JP2640527B2 - 硝酸溶液中溶存物質の酸化方法及び装置 - Google Patents

硝酸溶液中溶存物質の酸化方法及び装置

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JP2640527B2 JP1028482A JP2848289A JP2640527B2 JP 2640527 B2 JP2640527 B2 JP 2640527B2 JP 1028482 A JP1028482 A JP 1028482A JP 2848289 A JP2848289 A JP 2848289A JP 2640527 B2 JP2640527 B2 JP 2640527B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体光触媒を用いた硝酸溶液中溶存物質
の酸化方法とその装置に係り、特に、金属イオンの酸化
による分離・回収に好適な硝酸溶液中溶存物質の酸化方
法とその装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、半導体光触媒の作用を応用して硝酸溶液中の溶
存物質,例えば金属イオンを酸化又は還元する方法とし
ては、特開昭63−171641号公報に記載された方法があ
る。この方法は、表面に白金族元素を担持させた半導体
物質の微粒子を溶液中に添加し、この光触媒に電磁波を
照射し、溶存物質を酸化又は還元することを目的として
いる。この方法においても、亜硫酸の効果について考慮
されており、光照射によって硝酸から亜硝酸が直接生成
するのを防止するため、硝酸の吸収波長以外の波長を有
する電磁波を用いる方法を採用していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、光照射による硝酸からの亜硝酸の直接生成を
予防しても、その他に、光照射された光触媒から放出さ
れた電子によっても亜硝酸が生成することが明らかとな
った。特開昭63−171641号公報に記載された方法は、こ
の電子によって生成する亜硝酸については配慮がなく、
特に目的物質を酸化する場合に亜硝酸によりの酸化反応
が妨害されるという問題が生じる。
本発明の目的は、硝酸又は硝酸塩を含む溶液中で特定
の溶存物質を光触媒を用いて酸化する際に副生する亜硝
酸と光照射によって硝酸から直接生成する亜硝酸との発
生を防止し、溶存物質の酸化速度を高めることが可能な
硝酸溶液中溶存物質の酸化方法及び装置を提供すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、溶存物質を含む硝酸溶液中に、半導体光
触媒を加え、この半導体光触媒に光を照射して前記溶存
物質を酸化する方法において、少なくとも前記半導体光
触媒から放出された電子によって生成された亜硫酸を溶
液中から除去しながら前記半導体光触媒を励起するのに
十分なエネルギーを有する光を前記溶液中の前記半導体
光触媒に照射することにより達成される。
その際、照射光の直接作用によって生成した亜硝酸も
同時に除去されるので、照射光の波長を制御する必要は
なくなる。
すなわち、本発明は、上記目的を達成するために、硝
酸又は硝酸塩を含有する溶液中に含まれる溶存物質を半
導体光触媒により酸化する方法において、少なくとも半
導体光触媒から放出された電子により生成した亜硝酸を
溶液中から除去しながら半導体光触媒を励起するのに十
分なエネルギーを有する電磁波を半導体光触媒に照射す
る硝酸溶液中溶存物質の酸化方法を提案するものであ
る。
溶液中からの亜硝酸の除去手段は、亜硝酸の分解,揮
発化,及び沈殿化のうちの少なくとも一つの手段であ
る。
亜硝酸の分解手段は、尿素,ヒドロキシルアミン,ヒ
ドロキシルアミンとの酸との化合物,ヒドロキシルアン
モニウム塩,ヒドラジン,抱水ヒドラジン,ヒドラジン
類,アンモニア,アンモニア水,スルファミン,スルフ
ァニル酸,スルホキスシル酸塩等の亜硝酸と反応して亜
硝酸を分解する物質を溶液中に添加する手段である。
いずれの場合も、亜硝酸の分解を溶液の加温状態で行
うことができる。
また、亜硝酸の揮発化手段は、溶液の加温,溶液への
硫酸の添加,及び溶液への酸素等のガスの吹き込みから
選ばれる少なくとも一つの手段である。
さらに、亜硝酸の沈殿化手段は、銀,コバルト,ロジ
ウム,白金,亜硝酸エステルを生成する物質等の亜硝酸
と反応して溶解度の低い化合物を形成する物質を溶液中
