JP6260900B2 - 放射性廃液処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、核燃料の再処理プロセスで発生する廃液を処理する放射性廃液処理方法に関する。
核燃料の再処理プロセスとして、トリブチルリン酸(TBP)を抽出溶媒として使用するピューレックス(PUREX)プロセスが各国で実施されている。ピューレックス法においては、ウランやプルトニウムを含む硝酸溶液と、トリブチルリン酸及びドデカン等を含む有機溶媒とを接触混合させて、ウランやプルトニウムとトリブチルリン酸との錯体を形成させることにより、これらの放射性元素を有機溶媒側へ抽出する。その後種々の化学処理により放射性元素が除かれた有機溶媒は再利用されるが、トリブチルリン酸の一部が放射線によって分解され、ジブチルリン酸(DBP)やモノブチルリン酸(MBP)といった劣化成分になる。このような放射線劣化物を含む有機溶媒はアルカリ溶液によって洗浄されて、再利用可能な有機溶媒に再生される。この洗浄においてアルカリ溶液中に移行した放射線劣化物は、当該アルカリ溶液の廃棄処理を行う前に、当該アルカリ溶液から除去されることが望ましい。なぜならば、放射線劣化物は発泡が起き易いリン酸エステル化合物であるため、ガラス溶融炉内における廃棄処理時にアルカリ溶液が発泡して、その温度制御が困難になる不都合を生じるからである。
特開2007−050386号公報
一般に、水溶液からジブチルリン酸及びモノブチルリン酸等のリン酸エステルを除く方法としては、UV照射による分解や電気分解、その他の促進酸化法による分解等が知られている。しかしながら、前記アルカリ溶液には放射性物質が含まれているため、高線量下における処理を余儀なくされるとともにメンテナンスが困難になる問題がある。さらに、分解処理設備が大掛かりになるため、その設備導入の初期コストが大きくなる問題もある。
このような分解処理の他に、前記アルカリ溶液のpHを酸性側へ調整することによりリン化合物を沈殿除去する方法も知られているが(特許文献1参照)、その除去効率は必ずしも満足できるものではなく、より簡便で除去効率に優れた方法が求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、使用済み核燃料の再処理プロセスにおいて生じる廃液のガラス固化処理を容易にすることが可能な放射性廃液処理方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供している。
本発明の一態用に係る放射性廃液処理方法は、使用済み核燃料を溶解させた溶解液に、トリブチルリン酸を添加して、放射性物質を分離抽出する抽出工程と、前記抽出工程の後に、前記トリブチルリン酸の放射性劣化物として生成されるジブチルリン酸及びモノブチルリン酸をアルカリ溶液に移行させる移行工程と、前記移行工程の後に得られた前記アルカリ溶液に、前記ジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方と反応して沈殿物を生成する物質を溶解させる沈殿工程と、前記沈殿工程の後に得られた前記沈殿物を含む前記アルカリ溶液にガラス固化処理を施す固化工程と、を備える。
この放射性廃液処理方法では、前記アルカリ溶液中のジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方を沈殿させることにより、ガラス固化処理時に当該アルカリ溶液が発泡することを抑制できるため、当該アルカリ溶液のガラス固化処理を容易に行うことができる。
本発明の一態用に係る放射性廃液処理方法は、使用済み核燃料を溶解させた溶解液に、トリブチルリン酸を添加して、放射性物質を分離抽出する抽出工程と、前記抽出工程の後に、前記トリブチルリン酸の放射性劣化物として生成されるジブチルリン酸及びモノブチルリン酸をアルカリ溶液に移行させる移行工程と、前記移行工程の後に得られた前記アルカリ溶液に、前記ジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方と反応して沈殿物を生成する物質を溶解させる沈殿工程と、前記沈殿工程の後に、生成した前記沈殿物を前記アルカリ溶液から除去する除去工程と、前記除去工程の後に得られた前記アルカリ溶液にガラス固化処理を施す固化工程と、を備える。
前記アルカリ溶液から沈殿物を除去することにより、後段のガラス固化処理における発泡をより確実に抑止するとともに、当該アルカリ溶液の体積を減じることができるので、ガラス固化処理をより効率的に行うことができる。
また、上記放射性廃液処理方法では、前記除去工程において、前記沈殿物を沈降させることが好ましい。
