JPH0218812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば駆動軸と機械装置とを結合す
るフランジタイプの結合装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 駆動軸等の軸類とこれに連結する原動機等の機
械装置とを迅速に結合し、あるいは結合を解除す
ることは、それらの装置の稼働率を向上し、ある
いは作業能率を向上する上で極めて重要である。
例えばプロペラシヤフトなどでは、その両端を機
械装置に結合するのに多数のボルトによつて締結
する形式のものが多く、装置との着脱に多くの時
間を必要とする。

これに対し、着脱を迅速に行なえるようにし
た、第２図に示すような、フランジタイプの結合
装置が知られている。第２図において、２１ａ，
２１ｂは一対の結合フランジで、一方の面が軸や
機械装置に連結されるフランジ面、他方の面が結
合面となつている。結合面には、フランジ部２２
ａ，２２ｂにそれぞれ一体的に形成された結合板
２３ａ，２３ｂがあり、その中心軸部に孔が設け
られ、その孔に心合わせのためのセンターピース
２４が挿入されている。２５は結合板２３ａ，２
３ｂにそれぞれ形成された溝に嵌め込まれ結合板
相互のスリツプをなくして動力の伝達を確実にす
るキー、２６ａ，２６ｂはその凹部に、両結合フ
ランジの結合板における互いに対向する端部を保
持するクランププレート、２７はクランププレー
ト２６ａ，２６ｂ及びセンターピース２４にそれ
ぞれ設けられた孔に挿通され、クランププレート
を締め付けるクランプボルト、２８ａ，２８ｂは
クランプボルトの弛みを防止するためのバネであ
る。

このように構成された従来例では、フランジ部
２２ａ，２２ｂにそれぞれ軸や機械装置が連結さ
れた結合フランジの結合板２３ａ，２３ｂを互い
に当接し、結合板の対向する端部をクランププレ
ート２６ａ，２６ｂでそれぞれ保持してクランプ
ボルト２７で締め付けることにより、迅速に軸と
機械装置とを結合することができる。また、この
結合を解除するときは、クランプボルト２７を弛
めることにより同様に迅速に行なうことができ
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、圧延機のロール交換作業などで
は、より一層の能率向上が要求されており、上記
従来例においてもクランプボルトの締め付けや弛
め操作になお時間を要し、またボルトが大きくな
ると締め付け及び弛める際に必要とする回転力が
大きくなつてその作業は容易でなく、また装置も
大がかりなものを必要としていた。

本考案は、上記問題点に鑑み、駆動軸等の軸類
と原動機等の機械装置とをより迅速に結合し、あ
るいは結合を解除することのできるフランジ型結
合装置を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、第２図に示したフランジタイプの結
合装置をベースにし、これに、従来各種の機械装
置に取り入れられ油圧装置を用いてクランプボル
トをその軸方向に延伸させて比較的小さに回転力
でナツトを回して締付や弛め操作を行なう手段を
応用するとともに、結合面には互いに噛み合う台
形の歯形構造を備えるものである。

（作用） 油圧装置を用いてクランプボルトを延伸させた
状態でナツトを締め付け、あるいは弛めるように
すれば、比較的小さい回転力で十分な締付圧力を
得、また弛めることができ、従つて結合やその解
除の作業を迅速かつ容易に行なうことができる。
また、結合面に形成した歯形の噛み合いにより動
力の伝達がより確実になる。

