JPH0221668B2 - - Google Patents

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JPH0221668B2
JPH0221668B2 JP2162583A JP2162583A JPH0221668B2 JP H0221668 B2 JPH0221668 B2 JP H0221668B2 JP 2162583 A JP2162583 A JP 2162583A JP 2162583 A JP2162583 A JP 2162583A JP H0221668 B2 JPH0221668 B2 JP H0221668B2
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JP
Japan
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thin plate
resin
silicon carbide
ceramic
substrate
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JP2162583A
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JPS59148384A (ja
Inventor
Akira Enomoto
Hidetoshi Yamauchi
Shoji Tanigawa
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、集積回路用基板あるいはICパツケ
ージ用材料として用いられる電子回路用炭化珪素
質基板およびその製造方法に係り、特に本発明は
炭化珪素質薄板の表面にセラミツクス薄板が接合
されてなる電子回路用炭化珪素質基板およびその
製造方法に関する。 近年、電子工業技術の進歩に伴い、電子機器に
対する高密度化あるいは演算機能の高速化が進め
られている。その結果、集積回路内における発熱
量が増加するため、集積回路の性能を確保し、高
い信頼性を維持することが困難になるという問題
が生じる。したがつて、集積回路用基板あるいは
ICパツケージ用材料としての電子回路用基板に
は電気的絶縁性、気密性、機械的強度などの特性
に加えて、放熱特性に優れることが要求されてい
る。 ところで、従来電子回路用基板としては種々の
ものが知られ、実用化されており、特に信頼性の
要求される用途に対しては、主としてアルミナ焼
結体基板(以下アルミナ焼結体基板を単にアルミ
ナ基板と称す)が使用されている。しかしなが
ら、アルミナ基板は熱伝導率が0.03〜0.08cal/
cm・sec℃と低く、集積回路内において発生した
熱の放散特性に劣るため、電子機器の高密度化あ
るいは演算機能の高速化を進める上で極めて大き
な障害となつており、また、アルミナ基板は熱膨
張率が通常集積回路として使用されるシリコンチ
ツプの熱膨張率と大きく異なるため直接基板上に
シリコンチツプを接着して使用することが困難で
ある。 上述の如き欠点を解決するために、特開昭56−
66086号公報に「炭化ケイ素を主成分とし、これ
に酸化ベリリウム、窒化ホウ素の少なくとも1種
を含む焼結体から成る電気絶縁用基体。」に係る
発明が開示されている。しかしながら、この電気
絶縁用基体はホツトプレス法によつて焼結される
ため、量産が困難でしかも高価であり、さらに酸
化ベリリウムを含有する場合にはベリリウムの毒
性による問題を有している。 また、本発明者らは炭化珪素焼結体を電子回路
用基板として適用すべく、炭化珪素焼結体に電気
的絶縁性を付与する方法について種々研究し、先
に特願昭56−209991号(特開昭58−130546号)に
より「酸化アルミニウムと二酸化珪素との共融生
成酸化物を主成分とする密着性に優れた絶縁性表
面被膜を有する炭化珪素質基板。」およびその製
造方法、特願昭56−209992号(特開昭58−130547
号)により「炭化珪素焼結体の表面にSiO2
