JPH02185369A - ショットピーニング法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は金属材料の表面を梨地模様に加工するとともに
、金属材料の疲労強度を向上させるショットピーニング
法に関する。

［従来の技術］ 無数の鉄あるいはその他の材質の粒子を高速度で被加工
物の表面に衝突させて加工する作業を一般にプラスチン
グと言うが、特にショットと呼ばれる比較的球形に近い
鉄の粒子を使用するときは、ショットプラスチングと呼
ばれる。金属面にこの加工を行うと表面硬化作用が著し
く、また被加工金属部品の疲れ強さが増加するので、こ
のような効果を目的とする場合はショットピーニングと
呼ばれている。

ショットピーニングの最も著しい効果は疲れ強さの向上
である。ショットピーニングを施すと、表面層に圧縮残
留応力が発生し、冷間加工による表面硬化と脱炭層の除
去と相まって、疲れ強さを向上させる。その−例を第１
図にＳ−Ｎ線図として示した。Ｓ−Ｎ線図とは、材料に
種々の大きさの繰返し応力を与えたときの破壊までの繰
り返し数を求め、応力（Ｓ）と繰り返し数（Ｎ）との関
係を表した図である。

第４図の実線はＳＣＭ４２０８Ｉを浸炭後、アークハイ
ト０．４０Ａのショットピーニング処理を施したものに
ついて、小野式回転曲げ疲れ試験機を使用してＳ−Ｎ曲
線を求めたもので、破線がＳＣＭ４２０Ｈ鋼を浸炭のま
まのもののＳ−Ｎ曲線である。なお、ここでアークハイ
トとは、ショットプラスチングの強度を規定する単位で
あって、ショットが当たった側が凸になるようにふくれ
上がることを利用して、所定の板厚の薄板の所定弦長に
対するキャンバ（矢高）の変化で以て表す。

第４図より明らかなように、浸炭のままのものの疲れ限
が８０ｋｇ／ｍ鋤”であるのに対して、ショットピーニ
ングを施したものは１１０　ｋｇ／　＋ｎ＋２であって
、約３０％の疲れ限の向上が見られる。

［発明が解決しようとする課題］ 圧縮残留応力によって疲労強度が向上する原因について
は、以前は疲労過程で加えられた引張応力が圧縮残留応
力によって緩和されるという巨視的な見方がされていた
が、近年残留応力場の疲労亀裂進展特性に注目し、この
現象を破壊力学的に説明しようという試みがなされてい
る。詳細については不明な部分があるが、表面の圧縮残
留応力が高く、そしてそれが深部にまで高レベルで付与
されている方が疲労強度が高いとされている。

そこで、特開昭６１−７９７１９号公報の発明では、３
００〜５００℃の温度範囲からショットピーニングを施
すことによって室温まで冷却しながら加工し、その後前
記ショットピーニングで用いたショット径と同じかそれ
より小さなショット径を有するショットを用いて室温で
ショットピーニングを施すショッＩ・ピーニング法が開
示されている。これは、まず第１次の大径のショット粒
の投射によって深く広範囲に残留応力を付与し、さらに
その後の小径のショット粒の投射によって表面部の残留
応力を高めることができる。この２回のショットピーニ
ングを施すことにより、加工層および圧縮残留応力層が
十分に深くまた圧縮残留応力も十分に大きくでき、顕著
な疲労強度の向上が図れる。

しかしながら、前記２段式のショットピーニングにおい
ては、２ＦＩＩ類のショットピーニング装置を設置する
必要があり、そのため設備費用が高くなり工程が長くな
るという欠点がある。また、近年各種機械の軽量化およ
び高速化に伴い、機械構造部品の高強度化、特に疲労強
度向上の要求が高まっており、従来のショットピーニン
グ法では強化に限界があり、さらに疲労強度の向上の得
られるショットピーニング法の開発が望まれていた。

