JPH02208210A - 硝酸溶液中溶存物質の酸化方法及び装置 - Google Patents

硝酸溶液中溶存物質の酸化方法及び装置

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JPH02208210A
JPH02208210A JP1028482A JP2848289A JPH02208210A JP H02208210 A JPH02208210 A JP H02208210A JP 1028482 A JP1028482 A JP 1028482A JP 2848289 A JP2848289 A JP 2848289A JP H02208210 A JPH02208210 A JP H02208210A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体光触媒を用いた硝酸溶液中溶存物質の
酸化方法とその装置に係り、特に、金属イオンの酸化に
よる分離・回収に好適な硝酸溶液中溶存物質の酸化方法
とその装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、半導体光触媒の作用を応用して硝酸溶液中の溶存
物質2例えば金属イオンを酸化又は還元する方法として
は、特開昭63−171641号公報に記載された方法
がある。この方法は、表面に白金族元素を担持させた半
導体物質の微粒子を溶液中に添加し、この光触媒に電磁
波を照射し、溶存物質を酸化又は還元することを目的と
している。この方法においても、亜硝酸の効果について
考慮されており、光照射によって硝酸から亜硝酸が直接
生成するのを防止するため、硝酸の吸収波長以外の波長
を有する電磁波を用いる方法を採用していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、光照射による硝酸からの亜硝酸の直接生成を予
防しても、その他に、光照射された光触媒から放出され
た電子によっても亜硝酸が生成することが明らかとなっ
た。特開昭63−171641号公報に記載された方法
は、この電子によって生成する亜硝酸については配慮が
なく、特に目的物質を酸化する場合に亜硝酸によりこの
酸化反応が妨害されるという問題が生じる。
本発明の目的は、硝酸又は硝酸塩を含む溶液中で特定の
溶存物質を光触媒を用いて酸化する際に副生ずる亜硝酸
と光照射によって硝酸から直接生成する亜硝酸との発生
を防止し、溶存物質の酸化速度を高めることが可能な硝
酸溶液中溶存物質の酸化方法及び装置を提供することで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、溶存物質を含む硝酸溶液中に、半導体光触
媒を加え、この半導体光触媒に光を照射して前記溶存物
質を酸化する方法において、少なくとも前記半導体光触
媒から放出された電子によって生成された亜硝酸を溶液
中から除去しながら前記半導体光触媒を励起するのに十
分なエネルギーを有する光を前記溶液中の前記半導体光
触媒に照射することにより達成される。
その際、照射光の直接作用によって生成した亜硝酸も同
時に除去されるので、照射光の波長を制御する必要はな
くなる。
すなわち、本発明は、上記目的を達成するために、硝酸
又は硝酸塩を含有する溶液中に含まれる溶存物質を半導
体光触媒により酸化する方法において、少なくとも半導
体光触媒から放出された電子により生成した亜硝酸を溶
液中から除去しながら半導体光触媒を励起するのに十分
なエネルギーを有する電磁波を半導体光触媒に照射する
硝酸溶液中溶存物質の酸化方法を提案するものである。
溶液中からの亜硝酸の除去手段は、亜硝酸の分解、揮発
化、及び沈殿化のうちの少なくとも一つの手段である。
亜硝酸の分解手段は、尿素、ヒドロキシルアミン、ヒド
ロキシルアミンと酸との化合物、ヒドロキシルアンモニ
ウム塩、ヒドラジン、抱水ヒドラジン、ヒドラジン類、
アンモニア、アンモニア水。
