JPH06768A - ショットピーニング方法 - Google Patents
ショットピーニング方法Info
- Publication number
- JPH06768A JPH06768A JP16493292A JP16493292A JPH06768A JP H06768 A JPH06768 A JP H06768A JP 16493292 A JP16493292 A JP 16493292A JP 16493292 A JP16493292 A JP 16493292A JP H06768 A JPH06768 A JP H06768A
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- Japan
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- shot
- shot peening
- residual stress
- hardness
- peening
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、ショットピーニング方法に関し、
部材表面から深部に至るまで高い残留応力を発生させ
て、疲労強度を高め、面粗度の改善を図る。 【構成】 浸炭焼き入れした部材を粒径φ0.8mm
(硬さ600Hv以上)のショット粒でショットピーニ
ング処理をした後、粒径φ0.2mm(硬さ700Hv
以上)でショットピーニング処理する。
部材表面から深部に至るまで高い残留応力を発生させ
て、疲労強度を高め、面粗度の改善を図る。 【構成】 浸炭焼き入れした部材を粒径φ0.8mm
(硬さ600Hv以上)のショット粒でショットピーニ
ング処理をした後、粒径φ0.2mm(硬さ700Hv
以上)でショットピーニング処理する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加工物である歯車の
歯面、歯底等の部材の表面に、無数の鉄や、他の物質の
粒体を多数投射して、その表面を加工処理するショット
ピーニング方法に関する。
歯面、歯底等の部材の表面に、無数の鉄や、他の物質の
粒体を多数投射して、その表面を加工処理するショット
ピーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車の変速装置に使用されて
いる歯車は、機械加工の終了後に、浸炭焼き入れを行
い、更に疲労強度を高めるためにショットピーニング処
理を行っているが、その時に得られる疲労強度は、部材
の表面近傍に生ずる圧縮残留応力の積分値と相関関係が
あることが知られている。
いる歯車は、機械加工の終了後に、浸炭焼き入れを行
い、更に疲労強度を高めるためにショットピーニング処
理を行っているが、その時に得られる疲労強度は、部材
の表面近傍に生ずる圧縮残留応力の積分値と相関関係が
あることが知られている。
【0003】又、使用するショット粒の径と圧縮残留応
力との関係は、使用するショット粒の径φ0.1〜0.
4mmでショットピーニング処理を行った場合、図4に
示すように、ショット粒の径が大きくなる程、最大圧縮
残留応力の得られる表面からの深さが深くなる。
力との関係は、使用するショット粒の径φ0.1〜0.
4mmでショットピーニング処理を行った場合、図4に
示すように、ショット粒の径が大きくなる程、最大圧縮
残留応力の得られる表面からの深さが深くなる。
【0004】更に、ショット強さとの関係において、シ
ョット強さは、アルメンストリップゲージAタイプで全
面にショット粒を投射した場合のゲージの反り量(アー
クハイト量:AH)で測定されるが、ショット粒径0.
8mmの場合に、AH0.8とAH1.0とでは、図5
に示すように、ショット強さの強いAH1.0の方が高
い圧縮残留応力が得られる。
ョット強さは、アルメンストリップゲージAタイプで全
面にショット粒を投射した場合のゲージの反り量(アー
クハイト量:AH)で測定されるが、ショット粒径0.
