特性サーミスタの特性としてその入力が現少
させ得、いわゆる省電力化を図り得るものであ
り、又、それ以外普通のヒータ等では熱風の総体
温度を上げることができて乾燥性能を良くし乾燥
時間の短縮化等を図ることができる。そして上述
の様にヒータ１７周辺部の各部材に加えられた熱
をダクト２２を通る風が奪うというのであるか
ら、その各部材を冷却できて使用者が手等を触れ
ても火傷をすることのない優れた安全性を確保す
ることができる。

加えて、ガイド部材１９は、通気口６から外箱
１内に水沫等が入つた場合、それがヒータ１７に
かかることを阻止する上でも有用なもので、それ
により、従来ガラリ状など防水できる形状にせざ
るを得なかつた通気口６を、たゞの孔として形成
することができ、而して斯様に通気口６をたゞの
孔として形成した場合には、型を簡単に済ませ
得、型費用の削減を図ることができる。又この場
合、ガイド部材１９が風の流れについての抵抗と
なつて性能の低下を来たすように思われるが、然
し、上述のように通気口６はガラリ状など防水で
きる形状にする必要が殊更なく、たゞの孔として
形成できるもので、斯様に通気口６をたゞの孔と
して形成した場合、その分上記風の流れについて
の抵抗が減じられるから、それによる相殺分で結
果的に性能の低下を来たすことはない。

尚、ガイド部材１９はヒータ支え１８やその他
の部材と一体に設けられていても良い。又、ダク
ト２２に至る空気は吸気口１２から吸入された直
後の外気に限らず熱交換器を経た外気や或いは除
湿器を経た循環空気等であつても良い。

その他、本考案は上記し且つ図面に示した実施
例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱し
ない範囲内で適宜変更して実施し得る。

〔考案の効果〕

以上にて明らかな様に本考案は、外気を通す通
気口を有する外箱の内部に、乾燥室と該乾燥室内
に風を通すフアンとを設けると共に、前記通気口
と近接状態で略対向するように位置して前記フア
ンによる風を熱するヒータを設け、且つそのヒー
タと前記通気口との間に位置して前記フアンによ
る風を該ヒータの周辺部を経させてヒータ部分に
至らしめるダクトを形成するガイド部材を設けた
ことを特徴とし、これにてヒータ熱の発散を極力
防止すると共にその回収も充分に行ない、そして
外箱通気口から入つた水沫のヒータへのかかりも
ガイド部材にて防止できるというものであるか
ら、熱効率の向上を達成できると共に安全性の向
上も達成でき、その上外箱通気口の形状を必要に
応じ簡単にすることもできるという優れた実用的
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものにて、第
１図は全体の正面図、第２図は第１図の−線
に沿う全体の概略横断面図、第３図は第２図の
部の拡大横断面図である。 図中、１は外箱、２はドラム（乾燥室）６は通
気口、１７はヒータ、１９はガイド部材、２２は
ダクト、２６はフアン、２９はモータである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外気を通す通気口を有する外箱の内部に、乾燥
   室と該乾燥室内に風を通すフインとを設けると共
   に、前記通気口と近接状態で略対向するように位
   置して前記フアンによる風を熱するヒータを設
   け、且つそのヒータと前記通気口との間に位置し
   て前記フアンによる風を該ヒータの周辺部を経さ
   せてヒータ部分に至らしめるダクトを形成するガ
   イド部材を設けたことを特徴とする乾燥機。