JPH0218938Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子接続子を挿着した雌雄コネクタハ
ウジングを相互に結合し、回路を接続するコネク
タの改良に関するものである。

一般に前記コネクタは、挿着した電気接続子
（以下単に接続子という）を収容室に係止する片
持梁状の弾性係止腕が設けられており、雌雄コネ
クタハウジングの結合時に、接続子が正しい位置
姿勢にあることを確認し、不良コネクタの生成を
防止すると共に、使用時における接続子の抜けを
防止する為に、以下の様な構造を用いるものが多
い。

即ち、第１，２図を参照して、上下２段の収容
室３Ａ，３Ｂに雄形接続子４Ａ，４Ｂを挿着した
雄形コネクタハウジング１（以下雄ハウジング１
という）と、上下２段の収容室９Ａ，９Ｂに雌形
接続子１０Ａ，１０Ｂを挿着した雌形コネクタハ
ウジング２（以下雌ハウジング２という）を結合
するコネクタにおいて、雄ハウジング１の上方の
収容室４Ａの上壁と、下方の収容室４Ｂの下壁に
は収容室４Ａ，４Ｂの前方に伸びる片持梁状の弾
性係止腕５Ａ，５Ｂが設けられ、該係止腕の内面
の係止突起１２と接続子４Ａ，４Ｂの係止孔を係
合させると共に、弾性係止腕５Ａ，５Ｂの背部に
は、それぞれの撓用空間７Ａ，７Ｂが形成してあ
る。

一方、雌ハウジング２には、収容室９Ａ，９Ｂ
の境界部分に共有の撓用空間１３を挟んで背合せ
状の一対の片持梁状の弾性係止腕１１Ａ，１１Ｂ
が設けてあり、雌形接続子１０Ａ，１０Ｂがそれ
ぞれ係止される様になつている。そして、以上の
雌雄ハウジング１，２が結合したとき、雄ハウジ
ング１の撓用空間７Ａ，７Ｂには、雌ハウジング
２の前端縁部１４Ａ，１４Ｂが嵌合すると共に、
雌ハウジング２の撓用空間１３には、雄ハウジン
グ１の中空部に突設した舌片６が嵌合し、接続子
４Ａ，４Ｂ，１０Ａ，１０Ｂが、挿入量不足等が
なくそれぞれの弾性係止腕と正しく係合している
かどうかを確認すると共に、使用時の各弾性係止
腕の撓を阻止して各接続子の抜けを防止する様に
成つている。

以上の従来構造のコネクタによると、雄ハウジ
ング１の横軸心１′を軸として対称となる一対の
弾性係止腕５Ａ，５Ｂが上下壁寄りに設けられ、
雌ハウジング２の横軸心２′を軸として対称とな
る背合せ状の一対の弾性係止腕１１Ａ，１１Ｂが
設けてあるので、雌雄ハウジング１，２に挿着さ
れる接続子は、上下の収容室において上下方向が
逆向きになる。

従つて、接続子を挿着するとき収容室の上下位
置に応じて接続子の天地を逆向きにして挿着する
必要があり、挿着作業性が煩雑になると共に、挿
着作業の自動化が困難となる。

本考案は、以上の問題を解消することを目的と
するもので、上下の収容室に接続子の天地方向を
揃えて挿着することができるコネクタを提供する
ものである。

以下、本考案一実施例を示す第３，４図を参照
して詳しく説明する。図において、雄形接続子４
を挿着する雄ハウジング１には、上下二段に収容
室３Ａ，３Ｂが設けてあり、収容室３Ａ，３Ｂの
上壁部分には、それぞれの弾性係止腕５Ａ，５Ｂ
が形成してある。弾性係止腕５Ａ，５Ｂは、第
１，２図示の従来構造と同様に、その内面に突設
した係止係起１２と挿着した雄形接続子４の係止
孔を係合させて、雄形接続子４の位置姿勢を係止
させるもので、片持梁状になつて前方に伸びてい
る。そして、弾性係止腕５Ａ，５Ｂの背面（図示
では弾性係止腕５Ａ，５Ｂの上方）に、それぞれ
の撓用空間７Ａ，７Ｂが設けてある。即ち、収容
室３Ａ，３Ｂは、弾性係止腕５Ａ，５Ｂの係止突
起１２の方向、即ち弾性係止腕５Ａ，５Ｂの「雄
形接続子４の係止部位」の方向を揃えて二段状に
積み重ねて配列されている。なお、下方の収容室
３Ｂと雄ハウジング１の外壁間には、後述する雌
ハウジング２の縁部のスペーサ部を受け入れる空
隙部８が設けてある。

