JPH11300528A - 歯車の高強度化方法並びに高強度化歯車 - Google Patents
歯車の高強度化方法並びに高強度化歯車Info
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- JPH11300528A JPH11300528A JP10775998A JP10775998A JPH11300528A JP H11300528 A JPH11300528 A JP H11300528A JP 10775998 A JP10775998 A JP 10775998A JP 10775998 A JP10775998 A JP 10775998A JP H11300528 A JPH11300528 A JP H11300528A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 歯車材質の変更や歯車形状の設計変更を行う
ことなく工作機械の主軸駆動系歯車への適用を可能とす
る歯車の高強度化方法並びに該方法により製造した高強
度化歯車を提供する。 【解決手段】 歯車１に浸炭焼入れをして表面硬化処理
層２を施こし、さらに、この歯車１の少なくとも歯面１
ａおよび歯元１ｂ部分に、ハードショットピーニングを
施して歯面１ａおよび歯元１ｂ部分に圧縮残留応力を与
えるハードショットピ−ニングの効果層３を形成し、さ
らに、この後、ハードショットピーニング処理により歯
元１ｂ部分を除く歯面１ａのみに対して前記ハードショ
ットピーニングによる凹凸を除去すべく研削仕上げを施
こすようにしたものである。
ことなく工作機械の主軸駆動系歯車への適用を可能とす
る歯車の高強度化方法並びに該方法により製造した高強
度化歯車を提供する。 【解決手段】 歯車１に浸炭焼入れをして表面硬化処理
層２を施こし、さらに、この歯車１の少なくとも歯面１
ａおよび歯元１ｂ部分に、ハードショットピーニングを
施して歯面１ａおよび歯元１ｂ部分に圧縮残留応力を与
えるハードショットピ−ニングの効果層３を形成し、さ
らに、この後、ハードショットピーニング処理により歯
元１ｂ部分を除く歯面１ａのみに対して前記ハードショ
ットピーニングによる凹凸を除去すべく研削仕上げを施
こすようにしたものである。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車の高強化方法
に係わり、特に工作機械の主軸駆動系などに用いられる
高精度歯車の高強度化方法並びに該方法により製造した
高強度化歯車に関する。
に係わり、特に工作機械の主軸駆動系などに用いられる
高精度歯車の高強度化方法並びに該方法により製造した
高強度化歯車に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、歯車の高強度化方法は、浸炭焼き
入れによる表面硬化処理のみであり、設計では、材質を
通常の歯車材料である［ＪＩＳ−ＳＣＭ材］より高強度
である［ＪＩＳ−ＳＮＣＭ材］を使用し、さらに、高強
度を必要とする場合には、モジュールを従来よりも大き
くして対応している。
入れによる表面硬化処理のみであり、設計では、材質を
通常の歯車材料である［ＪＩＳ−ＳＣＭ材］より高強度
である［ＪＩＳ−ＳＮＣＭ材］を使用し、さらに、高強
度を必要とする場合には、モジュールを従来よりも大き
くして対応している。
【０００３】また、自動車業界では、歯車の更なる高強
度化に、ハードショットピ−ニング処理が実用化されて
いる。このハードショットピ−ニング処理とは、０．３
〜１ｍｍ程度の小径で高硬度の鋼球を、数１０ｍ／ｓ以
上の高速で歯車の表面に打ちつけることで、歯車の表層
に内部圧縮残留応力を発生させるとともに加工硬化を起
こさせ、疲れ強さを増大させる加工方法である。
度化に、ハードショットピ−ニング処理が実用化されて
いる。このハードショットピ−ニング処理とは、０．３
〜１ｍｍ程度の小径で高硬度の鋼球を、数１０ｍ／ｓ以
上の高速で歯車の表面に打ちつけることで、歯車の表層
に内部圧縮残留応力を発生させるとともに加工硬化を起
こさせ、疲れ強さを増大させる加工方法である。
【０００４】一方、工作機械の主軸駆動系歯車には、高
強度は勿論のこと、振動、騒音の問題からＪＩＳ：０級
の精度が必要とされる。しかしながら、上述の従来方式
の高強度方法では、歯車材質の変更および歯車のモジュ
ールを大きくすることにより歯車は強くなるが、それに
伴い、材料自体のコストが高くなったり、また、製造技
