JPH0734134A - クランクシャフトの表面処理方法 - Google Patents

クランクシャフトの表面処理方法

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Publication number
JPH0734134A
JPH0734134A JP17934693A JP17934693A JPH0734134A JP H0734134 A JPH0734134 A JP H0734134A JP 17934693 A JP17934693 A JP 17934693A JP 17934693 A JP17934693 A JP 17934693A JP H0734134 A JPH0734134 A JP H0734134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crank shaft
hardness
crankshaft
subjected
quenching
Prior art date
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Pending
Application number
JP17934693A
Other languages
English (en)
Inventor
Chikatoshi Maeda
千芳利 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP17934693A priority Critical patent/JPH0734134A/ja
Publication of JPH0734134A publication Critical patent/JPH0734134A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クランクシャフトの焼割れや研削割れを防止
するとともに耐磨耗性を確保し、さらに切削性及び疲労
強度の向上を図る。 【構成】 クランクシャフトの表面処理方法であって、
含有炭素量を少なく抑えた非調質鋼を用いて形成された
クランクシャフトに対し、焼入れ硬さがHV 400〜5
00未満となるように高周波焼入れ焼戻しを行った後、
表面処理層の硬さがHV 500〜700となるように表
面塑性加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼製のクランクシャフ
トに対してその耐磨耗性や疲労強度を向上させ、かつ焼
割れ感受性を低く抑えるために行われる表面処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平3−170613号公報に
は、クランクシャフトのピン部に対する高周波焼入れ焼
戻しの技術が開示されている。この公報によれば、ピン
部の高周波焼入れに際し、このピン部の内側と油孔の開
口部を有する外側とのようにそれぞれの焼入れによる要
求品質が異なる部位に対しては、高周波加熱後の冷却開
始に時間的なずれをもたせている。これにより個々の部
位における焼入れ硬さや焼入れ深さに違いをもたせ、そ
れぞれの要求品質を満足させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでクランクシャ
フトとしての耐磨耗性を確保するには、HV 500以上
の硬さが要求される。しかし前記公報の技術では焼入れ
硬さがHV 500に満たない部分が存在してその耐磨耗
性に問題が生じる。その一方では、焼入れ硬さがHV
00〜800に達する部分があり、焼割れあるいは焼入
れ後の研削工程での割れを誘発する場合がある。また前
記の焼入れ硬さHV 600〜800を得るためには、ク
ランクシャフトの素材に含有炭素量が0.45〜0.5
0%の調質鋼を使用している場合が多いが、この高い含
有炭素量の鋼は切削性が悪く、かつ疲労強度が低い。な
おこの疲労強度は素材の耐久比(疲労強度/引っ張り強
度)に影響を及ぼす。
【0004】本発明の技術的課題は、クランクシャフト
に含有炭素量を少なく抑えた非調質鋼を用い、その焼入
れ硬さをHV 400〜500未満として焼割れや研削割
れを防止し、しかも焼入れ後の表面塑性加工によって処
理層の硬さをHV 500〜700として耐磨耗性を確保
し、さらに非調質鋼の特性を生かして切削性及び疲労強
度の向上を図ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明におけるクランク
シャフトの表面処理方法は、含有炭素量を少なく抑えた
非調質鋼を用いて形成されたクランクシャフトに対し、
焼入れ硬さがHV 400〜500未満となるように高周
波焼入れ焼戻しを行った後、表面処理層の硬さがHV
00〜700となるように表面塑性加工を行う。
【0006】
【作用】本発明によれば、クランクシャフトの焼入れ硬
さが低く抑えられて焼割れや研削割れを防止できるとと
もに、含有炭素量の少ない非調質鋼を用いることでその
特性である切削性及び疲労強度が向上する。またクラン
クシャフトの耐磨耗性を確保するための硬さは、焼入れ
後の表面塑性加工による加工硬化によって補うことがで
きる。
【0007】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。図1(A)にクランクシャフト10の一部が断
面図で示され、図1(B)にこのクランクシャフト10
の製造工程がブロック図で示されている。クランクシャ
フト10の素材としては、含有炭素量が0.30〜0.
40%の非調質鋼を使用している。この非調質鋼は、一
般のクランクシャフトに使用される炭素の含有量が0.
45〜0.50%の鋼に比べて切削性に優れ、かつ疲労
強度が高い。この素材を使用して図1(B)で示すよう
に鍛造・熱処理工程によりクランクシャフト10の概略
形状を形成した後、粗旋削・研削工程を経て高周波焼入
れ焼戻しを行う。
【0008】前記の高周波焼入れ焼戻し処理において、
クランクシャフト10の素材に非調質鋼を用いたことに
加え、加熱温度や加熱後の冷却速度を調整することによ
り、図1(A)で示すジャーナル部12及びピン部14
の焼入れ硬さを従来のHV 600〜800からHV 40
0〜500未満に抑えて焼割れを低減させている。図2
に焼入れ硬さと焼割れ発生率との関係を求めた試験結果
が示されている。なおこの試験には直径45mmの円柱形
状で、かつその径方向に貫通した直径5mmの孔を有する
鋼の素材を使用した。この図2で明らかなように焼入れ
硬さがHV500を超えた辺りから焼割れの発生率が上
昇している。したがって焼入れ硬さをHV 400〜50
0未満に抑えることにより、図1(A)のピン部14と
アーム部16との境目のフレット部18や油孔20の開
