JPH0219434A - ワイヤーハーネスのターミナル用銅基合金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）技術分野 本発明は、自動車部品の電装品等に用いられるワイヤー
ハーネスのターミナル用材料として好適な高強度、高伝
導性鋼基合金に関するものである。

（ロ）従来技術 周知の通り、自動車産業は今日日本の基幹産業として大
きな役割を果すに至っており、その生産台数の増加は著
しく、また近時ではカーエレクトロニクスの発達により
、これに使用される伸銅品材料がますます増加している
。

従って、自動車の電装品の一翼を担うワイヤーハーネス
もこれに漏れず、１台当り約ＩＫ鵬の長さ、重量で約２
０Ｋｇが使用されるまでになった。

しかしながら、近時の自動車に対する要求は軽量化、高
信頼性および低コスト化とますます厳しいものになり、
従ってワイヤーハーネスも軽量化、高信頼性および低コ
スト化が要求されるようになって来ている。

ここで、ワイヤーハーネスは電線とターミナルが一体と
なったものであり、軽量化と配線の高密度化のためには
、ターミナル材料の材料特性および信頼性の向上が必要
かつ不可欠である。

上記のような背景の下に、具体的にターミナル材料は薄
肉化され、また複雑な形状にプレス成形されることから
、強度２弾性、導電性およびプレス成形性が良好なこと
が必要である。

更に、耐食性、耐応力腐食割れ性が良いことは勿論のこ
とで、エンジンルーム周辺や排ガス系統周辺では熱的な
負荷も加わることから、耐応力緩和特性にも優れていな
ければならない。

しかしながら、従来において上記のような諸特性を同時
に兼備し、かつ安価な材料を得ることは至難であった。

（ハ）発明の開示 本発明は、カーエレクトロニクスの発達に伴なって、ワ
イヤーハーネスのターミナル材料に要求される上記のよ
うな諸特性を兼備した銅基合金、さらに詳しくは強度１
弾性および電気伝導性に優れ、かつプレス成形性、耐応
力緩和特性等に優れたワイヤーハーネスのターミナル用
銅基合金を開発すべく鋭意研究の結果、開発されたもの
であって、次記の銅基合金を提供するものである。

即ち、まず第１の発明は、Ｎ　ｉ　：　０．１〜３．０
ｗｔ％、Ｔ　ｉ　：　０．１〜１．５　ｗｔ％、　Ｂ　
ｅ　：　０．００５〜０．２％、残部がＣｕおよび不可
避不純物からなるワイヤーハーネスのターミナル用銅基
合金である。

第２の発明は、Ｎ　ｉ　：　０．１〜３．０ｗｔ％、Ｔ
ｉ：　０．１　”１．５　ｗｔ％、　Ｂ　ｅ　：　０．
００５〜０．２　ｗｔ％を含み、更に Ｍ　ｇ　：　０．０１〜０．５　ｗｔ％、Ｚ　ｒ　：　
０．０１〜０．５　ｗｔ％、　Ｃａ　：　Ｑ、００５〜
０．２　ｗｔ％、Ｓｉ：Ｑ、０１〜０．５　ｗｔ％、　
Ｍ　ｎ　：　０．０１〜１．０ｗｔ％、Ａ　ｌ　：　０
．０１〜０．５ｗｔ％、　Ｚ　　ｎ　　：　　０．０１
〜１．０　　ｗｔ％、　ｐ　　：　　ｏ、ｏｉ〜０．１
ｗｔ％、Ｓ　ｎ　：　０．０１〜１．０ｗｔ％、Ｂ：０
゜００１　〜　Ｑ、０５ｗｔ％、　　Ｆ　　ｅ　　：　
　Ｑ、０１〜　１．０ｗｔ％　、　　Ｙ’：　０．００
１〜０．２　ｗｔ％、Ｃｏ　：　０．０１〜１．０ｗｔ
％、Ｌ　＆　：　０．００１〜０．２　ｗｔ％、Ｃｒ　
：　Ｑ、０１〜０．５　ｗｔ％、　Ｃｅ　：　０．ＱＯ
ｌ　〜０．２　ｗｔ％からなる群より選ばれた少なくと
も１種以上を総騒で０．００１〜２．０ｗｔ％含み、残
部がＣｕおよび不可避不純物からなる組成を有するワイ
ヤーハーネスのターミナル用銅基合金である。