スルファミン、スルファニル酸、スルホキスシル酸塩等
の亜硝酸と反応して亜硝酸を分解する物質を溶液中に添
加する手段である。
いずれの場合も、亜硝酸の分解を溶液の加温状態で行う
ことができる。
また、亜硝酸の揮発化手段は、溶液の加温、溶液への硫
酸の添加、及び溶液への酸素等のガスの吹き込みから選
ばれる少なくとも一つの手段である。
さらに、亜硝酸の沈殿化手段は、銀、コバルト。
ロジウム、白金、亜硝酸エステルを生成する物質等の亜
硝酸と反応して溶解度の低い化合物を形成する物質を溶
液中に添加する手段である。
前記溶存物質は、具体的には、例えばネプツニウム及び
高価数を有するイオンであり、その際、本方法は、ネプ
ツニウムを5価から6価に酸化する際及びイオンを高価
数状態に酸化する際に溶液中の亜硝酸を除去する方法と
なる。
見方を変えると、本発明は、硝酸溶液中で半導体光触媒
により硝酸の還元電位又は亜硝酸の酸化電位よりも高電
位の酸化状態に溶存物質の原子価を調整するに当たり、
硝酸の還元反応で生成する亜硝酸によって高酸化状態に
ある溶存物質が還元されるのを防止しながら前記半導体
光触媒に光を照射することである。
また、放射性廃液から超ウラン元素を分離するに当たり
、半導体光触媒により前記超ウラン元素の原子価を分離
の容易な価数に調整することである。
さらに、これらふたつの酸化方法は、光触媒を用いずに
、溶存物質に光を直接照射する場合にも適用可能である
上記酸化方法を装置として実現すれば、溶存物質及び半
導体光触媒を含む硝酸溶液を保持する容器と、光照射装
置と、少なくとも半導体光触媒から放出された電子によ
り生成した亜硝酸を溶液中から除去する手段とを含むこ
とになる。
保持容器は、回転機構又は遠心分離機構を備えることが
できる。
一方、光照射装置は、光源から保持容器内の溶液中に光
を導くために先端部を前記保持容器中に浸漬可能な長さ
の光ファイバを含むこともできる。
いずれの場合も、亜硝酸除去手段は、亜硝酸を分解する
物質、揮発させる物質、沈殿させる物質のうち少なくと
も一つの物質を供給する手段である。
また、溶液を加温する手段を含むことができる。
さらに、保持容器は、処理溶液を外部に排出するための
フィル・りを備えることも可能である。
〔作用〕
半導体光触媒を用いて溶液中に存在する種々の溶存物質
2例えば金属イオン又は金属錯体を酸化する方法の基本
原理について説明する。
二酸化チタン(TiO2)のような半導体物質に禁制帯
エネルギー以上のエネルギーを持つ光(可視光又は紫外
光)を照射すると、価電子帯の電子は伝導帯へ励起され
、価電子帯には正孔が生じる。半導体が溶液と接する系
では、光照射により生じた正孔と励起電子は溶液中に拡
散し、正孔は(1)式に従い酸化作用を呈する。一方、
励起電子は(2)式に従い還元作用を呈する。被酸化イ
オンをM、電子受容体をAとすると、次式の反応(1)
及び(2)が生じる。
M+十p+(正孔)→M2+     ・・・・・・(
1)A+e(励起電子)→A−・・・・・・(2)この
ような半導体の性質を利用すれば、溶液中の金属イオン
の酸化反応を光により誘起することが可能になる。
一般的には、電子受容体として不可逆的に反応する元々
の溶液成分以外の第3の物質を添加するが、本発明者等
は、硝酸溶液中では励起電子により溶液成分である硝酸
が還元され、その結果生成した亜硝酸が溶存物質の酸化
効率を低下させることを実験的に見出した。すなわち、
電子受容体の存在の有無にかかわらず、下記の反応が起
こることを発見した。
NO3−+e−(励起電子)→NO□−・・・・・(3
)M”+NO,−→M+         ・・・・・
(4)本発明者等は、生成する亜硝酸が金属イオンに作
用する前に溶液から除去すると、金属イオンの酸化効率
を上げられることを見出し、本発明に至った・ 本発明に用いる半導体光触媒は、特定の電磁波を吸収し
て価電子帯の電子が励起され同時に正孔を生成するもの
、すなわち、光分極するものであり、例えばTiO2,