本発明は従来のショットピーニング法では、近年の疲労
強度向上の要求に十分に応えることができないという問
題点に鑑みてなされたもので、疲労強度が従来法よりも
飛躍的に向上するショットピーニング法を提供すること
を目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明のショットピーニング法は、ショット粒の投射速
度を段階的または連続的に増加または逓減しながらショ
ットブラストすることを要旨とする。

ショットピーニングを行う装置は従来のものを用いるこ
とができる。ショットの投射装置としては、回転する翼
車の羽根によって加速する遠心式投射装置、あるいは圧
縮空気がノズルから噴出するときの空気速度を利用する
空気式吹°付投射装置のいずれをも使用することができ
る。要は翼車の回転速度または圧縮空気の圧力等を変化
させることにより、ショット粒の投射速度が段階的また
は連続的に変化できるものであれば良い。

ショットは、砂、鋳鉄ショット、鋳鋼ショット、鋼線シ
ョット等のいずれを用いても良い、ショット径、投射速
度、投射時間等のショットピーニングの条件は、部品の
材質、部品の大きさ等により適宜選択される。ショット
粒の投射速度は、最高の投射速度から段階的または連続
的に逓減しても、あるいは投射速度を段階的または連続
的に増加して最高投射速度にしても、同様の効果が得ら
れる。

［作用］ 本発明のショットピーニング法は、ショット粒の投射速
度が低い速度から最高の速度まで段階的または連続的に
変化するので、圧縮残留応力が深部にまで及ぶとともに
、圧縮残留応力が深部から表面まで均等に付与される。

Ｊ、た、ショット粒の冷間加工により表面硬ｆヒされ表
面粗さが改善される。そのため被加工物の疲労強度が飛
躍的に向上する。

［実施例］ 本発明の実施例について比較例と比較しつつ説明し、本
発明の効果を明らかにする。

第２図は本実施例に使用したショットピーニング装置の
模式図を示す、ブラスト室１は四周および天井が壁で囲
まれ床面が漏斗状になって投射されたショット粒がＷ＆
積するショット溜まり９になっている。ブラスト室１の
側面には噴射ノズル１０が取り付けられ、この噴射ノズ
ル１０には空気供給管１１とショット粒供給管１２が接
続されている。

空気供給管１１には図示しないコンプレッサから圧縮空
気が圧入され、述１１ノには流量調節弁３および圧力セ
ンサ６が取り付けられている。この圧力センサ６の検出
信号は制御回路４に入力され、制御回路４からの制御信
号によりサーボモータ５が作動され流量調節弁３が開閉
されるようになっている。

ショット粒供給管１２の一端はショット溜まり９に接続
されており、噴射ノズル１０との間で生じた負圧により
、ショット粒が噴射ノズル１０の中に吸い上げられる。

噴射ノズル１０の正面にはモータ７によって回転する回
転台８が配置され、この回転台８の上には被加工￥＠２
が載置される。ショット粒の投射速度の調節は流量調節
弁３によって行うが、この弁３の開度は圧力センサ６か
らの情報を取り入れた制御回路４によって制御され、投
射速度を連続的に変化させる機構となっている。

このショットピーニング装置を用いて、浸炭歯車（ＳＣ
ｒ４２０．浸炭深さ０．７ｍｍ、モジュール２．５、平
歯車）を被加工物として、本発明方法と従来法（従来法
■；空気圧７　、０　ｋｇ／　ｃｍ”、従来法■；空気
圧５　、０　ｋｇ／　ｃｍ２、従来法■；空気圧３．０
ｋｇ／ｃｍ’）でショットピーニングを施し疲労強度を
測定した。