に添加する手段である。
前記溶存物質は、具体的には、例えばネプツニウム及
び高価数を有するイオンであり、その際、本方法は、ネ
プツニウムを5価から6価に酸化する際及びイオンを高
価数状態に酸化する際に溶液中の亜硝酸を除去する方法
となる。
見方を変えると、本発明は、硝酸溶液中で半導体光触
媒により硝酸の還元電位又は亜硝酸の酸化電位よりも高
電位の酸化状態に溶存物質の原子価を調整するに当た
り、硝酸の還元反応で生成する亜硝酸によって高酸化状
態にある溶存物質が還元されるのを防止しなが前記半導
体光触媒に光を照射することである。
上記酸化方法を装置として実現すれば、溶存物質及び
半導体光触媒を含む硝酸溶液を保持する容器と、光照射
装置と、少なくとも半導体光触媒から放出された電子に
より生成した亜硝酸を溶液中から除去する手段とを含む
ことになる。
保持容器は、回転機構又は遠心分離機構を備えること
ができる。
一方、光照射装置は、光源から保持容器内の溶液中に
光を導くために先端部を前記保持容器中に浸漬可能な長
さの光ファイバを含むこともできる。
いずれの場合も、亜硝酸除去手段は、亜硝酸を分解す
る物質,揮発させる物質,沈殿させる物質のうち少なく
とも一つの物質を供給する手段である。
また、溶液を加温する手段を含むことができる。
さらに、保持容器は、処理溶液を外部に排出するため
のフィルタを備えることも可能である。
〔作用〕
半導体光触媒を用いて溶液中に存在する種々の溶存物
質,例えば金属イオン又は金属錯体を酸化する方法の基
本原理について説明する。
二酸化チタン(TiO2)のような半導体物質に禁制帯エ
ネルギー以上のエネルギーを持つ光(可視光又は紫外
光)を照射すると、価電子帯の電子は伝導帯へ励起さ
れ、価電子帯には正孔が生じる。半導体が溶液と接する
系では、光照射により生じた正孔と励起電子は溶液中に
拡散し、正孔は(1)式に従い酸化作用を呈する。一
方、励起電子は(2)式に従い還元作用を呈する。被酸
化イオンをM,電子受容体をAとすると、次式の反応
(1)及び(2)が生じる。
M++p+(正孔)→M2+ ……(1) A+e-(励起電子)→A- ……(2) このような半導体の性質を利用すれば、溶液中の金属
イオンの酸化反応を光により誘起することが可能にな
る。
一般的には、電子受容体として不可逆的に反応する元
々の溶液成分以外の第3の物質を添加するが、本発明者
等は、硝酸溶液中で励起電子により溶液成分である硝酸
が還元され、その結果生成した亜硝酸が溶存物質の酸化
効率を低下させることを実験的に見出した。すなわち、
電子受容体の存在の有無にかかわらず、下記の反応が起
こることも発見した。
NO3 -+e-(励起電子)→NO2 - ……(3) M2++NO2 -→M+ ……(4) 本発明者等は、生成する亜硝酸が金属イオンに作用す
る前に溶液から除去すると、金属イオンの酸化効率を上
げられることを見出し、本発明に至った。
本発明に用いる半導体光触媒は、特定の電磁波を吸収
して価電子帯の電子が励起され同時に正孔を生成するも
の,すなわち,光分極するものであり、例えばTiO2,SrT
iO3,CdS,CdSe,Si,SiC,ZnO,GaP,WO3などがある。粒径と
しては、0.2〜1μm、特に、0.4〜0.6μm程度のもの
が好適である。
本発明でいう溶存物質とは、酸化又は還元電位が使用
する光触媒の伝導帯エネルギー準位と価電子帯のエネル
ギー準位との間に位置するイオン又は錯体であり、例え
ば陰イオン,陽イオン,有機錯体,及び無機錯体などで
ある。
本発明においては、光触媒に貴金属を担持させて光触
媒作用をより高めることができる。ここで貴金属として
は、例えば白金,パラジウム,二酸化ルテニウムなどの
貴金属又は貴金属化合物などを使用可能である。
また、本発明でいう電磁波とは、光触媒の禁制帯エネ
ルギー以上のエネルギーを有し、光触媒を励起する作用
を有するもので、例えば可視光,紫外光,近赤外光など
がある。
このように、本発明によれば、電磁波,例えばレーザ
光を用いて、溶液中の物質やイオンを効率よく酸化でき
る。例えば原子燃料再処理設備においては、半導体光触
媒は、再処理溶液中に含まれるネプツニウムを分離困難
な5価から分離容易な6価に酸化する。これによって、
ネプツニウムは再処理溶液から容易に除去されるので、
以後の再処理工程において、製品であるウランやプルト
ニウムの汚染が防止される。また、再処理廃液からもネ
プツニウムは容易に除去されるので、廃棄物の管理期間