5rTi○、、CdS。
CdSe、Si、SiC,ZnO,GaP。
WO2などがある。粒径としては、0.2〜1μm、特
に、0.4〜0.6μm程度のものが好適である。
本発明でいう溶存物質とは、酸化又は還元電位が使用す
る光触媒の伝導帯エネルギー準位と値組子帯のエネルギ
ー準位との間に位置するイオン又は錯体であり、例えば
陰イオン、陽イオン、有機錯体、及び無機錯体などであ
る。
本発明においては、光触媒に貴金属を担持させて光触媒
作用をより高めることができる。ここで貴金属としては
、例えば白金、パラジウム、二酸化ルテニウムなどの貴
金属又は貴金属化合物などを使用可能である。
また、本発明でいう電磁波とは、光触媒の禁制帯エネル
ギー以上のエネルギーを有し、光触媒を励起する作用を
有するもので、例えば可視光、紫外光、近赤外光などが
ある。
このように、本発明によれば、電磁波2例えばレーザ光
を用いて、溶液中の物質やイオンを効率よく酸化できる
。例えば原子燃料再処理設備においては、半導体光触媒
は、再処理溶液中に含まれるネプツニウムを分離困難な
5価から分離容易な6価に酸化する。これによって、ネ
プツニウムは再処理溶液から容易に除去されるので、以
後の再処理工程において、製品であるウランやプルトニ
ラムのlθ染が防止される。また、再処理B′6液から
もネプツニウムは容易に除去されるので、廃棄物の管理
期間を短縮できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図〜第6図により説明する
実施例1 まず、光触媒と亜硝酸分解剤を核燃料再処理溶液中に添
加して光照射し、溶存するネプツニウ11(Np)を6
価に酸化するシステムに本発明を適用した実施例につい
て第1図及び第2図により説明する。第1図は本発明に
よる溶存物質の酸化装置の基本構成を示す図である。容
器1中に保持されている溶存物質を含む硝酸溶液5に光
触媒4を添加するとともに亜硝酸分解剤槽6から亜硝酸
分解剤を添加する。また、光源2からは、光触媒4を励
起する能力のある光3を溶液5中に照射する。
この際、溶液5の撹拌装置は必ずしも必要ないが、光触
媒4への光の照射効率を向上させるために有効である。
第1図には撹拌装置を省略しである。
溶液中の目的とする溶存物質は、光照射により励起され
た光触媒から放出される正孔により酸化される。一方、
光照射により副生ずる亜硝酸は亜硝酸分解剤によって分
解され、溶存物質の酸化反応を妨害しない。
次に、本実施例の結果について述べる。対象溶液として
Npを5 X 10−3moQ/ Q含む3N硝酸溶液
を用い、これに光触媒としての白金を表面に担持したT
i○2粉末10 g / Qと亜硝酸分解剤としての尿
素0.1moQ/Qとを添加し、ピーク波長4. OO
n mの窒素励起の色素レーザを照射した。硝酸溶液中
でネプツニウムは5価が最も安定であるが、用いた硝酸
溶液中のネプツニウムは5価p N p (V) rが
80%で6価、 N p (VI) tが20%であっ
た。レーザ照射によるNpの酸化挙動は吸光光度計によ
り調べた。使用したレーザの出力は平均で2mWであっ
た。
レーザ照射によるNpの酸化(原子価変化)挙動を第2
図に示す。第2図の丸記号及び三角記号はそれぞれ尿素
を添加した場合及び添加しなかった場合の原子価変化で
あり、記号のなかを塗りつぶしであるのがNp (V[
)濃度、塗りつぶしてないのがNp (V)濃度の変化
を示している。尿素を添加しないと、ネプツニウムは光
照射により全て5価に変化してしまうことがわかる。こ
れは光照射により硝酸から生成した亜硝酸がNp (■
)をNp (V)に還元してしまうためと考えられる。
尿素を添加すると、約300分の光照射によってNp 
(V)は100%Np (VI)に酸化される。
本実験では溶液は撹拌しなかったが、撹拌した方が効率
は高くなり、酸化に要する時間を短縮できる。また、よ
り強い光源2例えば高出力のレーザやXeランプを用い
