JPH0222809Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は円板状磁気シートを記録再生する装置
に用いて好適な磁気ヘツド装置の構造に関するも
のである。

従来より円板状磁気シート（以下単にデイスク
と云う）を収納したカートリツジとして第１図に
示すものが知られている。

図において、カートリツジ１は薄型の筐体に形
成され、内部にデイスク２が収納されている。こ
のデイスク２は中央部を芯金３に支持され、この
芯金３はカートリツジ１の中央孔４に遊嵌されて
回動自在に設けられている。カートリツジ１の一
側面には長円形のヘツド挿入孔５が形成されてお
り、この挿入孔５から内部のデイスク２の一部２
ａが臨まされている。またシヤツター６が矢印
Ａ，Ｂ方向に往復動自在に設けられており、この
シヤツター６には上記挿入孔５と一致する挿入孔
７が設けられている。

このようなカートリツジ１は記録再生装置に装
着されると、芯金３の中央孔８にスピンドルが嵌
合されると共に、挿入孔５，７に磁気ヘツドが挿
入されてデイスク２に対接する。そして上記スピ
ンドルが回転され、芯金３及びデイスク２が一体
的に回転することによつて記録又は再生が行われ
る。

このようなデイスク２を記録再生する上記磁気
ヘツドとして従来より第２図及び第３図に示すも
のが用いられている。

第２図において、ヘツドチツプ部材１０はその
下部に脚部１１，１２，１３が設けられ、上部は
マスク部材１４，１５により挾持されている。マ
スク部材１４，１５はセラミツク、チタン酸バリ
ウム等から成るものが用いられている。第４図は
ヘツドチツプ部材１０のデイスクとの対接面１０
ａを拡大して示すもので、この対接面１０ａには
記録再生用ギヤツプ１６と消去用ギヤツプ１７，
１８とが形成されて、公知のトンネル消去ヘツド
を構成している。トンネル消去ヘツドは、記録時
にギヤツプ１７，１８によつて、先行するギヤツ
プ１６で形成される記録トラツクの両側を消去す
ることにより、隣接するトラツクとの間にガード
バンドを形成するようにしたものである。

第２図のヘツドチツプ部材１０は基板１９のス
リツト２０に脚部１１，１２，１３を挿し込まれ
て保持された後、第３図に示すように脚部１１，
１３にコイル２１，２２を巻装され、さらに脚部
１１，１２の先端部にバツクプレート２３を接着
等により取付けられる。

而して上記磁気ヘツドで第１図のカートリツジ
１を記録再生する場合は、第３図のようにカート
リツジ１の前記挿入孔５，７からチツプ部材１０
の上部が挿入される。このとき基板１９はカート
リツジ１の外部にある。

この場合、カートリツジ１及びシヤツター６の
肉厚ｔがかなり大きいため、対接面１０ａからコ
イル２１，２２までの距離が長くなくなつてい
る。このため効率が悪くなると共に、製造工程に
おいてチツプ部材１０が折れ易く、このため歩留
りが悪くなる、等々の問題を生じていた。さらに
上記バツクプレート２３は記録再生ヘツドの磁路
を形成するものであるが、このバツクプレート２
３は脚部１１，１２に接着するために、非常に小
さい。このため扱い難く作業性を著しく損ねてい
た。

本考案は上記の実情に鑑み成されたもので、以
下本考案の実施例を図面と共に説明する。

第７図における太い点線はヘツドチツプ部材２
５の平面の輪郭を示す。このチツプ部材２５は３
本の脚部２６，２７，２８を有しており、脚部２
６，２８にコイル３０，３１が夫々巻装されてい
る。

このチツプ部材２５は第５〜８図のようにマス
ク部材３２，３３により挾持された状態で保持さ
れる。マスク部材３２，３３はセラミツク、チタ
ン酸バリウム等から成り、且つ第６図のように側
面形状が略Ｌ形を成している。そしてそれらの前
部３２ａ，３３ａでチツプ部材２５の前部を挾持
しており、中央部から後部にかけて形成される空
間３４にコイル３０，３１が収納されている。
尚、上記空間３４の後方は開放されている。

マスク部材３２，３３の前面３２ｂ，３３ｂの
間にはチツプ部材２５のデイスク対接面２５ａが
上記前面３２ｂ，３３ｂと同一面で形成されてい
る。この対接面２５ａには記録再生用ギヤツプ３
５と消去用ギヤツプ３６，３７とが形成されてい
る。また上記前面３２ｂには横長の浅い凹部３８
が設けられている。この凹部３８は、対接面２５
ａがデイスクに対接しながらデイスクが回転する
ときに発生する空気流を制御するために設けられ
る。