を短縮できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図〜第6図により説明す
る。
実施例1 まず、光触媒と亜硝酸分解剤を核燃料再処理溶液中に
添加して光照射し、溶存するネプツニウム(Np)を6価
に酸化するシステムに本発明を適用した実施例について
第1図及び第2図により説明する。第1図は本発明によ
る溶存物質の酸化装置の基本構成を示す図である。容器
1中に保持されている溶存物質を含む硝酸溶液5に光触
媒4を添加するととも、亜硝酸分解剤槽6から亜硝酸分
解剤を添加する。また、光源2からは、光触媒4を励起
する能力のある光3を溶液5中に照射する。この際、溶
液5の撹拌装置は必ずしも必要ないが、光触媒4への光
の照射効率を向上させるために有効である。第1図には
撹拌装置を省略してある。溶液中の目的とする溶存物質
は、光照射により励起された光触媒から放出される正孔
により酸化される。一方、光照射により副生する亜硝酸
は亜硝酸分解剤によって分解され、溶存物質の酸化反応
を妨害しない。
次に、本実施例の結果について述べる。対象溶液とし
てNpを5×10-3mol/含む3N硝酸溶液を用い、これに光
触媒としての白金を表面に担持したTiO2粉末10g/と亜
硝酸分解剤としての尿素0.1mol/とを添加し、ピーク
波長400nmの窒素励起の色素レーザを照射した。硝酸溶
液中でネプツニウムは5価が最も安定であるが、用いた
硝酸溶液中のネプツニウムは5価,Np(V),が80%で
6価,Np(VI),が20%であった。レーザ照射によるNp
の酸化挙動は吸光光度計により調べた。使用したレーザ
の出力は平均で2mWであった。
レーザ照射によるNpの酸化(原子価変化)挙動を第2
図に示す。第2図の丸記号及び三角記号はそれぞれ尿素
を添加した場合及び添加しなかった場合の原子価変化で
あり、記号のなかを塗りつぶしてあるのがNp(VI)濃
度、塗りつぶしてないのがNp(V)濃度の変化を示して
いる。尿素を添加しないと、ネプツニウムは光照射によ
り全て5価に酸化してしまうことがわかる。これは光照
射により硝酸から生成した亜硝酸がNp(VI)をNp(V)
に還元してしまうためと考えられる。尿素を添加する
と、約300分の光照射によってNp(V)は100%Np(VI)
に酸化される。本実験では溶液は撹拌しなかったが、撹
拌した方が効率は高くなり、酸化に要する時間を短縮で
きる。また、より強い光源,例えば高出力のレーザやXe
ランプを用いても効率は向上する。本実施例では亜硝酸
の分解剤として尿素を使用したが、ヒドロキシルアミ
ン,ヒドロキシルアミンと酸との化合物,ヒドロキシル
アンモニウム塩,ヒドラジン,抱水ヒドラジン,ヒドラ
ジン類,アンモニア,アンモニア水,スルファミン,ス
ルファニル酸,スルホキスシル酸塩等の亜硝酸を分解す
る物質を用いても同様の効果がある。
本実施例によれば、硝酸溶液中のネプツニウムを分離
の容易な6価に原子価調整できる。6価のネプツニウム
は、イオン交換法,溶媒抽出法,又は沈殿法等の方法で
容易に分離されるから半減期約200万年のNp−237を溶液
から除去し、放射性溶液の管理や廃棄物の処理処分を簡
単化できる。また、いずれの亜硝酸分解剤も最終的に気
体に分解可能なので、2次廃棄物発生を防止できる。
実施例2 核燃料再処理溶液中に光触媒を添加した後、不活性ガ
ス吹き込みで亜硝酸を揮発させながら光照射し、溶存す
るネプツニウス(Np)を6価に酸化するシステムに本発
明を適用した実施例について第3図及び第4図により説
明する。第3図は本実施例における溶存物質の酸化装置
の構成を示す図である。硝酸溶液5中に白金を担持させ
た光触媒4を添加した後、撹拌機11を駆動させ、ガスボ
ンベ15から不活性ガスを溶液中に吹き込み、光3を照射
する。溶液から揮発した亜硝酸はオフガス処理装置16に
より回収され、再び硝酸に変換される。光照射により溶
液中のNpを6価に酸化した後、溶液はフィルター付の電
磁弁18により光触媒を分離され、溶液受槽17又は次工
程,例えばNpの分離工程に移送される。
次に、本実施例の結果について述べる。実験条件は、
尿素の添加とガス吹き込みとの違い以外は、実施例1に
示したものと同じである。本実験では窒素ガスを10/m
inの流速で溶液中に吹き込みながらレーザー光を照射し
ている。
この場合のNpの酸化挙動を第4図に示す。最初の硝酸
溶液中にNpは100%5価の状態で存在していた。実施例