術が困難となるばかりでなく歯車の寸法が大きくなるた
め限界があり、歯車のより一層の高強度化には根本的な
解決策になっていない。
強度は勿論のこと、振動、騒音の問題からＪＩＳ：０級
の精度が必要とされる。しかしながら、上述の従来方式
の高強度方法では、歯車材質の変更および歯車のモジュ
ールを大きくすることにより歯車は強くなるが、それに
伴い、材料自体のコストが高くなったり、また、製造技
術が困難となるばかりでなく歯車の寸法が大きくなるた
め限界があり、歯車のより一層の高強度化には根本的な
解決策になっていない。
【０００５】また、自動車業界で用いられているハード
ショットピ−ニング処理も、工作機械の主軸駆動系の歯
車の高強度化の有効な手段の一つとして検討されている
ものの、ハードショットピ−ニングを施すと、確かに歯
車の曲げ疲労強度は増すが、歯面が粗くなって歯面精度
が悪くなり、振動、騒音の問題からＪＩＳ：０級が必要
とされる工作機械の主軸駆動系歯車には使用できないと
いった問題がある。
ショットピ−ニング処理も、工作機械の主軸駆動系の歯
車の高強度化の有効な手段の一つとして検討されている
ものの、ハードショットピ−ニングを施すと、確かに歯
車の曲げ疲労強度は増すが、歯面が粗くなって歯面精度
が悪くなり、振動、騒音の問題からＪＩＳ：０級が必要
とされる工作機械の主軸駆動系歯車には使用できないと
いった問題がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の歯車材質の変更や歯車形状の設計変更による高強度化
方法は、製造技術の困難化、コスト高、および大型重量
化を招き、歯車のより一層の高強度化には根本的な解決
策になっていない。また、単なるハードショットピ−ニ
ングによる高強度化方法は、歯面が粗くなって、振動、
騒音の問題からＪＩＳＯ級が必要とされる工作機械の主
軸駆動系歯車には使用できないといった問題がある。
の歯車材質の変更や歯車形状の設計変更による高強度化
方法は、製造技術の困難化、コスト高、および大型重量
化を招き、歯車のより一層の高強度化には根本的な解決
策になっていない。また、単なるハードショットピ−ニ
ングによる高強度化方法は、歯面が粗くなって、振動、
騒音の問題からＪＩＳＯ級が必要とされる工作機械の主
軸駆動系歯車には使用できないといった問題がある。
【０００７】本発明は、上記事情に基づきなされたもの
で、その第１の目的とするところは、歯車材質の変更や
歯車形状の設計変更を行うことなく工作機械の主軸駆動
系歯車への適用を可能とする歯車の高強度化方法を提供
することにある。
で、その第１の目的とするところは、歯車材質の変更や
歯車形状の設計変更を行うことなく工作機械の主軸駆動
系歯車への適用を可能とする歯車の高強度化方法を提供
することにある。
【０００８】また、第２の目的とするところは、歯車材
質の変更や歯車形状の設計変更を行うことなく工作機械
の主軸駆動系歯車への適用を可能とした高強度化歯車を
提供することにある。
質の変更や歯車形状の設計変更を行うことなく工作機械
の主軸駆動系歯車への適用を可能とした高強度化歯車を
提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第１の目
的を達成するための歯車の高強度化方法として、浸炭焼
入れによる表面硬化処理を施した歯車の少なくとも歯面
および歯元部分に、ハードショットピーニングを施して
歯面および歯元部分に圧縮残留応力を与え、その後、歯
元部分を除く歯面部分のみに対して前記ハードショット
ピーニングによる凹凸を除去すべく研削仕上げを施すよ
うにしたものである。
的を達成するための歯車の高強度化方法として、浸炭焼
入れによる表面硬化処理を施した歯車の少なくとも歯面
および歯元部分に、ハードショットピーニングを施して
歯面および歯元部分に圧縮残留応力を与え、その後、歯
元部分を除く歯面部分のみに対して前記ハードショット
ピーニングによる凹凸を除去すべく研削仕上げを施すよ
うにしたものである。
【００１０】この本発明の高強度化方法によれば、浸炭
焼入れによる表面硬化処理を施した歯車の少なくとも歯
面および歯元部分に、ハードショットピーニングを施し
て歯面および歯元部分に圧縮残留応力を与えることで、
歯車材質の変更や歯車形状の設計変更を行うことなく歯
元隅のＲ部の圧縮残留応力の大きさを増大させて歯元曲
げ疲労強度を一層向上させることができる。
焼入れによる表面硬化処理を施した歯車の少なくとも歯