本発明に係る銅基合金は、Ｎｉ、Ｔｉ、Ｂｅの適１の添
加によッテＮ　ｉ　−Ｔ　Ｉ系、Ｎｉ−Ｂｅ系、Ｎｉ−
Ｔｉ−Ｂｅ系等の金属間化合物を微細にして、かつ均一
に析出させることによって、ワイヤーハーネスのターミ
ナル用銅基合金にとって好ましいヒ記諸特性を発現せし
めた点に基本的な特徴がある。

次に１本発明に係る銅基合金の成分組成範囲をＬ記の通
りに限定した理由について説明する。

（１）Ｎｉ Ｎｉは、Ｔｉ及び又はＢｅと化合物を形成し、強度、Ｉ
ｉｌ性、耐熱性および耐応力緩和特性等の向丘に寄与す
る元素である。

また、鋳造組織および熱間加工組織を微細化し、かつ溶
体化処理時の結晶粒粗大化を防上する効果がある。

このような効果を発揮させるためには、Ｎｉ含有駄が０
．１　ｗｔ％未満では所望の効果が得られず、一方３．
０ｗｔ％を越えて含有させると電気伝導性の低下が顕著
となり、また経済的にも不利となることから、その含有
量を０．１　ｗｔ％〜３．０ｗｔ％の範囲と定めた。

（２）Ｔｉ Ｔｉは、その含有量が０．１　ｗｔ％未満ではＮｉＢｅ
の共存下でも強度１弾性、耐熱性および耐応力緩和特性
等を向上させる効果がほとんどなく、一方Ｔｉ含有量が
１．５　ｗｔ％を越えると電気伝導性が低下すると共に
、プレス成形性が著しく低下する。

また、鋳造性も低下し、かつ熱処理時の酸化被膜が強固
となり製造上の問題も生じてくることから、その含有量
を０．１〜１．５　ｗｔ％の範囲と定めた。

（３）Ｂｅ Ｂｅはその含有量が０．００５　ｗｔ％未満ではＮｉＴ
ｉとの共存下でも１強度９弾性、耐熱性及び耐応力緩和
特性等について所望の効果が得られず、一方Ｂｅ含有量
が０．２　ｗｔ％を越えると電気伝導性が低下すると共
にプレス成形性が著しく低下して来る。

また、鋳造性が低下し、かつ熱処理時の酸化被膜が強固
となり、製造上の問題も生じ、更に経済的にも不利とな
ることから、その含有量を０．００５〜０．２　ｗｔ％
の範囲と定めた。

（４）　Ｎｉ　：Ｔｉ　：Ｂｅ（７）成分組成比率また
、Ｎｉ　、Ｔｉ　、Ｂｅは、Ｎ１〜Ｔｉ系。

Ｎｉ−Ｂｅ系、Ｎ１〜ＴＩ−Ｂｅ系等の金属間化合物と
して析出するときに、上記の本発明の基本的な特徴が達
成される。

このＮｉ−Ｔｉ系、Ｎｉ−Ｂｅ系、Ｎ１〜Ｔｔ−Ｂｅ系
の金属間化合物による特性強化をより充分に発揮させる
ためには、Ｎｉ　：Ｔｉ　：Ｂｅの成分組成比率（重量
百分率）を好ましくは１：０．１〜０．５　　：　０．
０１〜０．１の範囲にするとなおよい。

Ｎｉ　：Ｔｉ　：Ｂｅの成分組成比率が上記範囲外の場
合には、マトリックスに固溶したＮｉＴｉ、Ｂｅ量が多
くなり、電気伝導性が低下する。

（５）副成分 更に、副成分として、 Ｍ　ｇ　：　０．０１〜０．５　ａｔ％、Ｚ　ｒ　：　
０．０１〜０．５　ｗｔ％、Ｃａ　：　０．００５〜０
．２　ｗｔ％、Ｓ　ｉ　：　０．０１〜０．５ｗｔ％、
　Ｍ　ｎ　　：　　０．０１〜１．０ｗｔ％、　Ａ　ｉ
　　：　　０．０１〜０．５ｗｔ％、　Ｚ　　ｎ　　：
　　０．０１〜１．０ｗｔ％、　Ｐ　　：　　０．０１
〜０．１　　ｗｔ％、　Ｓ　　ｎ　　：　　０．０１〜
１．０ｗｔ％、　Ｂ　　：　　０．００１　〜０．０５
ｗｔ％、　　Ｆ　　ｅ　　：　　０．０１〜１．０ｗｔ
％、　Ｙ　　：　　０．００１　〜０．２　　ｗｔ％、
　Ｃｏ　　：　　０．０１〜１．０ｗｔ％、　Ｌ　　ａ
　　：　０．００１　〜０．２ｗｔ％、　Ｃｒ　　：　
　Ｑ、０１〜０．５　　ｗｔ％、　Ｃｅ　　：　　０．
ＯＱｌ　　〜０．２　　ｗｔ％ からなる群より選ばれた少なくとも１種以上を総量で０
．００１〜２．０ｗｔ％の範囲で含有させると、上記緒
特性は向−ヒする。

