JPH0218985Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、推進車輪の前方に車輪自動昇降用の
センサーフロートを、その前端側を中心に上下揺
動自在に設け、前記推進車輪の後方に苗植付装置
を配備し、機体旋回時の後方延出ハンドルの持ち
上げ操作によりセンサーフロートを人為的に感知
させて機体を上昇させ、後部フロートの泥抵抗を
軽減した状態で軽くかつ円滑に旋回を行なえるよ
うにした歩行型田植機に関する。

上記田植機において、センサーフロートを構成
するに、旋回時におけるセンサーフロート横側で
の泥押しによる推進抵抗の増大、及び、枕地泥面
を荒らすことを防止するために、従来、第４図に
示すように、センサーフロート２を、その上下揺
動に加えて前端側縦軸芯Ｐ周りで回動自在に構成
すると共に、センサーフロート２の上下揺動を、
下端部にローラ２７を取付けた上下変位自在な検
出杆２６をフロート２後端部の上面に下降付勢し
た状態で接当させて検出するように構成し、旋回
時においてセンサーフロート２が泥抵抗の少ない
状態に自由回動することを許容するように構成し
ていた。しかしながらセンサーフロート２上に乗
り上げた泥土がローラ２７とフロート２上面との
間に咬み込み易くて誤検出を招き易く、そのため
に、機体の対地適正作業高さを安定的に維持する
ことができず、機体が不安定となつたり、苗植付
深さが変化する等、植付作業に支障を来たす問題
があつた。

本考案の目的は、上述従来の実情に鑑みて、セ
ンサーフロートの上下揺動検出構造に対する合理
的改良により、センサーフロートを泥抵抗の少な
い状態に自由回動できるようにしながら、その検
出精度を向上する点にある。

本考案の特徴構成は、冒記歩行型田植機におい
て、機体前端近傍に、横軸心周りに回動自在なフ
ロート支持ブラケツトを設け、このブラケツトと
車輪昇降制御機構とを連動連結するとともに、前
記ブラケツトに対して前記センサーフロートの前
部を縦軸心周りにのみ揺動自在に連結してあるこ
とにあり、その作用・効果は次の通りである。

つまり、センサーフロートをその前端側縦軸芯
周りで回動自在に構成したことによつて、ハンド
ルにより苗植付装置を持ち上げ操作した状態での
機体旋回時において、センサーフロートを泥抵抗
が少ない状態に自由回動させることができること
は言うまでも無く、センサーフロートの上下揺動
を検出するに、それと一体連結状態のブラケツト
の回動を検出して行なうものであるから、従来構
成のように、検出杆をセンサーフロート上面に接
当させて検出するに比して、泥の付着や咬み込み
等による悪影響少なく適確に検出できて、機体を
対地姿勢に確実に維持することができ、全体とし
て旋回性及び植付作業性いずれにも極めて優れた
歩行型田植機を提供し得るに至つた。

次に本考案の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図に示すように、対機体駆動昇降自在な左
右一対の推進車輪１を装備し、かつ、それら車輪
１の自動昇降制御用のセンサーフロート２を機体
左右中央で車輪１よりも前方に配置して連設した
原動部３を、伝動ケースに兼用構成された機体フ
レーム４の前端部に連結支持すると共に、一定ス
トロークで横往復移動する傾斜苗のせ台５、その
苗のせ台５に載置したマツト状苗Ｗの下端列に沿
つて順暫一株分づつの苗を取出し泥面に植付ける
複の苗植付爪６、前記車輪１との協働により機体
を対地支持する左右一対の整地フロート７、及
び、次行程で走行予定線を泥面に描く左右一対の
線引きマーカー８、更に、左右一対の後方延出ハ
ンドル９等諸装置を備えた苗植付装置１０を機体
フレーム４の後端部に連結し、もつて、歩行型田
植機を構成してある。

この田植機には、前記線引きマーカー８に加え
て自動走行指標装置が装備されており、その自動
走行指標装置を構成するに、第１図及び第３図に
示すように、前記苗植付装置１０に、未植地側に
おいてマーカー８により泥面に形成された溝内に
夫々のマーカー８の直後方に配置してそれに支持
したホース１１から機体の走行に伴ない鉄粉等の
磁気粉を放出する磁気粉配布装置１２を設けると
共に、機体の前端部左右中央に、先行程で配布さ
れた磁気粉を感知する電磁センサー１３を付設
し、かつ、その電磁センサー１３からの情報に基
づいて機体が走行予定線に沿つて適切に進行して
いるか否か、及び、走行予定線に対して機体がい
ずれの側に逸れているかをランプ表示により操縦
者に報告する表示装置１４を、ボンネツト１５の
上部に取付けた走行予定線照準具１６付きボツク
ス１７に装備してある。