面および歯元部分に、ハードショットピーニングを施し
て歯面および歯元部分に圧縮残留応力を与えることで、
歯車材質の変更や歯車形状の設計変更を行うことなく歯
元隅のＲ部の圧縮残留応力の大きさを増大させて歯元曲
げ疲労強度を一層向上させることができる。
【００１１】また、歯元曲げ疲労強度を向上させた歯元
部分を除く歯面部分のみのハードショットピーニングに
よる凹凸を除去して歯面精度をあげるようにしたから、
強度を損なうことなく振動、騒音の問題も解消でき、工
作機械の主軸駆動系歯車などに使用することが可能とな
る。
部分を除く歯面部分のみのハードショットピーニングに
よる凹凸を除去して歯面精度をあげるようにしたから、
強度を損なうことなく振動、騒音の問題も解消でき、工
作機械の主軸駆動系歯車などに使用することが可能とな
る。
【００１２】上記第２の目的を達成するための高強度化
歯車として、歯車に浸炭焼入れをして表面硬化処理を施
こす浸炭焼入れ工程と、この浸炭焼入れ工程により表面
硬化処理を施こした歯車の少なくとも歯面および歯元部
分に、ハードショットピーニングを施して歯面および歯
元部分に圧縮残留応力を与えるハードショットピーニン
グ処理工程と、このハードショットピーニング処理工程
の処理後に、歯元部分を除く歯面のみに対して前記ハー
ドショットピーニングによる凹凸を除去すべく研削仕上
げを施こす歯面仕上げ工程とを経て製造したことを特徴
とするものである。
歯車として、歯車に浸炭焼入れをして表面硬化処理を施
こす浸炭焼入れ工程と、この浸炭焼入れ工程により表面
硬化処理を施こした歯車の少なくとも歯面および歯元部
分に、ハードショットピーニングを施して歯面および歯
元部分に圧縮残留応力を与えるハードショットピーニン
グ処理工程と、このハードショットピーニング処理工程
の処理後に、歯元部分を除く歯面のみに対して前記ハー
ドショットピーニングによる凹凸を除去すべく研削仕上
げを施こす歯面仕上げ工程とを経て製造したことを特徴
とするものである。
【００１３】この本発明の高強度化歯車によれば、浸炭
焼入れによる表面硬化処理を施した歯車の少なくとも歯
面および歯元部分に、ハードショットピーニングを施し
て歯面および歯元部分に圧縮残留応力を与えることで、
歯車材質の変更や歯車形状の設計変更を行うことなく歯
元隅のＲ部の圧縮残留応力の大きさを増大させて歯元曲
げ疲労強度を一層向上させたものとなっている。
焼入れによる表面硬化処理を施した歯車の少なくとも歯
面および歯元部分に、ハードショットピーニングを施し
て歯面および歯元部分に圧縮残留応力を与えることで、
歯車材質の変更や歯車形状の設計変更を行うことなく歯
元隅のＲ部の圧縮残留応力の大きさを増大させて歯元曲
げ疲労強度を一層向上させたものとなっている。
【００１４】また、歯元曲げ疲労強度を向上させた歯元
部分を除く歯面部分のみのハードショットピーニングに
よる凹凸を除去して歯面精度をあげてあるから、強度を
損なうことなく振動、騒音の問題も解消でき、工作機械
の主軸駆動系歯車などに使用することが可能となる。
部分を除く歯面部分のみのハードショットピーニングに
よる凹凸を除去して歯面精度をあげてあるから、強度を
損なうことなく振動、騒音の問題も解消でき、工作機械
の主軸駆動系歯車などに使用することが可能となる。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
について図面を参照して説明する。図１は歯車１の一部
拡大図、図２は歯車１の高強度化方法の手順を示すブロ
ック図、図３は高強度化処理に伴う歯車１の状態変化を
模式的に示す図である。
について図面を参照して説明する。図１は歯車１の一部
拡大図、図２は歯車１の高強度化方法の手順を示すブロ
ック図、図３は高強度化処理に伴う歯車１の状態変化を
模式的に示す図である。
【００１６】歯車１は、通常の歯車材質であるＪＩＳ−
ＳＣＭ４２０Ｈを用い、図２に示すように、歯車１に浸
炭焼入れをして表面硬化処理を施こす浸炭焼入れ工程
（ＳＴ１）と、この浸炭焼入れ工程（ＳＴ１）により表
面硬化処理を施こした歯車１の少なくとも歯１Ａの歯面
１ａおよび歯元１ｂ部分に、ハードショットピーニング
を施して歯面１ａおよび歯元１ｂ部分に圧縮残留応力を
与えるハードショットピーニング処理工程（ＳＴ２）
と、このハードショットピーニング処理工程（ＳＴ２）
の処理後に、歯元１ｂ部分を除く歯面１ａのみに対して
前記ハードショットピーニングによる凹凸を除去すべく