ても効率は向上する。本実施例では亜硝酸の分解剤とし
て尿素を使用したが、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシ
ルアミンと酸との化合物、ヒドロキシルアンモニウム塩
、ヒドラジン、抱水ヒドラジン、ヒドラジン類、アンモ
ニア、アンモニア水、スルファミン、スルファニル酸、
スルホキスシル酸塩等の亜硝酸を分解する物質を用いて
も同様の効果がある。
]6 本実施例によれば、硝酸溶液中のネプツニウムを分離の
容易な6価に原子価調整できる。6価のネプツニウムは
、イオン交換法、溶媒抽出法、又は沈殿法等の方法で容
易に分離されるから半減期約200万年のNp−237
を溶液から除去し。
放射性溶液の管理や廃棄物の処理処分を簡単化できる。
また、いずれの亜硝酸分解剤も最終的に気体に分解可能
なので、2次廃棄物発生を防止できる。
実施例2 核燃料再処理溶液中に光触媒を添加した後、不活性ガス
吹き込みで亜硝酸を揮発させながら光照射し、溶存する
ネプツニウム(Np)を6価に酸化するシステムに本発
明を適用した実施例について第3図及び第4図により説
明する。第3図は本実施例における溶存物質の酸化装置
の構成を示す図である。硝酸溶液5中に白金を担持させ
た光触媒4を添加した後、撹拌機11を駆動させ、ガス
ボンベ15から不活性ガスを溶液中に吹き込み、光3を
照射する。溶液から揮発した亜硝酸はオフガス処理装置
16により回収され、再び硝酸に変換される。光照射に
より溶液中のNpを6価に酸化した後、溶液はフィルタ
ー付の電磁弁18により光触媒を分離され、溶液受槽1
7又は次工程。
例えばNPの分離工程に移送される。
次に、本実施例の結果について述べる。実験条件は、尿
素の添加とガス吹き込みとの違い以外は、実施例1に示
したものと同じである。本実験では窒素ガスを10 Q
 /minの流速で溶液中に吹き込みなからレーザ光を
照射している。
この場合のNPの酸化挙動を第4図に示す。最初の硝酸
溶液中にNpは100%5価の状態で存在していた。実
施例1の場合よりも長時間必要ではあるが、光照射によ
り約600分で6価に酸化されることがわかる。酸化効
率、すなわち酸化速度は溶液の撹拌、高出力光の適用、
溶液の加熱。
又は亜硝酸分解剤の併用により向上できる。本実施例で
は亜硝酸を揮発させるために窒素ガスを用いたが、他の
不活性ガスでも同様の効果が得られる。また、硝酸の添
加又は溶液の加温によっても、同様の亜硝酸揮発効果が
ある。ただし、硫酸添加の場合は硫酸塩が2次廃棄物と
して発生する。
本実施例によれば、実施例1同様硝酸溶液中のネプツニ
ウムを分離の容易な6価に原子価調整できる。
以上2つの実施例は亜硝酸を溶液中で分解する方法と亜
硝酸を溶液から揮発させる方法であったが、亜硝酸を溶
液中に沈殿させる方法を採用しても同様の効果が得られ
る。この場合の装置は、基本的には第1図に示したもの
を採用できる。亜硝酸分解剤槽はこの場合亜硝酸沈殿化
剤となる。亜硝酸沈殿化剤としては銀、コバルト、ロジ
ウム。
白金、又は亜硝酸エステルを生成する物質等の亜硝酸と
反応して溶解度の低い化合物を形成する物質ならば何で
も使用できる。ただし、金属を沈殿剤として用いる場合
は2次廃棄物が発生することを考慮しなけ九ばならない
実施例3 次の実施例はセリウムイオンをCe(III)からCe
(IV)に酸化するシステムに適用した例である。この
場合も亜硝酸は酸化反応を妨害する。前記の亜硝酸を溶
液中で分解させ、溶液から揮発させ、溶液中に沈殿させ
る方法のいずれかにより又はこれらを組合わせた方法に
より、Ce (m)をCe(IV)に100%酸化する
ことが可能となる。
Ce(TV)はCe (II)より溶液から分離されや
すく、たとえばヨウ素酸塩として沈殿除去される。
この際照射する波長は光触媒を励起する能力のある波長
を含んでいれば、上記従来例のように波長を選択したり
フィルターを介して供給する必要はない。
本実施例は、再処理廃液中のように複数の共存イオンの