又、前記ホース１１からの磁気粉供給を停止す
るに、ホース１１を弾性折れ曲がり自在に構成
し、非使用時に上昇揺動させるマーカー８と共に
ホース１１を上方に屈曲して折り曲げ磁気粉のホ
ース１１内自重移送を停止するように構成してあ
る。

前記センサーフロート２による車輪自動制御構
造について説明すると、第１図及び第２図に示す
ように、機体の前端下部に、下向き支点ピン１８
を固設したブラケツト１９を、機体横向き軸芯Ｑ
周りに回動自在な状態で取付けると共に、センサ
ーフロート２をその前端部に固設したボス部材２
０を介して支点ピン１８に、その縦向き軸Ｐ周り
に回動自在に連結支持してある。そして、車輪昇
降用油圧シリンダ２１に対する制御弁２２と、ブ
ラケツト１９とを、それに固設のアーム２３、及
び、押引きロツド２４を介して連動連結すると共
に、ブラケツト１９に付設のスプリング２５によ
りブラケツト１９を回動付勢してセンサーフロー
ト２を接地側に弾性付勢してある。

つまり、ハンドル９を持ち上げ操作した状態で
の機体旋回時に、センサーフロート２をその泥抵
抗が少なくなる側に縦軸芯Ｐ周りで自由回動させ
て、センサーフロート２の泥押しによる不都合を
回避するように構成すると共に、植付走行時にお
ける耕盤深さ変化に起因した接地圧変動によるセ
ンサーフロート２の上下揺動検出を、それに一体
連結したブラケツト１９の横向き軸芯Ｑ周りでの
回動検出をもつて泥の付着や咬み込み等による悪
影響なく適確に行なえるようにし、機体を対地適
正作業高さに維持するための制御弁２２自動操作
を精度良く行なえるように構成してある。

尚、ブラケツト１９の具体的形状、並びに、そ
の横向き軸Ｑ周りでの回動自在な状態での具体的
取付構造は各種の構成変更が可能であり、また、
センサーフロート２とブラケツト１９との、セン
サーフロート２の前端側縦軸芯Ｐ周りでの回動自
在な状態での具体的連結構造も各種の構成変更が
可能である。

又、車輪１を昇降するための駆動装置は、油圧
シリンダ２１に代えて油圧モータや電動モータ等
各種の駆動装置を適用することが可能であり、ま
た、駆動装置の構成変更に伴ないそれに対する操
作構造も油圧式や電気式等各種の構成変更が可能
であり、それら駆動装置及び操作構造を総称して
車輪昇降制御機構２２と称する。

更に、前記車輪昇降制御機構２２とブラケツト
１９との具体的連動構造もワイヤーや押引きロツ
ド、あるいはリンクを用いる等の機械式に代えて
電気式や油圧式等を用いる等、各種の構成変更が
可能である。

本考案は、車輪自動昇降用のセンサーフロート
を備えた各種型式の歩行型田植機を対象とするも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型田植機の実施例及び
従来例を例示し、第１図は全体側面図、第２図は
センサーフロート取付構造を示す拡大側面図、第
３図は線引きマーカー部を示す拡大斜視図、第４
図は従来例を示す拡大側面図である。 １……推進車輪、２……センサーフロート、１
０……苗植付装置、１９……ブラケツト、２２…
…車輪昇降制御機構、Ｑ……横軸芯、Ｐ……縦軸
芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 推進車輪１の前方に車輪自動昇降用のセンサー
   フロート２を、その前端側を中心に上下揺動自在
   に設け、前記推進車輪１の後方に苗植付装置１０
   を配備した歩行型田植機であつて、機体前端近傍
   に、横軸心Ｑ周りに回動自在なフロート支持ブラ
   ケツト１９を設け、このブラケツト１９と車輪昇
   降制御機構２２とを連動連結するとともに、前記
   ブラケツト１９に対して前記センサーフロート２
   の前部を縦軸心Ｐ周りにのみ揺動自在に連結して
   あることを特徴とする歩行型田植機。