難溶性の錯体を含む沈殿物を沈降させることによって、ジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方を容易に除去することができる。
さらに、上記放射性廃液処理方法では、前記沈殿物が、前記ジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方と、鉄イオン(III)との錯体であることが好ましい。
これにより、極めて溶解性の低い錯体を形成できるため、当該錯体の除去効率を高めることができる。
また、上記放射性廃液処理方法では、前記沈殿工程において、前記アルカリ溶液に鉄イオン(II)を添加した後に、前記鉄イオン(II)を酸化して鉄イオン(III)を生成することにより前記錯体を形成することが好ましい。
これにより、鉄イオン(III)を溶液に均一に溶解した状態にすることができるため、錯体形成効率を高めることができる。
さらに、上記放射性廃液処理方法では、前記沈殿物が、ジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方と、ジルコニウムイオン(IV)との錯体であることが好ましい。
これにより、極めて溶解性の低い錯体を形成できるため、当該錯体の除去効率を高めることができる。
また、上記放射性廃液処理方法では、前記沈殿工程において、さらに凝集剤を前記アルカリ溶液に添加することにより、前記沈殿物を凝集させることが好ましい。
凝集させた沈殿物を沈降又はフィルター濾過等の公知方法によって、より容易に除去することができる。
本発明によれば、前記アルカリ溶液中のジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方を沈殿させることにより、ガラス固化処理時に当該アルカリ溶液が発泡することを抑制できるため、当該アルカリ溶液のガラス固化処理を容易に行うことができる。
使用済み核燃料の処理フローを示したチャートである。 本発明の実施形態の一例において、溶液中でFe3+の塩の表面にFe3+とDBPとの錯体が形成される様子を示した模式図である。 本発明の実施形態の一例において、溶液中にFe2+の塩を溶解させた後、Fe2+を酸化してFe3+にすることにより、溶液中でFe3+とDBPとの錯体が形成される様子を示した模式図である。 本発明の実施形態の一例において、形成した難溶性の錯体の沈殿物を水平沈降槽で固液分離する様子を示した模式図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態の一例について説明する。
まず、本実施形態の対象となる放射線劣化物としてのジブチルリン酸(DBP)およびモノブチルリン酸(MBP)が発生する状況について説明する。
図1の処理フローに示すように、再処理工場において核燃料(燃料棒)は細かく剪断された後、硝酸で溶解されて、燃料被覆管などの不溶物と分離される。硝酸溶液に溶解されたウラン及びプルトニウムは、接触混合により、トリブチルリン酸(TBP)及びドデカン等の炭化水素からなる有機溶媒へ抽出される(抽出工程)。この抽出液において、ウランやプルトニウムの放射線及び硝酸がTBPを徐々に分解するため、放射線劣化物であるDBPやMBPが発生する。抽出液と、水酸化ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムを含む水溶液であるアルカリ溶液とを接触混合することにより、TBPは有機溶媒に残り、DBP及びMBPはアルカリ溶液に移る(移行工程)。有機溶媒に残ったTBPは再利用される一方、アルカリ溶液に移ったDBP及びMBPは混入した放射性物質とともに濃縮された高レベル廃液になる。高レベル廃液はガラス固化されて適切な貯蔵処理がなされる(固化工程)。しかしながら、DBP及びMBPが高レベル廃液の発泡の原因となり、ガラス固化を行う際の溶解炉の温度制御を難しくする問題がある。
そこで、本実施形態においては、ガラス固化する前のアルカリ溶液中のDBP及びMBPのうち少なくとも何れか一方を沈殿させる目的で、前記アルカリ溶液中に、DBP又はMBPの少なくとも一方と反応して沈殿物を生成する物質、例えば金属イオン、を溶解させ、DBPと金属イオンとの錯体及び/又はMBPと金属イオンとの錯体を形成する(沈殿工程)。前記アルカリ溶液に対して難溶性又は不溶性であるこれらの錯体は沈殿物(溶液中に発生した固体)になるため、前記固化工程において、前記アルカリ溶液(廃液)を発泡させる原因にはなり難い。さらに、当該沈殿物は、公知の固液分離法によって当該アルカリ溶液中から除去することができる(除去工程)。当該沈殿物を前記アルカリ溶液から除去することにより、当該アルカリ溶液のガラス固化処理を一層容易に行うことができる。
