JPH02209455A - 磁気特性の優れた珪素鋼板 - Google Patents

磁気特性の優れた珪素鋼板

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JPH02209455A JP3139289A JP3139289A JPH02209455A JP H02209455 A JPH02209455 A JP H02209455A JP 3139289 A JP3139289 A JP 3139289A JP 3139289 A JP3139289 A JP 3139289A JP H02209455 A JPH02209455 A JP H02209455A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、変圧器、回転機等の磁心材料として好適な高
磁束密度で低損失な珪素鋼板に関する。
〔従来の技術〕
従来より電動機、発電機、変圧器等の磁心には珪素鋼板
が用いられている。この珪素鋼板に要求される磁性は、
交流磁界中で磁気的なエネルギー損失(鉄損)が少ない
こと、実用的な磁界中で磁束密度が高いこと、の2つで
ある。これらを実現するには、電気抵抗を高め、かつ磁
化容易方向であるbcc格子のH 0 0)軸を使用磁
界方向に集積させるのが有効とされている。
磁心材料としての珪素鋼板は、一方向性珪素鋼板と無方
向性珪素m板とにも大別され、使用磁界方向が一方向に
限られている場合に最も良好な磁気特性を示すのは、3
%程度のSiを含む一方向性珪素鋼板である。これは第
7図(イ)に示すように{1101面が仮面に平行し、
H O Q)軸を圧延方向に集積させていることから、
圧延方向に磁界をかけて使用した場合の磁気特性が著し
く優れる。しかし、この一方向性珪素鋼板は圧延方向以
外の方向に磁化し難い。したがって電動機、発電機等の
回転機器のような、磁界が仮面内の様々な方向に作用す
る場合には、さしたる効果は得られない。
磁界が仮面内の複数の方向に作用する場合に使用される
のは、第7図(口)〜(ホ)に示されるような集合組織
を持つ無方向性珪素鋼板である。
これらの無方向性珪素鋼板のなかで良好な磁気特性を示
すのは、第2図(口)〜((ニ)に示すように{100
)面が板面に平行し、000>軸が板面垂直方向に集積
したものである。このような集合組織を持つと、3つの
互いに直交した<100>軸のうち、2つまでが板面に
平行することになる。
板面に平行する2つの<100>軸の集積具合は、用途
によって望まれるものが異なり、例えば板面内の互いに
直交する2方向に磁界が加わるEI型鉄心のような場合
は、第7図(ロ)(ハ)に示す(1001<001>、
(100)  <011>集合組織のものが好ましく、
これらは特に二方向性珪素鋼板と呼ばれている。また、
板面内のあらゆる方向に磁界が加わるものの場合は、第
7図に)に示す(1001面内無方向無方向縁のものを
使用するか、もしくは第7図(ロ)(ハ)に示す(10
01<001)、flool  <011>型集合組織
のものを板面内で角度を変えて打ち抜いて重ねて使用す
るのが好ましいことになる。
以上のようなことを考慮すると、板面内の全方向もしく
は複数の方向で優れた磁気特性を示す珪素鋼板、すなわ
ち板面垂直方向に<100>軸をもつ珪素鋼板が実用上
は利用価値が最も大きいといえる。
〔発明が解決しようとする課題] 板面垂直方向に<100>軸をもつ珪素鋼板は、凝固組
織を用いる方法、高温焼鈍による方法、およびγ単相温
度域からの冷却による方法で製造できることが知られて
いる。しかし、これらの方法で得られる珪素鋼板は、板
面垂直方向での<100〉軸の集積度が十分でないもの
が多く、また板面垂直方向で(100>軸が高密度に集
積していても結晶粒が粗大であったりして、いずれも十
分な磁気特性を示すには至っていない。
本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、板面
内の全方向もしくは複数の方向で優れた磁気特性を示す
珪素鋼板を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段] 板面内の全方向もしくは複数の方向で優れた磁気特性を
示す珪素鋼板の開発要望に対し、本発明者らは(100