中からセリウムイオンを選択的に除去しようとする場合
又はセリウムを不純物として含む硝酸溶液からセリウム
イオンを選択的に除去しようとする場合に有効である。
以上3つの実施例はNpとCeの場合について示したが
、本発明は、一般的に硝酸溶液又は硝酸塩を含む溶液中
で、亜硝酸の酸化電位又は硝酸の還元電位よりも電位の
高い酸化還元状態に溶存物質の原子価を調整する場合に
有効である。たとえば、ルテニウム、マンガン、クロム
はそれぞれ分離の比較的容易な8価、7価、6価に酸化
できる。
農芸化学、染料工学、医薬品や試薬調製などの分野では
、硝酸イオンを含む溶液を扱う場合が少なくなく、溶液
中から上記金属イオンのような不純物溶存物質を除去す
る場合本発明を適用できる。
実施例4 光の照射方法を工夫した例を第5図により説明する。対
象溶液は槽14から、光触媒と亜硝酸分解剤は槽24か
ら、それぞれ電磁弁19を通過して混合状態で溶液の保
持容器1に供給される。混合状態の溶液が落下する間に
光源2から光3を照射し、さらに光反射板22により容
器中の溶液に光を効率よく照射する。溶存物質の酸化が
不十分な場合には溶液受槽17から液循環ポンプ23で
溶液を汲み上げ、槽14から再度落下させ光照射する。
この際、亜硝酸分解剤や光触媒が不足していれば、槽2
4から供給する。酸化が十分であれば溶液はフィルター
付電磁弁18を介して次の工程に移送される。その後槽
24に新たな対象溶液を供給し、同じ操作を繰り返す。
本実施例によっても2次廃棄物を発生させずに溶存物質
を効果的に酸化できる。
実施例5 本実施例を分離まで含めた工程に適用した例を第6図に
より説明する。第6図は本実施例における硝酸溶液から
の溶存物質の酸化分離装置の基本構成を示す図である。
槽14からは対象溶液を、槽25からは光触媒、抽出溶
媒、及び亜硝酸分解剤の混合物をそれぞれ分離容器26
に供給する。
これらの混合溶液を撹拌機11で撹拌しながら、光源2
から光3を照射する。目的溶存物質が分離されやすい原
子価状態に酸化され溶媒に抽出された後、フィルター付
電磁弁18を開放して溶媒と硝酸溶液とをそれぞれ槽2
7と槽17とに回収する。
本実施例を再処理廃液からのNpの分離に適用する。実
施例1と同じ条件下で、抽出溶媒として30%リン酸ト
リブチル(TBP)のドデカン溶液を用いる。光酸化前
のNpは大部分5価の状態で存在し、このままではTB
Pに抽出されない。
硝酸中のNpは光照射により約300分で6価に酸化さ
れ、同時に(数分で)溶媒中に抽出される。
廃液中の核分裂生成物等信の溶存物質はTBPには抽出
されないので、長半減期のNpと比較的短半減期の核分
裂生成物の分離が可能となる。
本実施例によれば再処理廃液の管理や処理処分が容易と
なる。また分離したNpは高放射性の核分裂生成物から
分離されるので、これを有効利用し又は消滅処理する場
合等の前処理操作が容易になる。
なお、上記各実施例では、おもにネプツニウムの酸化及
び分離について述べたが、本発明は、プルI・ニウム等
の超ウラン元素の酸化及び分離にも適用できる。
また、溶存物質を含む硝酸溶液の保持容器は、分離後の
処理のための回転機構や遠心分離機構を備えてもよい。
さらに、前記実施例の反射鏡に代えて、光源から保持容
器内の溶液中に光を効率的に導くために先端部を保持容
器中に浸漬可能な長さで着脱可能な光ファイバを用いる
こともできる。
上記各実施例の説明では、光触媒を用いる例を示したが
、本発明は光触媒を用いずに、溶存物質に光を直接照射
する場合にも効果がある。
〔発明の効果〕
本発明によれば、硝酸又は硝酸塩を含む溶液中で特定の
溶存物質を光触媒を用いて酸化する際に、副生ずる亜硝
酸と光照射によって硝酸から直接生成する亜硝酸との発
生を防止し、溶存物質の酸化の速度を高めることができ
る。
また、その酸化を利用して、溶存物質を容易に分離回収
できるので、例えば放射性廃棄物の分離に本発明を適用
した場合、放射性廃棄物を分離した残余の廃棄物の管理