したがって、本実施形態は、使用済み核燃料を溶解させた溶解液に、トリブチルリン酸を添加して、放射性物質を分離抽出する抽出工程と、前記抽出工程の後に、前記トリブチルリン酸の放射性劣化物として生成されるジブチルリン酸及びモノブチルリン酸をアルカリ溶液に移行させる移行工程と、前記移行工程の後に得られた前記アルカリ溶液に、前記ジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方と反応して沈殿物を生成する物質を溶解させる沈殿工程と、前記沈殿工程の後に得られた前記アルカリ溶液にガラス固化処理を施す固化工程と、を備える放射性廃液処理方法である。
さらに、本実施形態は、前記沈殿工程の後に、生成した前記沈殿物を前記アルカリ溶液から除去する除去工程を行い、前記除去工程の後に得られた、前記沈殿物が除去された前記アルカリ溶液を前記固化工程に供することが好ましい。
前記錯体を形成するために前記アルカリ溶液中に溶解する前記金属イオンの種類は、DBP及びMBPの少なくとも何れか一方に結合して、難溶性又は不溶性の錯体を形成するものであれば特に制限されず、例えば、3価の鉄イオン(III)、3価のジルコニウム(III)、4価のジルコニウムイオン(IV)、ルテニウムイオン、ニオブイオン、等が好適なイオンとして挙げられる。
前記金属イオンは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
ここで、「難溶性」とは100mg/L未満の溶解性を意味し、「不溶性」は難溶性よりも更に低い溶解性を意味する。よって、難溶性の意味には不溶性の意味が含まれる。
前記沈殿物の除去方法は特に制限されず、例えば沈殿物が形成されたアルカリ溶液を静置して、沈殿物を沈降させてもよいし、沈殿物をフィルターで濾過してもよい。
前記金属イオンを溶解する前記アルカリ溶液のpHは、前記金属イオンを溶解し、前記難溶性の錯体を形成可能なpHであれば特に制限されない。前記金属イオンの溶解前に、酸又はアルカリを添加することにより予めpHを調整しても構わない。前記金属イオンを溶解し、前記難溶性の錯体を形成することに適したpHとしては、例えばpH3以上が挙げられる。
前記アルカリ溶液中に溶解する金属イオンの濃度は特に制限されず、例えば、アルカリ溶液中に含まれるDBP及びMBPの濃度に対して、質量基準若しくはモル数基準で同量又はそれ以上の濃度で溶解する方法が挙げられる。
一例として、ガラス固化する前のアルカリ溶液中のDBP及びMBPを除去するために、前記アルカリ溶液中に3価の鉄イオン(III)を溶解することにより、DBPと鉄イオン(III)との錯体及びMBPと鉄イオン(III)との錯体を形成することができる。これらの錯体は前記アルカリ溶液に対して難溶性又は不溶性であるため、沈殿物として除去することができる。
DBPと鉄イオン(III)との錯体形成は以下の反応式で表すことができる。
3DBP+Fe3+→Fe(DBP)3
また、MBPと鉄イオン(III)との錯体形成は以下の反応式で表すことができる。
3MBP+2Fe3+→Fe2(MBP)3
前記アルカリ溶液に対する前記錯体の溶解度は、数百μg〜数十mg/L程度であり、極めて低いため、前記溶液から前記錯体を沈殿物として除去することができる。例えば、沈殿物が発生した前記溶液を静置して前記錯体の沈殿物を水槽の底に沈降させ、上澄みを他の水槽に移す方法が採用できる。また、前記錯体の沈殿物をフィルターで濾過する方法も例示できる。
前記アルカリ溶液中に溶解する鉄イオン(III)の濃度は特に制限されず、例えば、アルカリ溶液中に含まれるDBP及びMBPの濃度に対して、質量基準若しくはモル数基準で同量又はそれ以上の濃度で溶解させる方法が挙げられる。具体的には、例えば14〜30mMの濃度範囲とすることができる。
前記アルカリ溶液中に鉄イオン(III)を溶解させる方法は特に制限されず、例えば、塩化鉄(III)(FeCl3)、硫酸鉄(III)(Fe2(SO4)3)等の3価の鉄イオンを含む化合物を前記アルカリ溶液中に溶解させる方法が挙げられる。
鉄イオン(III)に代えて、3価のジルコニウム(III)又は4価のジルコニウムイオン(IV)を使用してもよい。これらのジルコニウムイオンの少なくとも一方を前記アルカリ溶液中に溶解することにより、DBP及びMBPと前記ジルコニウムイオンとの難溶性の錯体を形成し、鉄イオン(III)の場合と同様に、沈殿物としてDBP及びMBPを除去することができる。
DBPとジルコニウムイオン(IV)との錯体形成は以下の反応式で表すことができる。なお、反応式中の硝酸イオンは、前記抽出工程の前段の工程において燃料棒を溶解させる等の処理に使用した硝酸に由来する。ただし、上記錯体形成において、当該硝酸イオンは必須成分ではない。
