JPH022151Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガス器具における配管等の接続に用
いられる管継手装置に関するものである。

従来のこの種の継手装置としては、先端に配管
部材の挿入穴を有する取付具と、配管部材に抜け
ないように嵌挿された固定板とを用いて、固定板
を取付具に着脱自在としたものがあり、例えば固
定板をリツプ付きのチヤンネル材で構成し、取付
具の先端部外周に径方向に突部を突設して、固定
板のリツプ部を取付具の突部に係合させるととも
に、突部の一方に形成したねじ穴にねじを螺合し
て固定板を回転止めするようにしたものが知られ
ている（例えば実開昭58−63482号公報参照）。

上記の従来例は、それまでのものにあつた問題
点、すなわち巣洩れを生じやすく、また各部材の
加工や接続作業に手数がかかるという問題点を解
決することを目的としてなされたものであるが、
固定板が折曲げ個所の多いリツプ付きのチヤンネ
ル材であるため製作が面倒であり、また固定板を
取付具と組合わせて回転させる場合に、回り止め
がないため固定板を適正な角度だけ回転させてね
じ穴を一致させることが面倒であり、更に固定板
の回り止めのために、ガス器具のような狭いスペ
ース内で軸に直角な方向にねじの締付け作業をし
なければならない等の新たな問題点がある。

本考案はこのような点を解決し、加工が容易で
あるとともに簡単に接続作業を行なうことのでき
る管継手装置を提供することを目的としてなされ
たものであり、先端中央に配管部材の挿入穴を有
する取付具の外周に一対の係止突部を径方向に突
設し、配管部材に回転自在に嵌挿され、且つ配管
部材の端部付近に形成した鍔部で抜止めされたコ
字状の固定板の両折曲片にこの固定板を前記取付
具に当接した状態で取付具の係止突部に係合する
一対の係止凹部を同一回転方向に向けて凹設し、
取付具の係止突部を固定板の係止凹部に係合させ
て配管部材を取付具に接続するとともに、係止突
部が係止凹部の底に当接した状態において連通す
るように取付具と固定板にそれぞれピン穴を設
け、この各ピン穴に固定ピンを軸に平行な方向に
挿着したことを特徴としている。

以下、図示の一実施例について本考案を具体的
に説明する。

第１図は接続状態の断面図、第２図は接続前の
斜視図であり、図において、１は銅管等の配管部
材、２は取付具、３は固定板である。

取付具２は例えばアルミダイカスト製のもの
で、先端中央に配管部材１が挿入される挿入穴４
を設けてあり、また先端外周に径方向に一対の大
径部５，５を設け、更に大径部５の外周に一対の
係止突部６を径方向に突設してある。また、固定
板３は例えば鉄板等をコ字状にプレス成形して得
られたもので、中央部材７の中心には配管部材１
を挿通する挿通穴８を設け、両端の折曲片９には
丁度中央部材７の対角線の位置にある各側縁から
一対の係止凹部１０を同一回転方向に向けてコ字
状に凹設してあり、配管部材１に回転自在に嵌挿
され、配管部材１の端部付近にプレス加工によつ
て形成された鍔部１１により抜止めされている。
更に取付具２の大径部１０の一方には軸に平行に
ピン穴１２が穿設されており、これに対応して固
定板３の中央部材７には２個のピン穴１３が挿通
穴８に対して対称な位置に穿設されている。１５
は弾力性のあるワイヤをＬ字状に折曲げ、先端に
く字状の抜止め部１６を形成した固定ピンであ
り、また１８は配管部材１の先端に嵌挿されるＯ
リングである。

次に接続作業について説明すると、まず配管部
材１の先端を取付具２の挿入穴４に挿入し、次い
で、固定板３を第２図のように係止突部６に対し
傾斜させた姿勢で取付具２側に押当てる。この状
態で係止突部６が係止凹部１０に係合できる位置
に来るように、またＯリング１８が挿入穴４の底
と鍔部１１の間で適度に圧縮されるように各部の
寸法を選定してあり、固定板３を押しながら係止
突部６が係止凹部１０の底１０ａに当たるまで固
定板３を時計方向に回転させる。係止凹部１０の
端縁には第３図ａに示すようにＲ部１０ｂを形成
してあるので、係止突部６は容易に係止凹部１０
に進入し、固定板３の回転は円滑に行なわれる。
ピン穴１２，１３はこの状態で両者が一致して連
通する位置に設けられており、固定ピン１５をピ
ン穴１２，１３に挿入し、大径部５の反対側まで
抜止め部１６を貫通させる。抜止め部１６はくの
字が伸びてピン穴１２を通つた後元の形状に戻つ
て抜けなくなる。なお、この固定ピン１５は形状
であつてもよい。また、固定板３のピン穴１３は
２個設けられていていずれかがピン穴１２と連通
するので、固定板３には方向性がなく作業はそれ
だけ容易になる。

これで接続作業は終了し、固定板３は回転止め
され、配管部材１と取付具２とは確実に接続され
る。

なお、第２図及び第３図ａでは、係止凹部１０
が中央部材７に接する位置に設けられているが、
第３図ｂのように中央部材７から離れて設けても
よい。また、係止突部６は第２図のような角柱で
なく円柱など他の形状であつてもよく、例えば円
柱の場合には係止凹部１０の底１０ａは第３図ｂ
のように円弧状とし、Ｒ部１０ｂは設ける必要は
ない。

本考案は上述のように構成されており、固定板
はコ字状であるためプレス加工などによる製作が
容易である。また一対の係止突部とコ字状の係止
凹部とを固定板を取付具に当接させた状態で係合
できる位置に設けているので、固定板を取付具に
押当てて回転するだけで位置決めが自動的になさ
れ、しかも一致したピン穴に固定ピンを軸方向に
挿入するだけで回転止めができるので、手探りの
ような状態でも容易に接続できる。従つて、接続
作業は簡単で短時間に行なうことが可能になると
ともに、部品も安価に製作でき、ガステーブルの
ように一般に内部のスペースが狭くて作業を行な
いにくいガス器具に適した管継手装置を得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の接続状態の断面
図、第２図は接続前の斜視図、第３図ａは固定板
の側面図、第３図ｂは他の実施例の固定板の側面
図である。 １……配管部材、２……取付具、３……固定
板、４……挿入穴、６……係止突部、９……折曲
片、１０……係止凹部、１０ａ……係止凹部の
底、１１……鍔部、１２，１３……ピン穴、１５
……固定ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 先端中央に配管部材の挿入穴を有する取付具の
   外周に一対の係止突部を径方向に突設し、 配管部材に回転自在に嵌挿され、且つ配管部材
   の端部付近に形成した鍔部で抜止めされたコ字状
   の固定板の両折曲片に、この固定板を前記取付具
   に当接した状態で取付具の係止突部に係合する一
   対の係止凹部を同一回転方向に向けてコ字状に凹
   設し、 取付具の係止突部を固定板の係止凹部に係合さ
   せて配管部材を取付具に接続し、係止突部が係止
   凹部の底に当接した状態において連通するように
   取付具と固定板にそれぞれピン穴を設け、この各
   ピン穴に固定ピンを軸に平行な方向に挿着してな
   る管継手装置。