期間を短縮可能である。
さらに、照射光の直接作用により生成した亜硝酸も同時
に除去されるので、照射光の波長を従来のように選択し
たりフィルタを介して照射したりする必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による亜硝酸分解剤添加方式を採用した
溶存物質の酸化装置の基本構成を示す図、第2図は第1
図装置のレーザ照射によるNPの酸化(原子価変化)挙
動を示す図、第3図は本発明による亜硝酸ガス揮発方式
を採用した溶存物質の酸化装置の構成を示す図、第4図
は第3図装置のレーザ照射によるNpの酸化(原子価変
化)挙動を示す図、第5図は第1図実施例の方式を採用
し光の照射方法を工夫した溶存物質の酸化装置の構成を
示す図、第6図は本発明を溶存物質分離まで含めた工程
に適用した溶存物質の酸化装置の構成を示す図である。 1・・・溶液保持容器、2・・・光源、3・・照射光、
4・粒子状半導体光触媒、5 目的の溶存物質を含む溶
液、6・・亜硝酸分解剤槽、7 ・尿素無添加時の光照
射によるNp (■)濃度変化、8・尿素無添加時の光
照射によるNp (V)濃度変化、9 ・尿素添加時の
光照射によるNp (VI)濃度変化、10・・・尿素
添加時の光照射によるNp (V)濃度変化、11・・
・撹拌機、12・・・撹拌機駆動装置、13・・・光触
媒供給槽、14溶液槽、15・・・亜硝酸揮発用ガスの
ボンベ、16・・・オフガス処理装置、17・・・溶液
受槽、18・・・フィルター付電磁弁、19・・・電磁
弁、20・・・亜硝酸揮発時の光照射による(VI)濃
度変化、21・・・亜硝酸揮発時の光照射による(V)
濃度変化、22・・・光反射板、23・・・液移送ポン
プ、24・・・光触媒と亜硝酸分解剤の供給槽、25・
・・光触媒、亜硝酸分解剤、及び抽出溶媒の供給槽、2
6・・・分離容器、27・・・溶媒受槽。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、硝酸又は硝酸塩を含有する溶液中に含まれる溶存物
    質を半導体光触媒により酸化する方法において、 少なくとも前記半導体光触媒から放出された電子により
    生成した亜硝酸を前記溶液中から除去しながら前記半導
    体光触媒を励起するのに十分なエネルギーを有する電磁
    波を前記半導体光触媒に照射することを特徴とする硝酸
    溶液中溶存物質の酸化方法。 2、請求項1に記載の酸化方法において、 前記溶液中からの亜硝酸の除去手段が、亜硝酸の分解、
    揮発化、及び沈殿化のうちの少なくとも一つの手段であ
    ることを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化方法。 3、請求項2に記載の酸化方法において、 前記亜硝酸の分解手段が、尿素、ヒドロキシルアミン、
    ヒドロキシルアミンと酸との化合物、ヒドロキシルアン
    モニウム塩、ヒドラジン、抱水ヒドラジン、ヒドラジン
    類、アンモニア、アンモニア水、スルファミン、スルフ
    ァニル酸、スルホキスシル酸塩等の亜硝酸と反応して亜
    硝酸を分解する物質を前記溶液中に添加する手段である
    ことを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化方法。 4、請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化方法にお
    いて、 前記亜硝酸の分解を前記溶液の加温状態で行うことを特
    徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化方法。 5、請求項2〜4のいずれか一項に記載の酸化方法にお
    いて、 前記亜硝酸の揮発化手段が、前記溶液の加温、前記溶液
    への硫酸の添加、及び前記溶液への酸素等のガスの吹き
    込みから選ばれる少なくとも一つの手段であることを特
    徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化方法。 6、請求項2〜5のいずれか一項に記載の酸化方法にお
    いて、 前記亜硝酸の沈殿化手段が、銀、コバルト、ロジウム、
    白金、亜硝酸エステルを生成する物質等の亜硝酸と反応
    して溶解度の低い化合物を形成する物質を前記溶液中に
    添加する手段であることを特徴とする硝酸溶液中溶存物
    質の酸化方法。 7、請求項1〜6のいずれか一項に記載の酸化方法にお
    いて、 前記溶存物質が、ネプツニウム及び高価数を有するイオ
    ンであり、ネプツニウムを5価から6価に酸化する際及
    びイオンを高価数状態に酸化する際に前記溶液中の亜硝
    酸を除去することを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸
    化方法。 8、硝酸溶液中で半導体光触媒により硝酸の還元電位又
    は亜硝酸の酸化電位よりも高電位の酸化状態に溶存物質
    の原子価を調整するに当たり、硝酸の還元反応で生成す
    る亜硝酸によって高酸化状態にある溶存物質が還元され
    るのを防止しながら前記半導体光触媒に光を照射するこ
    とを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化方法。 9、放射性廃液から超ウラン元素を分離するに当たり、
    半導体光触媒により前記超ウラン元素の原子価を分離の
    容易な価数に調整することを特徴とする硝酸溶液中溶存
    物質の酸化方法。 10、硝酸溶液中で光照射により硝酸の還元電位又は亜
    硝酸の酸化電位よりも高電位の酸化状態に溶存物質の原
    子価を調整するに当たり、硝酸の還元反応で生成する亜
    硝酸によって高酸化状態にある溶存物質が還元されるの
    を防止しながら前記光を照射することを特徴とする硝酸
    溶液中溶存物質の酸化方法。 11、放射性廃液から超ウラン元素を分離するに当たり
    、光照射により前記超ウラン元素の原子価を分離の容易
    な価数に調整することを特徴とする硝酸溶液中溶存物質
    の酸化方法。 12、溶存物質及び半導体光触媒を含む硝酸溶液を保持
    する容器と、光照射装置と、少なくとも前記半導体光触
    媒から放出された電子により生成した亜硝酸を前記溶液
    中から除去する手段とを含む硝酸溶液中溶存物質の酸化
    装置。 13、請求項12に記載の酸化装置において、前記保持
    容器が、回転機構又は遠心分離機構を備えたことを特徴
    とする硝酸溶液中溶存物質の酸化装置。 14、請求項12又は13に記載の酸化装置において、 前記光照射装置が、光源から前記保持容器内の溶液中に
    光を導くために先端部を前記保持容器中に浸漬可能な長
    さの光ファイバを含むことを特徴とする硝酸溶液中溶存
    物質の酸化装置。 15、請求項12〜14のいずれか一項に記載の酸化装
    置において、 前記亜硝酸除去手段が、亜硝酸を分解する物質、揮発さ
    せる物質、沈殿させる物質のうち少なくとも一つの物質
    を供給する手段であることを特徴とする硝酸溶液中溶存
    物質の酸化装置。 16、請求項12〜15のいずれか一項に記載の酸化装
    置において、 前記溶液を加温する手段を含むことを特徴とする硝酸溶
    液中溶存物質の酸化装置。 17、請求項12〜16のいずれか一項に記載の酸化装
    置において、 前記保持容器が、処理溶液を外部に排出するためのフィ
    ルタを備えたことを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸
    化装置。
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