P2O5、B2O3、GeO2、As2O3、Sb2O3、BiO3
V2O3、ZnO、PbO、Pb3O4、PbO2、CdO、
Na2O、K2O、Li2O、CaO、MgO、BaO、SrOの
なかから選ばれるいずれか少なくとも1種との共
融生成酸化物を主成分とする絶縁性被膜を有する
炭化珪素質基板。」およびその製造方法および特
願昭57−48958号(特開昭58−176187号)により
「炭化珪素質基板上に下記の溶着層(イ)を有し、前
記溶着層(イ)上に下記の溶着層(ロ)を有することを特
徴とする印加電圧が25Vの場合の絶縁抵抗値が3
×109Ω以上である炭化珪素質基板。(イ)酸化アル
ミニウムと二酸化珪素とを主成分とする溶着層。
(ロ)アルミニウム、珪素、リン、ホウ素、ゲルマニ
ウム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、バナジウ
ム、亜鉛、カドミウム、鉛、ナトリウム、カリウ
ム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリ
ウム、ストロンチウムより選ばれるいずれか少な
くとも2種の酸化物を主成分とする溶着層。」お
よびその製造方法に係る発明を提案している。 ところで、前述の如き酸化物よりなる絶縁性被
膜層を形成することにより電気的絶縁性を付与し
た炭化珪素質基板は炭化珪素が半導体的な特性を
有していることから、アルミナ基板に比較して誘
電率の影響を受け易く信号伝搬速度が遅くなるた
め、前記酸化物よりなる絶縁性被膜層を厚くして
静電容量を小さくすることが重要である。しかし
ながら、前記酸化物よりなる絶縁性被膜層は余り
厚くすると被膜層と炭化珪素との熱膨張率の差に
より、クラツク等の欠陥が生じ易く、場合によつ
ては剥離するため、欠陥のない厚い酸化物よりな
る絶縁性被膜層を形成することは困難であつた。 また、電子回路用基板には他の回路部品との接
続用として一般にリードピンが設けられる。前記
リードピンには取扱い時において比較的大きな応
力が加わる場合があるため、容易に外れることの
ない程度の接合強度が要求される。しかしなが
ら、前記応力はリードピンの接合部付近に集中す
るため、前述の如き酸化物よりなる絶縁性被膜層
にリードピンを接合すると、前記被膜層と炭化珪
素の接合面から破壊することが多く、強い接合強
度を有するリードピンを設けることは困難であつ
た。 本発明者らは前記炭化珪素質基板の電気的絶縁
性、静電特性およびリードピンの接合性について
種々研究を重ねた結果、炭化珪素質薄板にセラミ
ツクス薄板を接合せしめて積層構造とすることに
より、前記諸欠点を改善することのできることを
知見するに至り、本発明者らは、先に特願昭57−
197765号(特開昭59−88851号)により「106Ωcm
以上の体積固有抵抗率を有するセラミツクス薄板
がAl、Si、P、B、Ge、As、Sb、Bi、V、Zn、
Cd、Pb、Na、K、Li、Be、Ca、Mg、Ba、Sr
あるいはZrより選ばれるいずれか少なくとも1
種の酸化物を主成分とする接合層によつて炭化珪
素質薄板の表面に接合されてなる電子回路用炭化
珪素質基板」およびその製造方法、昭和58年2月
4日付の特許出願により「106Ωcm以上の体積固
有抵抗率を有するセラミツクス薄板がZn、Al、
Cd、Ag、Sn、Si、Fe、Cu、Pb、Ni、W、Pd、
Mn、Mo、Ti、Zr、Au、Pt、Ru、Tl、Sbある
いはInより選ばれるいずれか少なくとも1種の金
属を主成分とする接合層によつて炭化珪素質薄板
の表面に接合されてなる電子回路用炭化珪素質基
板」およびその製造方法に係る発明を提案してい
る。 前記発明によれば、いずれも炭化珪素質薄板に
セラミツクス薄板を接合せしめた積層構造とする
ことにより、極めて安定した電気的絶縁性、十分
に低い静電容量および優れたリードピンとの接合
性等の特性を有する炭化珪素質基板を得ることが
できる。 本発明は、前記本発明者らが先に提案した発明
