JPH0220856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電気機器機箱に組込まれるプリン
ト配線板に柔軟な薄板を用いた場合における、そ
の柔軟性を補強し、重量のある電気部品の組込み
にも支障を生じないようにしたフレキシブルプリ
ント配線板の改良に関するものである。

特定の大きさの電気機器機箱内に所定の電気的
機能を組込むために電気回路をプリント配線した
剛性のある合成樹脂板が多く用いられているとこ
ろである。そのようなプリント配線板は、その機
箱内の天板、底板、前，後板、左右両側板等々に
組込める大きさのものを展開した一枚のベークラ
イト又はガラスエポキシ材で形成されたプリント
配線板に回路をプリント配線し、その配線上に所
定の電気部品を組込み、各部品と配線とを半田付
けした後、回路の機能を点検し、各部品のプリン
ト配線板上に長く突出するリード線端をリード線
自動切断機にかけて切断する、などの作業が一貫
して行えるので極めて作業性が良く便利であるけ
れども、そのプリント配線板を、その機箱へ組込
むに当たつてはその一枚の配線板を所定の個所で
いつたん切離してから機箱内に組込める大きさに
組立て、しかる後、その切離した部分の配線を直
接又は必要によりリード線などにより、再び接続
し、第１図に示したような形態に組立てを完了
し、それを機箱へ組込むようにしているものであ
る。

ところがそのように一枚のプリント配線板を切
離し、その切離によつて切断された配線を再び接
続するということは、長さの異なる配線に必要な
数本の配線材料を選ぶ作業性や、狭い個所での作
業性などの悪さと、配線接続のための手数が大き
く増加し、かつその配線相互の接続に間違いを起
す欠点もあり、電気機器の信頼性を低下させてい
た。

そこでプリント配線板に柔軟な薄い合成樹脂板
が用いられ、該配線板を切断せずに単に曲げるだ
けで機箱へ組込めるようにしたものが考えられ
た。ところがそれも柔軟であるがためにトラン
ス、リレーの如き重量のある電気部品を取付ける
と配線板がゆがみ、そのため配線板に各種部品を
取付後、該部品リード線の長い突出端の自動切断
器による切断が行えず、また機箱への組込み固定
がしにくいなどの欠点があつた。

この考案は、このような従来のプリント配線板
の欠点を解消するために、電気機器が有する所定
の回路をプリント配線し、該電気機器の機箱に組
込める大きさを持つたフレキシブルプリント配線
板に、平板状をなし特定個所での切断可能部分を
有する補強板を接着したことを特徴とするもの
で、かくしてフレキシブルプリント配線板は、補
強板でその柔軟性を補われ重量のある電気部品と
いえども、その取付けによる変化を生じることが
なくなり、また該配線板に各種部品を取付けた後
の多数のリード線端を自動切断機にかけて切断す
ることができ、その部品取付後の機箱への組込み
は、補強板の切断可能部分を切離すれば、フレキ
シブルプリント配線板自体の柔軟性により曲折さ
せることができるからそのようにして折り曲げ組
込める特長があり、また補強板を接着するフレキ
シブルプリント配線板はシヤーシへの取付けが強
固であるから配線板に破損を生ずることがなく、
電気的信頼性の勝れた電気機器とすることができ
たのである。

添付図面の第２図に示す実施例において、フレ
キシブルプリント配線板板１は、第１図に示す電
気機器が例えばカウンタとするならば、該カウン
タが有する電気的機能の所定の回路をシヤーシ天
板部２、前板部３、後板部４、さらに底板部５な
どを展開した大きさの１枚の柔軟な薄い合成樹脂
板の片面又は両面にプリント配線してできてい
る。

そのフレキシブルプリント配線板１の所要部分
に剛性を与えて該配線板１を部分的に補強するた
めに、剛性のある例えばベークライト又はガラス
エポキシ材製の補強板６が該配線板１に添えられ
る。その補強板６は、フレキシブルプリント配線
板１の電気機器（第１図）における天板部分２、
前板部３、後板部分４などの各部分的に添わせれ
ばよいのであるが、該配線板１は前記の如く一枚
の平板状に展開して形成されているから、その平
板状を維持させるために補強板６も各部分に添わ
せる部分６２，６３，６４…以外は切離し易い狭
小寸法からなる接続片、つまり切断可能部分６
９，６９…によつて一体成形し、各部６２，６
３，６４…が一枚の平板を維持するように形成し
てあり、それを配線板１に接着剤で、又はその他
の接着手段により第２図の如く全面的に密着させ
てある。

フレキシブルプリント配線板１には各種電気部
品を大量に取付け、かつ半田付けの不良部分をな
くするために、必要な個所にはスルーホール加工
した小孔１０，１０…があけてあり、ゆえに、そ
のような小孔に通じる小孔を、接着した補強板６
にもあけるには相当な手間を要する。そこで重量
の大きな電気部品を取付ける部分６０，６０…に
は補強板６をそのまゝ該部品を取付けるに足る大
きさで残し、その他の部分は補強に支障を生じな
い程度の細い枠６１となし、軽量部品はフレキシ
ブルプリント配線板１に直接取付けられるように
してある。

なお第２図における左方部分６４は、補強板６
の一部６４を、フレキシブルプリント配線板１に
おける他の補強板６２，６３が接着されている面
とは反対の裏側に接着した例を示してあるが、こ
れは一枚の平板状補強板６でこのようにも配線板
１に接着できるという例を示しただけのものであ
る。

以上のようにしてフレキシブルプリント配線板
１に補強板６を接着し、該配線板１に各種電気部
品を組込み、半田付けすると、各部品のリード線
が該配線板１から長く突出している。しかしそれ
らは該配線板１が補強板６により平板状に維持さ
れているから、従来の剛性のあるプリント配線板
と同様にリード線自動切断機にかけて一挙に切断
することができる。

そのようにして部品を組込んだ後の電気的機能
の点検も、配線板１を展開させたまゝできるか
ら、機能不備の発見、補修が迅速にでき、その点
検後の配線板１を機箱に組込むために第１図の如
き形態に形成するには、補強板６の切離し易く形
成した切断可能部分６９，６９…を切断すれば、
補強板６は２枚に分離され、補強板６の接着しな
いフレキシブルプリント配線板部分１１は、その
柔軟な性質で折曲げることができ、かくしてプリ
ント配線した回路を切断しないで機箱に組込める
大きさに折曲げ組立てることができる。

その電気機器に不良が生じたときは、その組立
てを分解すれば、配線板１は再び一枚の平板に容
易に展開できるから、保守、点検が容易にでき、
実用的に勝れたフレキシブルプリント配線板とす
ることができたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電気機器の内部構造のみの斜視
図、第２図は本考案プリント配線板の一部分を折
曲げた態様の斜視図である。 １はフレキシブルプリント配線板、１０は小
孔、１１は柔軟配線板部分、６は補強板、６０は
重量部品取付部、６１は枠、６９は切断可能部
分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気機器が有する所定の回路をプリント配線
   し、該電気機器の機箱に組込むフレキシブルプリ
   ント配線板に、平板状をなし重量のある電気部品
   を平板状態で支持するとともに、狭小寸法からな
   り特定個所での切断可能部分を有し、切断後に複
   数枚に分離される補強板を全面的に密着した電気
   機器用フレキシブルプリント配線板。