これらの副成分は、本発明合金の電気伝導性を低下させ
ることなく、特に強度１弾性および加工性の向上に効果
的である。かつまた、メツキ性およびハンダ耐候性につ
いても有効である。

添加する副成分の総量は、０．００１　ｗｔ％未満では
上記の効果が認められず、一方２．０ｗｔ％を越えると
電気伝導性の低下が著しくなると共に製造性が低下する
ので、その含有量を０．００１　ｗｔ％〜２．０ｗｔ％
と定めた。

次に、本発明を実施例により具体的に説明する。

（ニ）実施例 実施例１ 通常の高周波誘導溶解炉を用い、それぞれ第１表に示さ
れる成分組成を有する本発明銅基合金Ｎｏ、１〜Ｎｏ、
１８と、比較のための銅基合金Ｎｏ、１９　ｗＮｏ、２
２を溶製し、２０　Ｘ　５０　Ｘ　２２０　（ｍｓ）の
鋳塊に鋳造した。

ただ、し、溶解鋳造時の雰囲気はＡｒガスシールとし、
所定条件で鋳造後、直ちに水冷した。各鋳塊を固剤後、
冷間圧延と焼鈍を繰返し、厚さ０．５思閣まで冷間圧延
した。

その後、８５０〜９５０℃の温度で１０分間溶体化処理
後、水急冷および酸洗を行なった。

この溶体化処理温度は、各合金の最適条件とするため、
Ｎｏ、７とＮｏ、１ｆｌは９５０℃、Ｎｏ、１〜ＢＮｏ
、８　、　Ｎｏ、１１〜ｔ３　、　Ｎｏ、１５　、　Ｎ
ｏ、１８〜２０．　Ｎｏ、２２は９００℃、Ｎｏ、９．
　Ｎｏ、ｌＯ、Ｎｏ、１４　、　Ｎｏ、１７Ｎｏ、２１
は８５０℃の温度とした。

次に、上記のようにして得られた溶体化処理材を厚さ０
．３■鳳まで冷間圧延し、５００〜５５０℃の温度で６
０分間の時効処理を行なった。

この時効処理温度は、各合金の最適条件とするために、
Ｎｏ、７　、　Ｎｏ、１１３は５５０℃、Ｎｏ、１〜Ｂ
Ｎｏ、８．　Ｎｏ、１１〜１３．　Ｎｏ、１５　、　Ｎ
ｏ、１８〜２０．　Ｎｏ、２２は５２５℃、Ｎｏ、Ｉｌ
ｌ、　Ｎｏ、１０　、　Ｎｏ、＋４　、　Ｎｏ、１７Ｎ
ｏ、２１は５００℃の温度とした。

得られた試験材を用いて、ワイヤーハーネスのターミナ
ル用銅基合金としての緒特性を評価するため、各所定の
試験片を作製し、硬度、引張強さ、ばね限界値、導電率
および曲げ加工性を測定した。その結果を第１表に示す
。

測定法としては、硬度、引張強さ、ばね限界値および導
電率の測定は、それぞれＪ　Ｉ　５−Ｚ−２２４４、Ｊ
ＩＳ−Ｚ−２２４１、ＪＩＳ−Ｈ−３１３０およびＪＩ
Ｓ−Ｈ−０５０５に従って行なった。

曲げ加工性は、９０Ｗ曲げ試験（ＣＥＳ−Ｍ−０００２
−８、Ｒ＝　０．１　ａｍ、圧延方向および垂直方向）
を行ない、中央部の両表面が良好なものは０印、シワの
発生したものはΔ印、割れが発生したものはＸ印として
評価した。

第１表の結果から、本発明に係るＮｏ、１〜１８の銅基
合金は、硬度、引張強さ、ばね限界値および導電率のバ
ランスが優れ、かつ曲げ加工性も良好である。従って、
ワイヤーハーネスのターミナル用銅基合金として非常に
優れた特性を有する合金である。