をさらに改良し、炭化珪素質薄板とセラミツクス
薄板とが極めて強固に接合された積層構造を有し
ており、しかも取扱い性に優れかつ安価な炭化珪
素質基板およびその製造方法を提供することを目
的とし、106Ωcm以上の体積固有抵抗率を有する
セラミツクス薄板が有機高分子化合物を主成分と
する接合層によつて炭化珪素質薄板の表面に接合
されてなる電子回路用炭化珪素質基板およびその
製造方法によつて前記目的を達成することができ
る。 次に本発明を詳細に説明する。 本発明者らは炭化珪素質薄板とセラミツクス薄
板との接合性を改良すべく種々検討した結果、有
機高分子化合物を主成分とする接合層によつて炭
化珪素質薄板とセラミツクス薄板を接合し、第1
図に示す如き積層構造となすことにより、容易に
かつ安価に極めて強固な接合強度を得ることがで
き、しかも比較的低温度で接合層を形成すること
ができるため、炭化珪素質薄板とセラミツクス薄
板との熱膨張差による影響をそれ程考慮しなくて
も電子回路用基板として極めて優れた特性を有す
る炭化珪素質基板を得ることのできることを知見
し、本発明を完成した。 本発明の炭化珪素質基板は炭化珪素質薄板の表
面に106Ωcm以上の体積固有抵抗率を有するセラ
ミツクス薄板が接合されてなる積層構造とするこ
とが必要である。その理由は、炭化珪素質薄板の
表面に106Ωcm以上の体積固有抵抗率を有するセ
ラミツクス薄板が接合されてなる積層構造を有す
る炭化珪素質基板は、高い印加電圧の条件下にお
いても信頼性に優れた電気絶縁性を有し、しかも
静電容量が小さく、さらに他の回路部品との接続
用として設けられるリードピンとの接合性に極め
て優れるからである。また前記セラミツクス薄板
が106Ωcm以上の体積固有抵抗率を有するもので
あることが必要な理由は、前記炭化珪素質基板に
は通常、印刷、焼着あるいはエツチング等の手段
によつて電子回路が設けられるが、前記セラミツ
クス薄板の体積固有抵抗率が106Ωcmより低いと
電気的絶縁性を維持することができず、回路内に
おいて短絡状態となるため回路機能が正常に働か
ないからであり、より高い信頼性が要求されるよ
うな場合には108Ωcm以上の体積固有抵抗率を有
するセラミツクス薄板であることが有利である。 本発明において、前記接合層は有機高分子化合
物を主成分とすることが必要である。その理由は
前述の如き有機高分子化合物を主成分とする接合
層によつて炭化珪素質薄板とセラミツクス薄板と
を接合することにより、安易にかつ安価に極めて
強固な接合強度を得ることができるばかりでな
く、前記接合層は比較的低温域、例えば常温ない
し300℃程度の範囲内で形成されるため、炭化珪
素質薄板とセラミツクス薄板の熱膨張率の違いに
よる内部応力が小さく、炭化珪素質薄板およびセ
ラミツクス薄板との接合性に極めて優れるからで
ある。 本発明において、前記有機高分子化合物はポリ
イミド樹脂、トリアジン樹脂、ポリパラバン酸樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリ
コン樹脂、エポキシシリコン樹脂、アクリル酸樹
脂、アニリン樹脂あるいはフエノール樹脂より選
ばれるいずれか少なくとも1種であることが好ま
しく、なかでもポリイミド樹脂、トリアジン樹
脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリアミドイミド樹脂
は比較的耐熱性に優れているため、より好適であ
る。 本発明において、前記接合層の厚さは少なくと
も1μmであることが好ましい。その理由は、前
記接合層の厚さが1μmより薄いと前記炭化珪素
質薄板とセラミツクス薄板との接合強度を十分に
得ることができず、セラミツクス薄板と炭化珪素
質薄板が剥離し易くなるからである。また前記接
合層の厚さは余り厚いと経済的でなく3〜500μ
mの範囲内が最も好適である。 本発明において、前記セラミツクス薄板は電気
的絶縁性に優れていることが重要であり、フオル
ステライト、ステアタイト、スピネル、チタニ
ア、アルミナ、ベリリア、ジルコニア、ジルコ
