JPH0221672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、壁又は床等に設けられた貫通孔に貫
通して配設された配管と該貫通孔との間隙を埋め
戻す際に使用される容易に着脱自在かつ反復使用
可能な埋め戻し治具に関する。

〔従来技術〕

建物の壁又は床等に設けられた貫通孔を通して
各種配管を配設した場合には、通常上記貫通孔と
配管との間のリング状間隙に埋め戻し材を充填し
て、火災時の相隣る室への火の廻り或いは煙の蔓
延を防止している。従来、このように埋め戻しを
する場合には、第６図ａおよびｂに縦断面図およ
び平面図を示すような埋め戻し治具１を取付けて
行なつている。すなわち、埋め戻し用治具１は中
央に配管２の外周と一致する孔１ａが設けられた
けい酸カルシウム製或いは合板製等の板体であ
る。この板体を上記孔１ａの直径方向に２つの部
分１ｂ，１ｃに分割し、配管２を挾んで壁又は床
３等に釘４等によつて固定し、上記壁又は床３等
と配管２との間のリング状間隙５の一方（床、天
井の場合は下方、垂直壁の場合はいずれか一方）
の開口部５ａを閉塞し、他方の開口部５ｂよりセ
メントモルタル、或いは軽量骨材、無機繊維など
を混合したモルタルを注入固化させたり、又はガ
ラス繊維等の不燃性物そのものを押込んで閉塞し
ている。

〔従来技術の問題点〕

ところで、上記埋め戻し治具１は釘打ちによつ
たり押し付け棒（ジヤツキ）を用いたりするため
取付けに手間がかかり、釘打ちにより壁又は床３
等を損傷し、また、それ自体破損し易いので反復
使用出来る回数も少なく、さらに配管との当接部
より打設したモルタルが洩れる等の欠点があつ
た。

〔本考案の目的および構成〕 本考案は、上記の事情に鑑み、埋め戻し作業中
には強固に固定され、配管との当接部よりの洩れ
が完全に防止され、埋め戻し作業前又は後の着脱
が容易であり、且つ壁、床等を損傷せず半永久的
に反復使用可能な埋め戻し治具を提供することを
目的とするもので、その要旨は、壁、床等に設け
た貫通孔を通して配設された配管外周面と該貫通
孔内壁とのなす間隙の一方の開口部を閉塞する治
具であつて、上記配管の外周とほぼ同じ径の円形
孔部及びこの孔部をとり巻く環状部が設けられ、
該円形孔部を形成する環状部内周面にはその上縁
に沿つて該円形孔部の中心軸線方向に突出した先
細りのリブが形成され、該環状部には、これを切
断する１個ないし複数個の分離部を有し、当該分
離部の相対する面には、着脱自在な連結部材が設
けられてなる埋め戻し用治具にある。

〔本考案の具体的構成〕

第１図ないし第３図は本考案に係る埋め戻し用
治具（以下治具という）１１の一実施例を示すも
ので第１図は斜視図、第２図は縦断面図である。
治具１１は、天然ゴム、合成ゴム、或いはウレタ
ン発泡体、ポリオレフイン等の軟質合成樹脂等の
肉厚の環状体で、中央には配管２の外周とほぼ同
じ径の円形孔部１２を有し、この円形孔部１２を
形成する環状体内周面上縁に沿つて円形孔部１２
の中心軸線１２ａの方向に所定寸法突出した先細
りのリブ１３が設けられて孔部１４を形成してい
る。このリブ１３の上面１３ａは、治具１１の上
面１１ａとほぼ同じになつており、下面１３ｂは
下方に傾斜して、第３図に示すように、配管２に
当接した場合、上方に屈曲し易い形状となつてい
る。該リブを含めて環状部１５には、中心軸線１
２ａ含む面によつて切断した分離部１６が設けら
れている。この分離部１６の数は特に制限ない
が、配管２への取付け易さ、取付け後の強度の点
で、１ないし２個が好ましい。この分離部１６の
相対する面には、相互に吸着固定する磁石よりな
る連結部材１７，１７がそれぞれ取付けられてい
る。

〔本考案の具体的作用〕

先ず治具１１を分離部１６で両側に開き、配管
２のリブ１３を上にして鍔状に取付け、分離部１
６の連結部材１７，１７を接合固定し、第４図に
示すようにこれを床３の一方の面（床、天井の場
合はこれらの下面）に押付け、リング状間隙５の
一方の開口部５ａを治具上面１１ａによつて閉塞
する。この場合、上記リブ１３は、配管２の周囲
を締付けるようにして上方に屈曲するので、治具
１１と配管外周面の間は完全な液密状態となる。

次いで、他方の開口部５ｂよりセメントモルタ
ル１８を注入し、固化した後治具１１を取外すこ
とによつて容易に間隙５を埋め戻すことが出来
る。この場合リブ１３は、上方に屈曲して配管に
密着しているので、配管２との間より、注入した
モルタルが洩れることがない。

また第５図は、本考案の他の実施例を示す縦断
面図で、環状部１５のリブ近傍を除く部分２０を
可撓性でやや剛性のある材料でつくり、リブ１３
近傍２１を該環状部よりも一層柔軟性のよい材料
とし、取扱い易くしたものである。

なお、上記説明では、リブ１３の断面形状を直
角三角形状としたが、これに限るものでなく、配
管２と当接した場合、上方に屈曲し、液密に接す
る先細りの形状であればよい。

また分離部は中心軸線１２ａを含む面によつて
切断するとしたが、当接面を大きくするため、該
中心軸線１２ａを含まない又はこれに傾斜した断
面としてもよい。

また、連結部材１７は磁石のほか、ベルベツト
フアスナー、ホツク等、着脱自在で所定の係止力
があるものはいずれも使用出来る。

〔本考案の効果〕

以上述べたように本考案に係る治具は、配管と
の間のモルタルの洩れを完全に防止し、容易に着
脱自在、反復使用可能で、固化したモルタルの外
観がよく、作業能率を高めることが出来るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は、本考案に係る埋め戻し
用治具の一実施例を示すもので、第１図は斜視
図、第２図は縦断面図、第３図は、配管に取付け
た場合のリブの状態を示す縦断面図、第４図は配
管に取付けて埋め戻しを行なう状態を示す縦断面
図、第５図は、他の実施例を示す縦断面図、第６
図ａ，ｂは従来の埋め戻し用治具の説明図で、第
６図ａは床等と配管との間のリング状間隙を閉塞
して取付けた状態を示す縦断面図、第６図ｂは、
第６図ａの−矢視図である。 １……埋め戻し用治具、１ａ……孔、２……配
管、３……床、５……間隙、５ａ……一方の開口
部、５ｂ……他方の開口部、１１……埋め戻し用
治具、１１ａ……上面、１２……円形孔部、１３
……リブ、１３ａ……上面、１３ｂ……下面、１
４……孔部、１５……環状部、１６……分離部、
１７……連結部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁、床等に設けた貫通孔を通して配設された配
   管外周面と該貫通孔内壁とのなす間隙の一方の開
   口部を閉塞する治具であつて、上記配管の外周と
   ほぼ同じ径の円形孔部及びこの孔部をとり巻く可
   撓性を有する弾性材料によつてつくられた環状部
   が設けられ、該円形孔部を形成する環状部内周面
   には、その上縁に沿つて該円形孔部の中心軸線方
   向に突出した先細りのリブが形成され、該環状部
   には、これを切断する１個ないし複数個の分離部
   を有し、当該分離部の相対する面には、着脱自在
   な連結部材が設けられてなる埋め戻し用治具。