(NO3 -)2+2DBP+Zr4+→Zr(DBP)2(NO3 -)2
前記アルカリ溶液中にジルコニウムイオンを溶解させる方法は特に制限されず、例えば、酸化ジルコニウム(IV)(ZrO2)、タングステン酸ジルコニウム(IV)(Zr(WO4)2)、塩化ジルコニウム(III)(ZrCl3)、塩化ジルコニウム(IV)(ZrCl4)等のジルコニウムイオンを含む化合物を前記アルカリ溶液中に溶解させる方法が挙げられる。
前記アルカリ溶液中に溶解するジルコニウムイオン(III)及びジルコニウムイオン(IV)の濃度は特に制限されず、例えば、アルカリ溶液中に含まれるDBP及びMBPの濃度に対して、質量基準若しくはモル数基準で同量又はそれ以上の濃度で溶解させる方法が挙げられる。具体的には、例えば14〜30mMの濃度範囲とすることができる。
また、DBPと、ルテニウムイオン又はニオブイオンとの錯体形成は、以下の反応式で表すことができる。なお、反応式中の硝酸イオンは、前記抽出工程の前段の工程において燃料棒を溶解させる等の処理に使用した硝酸に由来する。ただし、上記錯体形成において、当該硝酸イオンは必須成分ではない。また、m,nはそれぞれ独立に0又は自然数を表す。また、「(k)+」はルテニウムイオン又はニオブイオンの価数を表す。
(NO3 -)n+(DBP)m+Ru(k)+→Ru(DBP)m(NO3 -)n k-n-m+
(NO3 -)n+(DBP)m+Nb(k)+→Nb(DBP)m(NO3 -)n k-n-m+
前記アルカリ溶液中にルテニウムイオン又はニオブイオンを溶解させる方法は特に制限されず、例えば、酸化ルテニウム、酸化ニオブ、塩化ニオブ等の、ルテニウムイオン又はニオブイオンを含む化合物を前記アルカリ溶液中に溶解させる方法が挙げられる。
前記アルカリ溶液中に溶解するルテニウムイオン又はニオブイオンの濃度は特に制限されず、例えば、アルカリ溶液中に含まれるDBP及びMBPの濃度に対して、質量基準若しくはモル数基準で同量又はそれ以上の濃度で溶解させる方法が挙げられる。具体的には、例えば14〜30mMの濃度範囲とすることができる。
前記アルカリ溶液中に前記金属イオンを溶解させる際、その金属イオンを含む化合物からなる塊の表面において前記錯体の形成が進行し、その塊の表面に難溶性の錯体からなる殻が形成される場合がある。この場合、殻の内部の化合物が錯体を形成し得ないため、添加した化合物の一部が、DBP及びMBPの錯体形成に寄与せずに無駄になる。
例えば、図2に示すように、前記アルカリ溶液中にFe3+の塩の塊を添加した場合、その塊の表面において不溶性のFe(DBP)3の殻が形成され、その殻の内部のFe3+が錯体を形成し得ないため、全体として添加したFe3+の利用効率が低下してしまう。
そこで、前記金属イオンを前記アルカリ溶液中に添加する場合に、まず、DBP及びMBPと錯体を形成し難い金属イオンを含む化合物を前記アルカリ溶液中に溶解させ、次に、当該アルカリ溶液中において、溶解された前記金属イオンを酸化又は還元し、DBP又はMBPと錯体を形成し得る金属イオンを当該アルカリ溶液中に生成することによって、上記利用効率の低下を防ぐことができる。
例えば、前記アルカリ溶液中に、Fe3+に代えてFe2+の塩の塊を添加した場合、Fe2+とDBP及びMBPとは錯体を形成しないため、Fe2+の塩の塊は前記アルカリ溶液中で崩壊して、個々のFe2+イオンとなり、当該アルカリ溶液中に均一に溶解される。このように溶解されたFe2+を当該アルカリ溶液中において酸化して、Fe3+を生成することにより、Fe3+とDBP及びMBPとの不溶性若しくは難溶性の錯体を形成することができる(図3参照)。ここで説明したように、添加した鉄イオン(II)を溶液中で鉄イオン(III)に変換する方法によれば、Fe3+が無駄にならず、添加した鉄イオンの利用効率を高めることができる。
前記アルカリ溶液中に鉄イオン(II)を溶解させる方法は特に制限されず、例えば、塩化鉄(II)(FeCl2)、酸化鉄(II)(FeO)、硫化鉄(II)(FeS)、硫酸鉄(II)(FeSO4)、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(K4[Fe(CN)6])等の2価の鉄イオンを含む化合物を前記アルカリ溶液中に溶解させる方法が挙げられる。
前記アルカリ溶液中に溶解する鉄イオン(II)の濃度は特に制限されず、例えば、アルカリ溶液中に含まれるDBP及びMBPの濃度に対して、質量基準若しくはモル数基準で同量又はそれ以上の濃度で溶解させる方法が挙げられる。具体的には、例えば14〜30mMの濃度範囲とすることができる。