1の場合よりも長時間必要ではあるが、光照射により約
600分で6価に酸化されることがわかる。酸化効率,す
なわち酸化速度は溶液の撹拌,高出力光の適用,溶液の
加熱,又は亜硝酸分解剤の併用により向上できる。本実
施例では亜硝酸を揮発させるために窒素ガスを用いた
が、他の不活性ガスでも同様の効果が得られる。また、
硝酸の添加又は溶液の加温によっても、同様の亜硝酸揮
発効果がある。ただし、硫酸添加の場合は硫酸塩が2次
廃棄物として発生する。
本実施例によれば、実施例1同様硝酸溶液中のネプツ
ニウムを分離の容易な6価に原子価調整できる。
以上2つの実施例は亜硝酸を溶液中で分解する方法と
亜硝酸を溶液から揮発させる方法であったが、亜硝酸を
溶液中に沈殿させる方法を採用しても同様の効果が得ら
れる。この場合の装置は、基本的には第1図に示したも
のを採用できる。亜硝酸分解剤槽はこの場合亜硝酸沈殿
化剤となる。亜硫酸沈殿化剤としては銀,コバルト,ロ
ジウム,白金,又は亜硝酸エステルを生成する物質等の
亜硝酸と反応して溶解度の低い化合物を形成する物質な
らば何でも使用できる。ただし、金属を沈殿剤として用
いる場合は2次廃棄物が発生することを考慮しなければ
ならない。
実施例3 次の実施例はセリウムイオンのCe(III)からCe(I
V)に酸化するシステムに適用した例である。この場合
も亜硝酸は酸化反応を妨害する。前記の亜硝酸を溶液中
で分解させ、溶液から揮発させ、溶液中に沈殿させる方
法のいずれかにより又はこれらを組合わせた方法によ
り、Ce(III)をCe(IV)に100%酸化することが可能と
なる。Ce(IV)はCe(III)より溶液から分離されやす
く、たとえばヨウ素酸塩として沈殿除去される。この際
照射する波長は光触媒を励起する能力のある波長を含ん
でいれば、上記従来例のように波長を選択したりフィル
ターを介して供給する必要はない。
本実施例は、再処理廃液中のように複数の共存イオン
の中からセリウムイオンを選択的に除去しようとする場
合又はセリウムを不純物として含む硝酸溶液からセリウ
ムイオンを選択的に除去しようとする場合に有効であ
る。
以上3つの実施例はNpとCeの場合について示したが、
本発明は、一般的に硝酸溶液又は硝酸塩を含む溶液中
で、亜硫酸の酸化電位又は硝酸の還元電位よりも電位の
高い酸化還元状態に溶存物質の原子価を調整する場合に
有効である。たとえば、ルテニウム,マンガン,クロム
はそれぞれ分離の比較的容易な8価,7価,6価に酸化でき
る。農芸化学,染料工学,医薬品や試薬調製などの分野
では、硝酸イオンを含む溶液を扱う場合が少なくなく、
溶液中から上記金属イオンのような不純物溶存物質を除
去する場合本発明を適用できる。
実施例4 光の照射方法を工夫した例を第5図により説明する。
対象溶液は槽14から、光触媒と亜硫酸分解剤は槽24か
ら、それぞれ電磁弁19を通過して混合状態で溶液の保持
容器1に供給される。混合状態の溶液が落下する間に光
源2から光3を照射し、さらに光反射板22により容器中
の溶液に光を効率よく照射する。溶存物質の酸化が不十
分な場合には溶液受槽17から液循環ポンプ23で溶液を汲
み上げ、槽14から再度落下させ光照射する。この際、亜
硝酸分解剤や光触媒が不足していれば、槽24から供給す
る。酸化が十分であれば溶液はフィルター付電磁弁18を
介して次の工程に移送される。その後槽24に新たな対象
溶液を供給し、同じ操作を繰り返す。
本実施例によっても2次廃棄物を発生させずに溶存物
質を効果的に酸化できる。
実施例5 本実施例を分離まで含めた工程に適用した例を第6図
により説明する。第6図は本実施例における硝酸溶液か
らの溶存物椎の酸化分離装置の基本構成を示す図であ
る。槽14からは対象溶液を、槽25からは光触媒,抽出溶
媒,及び亜硝酸分解剤の混合物をそれぞれ分離容器26に
供給する。これらの混合溶液を撹拌機11で撹拌しなが
ら、光源2から光3を照射する。目的溶存物質が分離さ
れやすい原子価状態に酸化され溶媒に抽出された後、フ
ィルター付電磁弁18を開放して溶媒と硝酸溶液とをそれ
ぞれ槽27と槽17とに回収する。
本実施例を再処理廃液からのNpの分離に適用する。実
施例1と同じ条件下で、抽出溶媒として30%リン酸トリ
ブチル(TBP)のドデカン溶液を用いる。光酸化前のNp
は大部分5価の状態で存在し、このままではTBPに抽出
されない。硝酸中のNpは光照射により約300分で6価に
酸化され、同時に(数分で)溶媒中に抽出される。廃液