1集合組織を有する柱状結晶組織からなる珪素鋼板を先
に開発した(特願昭62262997号および特願昭6
1−80165号)。
これは、珪素鋼板の脱炭焼鈍が進行する過程でγ→α変
態を発生させると、板面垂直方向に〈100〉軸が高密
度で集積した低鉄損で磁束密度も高い結晶粒組織の珪素
鋼板が、高精度の板厚で板厚等の制限を受けることなく
しかも工業的規模で容易に製造できるとの知見に基づく
ものである。
すなわち、従来の珪素鋼板に対する最終焼鈍はα単相の
温度域で行うのが通例である。これに対しCを適量添加
しT相の温度域を拡大した冷間圧延珪素鋼板を、脱炭が
完了したときにα単相となる850〜1100°C程度
で、例えば非酸化性の弱脱炭性雰囲気である真空中で焼
鈍すると、この焼鈍ではCが十分に含有されていること
から、α+T混合相もしくはγ単相の温度域で焼鈍が行
われることになる。
その結果、表面から5〜10μm深さまでの領域が脱炭
され、この部分のみがα単相となり、内部は微細なα+
T混合組織もしくはγ単相組織となる。例えばα+T2
相温度域での焼鈍の場合は、第1図の組織略図の(イ)
に示すように、表面のα単相領域の粒は板面垂直方向に
中心軸をもつ柱状粒となる。
このような表面の脱炭層は、弱脱炭性の雰囲気下ではゆ
るやかにしか内部へ成長せず、その間に表面のα柱状粒
のうちの板面垂直方向に〈100〉軸を持つ結晶粒のみ
が板面平行方向に成長する。
か(して、表層は板面垂直方向に<100>軸が強(集
積したα単相の集合組織を持つようになる。この粒成長
は表面エネルギーを駆動力としたものと推定される。こ
の段階での表層のα粒は板面平行方向に30〜300μ
m程度の大きさの柱状粒となっている。
続いて例えば強脱炭性雰囲気中で脱炭を進行させると、
表層のα粒が内部のα+γ2相域、もしくはT相域に向
かって成長し、最終的には第1図(ロ)に示すように両
表面から内部へ向かって延びた柱状粒が板厚中心部で衝
突したα単相の柱状粒組織となる。
以上のように、脱炭の過程でT→α変態を生じさせれば
、表面で成長した(100)集合組織が粒成長により内
部にまで受は継がれ板金体を簡単に+100)集合組織
とできる。更に粒成長の過程で板面垂直方向の<ioo
>軸の集積度も向上する。
ところで、(1001集合組織を有する柱状粒結晶組織
からなる珪素鋼板が優れた磁気特性、すなわち高磁束密
度と低鉄損特性とを示す理由は、次の2点である。
第1は、このような集合組織は板を構成する各結晶粒の
3本の<100>軸のうち2本が板面に平行となる組織
であるため、必然的に500〜10000A/mの磁化
力における磁束密度が高くなる点である。第2の点は、
結晶粒が50〜1000μm程度と小さく、磁区か細い
ために渦電流損失が小さく、低鉄損特性を示すことであ
る。
ところが、このような組織構造の珪素鋼板は、500A
/m以上の磁化力下での磁束密度特性に比較して、それ
未満の磁化力における磁束密度が劣る。すなわち、低磁
化力域での透磁率が低く、これが鉄損中のヒステリシス
損失を大きくし、低鉄損化の障害になっているのである
本発明は、この低磁化力域での低透磁率の解消を図るも
のであり、本発明者らによるその原因解明を根拠として
いる。
本発明者らの調査研究によると、低磁化力域での低透磁
率の原因は、(100)集合組織を有する柱状結晶粒組
織特有の磁区構造に起因したものであることが明らかと
なった。
すなわち、(100)集合組織では、第2図に示すよう
に、板面に対し垂直方向もしくは水平方向に容易磁化軸
が存在するために、この方向にスピンが整列した磁区を
形成する。特に、板面垂直方向に伸びた柱状結晶粒の場
合、板面垂直方向の磁化に対する反磁場係数が小さくな
るため、この向きの磁区が形成されやすい。低磁化力域
での低透磁率は、この垂直に向いた磁区の存在が主な原
因になっているのである。
低磁化力域での低透磁率の原因がこのような点にあると
すれば、板面に平行な方向の張力を加えると、珪素鋼が
正の磁歪を有することとあいまって、垂直方向の磁区が
減少し、低磁化力域での低透磁率は解消されることにな
る。
本発明の要旨は、Stを0.1〜6.5 w t%以下
含んだ鋼板で、結晶粒の<100>軸が板面垂直方向に
集積した集合組織を有し、板面平行方向に0.1〜5 
kg / m+n 2の張力を有していることを特徴と
する特許 〔作  用] 以下に本発明の珪素鋼板を組成、組織、張力等について