8mmの場合に、AH0.8とAH1.0とでは、図5
に示すように、ショット強さの強いAH1.0の方が高
い圧縮残留応力が得られる。
【0005】そして、従来から使用しているφ0.3〜
1.2mmのショット粒径では、1〜2段ショットに関
わらず、図6に示すような残留応力分布となり、その時
の疲労強度のS−N線図を図3に示す。
1.2mmのショット粒径では、1〜2段ショットに関
わらず、図6に示すような残留応力分布となり、その時
の疲労強度のS−N線図を図3に示す。
【0006】尚、前記したショットピーニング方法以外
に、特開平3−10770号公報に記載された延伸式シ
ョットピーニングマシンが、特開平3−32573号公
報に記載されたショットピーニング方法が知られてい
る。
に、特開平3−10770号公報に記載された延伸式シ
ョットピーニングマシンが、特開平3−32573号公
報に記載されたショットピーニング方法が知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら歯車の歯
面をショットピーニング処理すると、これにより、表面
の面粗度が粗くなり、運転時の騒音が増加する等の問題
点があった。
面をショットピーニング処理すると、これにより、表面
の面粗度が粗くなり、運転時の騒音が増加する等の問題
点があった。
【0008】本発明は、従来のショットピーニング処理
に置ける前述の問題点を解決し、面粗度の改善を図ると
共に、部材表面から深部に至るまで高い圧縮残留応力を
発生させて、疲労強度を高めることを目的とする。
に置ける前述の問題点を解決し、面粗度の改善を図ると
共に、部材表面から深部に至るまで高い圧縮残留応力を
発生させて、疲労強度を高めることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、浸炭焼き入れ
した部材を粒径φ0.8mm(硬さ600Hv以上)の
ショット粒でショットピーニング処理をした後、粒径φ
0.2mm(硬さ700Hv以上)でショットピーニン
グ処理することを特徴とする。
した部材を粒径φ0.8mm(硬さ600Hv以上)の
ショット粒でショットピーニング処理をした後、粒径φ
0.2mm(硬さ700Hv以上)でショットピーニン
グ処理することを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のショットピーニング方法は、粒径φ
0.8mmのショット粒で強いショットピーニングを行
うことにより、部材表面の圧縮残留応力は低いが、部材
深部に高い圧縮残留応力が得られ、次に比較的に弱いシ
ョット力の粒径φ0.2mmのショット粒でショットピ
ーニングを行い、深部には影響を与えないが、部材表面
に高い圧縮残留応力が得られ、更にこの2次のショット
ピーニング処理により、最初の処理による粗面を緩和し
て、面粗度の改善が行われる。
0.8mmのショット粒で強いショットピーニングを行
うことにより、部材表面の圧縮残留応力は低いが、部材
深部に高い圧縮残留応力が得られ、次に比較的に弱いシ
ョット力の粒径φ0.2mmのショット粒でショットピ
ーニングを行い、深部には影響を与えないが、部材表面
に高い圧縮残留応力が得られ、更にこの2次のショット
ピーニング処理により、最初の処理による粗面を緩和し
て、面粗度の改善が行われる。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施の一例を、図1により説明
する。この実施例においては、硬さ700Hvで粒径φ
0.8mmのショット粒を用いて、エアーノズルタイプ
の設備により、エアー圧6kg/cm2 でショットピー
ニング処理を行うものであるが、この時のショット強さ
は、AH0.8以上であり、このショットピーニングに
よる残留応力分布を、図5のφ0.8、AH0.8で表
している。
する。この実施例においては、硬さ700Hvで粒径φ
0.8mmのショット粒を用いて、エアーノズルタイプ
の設備により、エアー圧6kg/cm2 でショットピー
ニング処理を行うものであるが、この時のショット強さ
は、AH0.8以上であり、このショットピーニングに
よる残留応力分布を、図5のφ0.8、AH0.8で表
している。
【0012】次に、硬さ830Hvの粒径φ0.2mm
のショット粒を用いて、前記と同じ条件でショットピー
ニング処理を行うものであるが、この時に得られる残留
応力分布を図4のφ0.2の線図で表している。
のショット粒を用いて、前記と同じ条件でショットピー
ニング処理を行うものであるが、この時に得られる残留
応力分布を図4のφ0.2の線図で表している。
【0013】このようにして得られた合成した残留応力
の分布は、図4と図5を重ね合わせた図2の圧縮残留応
力の分布が得られるものであり、このショットピーニン
グ処理によって得られる残留応力の積分値は、従来の図
4〜図6の残留応力の積分値に比して、5〜10%大き
い数値が得られた。
の分布は、図4と図5を重ね合わせた図2の圧縮残留応
力の分布が得られるものであり、このショットピーニン
グ処理によって得られる残留応力の積分値は、従来の図
4〜図6の残留応力の積分値に比して、5〜10%大き
い数値が得られた。
【0014】更に、歯車の曲げ疲労試験を行った図3の
Aに示す本実施例のショットピーニング処理では、従来
のφ0.4mmとφ0.8mmの2段ショットピーニン
グ処理を行った図3のB、AH0.8でショットピーニ
ング処理を行った図3のC、更に図6のφ0.8、AH
0.4のショットピーニング処理を行った図3のDに比
して、高い疲労強度が得られた。
Aに示す本実施例のショットピーニング処理では、従来
