JPH022265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はペルチエ素子を利用して冷却保冷、加
熱保温が出来る電子ジヤーに関するものである。

（従来技術） 従来の一般の魔法壜は真空断熱層を設けた二重
ガラス筒を用い、水銀膜を設け熱を反射させて遮
熱させているが、ガラスは破損し易いばかりでな
く、内容物を冷却、加熱する機構は設けられてい
ない。ここで近年、加熱機構を設けて電子ジヤー
は提案されているが、この場合は冷却機能はなか
つた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、従来のジヤーの加熱保温末は保冷の
何れか一つの機能しか有しない点に鑑み、加熱保
温と冷却保冷の機能を同時に発揮させることを解
決しようとする問題点とするものである。

（問題点を解決するための手段） このため本考案は、外筒内に注入された水を貯
留すると共に、注出口を有する内筒を挿入固定
し、該内筒の外側面に一方の接合部が接するペル
チエ素子を配設し、該ペルチエ素子の他方の接合
部は、外筒の外周面とほぼ同じ位相の面を形成す
るように配設されると共に、自然空冷されるフイ
ンを設けたヒートパイプの内側面に当接させ、前
記ペルチエ素子を取囲み、かつ前記ヒートパイプ
のフイン部を除く内外筒間の空間に断熱材よりな
る充填層を設けてなるもので、これを問題点解決
のための手段とするものである。

（作用） 内筒内に注入口より水を入れ、ペルチエ素子に
電流を流すと、内筒側が冷却され、ヒートパイプ
側が加熱されるが、ヒートパイプの熱伝導は非常
に良いので、熱はヒートパイプ全面に短時間で伝
わる。このヒートパイプの熱は、内側に設けたフ
インより自然空冷により放熱され、内筒内の水は
一定温度に冷却される。またペルチエ素子に流れ
る電流の流れの方向を逆方向にすると、内筒側は
加熱されて内筒内の水を加熱することができる。

（実施例） 以下本考案を図面の実施例に基いて説明する。

本考案はペルチエ素子を利用しているが、先ず
ペルチエ効果について説明すると、２種の異なつ
た金属や半導体の組合せで２つの物質からなる閉
回路を作り、該閉回路の各部分を一定温度に保ち
ながら電流を通ずると、２つの接合部の一方でジ
ユール熱以外の熱が発生し、他方で吸収がみられ
る。この現象をペルチエ効果という。

さて図において、１は外筒で水の注入口２が設
けられており、該注入口２には栓３が装着されて
いる。４は熱伝導性のよいアルミ等の金属で形成
され、外筒１に挿入固定された内筒で、注入口２
より注入された水を貯留すると共に、注出口５が
設けられており、該注出口５には図示されてはい
ないが、水を注出する時には開き、注出しない時
には閉じる公知のバルブ機構が設けられている。

６は公知のペルチエ素子で、内筒４の外側面に
一方の接合部が接するように取付けられ、他方の
接合部は円筒形ヒートパイプ７の内側面に当接し
ている。ヒートパイプ７は外筒１の外周面１ａと
ほぼ同じ位相の周面を形成するように配設されて
おり、その内面側には多数のストレートフイン８
が内筒４の中心に向けて突設されている。このフ
イン８の冷却は、入口９から入り、出口１０に流
れる外気の自然空却により行なわれる。１１はペ
ルチエ素子６の上下を挟むと共に、フイン８部を
除く内外筒１，４間の空間に充填された断熱材よ
りなる充填層で、ポエウレタン樹脂の注入発泡に
より形成される。なお、図示されていないが、ペ
ルチエ素子６に電流を流す電線、リード線、スイ
ツチ等は当然設けられているものとする。また乾
電池により作動する構造としてもよい。

次に以上の如く構成された実施例について作用
を説明する。先ず栓３を外して注入口より水を内
筒４内に注入した後、ペルチエ素子６に電流を流
すと、内筒４側の接合部は冷却され、内筒４を介
して内部の水を冷却する。

一方ヒートパイプ７側の接合部には熱が発生し
てヒートパイプ７を加熱し、この熱は速かにヒー
トパイプの全周面に伝わると共に、フイン８に伝
わる。フイン８の熱は入口９から入り出口１０に
流れる外気により冷されるため、内筒４内の水は
ペルチエ素子６の容量に応じた温度にまで冷却さ
れる。なお、この場合内筒内の水が所定温度以下
にならないように、サーモスタツト等を設けて電
流が流れるようにしてもよい、またペルチエ素子
６に流す電流の方向を、図示しないスイツチ等の
切換えで逆方向にすると、内筒４側の接合部に熱
が発生して内筒４内の水を加熱する。

（考案の効果） 以上詳細に説明した如く本考案は構成されてい
るので、ペルチエ素子に電流を流すだけの操作
で、手軽に容器内の水を冷却して保冷でき、かつ
加熱保温もできる。しかもペルチエ素子、ヒート
パイプ等を設けただけの非常に簡単な構造であ
り、かつ内外筒間には断熱材の充填層が設けられ
ているので、保冷、保温効果に優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す電子ジヤーの側
断面図、第２図は第１図のＡ〜Ａ断面図である。 図の主要部分の説明、１……外筒、２……注入
口、４……内筒、５……注出口、６……ペルチエ
素子、７…ヒートパイプ、８……フイン、９……
入口、１０……出口、１１……充填層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒内に注入された水を貯留すると共に、注出
   口を有する内筒を挿入固定し、該内筒の外側面に
   一方の接合部が接するペルチエ素子を配設し、該
   ペルチエ素子の他方の接合部は、外筒の外周面と
   ほぼ同じ位相の面を形成するように配設されると
   共に、自然空冷されるフインを設けたヒートパイ
   プの内側面に当接させ、前記ペルチエ素子を取囲
   み、かつ前記ヒートパイプのフイン部を除く内外
   筒間の空間に断熱材よりなる充填層を設けたこと
   を特徴とする電子ジヤー。