詳述する。
QMi成 成分のなかでは磁気特性に特に大きな影響を与えるSt
が重要であり、0. 1 w t%≦St≦6.5wt
%の含有とする。
すなわち、Siは電気抵抗値を上げ、鉄損中の渦電流損
失を低減するために、0. 1 w t%以上の含有と
し、飽和磁束密度の低下防止と脆化防止とから5. 5
 w t%以下に制限する。好ましくは0.8wt%以
上、4wt%以下である。
なお、SiはT−α変態に対しては、後述するMnとは
逆に脱炭完了後実質的にα単相となる上限温度を上昇さ
せる。
他の元素については次のとおりである。
C;最終焼鈍において脱炭にともなうγ→α変態を利用
した集合組織制御を行う場合には、最終焼鈍前の段階で
0.02wt%以上、好ましくは0。
0 5wt%以上の含有を必要とする。上限は脱炭時間
を抑えるために1wt%以下、好ましくは0。
3wt%以下とする。最終焼鈍後の段階では磁気特性を
劣化させないために0.01wt%以下、好ましくは0
.003wt%以下が望まれる。
Mn:電気抵抗を増大させ渦電流損失を低下させるため
と、γ−α変態による集合組織制御を行う場合はT相温
度域を拡大しγ−}α変態利用の集合組織制御を容易に
するために、添加が望まれる。
添加する場合は0.05wt%以上が好ましり、0。
8wt%以上がより好ましいが、いずれにしてもαおよ
びT2相からなるα単相になる変態温度が脱炭完了後8
50°C以上となる量を最大源として添加する。これは
Mnを多量に添加すると、脱炭完了後実質的にα単相と
なる上限温度が低下し、焼鈍温度を極端に低くしなけれ
ばならないためである。なお、Si量が高い場合はMn
を多量に添加しうるが、磁束密度を低下させるため5w
t%を超えないようにする。実質的にα単相となるには
MnS、AffiN等の微量な第二相が存在しても良い
ことを意味する。
Al:電気抵抗を増大させ、渦電流損失を低下させるた
めに添加することが望まれる。また、製鋼段階で鋼中の
酸素を低減する脱酸剤として添加してもよい。しかし、
多量に添加すると脆化を生じさせ、磁束密度も低下する
ので3wt%以下、好ましくは1wt%以下とする。T
−α変態に対しては、Stと同様、脱炭完了後実質的に
α単相となる上限温度を上昇させる。
co=飽和磁束密度を増加させるために、所望により添
加する。但し、高価であるために1wt%以下の添加が
望まれる。
C,St、Mn、A/2.Co以外の成分で本発明を損
なわず添加できるものは以下のとおりである。なお、N
はCと同様の作用を生じるので、積極的に添加してもよ
い。
Cr、Ni、Mo≦Iwt% Cu≦Q、 l w t% N≦0.01wt% w、v、sb≦1.0% S≦0.1 w t% Se、As≦0.08wt% B≦0.005wt% P≦0.1wt% O製品板厚 本発明では結晶組織的な面から製品板厚に制限を設ける
必要はない。しかし、T−α変態による集合組織制御を
行なう場合には、製品板厚が厚いと内部まで脱炭するの
に長時間を要し、また渦電流損失が増大するので51W
1以下とし、より好ましくは0.5胴以下である。下限
は十分に集積した+100)集合組織とするため0.0
5mm以上とするのがよく、より好ましくは0.15m
m以上である。
0組 織 集合組織 十分な磁気特性確保のため、結晶粒の<100〉方向が
板面垂直方向に強く集積した集合組織とする。具体的に
は、板面垂直方向から±5°以内に<100>軸を持つ
結晶粒の存在確率が、集合組織を持たない場合の5倍以
上、より好ましくは15倍以上である。
結晶粒組織 板の表面から内部に向かって伸びた柱状粒が板厚中心付
近で衝突した組織が望ましく、粒成長を促進させて板厚
方向に貫通した柱状粒組織であってもよい。ただし、低
鉄損とするため柱状結晶粒の板面平行方向の平均直径は
50μm以上、1m以下、より好ましくは0.35mm
以下である。
このような組織をもつ珪素鋼板は、T−α変態による集
合組織制御により工業的に容易に製造することかできる
が、他の方法で製造されてもよく、要は結晶粒の<io
o>方向が板面垂直方向に上記の如く集積された珪素鋼
板であれば、製造法は問わない。
O張 力 磁気特性、特に低磁化力域での透磁率改善による磁束密
度特性向上のために、板面と平行方向に0、1 kg/
mm”以上、5kg/mm2以下の張力を加える。0.