ン、ムライト、シリマナイト、コージエライト、
リシア、サイアロン、窒化珪素あるいは窒化ホウ
素より選ばれるいずれか少なくとも1種を主成分
とするセラミツクスであることが好ましい。とこ
ろで、上記電子回路用基板として優れたセラミツ
クスおよび炭化珪素質薄板の熱膨張係数は、下記
の第1表のようである。
【表】 上表からわかるように、ベリリア、ジルコン、
ムライト、シリマナイト、コージエライト、サイ
アロン、窒化珪素および窒化ホウ素の熱膨張係数
は炭化珪素のそれに近く、温度サイクルあるいは
サーマルシヨツクなどによつて生ずる熱ストレス
が小さく、炭化珪素質薄板との接合性に優れてお
り、前記セラミツクス薄板として有利である。 本発明において、前記セラミツクス薄板の厚さ
は少なくとも0.05mmであることが好ましい。その
理由は、セラミツクス薄板の厚さは電子部品の小
型化や軽量化を進めたり、放熱特性を向上せしめ
る上でなるべく薄い方が好ましいが、その厚さが
0.05mmより薄いと、印加電圧が高い場合における
電気的絶縁性が低下したり、静電容量が大きくな
り、基板としての機能性が劣化するからである。 本発明において、前記セラミツクス薄板は基板
上にチツプが載置されるようチツプ載置用開口部
を有するものであることが好ましい。その理由は
チツプ載置用開口部を有するセラミツクス薄板が
炭化珪素質薄板の表面に接合された基板には、チ
ツプがセラミツクス薄板を介することなく炭化珪
素質薄板の表面に直接接合されることからチツプ
で発生した熱は直ちに炭化珪素質薄板に伝わるた
め優れた放熱特性を有し、また炭化珪素質薄板と
チツプの熱膨張率がほぼ同じであることから温度
サイクルあるいはサーマルシヨツクなどによる熱
ストレスが殆ど生じないためチツプが剥離した
り、破損したりすることがなく極めて信頼性の高
い接合を得ることのできる利点を有するからであ
る。 本発明において、前記炭化珪素質薄板の厚さは
0.1〜30mmの範囲内であることが有利である。そ
の理由は、前記炭化珪素質薄板の厚さは電子部品
の小型化を進めたり、放射特性を向上せしめる上
でなるべく薄いことが好ましいが、その厚さが
0.1mmより薄いと、炭化珪素質薄板自体の強度が
弱く取扱い性に劣り、一方30mmより厚いと電子部
品の小型化が困難であるばかりでなく、基板に要
する費用が高くなるため不経済であるからであ
る。 次に、本発明の炭化珪素質基板の製造方法につ
いて説明する。 本発明によれば、炭化珪素質薄板あるいはセラ
ミツクス薄板の少なくともいずれかに有機高分子
化合物を主成分とする接合剤組成物を塗布した
後、前記炭化珪素質薄板とセラミツクス薄板を重
ね、次いで前記接合剤組成物を硬化させて接合層
を形成せしめることによつて電気的絶縁性に優れ
た電子回路用炭化珪素質基板が製造される。 本発明によれば、前記炭化珪素質薄板とセラミ
ツクス薄板との間に有機高分子化合物を主成分と
する接合層を形成せしめて接合させることが必要
である。その理由は、前述の如き有機高分子化合
物を主成分とする接合層を形成せしめて接合させ
ることにより、容易にかつ安価に極めて強固な接
合強度を得ることができるばかりでなく、前記接
合層を形成する有機高分子化合物は比較的低温域
で硬化させることができるため、炭化珪素質薄板
とセラミツクス薄板の熱膨張率の違いをそれ程考
慮することなく強固に接合することができるから
である。 本発明によれば、前記有機高分子化合物はポリ
イミド樹脂、トリアジン樹脂、ポリパラバン酸樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリ
コン樹脂、エポキシシリコン樹脂、アクリル酸樹
脂、アニリン樹脂あるいはフエノール樹脂より選
ばれるいずれか少なくとも1種であることが好ま
しく、なかでもポリイミド樹脂、トリアジン樹
脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリアミドイミド樹脂
は比較的耐熱性に優れているため、より好適に使