これに対して、本発明の成分組成範囲外でＴｉ含有率の
低い比較合金Ｎｏ、１９とＢｅを含有しない比較合金Ｎ
ｏ、２０は、硬度、引張強さ及びばね限界値が本発明合
金に比して低い。

また、本発明の成分組成範囲外で、Ｔｉ含有率の高い比
較合金ＮＯ，２１は導電率が低く、曲げ加工性でも劣り
、Ｂｅ含有率の高い比較合金Ｎｏ、　２２は曲げ加工性
が劣る。

また、本発明合金の成分組成範囲内のＮｉＴｉ、Ｂｅの
各含有率であッテも、Ｎｉ　、ＴｉＢｅの成分組成比率
が１　：　０．１〜０．５　：　０．０１〜０．１の範
囲外であるＮ００７とＮｏ、１６は曲げ加工性がわずか
ながら劣っている。

（以下余白） 実施例２ 実施例１の第１表中に示す本発明合金Ｎ００３と重板の
リン青銅２種（Ｃ５１９１〜Ｈ）について、実施例１と
同様に硬度、引張強さ、ばね限界値、導電率および曲げ
加工性を試験測定した。

次に、応力緩和試験は試験片の中央部の応力が４０Ｋｇ
ｆ／ａｍ”になるようにＶ字曲げを行ない、１５０℃の
温度で２００時間保持後の曲げぐせを応力緩和率として
、次式により算出した。

応力緩和率（２）＝ ［（ＬＩ　−Ｌ２　）／（ＬＩ−Ｌｏ　）ＩＸｌｏｏＬ
ｏ　：治具の長さ（ｍ層） Ｌ、：開始時の試料長さ（鳳ｍ） Ｌ２：処理後の試料端間の水平距離（騰■）更に耐熱性
試験は、試料の硬度が初期硬度の８０％になるときの温
度（３０分間保持）とした。

以上の測定および試験を行なった結果を、第２表に示す
。

第２表から、本発明銅基合金は、従来の代表的ナワイヤ
ーハーネスのターミナル用材料であるリン青銅に比較し
、導電率、ｍ応力緩和特性ならびに耐熱性が格段に向上
していることが分る。従って、本発明銅基合金は高度な
耐環境性を有し、信頼性に極めて優れていることが明ら
かである。

（ホ）発明の効果 以上の実施例から明らかなように、本発明に係る銅基合
金は、高強度、高弾性、高電気伝導性を有し、かつ曲げ
加工性、耐応力緩和特性および耐熱性に優れており、ワ
イヤーハーネスのターミナル用材料として最適である。

しかも、本発明合金は、近年の自動車用電装品の小型軒
昂化と配線の高密度化に充分対応できる画期的なターミ
ナル用銅基合金である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｎｉ：０．１〜３．０ｗｔ％、 Ｔｉ：０．１〜１．５ｗｔ％、 Ｂｅ：０．００５〜０．２ｗｔ％、 残部：Ｃｕおよび不可避不純物、 からなる組成を有することを特徴とするワイヤーハーネ
   スのターミナル用銅基合金。
2. （２）Ｎｉ：０．１〜３．０ｗｔ％、 Ｔｉ：０．１〜１．５ｗｔ％、 Ｂｅ：０．００５〜０．２ｗｔ％ を含み、更に Ｍｇ：０．０１〜０．５ｗｔ％、 Ｚｒ：０．０１〜０．５ｗｔ％、 Ｃａ：０．００５〜０．２ｗｔ％、 Ｓｉ：０．００１〜０．５ｗｔ％、 Ｍｎ：０．０１〜１．０ｗｔ％、 Ａｌ：０．０１〜０．５ｗｔ％、 Ｚｎ：０．０１〜１．０ｗｔ％、 Ｐ：０．０１〜０．１ｗｔ％、 Ｓｎ：０．０１〜１．０ｗｔ％、 Ｂ：０．００１〜０．０５ｗｔ％、 Ｆｅ：０．０１〜１．０ｗｔ％、 Ｙ：０．００１〜０．２ｗｔ％、 Ｃｏ：０．０１〜１．０ｗｔ％、 Ｌａ：０．００１〜０．２ｗｔ％、 Ｃｒ：０．０１〜０．５ｗｔ％、 Ｃｅ：０．００１〜０．２ｗｔ％ からなる群より選ばれた少なくとも１種以上を総量で０
   ．００１〜２．０ｗｔ％含み、残部がＣｕおよび不可避
   不純物からなる組成を有することを特徴とするワイヤー
   ハーネスのターミナル用銅基合金。