なお、ショットピーニングの粂件は、いずれも粒径０．
８１、硬度Ｈｖ＝７５０のショット粒を用い、投射速度
を第３図に示すようにして行った。

第３図において、ａおよびｂが本発明例で、アークハイ
トはそれぞれ０．５５Ａ、０．５６Ａであった。

従来法■〜■はそれぞれアークハイト０．５３Ａ、０．
４１Ａ、０．３２Ａの強さのショットピーニング処理で
あった。いずれも合計投射時間は３６０秒である。

また、２段ショット（従来法■）を比較のために行い、
粒径０．８ｇ＋＊（Ｈｖ＝７５０）のシ９　ット粒で１
８０秒投射後、粒径０．３ｍｍ（Ｈｖ＝７５０＞のもの
を１８０秒投射した（いずれも空気圧７．０ｋｇ／Ｃ饋
２で一定）、アークハイトは０．５３Ａであった。

ショットピーニングを施した各歯車について、単品で疲
労試験を行い、結果を第１図に示した。

第１図は縦軸は歯元公称応力で、横軸は繰り返し数であ
る。第１図より明らかなように、本発明例であるａおよ
びｂは従来法■〜■に比べて優れた疲労強度を示すこと
が確認された。

さらに、ショットピーニング処Ｆｌ後の歯車の表面近傍
の残留応力分布をＸ線法で測定した結果を第５図に示し
た。第５図は縦軸に残留応力、横軸は表面からの距離を
とって示した。

第５図から明らかなように、本発明例のａおよびｂは表
面のごく近くから深部に渡り広い範囲で高い残留応力の
層が形成されていることが確認された。！￥、ｔｇにつ
いては不明であるが、このために高い疲労強度が得られ
たものと考えられる。

また、第５図に示したように、本発明例ａおよびｂはい
ずれも従来法■〜■では得られない良好な残留応力分布
を示しているが、ａおよびｂ２者により比較を行うと、
除々に投射速度を下げていったａのほうが表面近くで高
い圧縮値を示しており、より好ましい分布といえ、これ
は第１図の疲労試験の結果からも裏付けられる。

なお、本発明のショットピーニング法をコイルスプリン
グ、リア・アクスル・シャフト等の他の部品について施
したところ、同様に疲労強度が著しく向上することが確
認された。また、本実施例では、空気式吹付投射装置を
示したが、回転する翼車の羽根によって加速する遠心式
投射装置においても、インバータにより周波数を変化さ
せてモータ７の回転数を変えることによって、投射速度
を変化させて、本実施例と同様の効果が得られることが
確認されている。

［発明の効果］ 本発明のショットピーニング法は、ショット粒の投射速
度を段階的または連続的に増加または逓減しながらショ
ットブラストすることを特徴とするものであって、被加
工物の深部まで圧縮残留応力を付与することができると
共に表層部まで均等に圧縮残留応力を与えることができ
るので、被加工物の疲労強度を著しく向上することがで
きる。

さらに、２段ショットピーニング法と比較すると２台の
ショットピーニング装置を使用する必要がないので、設
備費用が安くまた工程が短くて済むので極めて経済的で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明法と従来法でショットピーニング処理を
施した被加工物の疲労強度を示すＳ−Ｎ線図、第２図は
ショットピーニング装置の模式図、第３図は第１図に示
した本発明法と従来法のショット粒噴射圧力と噴射時間
の関係を示す図、第４図はショットピーニング処理を施
した場合と浸炭のままの場合の被加工物のＳ−Ｎ線図、
第５図は本発明法と従来法でショットピーニング処理を
した被加工物の圧力残留応力と表面からの距離の関係を
示す図である。 １・・・ブラスト室、２・・・被加工物、３・・・流Ｊ
！Ｅ調節弁、４・・・制御回路、５・・・サーボモータ
、６・・・圧力センサ、８・・・回転台、１０・・・噴
射ノズル 特許出願人　トヨタ自動車株式会社 代理人　弁理士　大　　川　　　宏 第１図 第２図 くり返し数（回） モーツ シヨ・ｙト粗５％す 第３図 第４図 くり返し回数（回） 第５図 表面力゛らの距離（ｐｍ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ショット粒の投射速度を段階的または連続的に増
   加または逓減しながらショットブラストすることを特徴
   とするショットピーニング法。