用することができる。 本発明によれば、前記接合層の厚さを少なくと
も1μmとなすことが好ましい。その理由は前記
接合層の厚さが1μmより薄いと前記炭化珪素質
薄板とセラミツクス薄板との接合強度を十分に得
ることができず、取扱い性に劣るからである。ま
た前記接合層の厚さを余り厚くすることは経済的
でないばかりでなく、むしろ接合強度が劣化する
ため前記接合層の厚さは3〜500μmの範囲とす
ることにより最も好適な結果が得られる。 本発明によれば、前記セラミツクス薄板は先に
も記載した如く、フオルステライト、ステアタイ
ト、スピネル、チタニア、アルミナ、ベリリア、
ジルコニア、ジルコン、ムライト、シリマナイ
ト、コージエライト、リシア、サイアロン、窒化
珪素あるいは窒化ホウ素より選ばれるいずれか少
なくとも1種を主成分とするセラミツクスを使用
することが好ましく、なかでもムライト、シリマ
ナイト、コージエライト、サイアロン、窒化珪素
はその熱膨張率が炭化珪素の熱膨張率に比較的近
いことから温度サイクルあるいはサーマルシヨツ
クなどによつて生ずる熱ストレスが小さく、炭化
珪素質薄板との接合性に優れている。 本発明によれば、前記セラミツクス薄板の厚さ
は少なくとも0.05mmであることが好ましい。その
理由は、セラミツクス薄板の厚さは電子部品の小
型化や軽量化を進めたり、放熱特性を向上せしめ
る上でなるべく薄い方が好ましいが、その厚さが
0.05mmより薄いと、印加電圧が高い場合における
電気的絶縁性が低下したり、静電容量が大きくな
り、基板としての機能性が劣化するばかりでな
く、セラミツクス薄板の強度が弱くて破損し易
く、取扱い性に劣るからである。 本発明によれば、基板上にチツプが載置される
ようチツプ載置用開口部を有するセラミツクス薄
板を炭化珪素質薄板の表面に接合することが好ま
しいが、前記チツプ載置用開口部を有するセラミ
ツクス薄板は、例えばグリーンシートを打抜きな
どで生加工した後焼成する方法、チツプ載置用開
口部を有する生成形体を直接成形することのでき
る押し型で成形した後焼成する方法あるいは一旦
焼成された薄板を超音波加工法などにより加工す
る方法によつて製造することができる。 なお、本発明によれば、前記セラミツクス薄板
として、その表面にあらかじめ電子回路を設けた
セラミツクス薄板を炭化珪素質薄板の表面に接合
して炭化珪素質基板を製造することができ、さら
に基板の高密度化を進めることを目的として前記
セラミツクス薄板の上にさらに接合層を介してセ
ラミツクス薄板を1枚あるいは2枚以上積層した
構造とすることもできる。 次に本発明を実施例について説明する。 実施例 1 炭化珪素質薄板は3.1g/cm3の密度を有する炭
化珪素無加圧焼結体であつて、30×30×2mmの薄
板状のものをあらかじめポリツシング加工し、最
終的に#1200砥石で表面仕上げをし、次いでアセ
トン中で煮沸して脱脂処理したものを使用した。 セラミツクス薄板は30×30×1mmの薄板状で第
2図に示した如きチツプ載置用開口部を有するム
ライト薄板であつて、上述の炭化珪素質薄板に施
した処理と同様の処理を施したものを使用した。 前記炭化珪素質薄板上およびムライト薄板上に
ポリイミド樹脂(CT410東芝ケミカル製)を塗布
し前記炭化珪素質薄板とムライト薄板を重ねた後
真空容器内で10時間保存し最終的に15mmHg以下
の条件で真空脱気処理を施した。次いで150℃で
1時間加熱して前記樹脂を硬化させて第1図に示
す如き積層構造を有する炭化珪素質基板を得た。 得られた炭化珪素質基板の接合層の厚さは約
50μmであり、ピンホール等の欠陥も殆ど認めら
れず、前記炭化珪素質薄板とムライト薄板は極め
て強固に密着していた。 前記ムライト薄板が接合されている箇所におけ
る炭化珪素質基板の絶縁抵抗は印加電圧が100V
の場合1014Ω以上、耐電圧は13KV、静電容量は
0.9pFであつた。なお前記絶縁抵抗はJIS−C−
5012の7.3に、耐電圧はJIS−C−2110の8.3に基
づいて測定し、静電容量は第3図に示す如く、銀