のφ0.4mmとφ0.8mmの2段ショットピーニン
グ処理を行った図3のB、AH0.8でショットピーニ
ング処理を行った図3のC、更に図6のφ0.8、AH
0.4のショットピーニング処理を行った図3のDに比
して、高い疲労強度が得られた。
【0015】そして、φ0.8mmのショット粒で処理
した時の面粗度は、図7に示すようにRa=0.5〜
0.9μmであるが、その後にφ0.2mmのショット
粒で処理することにより、図8に示すように面粗度はR
a=0.2〜0.5μmと面粗度が改善され、これを自
動車の変速装置の歯車に採用した場合には、運転時の騒
音を低減できるものである。
した時の面粗度は、図7に示すようにRa=0.5〜
0.9μmであるが、その後にφ0.2mmのショット
粒で処理することにより、図8に示すように面粗度はR
a=0.2〜0.5μmと面粗度が改善され、これを自
動車の変速装置の歯車に採用した場合には、運転時の騒
音を低減できるものである。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、浸炭焼き
入れを行った部材の曲げ疲労強度において、従来のショ
ットピーニング処理を行った部材に比して、高い疲労強
度が得られ、その部材の信頼性が向上される。
入れを行った部材の曲げ疲労強度において、従来のショ
ットピーニング処理を行った部材に比して、高い疲労強
度が得られ、その部材の信頼性が向上される。
【0017】更に、その面粗度も改善されるので、歯車
の噛合に伴う騒音を減少できると共に、面粗度が粗い場
合の磨耗も減少できる等の効果を奏することができるも
のである。
の噛合に伴う騒音を減少できると共に、面粗度が粗い場
合の磨耗も減少できる等の効果を奏することができるも
のである。
【図1】本発明の実施例のフローチャートである。
【図2】同上の残留応力の分布図である。
【図3】本実施例、並びに従来のショットピーニング処
理による疲労強度図である。
理による疲労強度図である。
【図4】ショット粒の大きさによる残留応力の分布図で
ある。
ある。
【図5】ショット強さによる残留応力の分布図である。
【図6】従来のショットピーニング処理における残留応
力の分布図である。
力の分布図である。
【図7】φ0.8mmのショット粒によるショットピー
ニング処理の表面粗度線図である。
ニング処理の表面粗度線図である。
【図8】同上にφ0.2mmのショット粒によるショッ
トピーニング処理を追加した場合の表面粗度線図であ
る。
トピーニング処理を追加した場合の表面粗度線図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 浸炭焼き入れした部材を粒径φ0.8m
m(硬さ600Hv以上)のショット粒でショットピー
ニング処理をした後、粒径φ0.2mm(硬さ700H
v以上)でショットピーニング処理することを特徴とす
るショットピーニング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16493292A JPH06768A (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | ショットピーニング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16493292A JPH06768A (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | ショットピーニング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06768A true JPH06768A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=15802584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16493292A Pending JPH06768A (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | ショットピーニング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06768A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009236822A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Komatsu Ltd | 歯車の圧縮残留応力評価方法および歯車設計方法 |
JP2010115752A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Hino Motors Ltd | 歯車強度向上方法 |
-
1992
- 1992-06-23 JP JP16493292A patent/JPH06768A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009236822A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Komatsu Ltd | 歯車の圧縮残留応力評価方法および歯車設計方法 |
JP2010115752A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Hino Motors Ltd | 歯車強度向上方法 |
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