研削仕上げを施こす歯面仕上げ工程（ＳＴ３）とを経て
製造するものである。
ＳＣＭ４２０Ｈを用い、図２に示すように、歯車１に浸
炭焼入れをして表面硬化処理を施こす浸炭焼入れ工程
（ＳＴ１）と、この浸炭焼入れ工程（ＳＴ１）により表
面硬化処理を施こした歯車１の少なくとも歯１Ａの歯面
１ａおよび歯元１ｂ部分に、ハードショットピーニング
を施して歯面１ａおよび歯元１ｂ部分に圧縮残留応力を
与えるハードショットピーニング処理工程（ＳＴ２）
と、このハードショットピーニング処理工程（ＳＴ２）
の処理後に、歯元１ｂ部分を除く歯面１ａのみに対して
前記ハードショットピーニングによる凹凸を除去すべく
研削仕上げを施こす歯面仕上げ工程（ＳＴ３）とを経て
製造するものである。
【００１７】すなわち、図３の（イ）に示すように、歯
車１にガス浸炭による表面硬化処理を行い、例えば、硬
さＨＲＣ６０、深さ０．７ｍｍの表面硬化処理層２を施
す。この浸炭処理後、図３の（ロ）に示すよう、歯車１
全体にハードショットピ−ニング加工を施して、歯車１
の表層に内部圧縮残留応力を発生させるとともに加工硬
化を起こさせ、疲れ強さを増大させる効果層３を形成す
る。
車１にガス浸炭による表面硬化処理を行い、例えば、硬
さＨＲＣ６０、深さ０．７ｍｍの表面硬化処理層２を施
す。この浸炭処理後、図３の（ロ）に示すよう、歯車１
全体にハードショットピ−ニング加工を施して、歯車１
の表層に内部圧縮残留応力を発生させるとともに加工硬
化を起こさせ、疲れ強さを増大させる効果層３を形成す
る。
【００１８】なお、このハードショットピ−ニング加工
における処理条件は、 ピ−ニング時間：６分 ロータ電流：２８Ａ アークハイト値：０．６７ カバレージ：３００％ とし、前記効果層３の厚さは、約１００μｍ程度であ
る。
における処理条件は、 ピ−ニング時間：６分 ロータ電流：２８Ａ アークハイト値：０．６７ カバレージ：３００％ とし、前記効果層３の厚さは、約１００μｍ程度であ
る。
【００１９】その後、図３の（ハ）に示すよう、歯面１
ａのみ（図１参照）ハードショットピーニングによる凹
凸を除去すべく研削仕上げを施す。この時の研削代４は
２０〜５０μｍである。このようにして、歯面精度をあ
げ、歯元１ｂにハードショットピ−ニングの効果を残す
ことにより歯元曲げ疲労強度を向上させるものである。
ａのみ（図１参照）ハードショットピーニングによる凹
凸を除去すべく研削仕上げを施す。この時の研削代４は
２０〜５０μｍである。このようにして、歯面精度をあ
げ、歯元１ｂにハードショットピ−ニングの効果を残す
ことにより歯元曲げ疲労強度を向上させるものである。
【００２０】なお、ハードショットピ−ニング後、例え
ばマーグ方式あるいはライスハワ方式にて研削仕上げを
行う際、十分な強度効果を損なわないためには、歯面１
ａに段差が生じたり、歯元１ｂ部分を研削したりしない
ようにすることが必要である。
ばマーグ方式あるいはライスハワ方式にて研削仕上げを
行う際、十分な強度効果を損なわないためには、歯面１
ａに段差が生じたり、歯元１ｂ部分を研削したりしない
ようにすることが必要である。
【００２１】以上述べたように、本発明による歯車１の
高強度化方法は、浸炭処理後、ハードショットピ−ニン
グを行い、その後、歯面１ａのみ研削仕上げすることに
より、従来の浸炭処理のみに比べ疲労強度を大幅に向上
させることができる。
高強度化方法は、浸炭処理後、ハードショットピ−ニン
グを行い、その後、歯面１ａのみ研削仕上げすることに
より、従来の浸炭処理のみに比べ疲労強度を大幅に向上
させることができる。
【００２２】したがって、本発明による歯車１の高強度
化方法を用いると、歯車材質の変更および歯車１の形状
設計変更を行うことなく、疲労強度を向上することがで
き、また、良好な歯面精度が得られるため、製造技術や
コスト及び小型軽量化、振動、騒音の点で有利となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限らず、本発明の要旨
を変えない範囲で種々変形実施可能なことは勿論であ
る。
化方法を用いると、歯車材質の変更および歯車１の形状
設計変更を行うことなく、疲労強度を向上することがで
き、また、良好な歯面精度が得られるため、製造技術や
コスト及び小型軽量化、振動、騒音の点で有利となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限らず、本発明の要旨
を変えない範囲で種々変形実施可能なことは勿論であ