ペーストを用いてムライト薄板上に測定用の電極
を印加し1MHzの周波数における両電極間の静電
容量を測定した。 実施例 2 実施例1で使用したものと同様の炭化珪素質薄
板と第2表に示した如きセラミツクス薄板のそれ
ぞれの表面に硬化剤を1重量%混合したポリイミ
ド樹脂(TUB2706、東芝ケミカル製)を塗布し
前記炭化珪素質薄板とセラミツクス薄板を重ねた
後真空容器内で12時間保存し最終的に15mmHg以
下の条件で真空脱気処理を施した。次いで175℃
で10時間加熱して前記樹脂を硬化させて炭化珪素
質基板を得た。 得られた炭化珪素質基板の特性は実施例1と同
様の方法で測定し第2表に示した。
【表】 実施例 3 実施例1で使用したものと同様の炭化珪素質薄
板とムライト薄板のそれぞれの表面にシリコン樹
脂(AY42−409、東レシリコーン製)を塗布し
前記炭化珪素質薄板とムライト薄板を重ねた後真
空容器内で1時間保存し最終的に15mmHg以下の
条件で真空脱気処理を施した。次いで165℃で12
時間加熱して前記樹脂を硬化させて炭化珪素質基
板を得た。 得られた炭化珪素質基板の接合層の厚さは約
80μmであり、実施例1と同様の方法で測定した
絶縁抵抗は1014Ω以上、耐電圧は13KV、静電容
量は0.9pFであつた。 実施例 4 実施例1で使用したものと同様の炭化珪素質薄
板と実施例1と同様の処理を施したシリマナイト
薄板のそれぞれの表面に2液性のエポキシ樹脂
(CT160、東芝ケミカル製)を充分に混合した後
塗布し前記炭化珪素質薄板とシリマナイト薄板を
重ね真空容器内で12時間保存し最終的に15mmHg
以下の条件で真空脱気処理を施した。次いで130
℃で12時間加熱して前記樹脂を硬化させて炭化珪
素質基板を得た。 得られた炭化珪素質基板の接合層の厚さは約
15μmであり、実施例1と同様の方法で測定した
絶縁抵抗は1013Ω以上、耐電圧は10KV、静電容
量は1.0pFであつた。 実施例 5 実施例1で使用したものと同様の炭化珪素質薄
板と実施例1と同様の処理を施したコージエライ
ト薄板のそれぞれの表面にフエノール樹脂
(TUB2205、東芝ケミカル製)を塗布し前記炭化
珪素質薄板とコージエライト薄板を重ねた後真空
容器内で10時間保存し最終的に15mmHg以下の条
件で真空脱気処理を施した。次いで120℃で3時
間加熱して前記樹脂を硬化させて炭化珪素質基板
を得た。 得られた炭化珪素質基板の接合層の厚さは、約
105μmであり、実施例1と同様の方法で測定し
た絶縁抵抗は1013Ω以上、耐電圧は11KV、静電
容量は0.8pFであつた。 実施例 6 実施例1で使用したものと同様の炭化珪素質薄
板と実施例1と同様の処理を施した窒化珪素薄板
のそれぞれの表面にポリエステル樹脂
(TUB2111、東芝ケミカル製)を塗布し前記炭化
珪素質薄板と窒化珪素薄板を重ねた後真空容器内
で10時間保持し最終的に15mmHg以下の条件で真
空脱気処理を施した。次いで120℃で10時間加熱
して前記樹脂を硬化させて炭化珪素質基板を得
た。 得られた炭化珪素質基板の接合層の厚さは約
40μmであり、実施例1と同様の方法で測定した
絶縁抵抗は1014Ω以上、耐電圧は15KV、静電容
量は1.1pFであつた。 以上述べた如く、本発明によれば熱膨張率がシ
リコンチツプとほぼ同じで、前記シリコンチツプ
を直接接合することができ、かつ放熱特性に優れ
た炭化珪素質薄板を集積回路用基板あるいはIC
パツケージ用材料として極めて有利に適用でき、
しかも静電容量が著しく小さく極めて高い回路機
能を発揮することのできる炭化珪素質基板を供給
できるので、産業上に寄与する効果は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1で製造した炭化珪素
質基板の積層構造を示す断面図、第2図は本発明
の実施例1で使用したセラミツクス薄板の形状を
示す模式図、第3図は本発明の実施例1で行なつ
た静電容量を測定するためにセラミツクス薄板上