中の核分裂生成物等他の溶存物質はTBPに抽出されない
ので、長半減期のNpと比較的短半減期の核分裂生成物の
分離が可能となる。
本実施例によれば再処理廃液の管理や処理処分が容易
となる。また分離したNpは高放射性の核分裂生成物から
分離されるので、これを有効利用し又は消滅処理する場
合等の前処理操作が容易になる。
なお、上記各実施例では、おもにネプツニウムの酸化
及び分離について述べたが、本発明は、プルトニウム等
の超ウラン元素の酸化及び分離にも適用できる。
また、溶存物質の含む硝酸溶液の保持容器は、分離後
の処理のための回転機構や遠心分離機構を備えてもよ
い。
さらに、前記実施例の反射鏡に代えて、光源から保持
容器内の溶液中に光を効果的に導くために先端部を保持
容器中に浸漬可能な長さで着脱可能な光ファイバを用い
ることもできる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、硝酸又は硝酸塩を含む溶液中で特定
の溶存物質を光触媒を用いて酸化する際に、副生する亜
硝酸と光照射によって硝酸から直接生成する亜硫酸との
発生を防止し、溶存物質の酸化の速度を高めることがで
きる。
また、その酸化を利用して、溶存物質を容易に分離回
収できるので、例えば放射性廃棄物の分離に本発明を適
用した場合、放射性廃棄物を分離した残余の廃棄物の管
理期間を短縮可能である。
さらに、照射光の直接作用により生成した亜硝酸も同
時に除去されるので、照射光の波長を従来のように選択
したりフィルタを介して照射したりする必要がなくな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による亜硝酸分解剤添加方式を採用した
溶存物質の酸化装置の基本構成を示す図、第2図は第1
図装置のレーザ照射によるNpの酸化(原子価変化)挙動
を示す図、第3図は本発明による亜硝酸ガス揮発方式を
採用した溶存物質の酸化装置の構成を示す図、第4図は
第3図装置のレーザ照射によるNpの酸化(原子価変化)
挙動を示す図、第5図は第1図実施例の方式を採用し光
の照射方法を工夫した溶存物質の酸化装置の構成を示す
図、第6図は本発明を溶存物質分離まで含めた工程に適
用した溶存物質の酸化装置の構成を示す図である。 1……溶液保持容器、2……光源、3……照射光、4…
…粒子状半導体光触媒、5……目的の溶存物質を含む溶
液、6……亜硝酸分解剤槽、7……尿素無添加時の光照
射によるNp(VI)濃度変化、8……尿素無添加時の光照
射によるNp(V)濃度変化、9……尿素添加時の光照射
によるNp(VI)濃度変化、10……尿素添加時の光照射に
よるNp(V)濃度変化、11……撹拌機、12……撹拌機駆
動装置、13……光触媒供給槽、14……溶液槽、15……亜
硝酸揮発用ガスのボンベ、16……オフガス処理装置、17
……溶液受槽、18……フィルター付電磁弁、19……電磁
弁、20……亜硝酸揮発時の光照射による(VI)濃度変
化、21……亜硫酸揮発時の光照射による(V)濃度変
化、22……光反射板、23……液移送ポンプ、24……光触
媒と亜硝酸分解剤の供給槽、25……光触媒,亜硝酸分解
剤,及び抽出溶媒の供給槽、26……分離容器、27……溶
媒受槽。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硝酸又は硝酸塩を含有する溶液中に含まれ
    る溶存物質を半導体光触媒により酸化する方法におい
    て、 少なくとも前記半導体光触媒から放出された電子により
    生成した亜硝酸を前記溶液中から除去しながら前記半導
    体光触媒を励起するのに十分なエネルギーを有する電磁
    波を前記半導体光触媒に照射することを特徴とする硝酸
    溶液中溶存物質の酸化方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の酸化方法において、 前記溶液中からの亜硝酸の除去手段が、亜硝酸の分解,
    揮発化,及び沈殿化のうちの少なくとも一つの手段であ
    ることを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の酸化方法において、 前記亜硝酸の分解手段が、尿素,ヒドロキシルアミン,
    ヒドロキシルアミンと酸との化合物,ヒドロキシルアン
    モニウム塩,ヒドラジン,抱水ヒドラジン,ヒドラジン
    類,アンモニア,アンモニア水,スルファミン,スルフ