口部近くでの焼割れが低減され、また高周波焼入れ焼戻
し処理後に行われる研削工程での割れの誘発も低く抑え
られる。
【0009】図1(B)で示すように前記の高周波焼入
れ焼戻し処理の後はクランクシャフト10のジャーナル
部12及びピン部14に対する研削及びラッピングを行
う。これらの加工は従来も行っていたものであるので詳
しい説明は省略するが、ラッピング処理後におけるジャ
ーナル部12及びピン部14の面粗さは0.8μRZ
度に改善される。つづいてクランクシャフト10のジャ
ーナル部12及びピン部14の表面に対しショットピー
ニングやロールバニッシュなどの表面塑性加工を行い、
表面処理層の硬さをHV 500〜700とする。つまり
焼入れ硬さを低く抑えた分、表面塑性加工によりジャー
ナル部12及びピン部14の硬さを高めている。図3に
加工終了後におけるクランクシャフト10のジャーナル
部12及びピン部14の硬さ分布が従来との比較で示さ
れている。この図面によってもショットピーニング及び
ロールバニッシュの組合せによる表面塑性加工により、
ジャーナル部12及びピン部14の表層部が従来の高周
波焼入れ品と同等の硬化層となっていることがわかる。
【0010】図4に軸硬さと軸磨耗量との関係が示され
ている。この図面で明らかなように硬さがHV 500未
満では磨耗量が急激に増加している。そしてHV 500
以上(特にHV 550以上)であれば磨耗量の変化はほ
とんど認められない。本実施例では前記の表面塑性加工
により、クランクシャフト10におけるジャーナル部1
2及びピン部14の表面処理層の硬さをHV 500〜7
00とすることで、充分な耐磨耗性が確保されることと
なる。
【0011】また前記の表面塑性加工によりジャーナル
部12及びピン部14の面粗さも改善される。図5に鋼
素材の硬さとロールバニッシュ加工による到達面粗さと
の関係求めた試験結果が示されている。なお、この試験
には加工前の面粗さが1.2μRZ の鋼素材を使用し
た。この図5から明らかなように素材の硬さが上昇する
のに伴って面粗さの改善が少なくなり、硬さがHV 50
0を超えた領域では到達面粗さが著しく低下している。
本実施例ではロールバニッシュ加工の開始時におけるク
ランクシャフト10の焼入れ硬さがHV 400〜500
未満に抑えられているので、ロールバニッシュ加工によ
る面粗さの改善が効果的となり、ショットピーニング及
びロールバニッシュの組合せによる表面塑性加工終了後
の面粗さは0.4μRZ になる。
【0012】図6に供試クランクシャフトの磨耗試験結
果が従来品との比較によって示されている。図6(A)
で示す軸磨耗量については、すでに説明したように従来
の高周波焼入れ品と同等の耐磨耗特性が得られる。さら
に本実施例のクランクシャフト10では、前記の表面塑
性加工によりジャーナル部12及びピン部14の面粗さ
も改善されプラトー面が形成されるため、図6(B)で
示すように相手部材である軸受の磨耗量が従来品と比べ
てはるかに低減されている。
【0013】
【発明の効果】このように本発明は、クランクシャフト
の焼割れや研削工程での割れの誘発を防止でき、かつ切
削性及び疲労強度を向上させれるとともに、要求される
耐磨耗性も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クランクシャフトの一部断面とその製造工程と
を表した説明図である。
【図2】焼入れ硬さと焼割れ発生率との試験結果を表し
たグラフである。
【図3】クランクシャフトのジャーナル部及びピン部の
硬さ分布を従来品との比較によって表したグラフであ
る。
【図4】軸硬さと軸磨耗量との関係を表したグラフであ
る。
【図5】鋼素材の硬さとロールバニッシュ加工による到
達面粗さとの試験結果を表したグラフである。
【図6】供試クランクシャフトの磨耗試験結果を従来品
との比較によって表したグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含有炭素量を少なく抑えた非調質鋼を用
    いて形成されたクランクシャフトに対し、焼入れ硬さが
    V 400〜500未満となるように高周波焼入れ焼戻
    しを行った後、表面処理層の硬さがHV 500〜700
    となるように表面塑性加工を行うことを特徴としたクラ
    ンクシャフトの表面処理方法。
JP17934693A 1993-07-20 1993-07-20 クランクシャフトの表面処理方法 Pending JPH0734134A (ja)

Priority Applications (1)

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JP17934693A JPH0734134A (ja) 1993-07-20 1993-07-20 クランクシャフトの表面処理方法

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JP17934693A JPH0734134A (ja) 1993-07-20 1993-07-20 クランクシャフトの表面処理方法

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JPH0734134A true JPH0734134A (ja) 1995-02-03

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JP17934693A Pending JPH0734134A (ja) 1993-07-20 1993-07-20 クランクシャフトの表面処理方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1079838C (zh) * 1998-03-03 2002-02-27 张自国 防止渗碳零件产生磨削裂纹的热处理方法
KR100578155B1 (ko) * 2005-10-20 2006-05-10 주식회사 케이피티 기계부품의 표면 처리방법
CN104152652A (zh) * 2014-07-01 2014-11-19 江苏曙光华阳钻具有限公司 无磁钻铤内外壁及两端接头内外螺纹表面强化工艺

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KR100578155B1 (ko) * 2005-10-20 2006-05-10 주식회사 케이피티 기계부품의 표면 처리방법
CN104152652A (zh) * 2014-07-01 2014-11-19 江苏曙光华阳钻具有限公司 无磁钻铤内外壁及两端接头内外螺纹表面强化工艺

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