一方、雌形接続子１０を挿着する雌ハウジング
２は、その収容室９Ａ，９Ｂが二段状に設けてあ
り、収容室９Ａ，９Ｂの下壁部には、それぞれの
弾性係止腕１１Ａ，１１Ｂが形成されている。弾
性係止腕１１Ａ，１１Ｂは、第１，２図の従来構
造と同様に、その上面に設けた係止突起１２と、
雌形接続子１０の係止孔を係合させて係止させる
もので、片持梁状になつて前方に伸びている。そ
して、弾性係止腕１１Ａ，１１Ｂの背面（図示で
は弾性係止腕１１Ａ，１１Ｂの下方）に、それぞ
れの撓用空間１３Ａ，１３Ｂが設けてある。即
ち、収容室９Ａ，９Ｂの弾性係止腕１１Ａ，１１
Ｂの係止突起１２の方向が、雄ハウジング１の弾
性係止腕５Ａ，５Ｂの係止突起１２の方向と逆に
なると共に、上下二段の弾性係止腕１１Ａ，１１
Ｂの係止突起１２の方向を揃えて重ねるように配
列されており、雌雄コネクタハウジング１，２の
弾性係止腕５Ａ，５Ｂと１１Ａ，１１Ｂは、「電
気接続子の係止部位」が逆向きに組合せられる構
造になつている。

さらに、前記の雄ハウジング１には収容室３
Ａ，３Ｂの前端から舌片状のスペーサ部１５Ａ，
１５Ｂが延設してあり、スペーサ部１５Ａ，１５
Ｂは、雌雄ハウジング１，２が結合したとき、雌
ハウジング２の弾性係止腕１１Ａ，１１Ｂの撓用
空間１３Ａ，１３Ｂとガタなく嵌合する様に、そ
の位置と大きさが定めてある。また、前記の雌ハ
ウジング２の前方には、雌ハウジング２の外壁部
分を伸延した形状のスペーサ部１６Ａ，１６Ｂ，
１６Ｃが形成してあり、スペーサ部１６Ａ，１６
Ｂ，１６Ｃは、雌雄ハウジング１，２が結合した
とき、雄ハウジング１の弾性係止腕５Ａ，５Ｂの
撓用空間７Ａ，７Ｂと空隙部８に、ガタなく嵌合
する様に形成されている。なお、図中の１７，１
８は雌雄ハウジング１，２の結合姿勢をロツクす
る係止孔と係止爪である。

以上の様に本考案は、背面に撓用空間を有し、
挿着した接続子を係止する弾性係止腕を設けた収
容室を多段に配列した雌ハウジングと雄ハウジン
グを結合するコネクタにおいて、前記雌ハウジン
グと雄ハウジングの収容室は、弾性係止腕の「電
気接続子の係止部位」の方向を揃えて積み重ね配
列すると共に、前記雌形コネクタハウジングと雄
形コネクタハウジングの弾性係止腕の「電気接続
子の係止部位」が、相互に逆向きに組合されてお
り、さらに、前記雌形コネクタハウジングと雄形
コネクタハウジングの前方には、結合時に相手側
コネクタハウジングの前記撓用空間と嵌合するス
ペーサ部が形成されている構造を特徴としてい
る。

従つて、本考案のコネクタによると、第４図の
様に、雌雄ハウジング１，２とも、多段形状の収
容室に、それぞれの接続子４Ａ，４Ｂおよび１０
Ａ，１０Ｂの天地方向を揃えて挿着することがで
きる。そして、結合時には、各弾性係止腕の撓用
空間に相手側ハウジングのスペーサ部が嵌合する
ので、挿入量不足による位置不良の接続子がある
ときは、スペーサ部の嵌合不能を生じて接続子の
挿入不良を直ちに確認できることとなり、スペー
サ部と撓用空間の嵌合機構による不良コネクタの
未然防止と接続子の抜け防止機能は良好に維持さ
れる。

以上の様に、本考案のコネクタは接続子の同一
天地方向の挿着が可能になるので、挿着作業性が
向上すると共に、当該作業の自動化が可能になり
生産性を向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図：従来構造のコネクタを示す正面断面
図、第２図：第１図コネクタの結合状態を示す正
面断面図、第３図：本考案一実施例のコネクタを
示す正面断面図、第４図：第３図実施例の結合状
態を示す正面断面図。 主な符号、１……雄形コネクタハウジング、２
……雌形コネクタハウジング、３Ａ，３Ｂ，９
Ａ，９Ｂ……収容室、４Ａ，４Ｂ……雄形接続
子、５Ａ，５Ｂ，１１Ａ，１１Ｂ……弾性係止
腕、１０Ａ，１０Ｂ……雌形接続子、７Ａ，７
Ｂ，１３Ａ，１３Ｂ……撓用空間、１５Ａ，１５
Ｂ，１６Ａ，１６Ｂ，１６Ｃ……スペーサ部、１
９……電線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背面に撓用空間を有し、挿着した電気接続子を
   係止する片持梁状の弾性係止腕を設けた収容室
   を、多段に配列した雌形コネクタハウジングと雄
   形コネクタハウジングを結合するコネクタにおい
   て、前記雌形コネクタハウジングの収容室と、前
   記雄形コネクタハウジングの収容室は、弾性係止
   腕の「電気接続子の係止部位」の方向を揃えて積
   み重ね配列すると共に、前記雌形コネクタハウジ
   ングと雄形コネクタハウジングの弾性係止腕の
   「電気接続子の係止部位」が、相互に逆向きに組
   合されており、さらに、前記雌形コネクタハウジ
   ングと雄形コネクタハウジングの前方には、結合
   時に相手側コネクタハウジングの前記撓用空間と
   嵌合するスペーサ部が形成されている構造を特徴
   とするコネクタ。