1kg/mm”未満では、磁束密度向上に対する効果が
なく、5kg/mm”超では、逆に磁気特性が劣化する
。この張力は板面内の一方向に加えても、板面内で等方
的に付加しても良い。(100)  <011>もしく
は(100)  <011>集合組織の場合、板面内に
相直交する2方向に容易磁化方向があるが、2方向のう
ち一方の方向に張力を付加することにより、その方向の
磁気特性を特に向上させ得る。
張力の付加方法に特に制限はなく、例えば磁心を組み立
てる最に機械的に張力を加える、もしくは鋼板の製造過
程の絶縁被膜形成時に、鋼板と絶縁被膜の熱膨張係数の
差を利用して張力を加えるなどの方法が適宜採用される
○ 製造方法 張力付加の対象となる珪素鋼板の代表的な製造法は、γ
−α変態による集合組織制御であり、以下のとおりであ
る。下記製造法により、本発明の珪素鋼板として特に適
した板面から内部に向かって成長した柱状結晶粒をもつ
板材が工業的規模で容易に得られる。
ストリップ製造 圧下率10%以上、より好ましくは50%以上の冷間圧
延を施すものであれば製造方法は問わない。通常は連続
鋳造−熱間加工−冷間圧延の工程による。この場合、加
工間に1回または複数回の焼鈍を挟むことを阻げない。
連続鋳造による方法以外には、例えば50胴以下の板厚
に直接凝固させた薄スラブもしくは溶湯超急冷法により
極薄板を直接または熱間加工後に冷間圧延する方法でも
よい。なお、ここで冷間圧延とは再結晶の生じない50
0°C以下の圧延をいう。
最終焼鈍 脱炭完了後α−フェライト単相となる温度域で脱炭焼鈍
を行う。これにより脱炭の行われていない部分について
はα+γ2相域もしくはT単相域の温度で焼鈍が行われ
、脱炭が進行する間に表層より内部に向かってT→α変
態を生じ、板面垂直方向に<100>軸が強く集積した
実質的にα単相の柱状粒組織が得られる。具体的には、
焼鈍効率を高めるため、次のような焼鈍を行うのが好ま
しい。
まず、弱脱炭性の雰囲気中、例えば10−’Torr以
下の真空中もしくは露点O°以下のH,、HeNe、N
r、Kr、Xe、Rn、Nzの1種または2種以上の雰
囲気中で、850°C以上の温度で焼鈍し、板表面から
5〜50μmの深さの領域にα単相域を形成する。焼鈍
時間は好ましくは1〜48時間程度である。
次いで、強脱炭性の雰囲気、例えば露点0°C以上のH
2中もしくは露点O′C以上のH2に不活性ガスまたは
co、co2を添加したガス中で、650〜900°C
の温度で焼鈍し、仮表層部に形成したα単相域を板肉部
に向かって成長させる。焼鈍時間は好ましくは5分〜2
0時間程度である。
なお、強脱炭の工程はC添加時にα相とセメンタイトと
の混合相となる温度域で行ってもよい。
表面コーティング 表面には絶縁被膜を形成することが好ましいが、この工
程は最終焼鈍後に実施してもよいし、弱脱炭性雰囲気中
での焼鈍の後に実施してもよい。後者の場合は、表面コ
ーテイング後に強脱炭性の雰囲気中で焼鈍を行うことに
なる。このコーティングで鋼板に板面平行方向の張力を
付加できることは、前述したとおりである。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例について詳述する。
第1表にAで示すSi3%、Mn015%の(1001
<001)型集合組織を持ツQ、 35 m厚さの鋼板
を次の方法で製造した。
まず、表IAの組成に0.07%のCを加えた鋼塊を真
空溶製により作製し、その後、1100°Cの温度に加
熱した後、熱間圧延して3胴厚の板とした。次に、この
板を冷間圧延により1 mm厚の板とした後、850°