    ァニル酸,スルホキスシル酸塩等の亜硝酸と反応して亜
    硝酸を分解する物質を前記溶液中に添加する手段である
    ことを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化方法。
  4. 【請求項4】請求項2又は3のいずれか一項に記載の酸
    化方法において、 前記亜硝酸の分解を前記溶液の加温状態で行うことを特
    徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化方法。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の酸化方法において、 前記亜硝酸の揮発化手段が、前記溶液の加温,前記溶液
    への硫酸の添加,及び前記溶液への酸素等のガスの吹き
    込みから選ばれる少なくとも一つの手段であることを特
    徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化方法。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の酸化方法において、 前記亜硝酸の沈殿化手段が、銀,コバルト,ロジウム,
    白金,亜硝酸エステルを生成する物質等の亜硝酸と反応
    して溶解度の低い化合物を形成する物質を前記溶液中に
    添加する手段であることを特徴とする硝酸溶液中溶存物
    質の酸化方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか一項に記載の酸化
    方法において、 前記溶存物質が、ネプツニウム及び高価数を有するイオ
    ンであり、ネプツニウムを5価から6価に酸化する際及
    びイオンを高価数状態に酸化する際に前記溶液中の亜硝
    酸を除去することを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸
    化方法。
  8. 【請求項8】硝酸溶液中で半導体光触媒により硝酸の還
    元電位又は亜硝酸の酸化電位よりも高電位の酸化状態に
    溶存物質の原子価を調整するに当たり、硝酸の還元反応
    で生成する亜硝酸によって高酸化状態にある溶存物質が
    還元されるのを防止しながら前記半導体光触媒に光を照
    射することを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化方
    法。
  9. 【請求項9】溶存物質及び半導体光触媒を含む硝酸溶液
    を保持する容器と、光照射装置と、少なくとも前記半導
    体光触媒から放出された電子により生成した亜硝酸を前
    記溶液中から除去する手段とを含む硝酸溶液中溶存物質
    の酸化装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の酸化装置において、 前記保持容器が、回転機構又は遠心分離機構を備えたこ
    とを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸化装置。
  11. 【請求項11】請求項9又は10に記載の酸化装置におい
    て、 前記光照射装置が、光源から前記保持容器内の溶液中に
    光を導くために先端部を前記保持容器中に浸漬可能な長
    さの光ファイバを含むことを特徴とする硝酸溶液中溶存
    物質の酸化装置。
  12. 【請求項12】請求項9〜11のいずれか一項に記載の酸
    化装置において、 前記亜硝酸除去手段が、亜硝酸を分解する物質,揮発さ
    せる物質,沈殿させる物質のうち少なくとも一つの物質
    を供給する手段であることを特徴とする硝酸溶液中溶存
    物質の酸化装置。
  13. 【請求項13】請求項9〜12のいずれか一項に記載の酸
    化装置において、 前記溶液を加温する手段を含むことを特徴とする硝酸溶
    液中溶存物質の酸化装置。
  14. 【請求項14】請求項9〜13のいずれか一項に記載の酸
    化装置において、 前記保持容器が、処理溶液を外部に排出するためのフィ
    ルタを備えたことを特徴とする硝酸溶液中溶存物質の酸
    化装置。
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