チツプ部材２５の後面２５ｂとマスク部材３
２，３３の後面３２ｃ，３３ｃとは同一平面に形
成されており、この同一平面は対接面２５ａを研
磨する際の基準面となつている。またこの同一平
面にはバツクプレート３９が接着等により固着さ
れている。この場合、このバツクプレート３９は
上記後面３２ｃ，３３ｃに接着することができる
ので、第３図の従来のプレート２３より大きいも
のを使用することができる。

上記のようにしてチツプ部材２５及びコイル３
０，３１を収納保持したマスク部材３２，３３
は、第９図のように基板４０に設けられた嵌合孔
４１に貫通させて嵌合され、接着剤等を介して所
定の高さに固定される。

この第９図は磁気ヘツド装置をカートリツジ１
に挿入した状態を示しているが、この場合、対接
面２５ａからコイル３０，３１までの距離はカー
トリツジ１の肉厚ｔと無関係であるので、上記距
離を短くすることができ、従つてチツプ部材２５
の長さを第２図及び第３図の場合より格段に短く
することができる。

以上の実施例では２つのマスク部材３２，３３
でチツプ部材２５を保持しているが、筐体状に形
成された１個のマスク部材の中にコイル３０，３
１を巻装したチツプ部材２５を収納するようにし
てもよい。

以上述べたように本考案は、一端面が開放され
た保持部材３２，３３の内部にコイル３０，３１
が巻装されたヘツドチツプ部材２５を収納しかつ
この保持部材３２，３３にて保持させ、この際、
上記一端面３２ｃ，３３ｃとは反対側の端面３２
ｂ，３３ｂに上記ヘツドチツプ部材のギヤツプが
形成された面２５ａを臨ませると共に、いずれも
同一の平面内に在る上記ヘツドチツプ部材２５の
一端面２５ｂと上記保持部材３２，３３の一端面
３２ｃ，３３ｃとの間にバツクプレート３９を跨
架しかつこれらの端面に固着させて、上記保持部
材を基板に貫通させて固着したことを特徴とする
磁気ヘツド装置に係るものである。

従つて本考案によれば、デイスク対接面とコイ
ル間の長さを短くできるので、効率が良くなり、
また折れにくいので歩留りが改善される。さらに
大形のバツクプレートを使用することができるの
で、取扱いが容易となり、作業性が向上する。

また上記ヘツドチツプ部材は、その前部を保持
部材に保持されるだけでなく、さらにその後端
も、バツクプレートを介して保持部材に保持され
る構造であるから、ヘツドチツプ部材は種々の方
向の負荷に対して、常に安定した強度、剛性を示
すことになる。

さらに上記ヘツドチツプ部材は、この一端面が
保持部材の一端面と共に同一の平面内にあるか
ら、ヘツドチツプ部材のギヤツプが形成された面
（デイスク対接面）をこの平面を基準面にして研
磨することにより、極めて良好な研磨精度を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用し得る円板状磁気シート
カートリツジの外観斜視図、第２図は従来の磁気
ヘツド装置の要部分解斜視図、第３図は従来の磁
気ヘツド装置の使用状態を示す側面図、第４図は
要部拡大図、第５〜９図は本考案の実施例を示
し、第５図は正面図、第６図は平面図、第７図は
側面図、第８図は斜視図、第９図は使用状態の側
面図である。 なお図面に用いられた符号において、２５……
ヘツドチツプ部材、２５ａ……デイスク対接面
（ギヤツプが形成された面）、２５ｂ……後面（一
端面）、３０，３１……コイル、３２，３３……
マスク部材（保持部材）、３２ｃ，３３ｃ……後
面（一端面）、３９……バツクプレート、４０…
…基板、４１……嵌合孔、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一端面が開放された保持部材の内部にコイルが
   巻装されたヘツドチツプ部材を収納しかつこの保
   持部材にて保持させ、 この際、上記一端面とは反対側の端面に上記ヘ
   ツドチツプ部材のギヤツプが形成された面を臨ま
   せると共に、 いずれも同一の平面内に在る上記ヘツドチツプ
   部材の一端面と上記保持部材の一端面との間にバ
   ツクプレートを跨架しかつこれらの端面に固着さ
   せて、 上記チツプ部材及びバツクプレートが取付けら
   れた上記保持部材を基板に貫通させて固着したこ
   とを特徴とする磁気ヘツド装置。