に銀ペーストで施した電極の形状を示す図であ
る。 1……炭化珪素質薄板、2……接合層、3……
セラミツクス薄板、4……銀ペースト。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 106Ωcm以上の体積固有抵抗率を有するセラ
    ミツクス薄板が有機高分子化合物を主成分とする
    接合層によつて炭化珪素質薄板の表面に接合され
    てなる電子回路用炭化珪素質基板。 2 前記有機高分子化合物はポリイミド樹脂、ト
    リアジン樹脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリアミド
    イミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、エポ
    キシシリコン樹脂、アクリル酸樹脂、アニリン樹
    脂あるいはフエノール樹脂より選ばれるいずれか
    少なくとも1種である特許請求の範囲第1項記載
    の基板。 3 前記接合層の厚さは少なくとも1μmである
    特許請求の範囲第1あるいは2項記載の基板。 4 前記セラミツクス薄板は108Ωcm以上の体積
    固有抵抗率を有する特許請求の範囲第1〜3項の
    いずれかに記載の基板。 5 前記セラミツクス薄板はフオルステライト、
    ステアタイト、スピネル、チタニア、アルミナ、
    ベリリア、ジルコニア、ジルコン、ムライト、シ
    リマナイト、コージエライト、リシア、サイアロ
    ン、窒化珪素あるいは窒化ホウ素より選ばれるい
    ずれか少なくとも1種を主成分とするセラミツク
    スである特許請求の範囲第1〜4項のいずれかに
    記載の基板。 6 前記セラミツクス薄板の厚さは少なくとも
    0.05mmである特許請求の範囲第1〜5項のいずれ
    かに記載の基板。 7 基板上にチツプが載置されるようチツプ載置
    用開口部を有するセラミツクス薄板が炭化珪素質
    薄板の表面に接合されてなる特許請求の範囲第1
    〜6項のいずれかに記載の基板。 8 炭化珪素質薄板あるいはセラミツクス薄板の
    少なくともいずれかに有機高分子化合物を主成分
    とする接合剤組成物を塗布した後、前記炭化珪素
    質薄板とセラミツクス薄板を重ね、次いで前記接
    合剤組成物を硬化させて接合層を形成せしめるこ
    とを特徴とする電気絶縁性に優れた電子回路用炭
    化珪素質基板の製造方法。 9 前記有機高分子化合物はポリイミド樹脂、ト
    リアジン樹脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリアミド
    イミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、エポ
    キシシリコン樹脂、アクリル酸樹脂、アニリン樹
    脂あるいはフエノール樹脂より選ばれるいずれか
    少なくとも1種である特許請求の範囲第8項記載
    の製造方法。 10 前記接合層の厚さは少なくとも1μmであ
    る特許請求の範囲第8あるいは9項記載の製造方
    法。 11 前記セラミツクス薄板はフオルステライ
    ト、ステアタイト、スピネル、チタニア、アルミ
    ナ、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、ムライ
    ト、シリマナイト、コージエライト、リシア、サ
    イアロン、窒化珪素あるいは窒化ホウ素より選ば
    れるいずれか少なくとも1種を主成分とするセラ
    ミツクスである特許請求の範囲第8〜10項のい
    ずれかに記載の製造方法。 12 前記セラミツクス薄板の厚さは少なくとも
    0.05mmである特許請求の範囲第8〜11項のいず
    れかに記載の製造方法。
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