（実施例） 第１図は、本考案の一実施例を示したものであ
り、１ａ，１ｂは一方の面がフランジ面、他方の
面が結合面をなす一対の結合フランジで、その結
合面には、その結合面どうしが当接したとき互い
に噛み合う台形歯２ａ，２ｂを有している。３は
結合フランジの各中心軸部に設けられた中心孔に
挿着された心出しのためのセンターピースで、そ
の略中央部に軸方向とは直角方向に孔が設けられ
ている。４は、センターピース３の孔及び一対の
結合フランジ１ａ，１ｂの結合面が当接した状態
でその結合面に沿つて貫通する孔に挿通されたク
ランプボルト、５ａ，５ｂは、クランプボルト４
によつて中心部を挿通され、一対の結合フランジ
の各結合面の台形歯を介してその両側にそれぞれ
突出した突出部のうち互いに対向する突出部６
ａ，６ｂ，７ａ，７ｂをそれぞれ凹部の内側に保
持する一対のクランププレート、８及び９はクラ
ンプボルト４の両端からそれぞれねじ込まれクラ
ンププレート５ａ，５ｂを締めつけるクランプナ
ツトであり、クランプボルト４、クランププレー
ト５ａ，５ｂ、及びクランプナツト８，９により
締結部材を構成している。１０は油圧シリンダで
あり、クランププレートを締めつけ又は弛めると
き、クランプボルトの一端に取り付けて、クラン
ププレートの一つを押圧するようにする。１１は
油圧シリンダの背部を押えるナツトである。

以上のように構成された本実施例では、クラン
プナツト９を回転することによりクランププレー
ト５ａ，５ｂを締め付けて結合フランジ１ａ，１
ｂを互いに結合するが、その場合、クランプナツ
ト８の方は予め所定の位置に固定しておき、油圧
シリンダ１０を作動させて一方のクランププレー
ト５ｂを押圧すると、クランプボルト４はその軸
方向に延伸し、クランププレート５ｂとクランプ
ナツト９との間に隙間ができ、従つてナツト９を
小さい回転力で回して締め付けることができる。
また、結合しているものを解除する場合も同様
に、油圧シリンダ１０を働かせることによりクラ
ンププレート５ｂとクランプナツト９との間に隙
間をつくり、クランプナツト９を小さい回転力で
回すことができる。その結果、結合フランジの結
合又はその解除作業が極めて容易になり、従つて
軸類と機械装置の着脱を迅速に行なうことができ
る。また、結合フランジ１ａ，１ｂの結合部に設
けた台形歯によつて両フランジがしつかりと噛み
合い、動力の伝達がより確実となる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、圧延機
のロール交換などにおける軸類と機械装置の着脱
作業を容易かつ迅速に行なうことができ、しかも
結合面における台形歯の噛み合い構造によつて動
力の伝達をより確実にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例のフランジ型結合
装置の構成図、第２図は、従来のフランジ型結合
装置を示す斜視図である。 １ａ，１ｂ……結合フランジ、２ａ，２ｂ……
台形歯、３……センターピース、４……クランプ
ボルト、５ａ，５ｂ……クランププレート、６
ａ，６ｂ，７ａ，７ｂ……突出部、８，９……ク
ランプナツト、１０……油圧シリンダ、１１……
ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の面がフランジ面、他方の面が結合面をな
   し、その結合面どうしを当接したとき互いに噛み
   合う台形歯を有する一対の結合フランジと、該結
   合フランジの各中心軸部に設けられた中心孔に挿
   着されるセンターピースと、該センターピースの
   略中央部に軸方向とは直角方向に設けられた孔及
   び前記一対の結合フランジの結合面が当接した状
   態でその結合面に沿つて貫通する孔に挿通される
   クランプボルト、該クランプボルトによつて中心
   部を挿通され、前記一対の結合フランジの各結合
   面の台形歯を介してその両側にそれぞれ突出した
   突出部のうち互いに対向する突出部を凹部の内側
   に保持する一対のクランププレート、及び前記ク
   ランプボルトの両端からねじ込まれ前記クランプ
   プレートを締めつけるクランプナツトからなる締
   結部材と、前記クランププレートを締めつけ又は
   弛めるとき、前記クランプボルトの一端に取り付
   けて、前記クランプボルトを延伸させて前記クラ
   ンプナツトの回動を容易にするように前記クラン
   ププレートの一つを押圧する油圧シリンダとから
   なることを特徴とするフランジ型結合装置。