る。
【００２３】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようにしたか
ら、次のような効果を奏する。すなわち、請求項１に記
載の歯車の高強度化方法によれば、浸炭焼入れによる表
面硬化処理を施した歯車の少なくとも歯面および歯元部
分に、ハードショットピーニングを施して歯面および歯
元部分に圧縮残留応力を与え、その後、歯元部分を除く
歯面部分のみに対して前記ハードショットピーニングに
よる凹凸を除去すべく研削仕上げを施すようにしたか
ら、浸炭焼入れによる表面硬化処理を施した歯車の少な
くとも歯面および歯元部分に、ハードショットピーニン
グを施して歯面および歯元部分に圧縮残留応力を与える
ことで、歯車材質の変更や歯車形状の設計変更を行うこ
となく歯元隅のＲ部の圧縮残留応力の大きさを増大させ
て歯元曲げ疲労強度を一層向上させることができる。
ら、次のような効果を奏する。すなわち、請求項１に記
載の歯車の高強度化方法によれば、浸炭焼入れによる表
面硬化処理を施した歯車の少なくとも歯面および歯元部
分に、ハードショットピーニングを施して歯面および歯
元部分に圧縮残留応力を与え、その後、歯元部分を除く
歯面部分のみに対して前記ハードショットピーニングに
よる凹凸を除去すべく研削仕上げを施すようにしたか
ら、浸炭焼入れによる表面硬化処理を施した歯車の少な
くとも歯面および歯元部分に、ハードショットピーニン
グを施して歯面および歯元部分に圧縮残留応力を与える
ことで、歯車材質の変更や歯車形状の設計変更を行うこ
となく歯元隅のＲ部の圧縮残留応力の大きさを増大させ
て歯元曲げ疲労強度を一層向上させることができる。
【００２４】また、歯元曲げ疲労強度を向上させた歯元
部分を除く歯面部分のみのハードショットピーニングに
よる凹凸を除去して歯面精度をあげるようにしたから、
強度を損なうことなく振動、騒音の問題も解消でき、工
作機械の主軸駆動系歯車などに使用することができると
いった効果を奏する。
部分を除く歯面部分のみのハードショットピーニングに
よる凹凸を除去して歯面精度をあげるようにしたから、
強度を損なうことなく振動、騒音の問題も解消でき、工
作機械の主軸駆動系歯車などに使用することができると
いった効果を奏する。
【００２５】また、請求項２に記載の高強度化歯車によ
れば、歯車に浸炭焼入れをして表面硬化処理を施こす浸
炭焼入れ工程と、この浸炭焼入れ工程により表面硬化処
理を施こした歯車の少なくとも歯面および歯元部分に、
ハードショットピーニングを施して歯面および歯元部分
に圧縮残留応力を与えるハードショットピーニング処理
工程と、このハードショットピーニング処理工程の処理
後に、歯元部分を除く歯面のみに対して前記ハードショ
ットピーニングによる凹凸を除去すべく研削仕上げを施
こす歯面仕上げ工程とを経て製造したから、浸炭焼入れ
による表面硬化処理を施した歯車の少なくとも歯面およ
び歯元部分に、ハードショットピーニングを施して歯面
および歯元部分に圧縮残留応力を与えることで、歯車材
質の変更や歯車形状の設計変更を行うことなく歯元隅の
Ｒ部の圧縮残留応力の大きさを増大させて歯元曲げ疲労
強度を一層向上させたものとなっている。
れば、歯車に浸炭焼入れをして表面硬化処理を施こす浸
炭焼入れ工程と、この浸炭焼入れ工程により表面硬化処
理を施こした歯車の少なくとも歯面および歯元部分に、
ハードショットピーニングを施して歯面および歯元部分
に圧縮残留応力を与えるハードショットピーニング処理
工程と、このハードショットピーニング処理工程の処理
後に、歯元部分を除く歯面のみに対して前記ハードショ
ットピーニングによる凹凸を除去すべく研削仕上げを施
こす歯面仕上げ工程とを経て製造したから、浸炭焼入れ
による表面硬化処理を施した歯車の少なくとも歯面およ
び歯元部分に、ハードショットピーニングを施して歯面
および歯元部分に圧縮残留応力を与えることで、歯車材
質の変更や歯車形状の設計変更を行うことなく歯元隅の
Ｒ部の圧縮残留応力の大きさを増大させて歯元曲げ疲労
強度を一層向上させたものとなっている。
【００２６】また、歯元曲げ疲労強度を向上させた歯元
部分を除く歯面部分のみのハードショットピーニングに
よる凹凸を除去して歯面精度をあげてあるから、強度を
損なうことなく振動、騒音の問題も解消でき、工作機械
の主軸駆動系歯車などに使用できるといった効果を奏す
る。
部分を除く歯面部分のみのハードショットピーニングに
よる凹凸を除去して歯面精度をあげてあるから、強度を