前記アルカリ溶液中に溶解した鉄イオン(II)を鉄イオン(III)に酸化する方法は特に制限されず、例えば、過酸化水素、過マンガン酸カリウム等の酸化剤を当該溶液中に溶解させる方法が挙げられる。酸化剤の添加量は、溶液中の鉄イオン(II)の濃度に応じて適宜設定することができる。
前記溶液中において形成された前記錯体を含む沈殿物は、その粒径が小さいため、沈降させたり、フィルターで濾過したりすることが簡便に行えない場合がある。このような場合、前記沈殿物を形成した溶液中に、前記沈殿物を凝集させる凝集剤を添加する方法が挙げられる。
凝集剤を添加することにより、沈殿物同士を凝集させて、粒径の大きな難溶性の塊を形成することができる。粒径が大きい難溶性の沈殿物は、比較的容易に沈降させたりフィルターで濾過したりすることができる。凝集剤の添加量は、溶液中の沈殿物又は錯体の濃度に応じて適宜設定することができる。
前記凝集剤の種類は特に制限されず、例えば、ポリ塩化アルミニウム、等が挙げられる。
また、図4に示すような水平沈降槽10を使用して効率的に沈殿物を除去することができる。水平沈降槽の流入口11から前記錯体の沈殿物13を含む溶液を緩慢な流れで流入させると、当該溶液中の前記錯体の沈殿物は槽の底10aに沈降するとともに、流入口11よりも高い位置に設けられた排出口12から上澄みを排出することができる。これにより、沈降させた前記沈殿物を溶液から分離して除去することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
10…水平沈降槽、10a…水平沈降槽の底、11…流入口、12…排出口、13…沈殿物

Claims (7)

  1. 使用済み核燃料を溶解させた溶解液に、トリブチルリン酸を添加して、放射性物質を分離抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程の後に、前記トリブチルリン酸の放射性劣化物として生成されるジブチルリン酸及びモノブチルリン酸をアルカリ溶液に移行させる移行工程と、
    前記移行工程の後に得られた前記アルカリ溶液に、前記ジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方と反応して沈殿物を生成する物質を溶解させる沈殿工程と、
    前記沈殿工程の後に得られた前記沈殿物を含む前記アルカリ溶液にガラス固化処理を施す固化工程と、
    を備える放射性廃液処理方法。
  2. 使用済み核燃料を溶解させた溶解液に、トリブチルリン酸を添加して、放射性物質を分離抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程の後に、前記トリブチルリン酸の放射性劣化物として生成されるジブチルリン酸及びモノブチルリン酸をアルカリ溶液に移行させる移行工程と、
    前記移行工程の後に得られた前記アルカリ溶液に、前記ジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方と反応して沈殿物を生成する物質を溶解させる沈殿工程と、
    前記沈殿工程の後に、生成した前記沈殿物を前記アルカリ溶液から除去する除去工程と、
    前記除去工程の後に得られた前記アルカリ溶液にガラス固化処理を施す固化工程と
    を備える放射性廃液処理方法。
  3. 前記除去工程において、前記沈殿物を沈降させることを特徴とする請求項2に記載の放射性廃液処理方法。
  4. 前記沈殿物が、前記ジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方と、鉄イオン(III)との錯体であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の放射性廃液処理方法。
  5. 前記沈殿工程において、前記アルカリ溶液に鉄イオン(II)を添加した後に、前記鉄イオン(II)を酸化して鉄イオン(III)を生成することにより前記錯体を形成することを特徴とする請求項4に記載の放射性廃液処理方法。
  6. 前記沈殿物が、ジブチルリン酸又はモノブチルリン酸の少なくとも一方と、ジルコニウムイオン(IV)との錯体であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の放射性廃液処理方法。
  7. 前記沈殿工程において、さらに凝集剤を前記アルカリ溶液に添加することにより、前記沈殿物を凝集させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の放射性廃液処理方法。
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