Cで3分間焼鈍し、さらに最終板厚まで冷間圧延した。
この板に真空中で950’CX 5 hの焼鈍を施し、
最後にCを除去するため、水蒸気を含む水素中にて85
0°CX30m1nの焼鈍を行った。この焼鈍により炭
素量は0.001%以下になっていた。
製造された鋼板を形成する結晶粒が板面垂直方向から±
5°以内に<100>軸を持つ確率は、集合組織を持た
ないものの約50倍であった。結晶粒組織は第3図のよ
うに直径約200μmの柱状粒組織である。この鋼板か
ら圧延方向に10cm幅方向に3cmの長方形の試料を
切り出し、単板磁化測定器を用いて圧延方向に張力を付
加しながら、圧延方向の磁化特性を測定した。また、同
じ試料を化学研磨によって薄くし、それについても上記
と同様な測定を行った。結果を第4〜6図に示す。
第4〜6図のW□7.でnは測定時の磁束密度を0、 
I Te5la単位で表わし、mは測定用周波数を表わ
す。
第4図かられかるように、板面平行方向の張力付加によ
り特に低磁力域での磁束密度特性が向上し、その効果は
張力が0.1 kg/mm”以上で表れ、0、2 kg
/mm”以上で顕著になる。また、第5図〜第7図から
は、張力付加により鉄損特性も向上することもわかる。
張力付加によって鉄損特性が向上するのは、低磁化力域
での磁束密度が大きくなることによってヒステリシス損
失が低減されること、及び磁区が細分化されて渦電流損
失も低減するためである。ただし、前者の効果が大きい
なお、第6図には6kg/mm”の張力付加時に鉄損特
性が悪化した結果が示されているが、これは、過大な張
力付加により内部に過剰な歪がはいり、これが磁歪の存
在とあいまって磁化をさまたげるためである。
第1表にB〜■で示される組成で、種々の集合組織を有
する鋼板を上記と同様の方法で製造し、各鋼板にリン酸
(塩)を主体とするコーテイング液を塗布し、800°
Cで焼鈍して絶縁被膜を付加し、冷却時の鋼板と絶縁被
膜の熱収縮の差を利用することにより、各鋼板に約1k
g/mm2の板面内等方的な張力を付加した。各鋼板か
ら10cmX3cmの長方形試料を切り出し、単板磁化
測定器を用いて、長手方向の磁化特性を測定した結果を
第2表に示す。この表で(100>軸密度と記している
ものは、結晶粒が板面垂直方向から±5゛以内に<10
0>軸を持つ確率を、集合組織を持たないものの確率で
割ったものを意味し、(1001集合組織への集積度を
示すものである。
第2表からも明らかなように、板面平行方向の張力付加
により、低磁場下での磁束密度が上昇し、且つ鉄損値が
顕著に低下する。
〔発明の効果〕
本発明の珪素鋼板は、高磁化力域は勿論のこと、低磁化
力域でも優れた磁束密度特性を示し、しかも鉄損特性に
著しく優れる。したがって、変圧器、回転機等の磁心材
料に使用して、その特性向上、小型化等に大きく貢献し
得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の珪素鋼板の組織略図、第4図
〜第7図は張力と磁気特性との関係を示すグラフ、第8
図は結晶方位の説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1、Siを0.1〜6.5wt%含んだ鋼板で、結晶粒
    の〈100〉軸が板面垂直方向に集積した集合組織を有
    し、板面平行方向に0.1〜5kg/mm^2の張力を
    有していることを特徴とする磁気特性の優れた珪素鋼板
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