損なうことなく振動、騒音の問題も解消でき、工作機械
の主軸駆動系歯車などに使用できるといった効果を奏す
る。
【図１】本発明の一実施形態の歯車の一部拡大図。
【図２】同じく歯車の高強度化方法の手順を示すブロッ
ク図。
ク図。
【図３】同じく高強度化処理に伴う歯車の状態変化を模
式的に示す図。
式的に示す図。
１…歯車 １Ａ…歯 １ａ…歯面 １ｂ…歯元 ２…表面硬化処理層 ３…ハードショットピ−ニングの効果層 ４…研削代
Claims (2)
- 【請求項１】浸炭焼入れによる表面硬化処理を施した歯
車の少なくとも歯面および歯元部分に、ハードショット
ピーニングを施して歯面および歯元部分に圧縮残留応力
を与え、その後、歯元部分を除く歯面部分のみに対して
前記ハードショットピーニングによる凹凸を除去すべく
研削仕上げを施すことを特徴とする歯車の高強度化方
法。 - 【請求項２】歯車に浸炭焼入れをして表面硬化処理を施
こす浸炭焼入れ工程と、 この浸炭焼入れ工程により表面硬化処理を施こした歯車
の少なくとも歯面および歯元部分に、ハードショットピ
ーニングを施して歯面および歯元部分に圧縮残留応力を
与えるハードショットピーニング処理工程と、 このハードショットピーニング処理工程の処理後に、歯
元部分を除く歯面のみに対して前記ハードショットピー
ニングによる凹凸を除去すべく研削仕上げを施こす歯面
仕上げ工程と、を経て製造してなることを特徴とする高
強度化歯車。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10775998A JPH11300528A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 歯車の高強度化方法並びに高強度化歯車 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10775998A JPH11300528A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 歯車の高強度化方法並びに高強度化歯車 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11300528A true JPH11300528A (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=14467278
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10775998A Pending JPH11300528A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 歯車の高強度化方法並びに高強度化歯車 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11300528A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010100133A (ko) * | 2001-10-10 | 2001-11-14 | 주식회사 삼락열처리 | 에널러스 기어의 제조 방법 |
| US7169238B2 (en) * | 2003-12-22 | 2007-01-30 | Caterpillar Inc | Carbide method and article for hard finishing resulting in improved wear resistance |
-
1998
- 1998-04-17 JP JP10775998A patent/JPH11300528A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010100133A (ko) * | 2001-10-10 | 2001-11-14 | 주식회사 삼락열처리 | 에널러스 기어의 제조 방법 |
| US7169238B2 (en) * | 2003-12-22 | 2007-01-30 | Caterpillar Inc | Carbide method and article for hard finishing resulting in improved wear resistance |
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