JPH021753Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案は各種情報機器の外部記憶装置として用
いられる両面型フロツピーデイスクドライブ装置
に関する。更に詳しくは、クランプ軸の手動回転
操作によつて、クランプ部材および上側ヘツドア
センブリを降下させて、装置を作動可能状態とす
るようにした両面型フロツピーデイスクドライブ
装置に係る。

（考案の背景および従来技術の問題点） 両面型フロツピーデイスクドライブ装置は、磁
気デイスクの両面に接触する磁気ヘツドを各々有
する上側ヘツドアセンブリと下側ヘツドアセンブ
リとを備えており、回動する磁気デイスクに対し
て両ヘツドアセンブリを半径方向に移送して、情
報の書込み／読出しを行なうようになつている。
そして、通常前記上側ヘツドアセンブリは下側ヘ
ツドアセンブリ側へバネによつて弾性付勢され、
このバネによつてそれぞれの磁気ヘツドが両ヘツ
ドアセンブリの間に挿入された磁気デイスクに所
定の圧接力で接触できるようになつていると共
に、磁気デイスクの引出し動作によつて、上側ヘ
ツドアセンブリは下側ヘツドアセンブリから離間
するように持上げられて、この位置を保持される
ようになつている。

このような機構においては、磁気デイスクが挿
入されていない時に、上側ヘツドアセンブリの上
方拘束状態が解除されると、上側ヘツドアセンブ
リの磁気ヘツドと下側ヘツドアセンブリの磁気ヘ
ツドとが衝合し、極めて高い精度で表面を鏡面仕
上げした両磁気ヘツドに「くつつき」を生じ、ジ
ンバルバネ、磁気ヘツド等を損傷してしまうもの
であつた。

この点を解消するために、磁気デイスクの非挿
入状態においては、上側ヘツドアセンブリを下側
ヘツドアセンブリ側へ降下不能にする機構が種々
提案されている。例えば、磁気デイスクの挿入・
非挿入状態をイジエクト機構で検知し、上側磁気
ヘツド拘束部材を制御するようにしたものが多用
されているが、この種の機構は何れも構造が複雑
であつた。加えて、磁気ヘツドの挿入を検知する
回動レバー等の部材が、磁気デイスクのクランプ
状態においても磁気デイスク（ジヤケツト）に接
触して負荷をかけるものが多く、デイスク回転信
頼性等に不安のあるものでもあつた。また、上述
した上側ヘツドアセンブリの拘束部材の拘束・解
除制御機構と、磁気デイスクのクランプ部材のク
ランプ状態制御機構とが別個に制御され、前者の
みが磁気デイスクの挿入・非挿入状態に応動する
ものであると、磁気デイスク非挿入状態でクラン
プ部材が「イタズラ」等によつてクランプ操作さ
れ、好ましいものではなかつた。

（考案の目的） 従つて本考案の目的は、上記従来欠点を解消
し、磁気デイスクの非挿入時には上側ヘツドアセ
ンブリが下側ヘツドアセンブリに当接不能で、且
つ、磁気デイスク挿入状態において磁気デイスク
と当接してこの挿入を検知する部材が、磁気デイ
スククランプ状態では磁気デイスクから離間する
ようにした、動作信頼性の高い磁気ヘツド保護機
構付きの両面型フロツピーデイスクドライブ装置
を提供するにある。

本考案の他の目的とするところは、上記磁気ヘ
ツドの（誤動作）保護機構を簡略にすると共に、
磁気デイスクの非挿入状態ではクランプも不能に
するにある。

（考案の構成） 本考案の両面型フロツピーデイスクドライブ装
置は上記目的を達成するため、装置本体の前面か
ら手動操作可能なクランプ軸と、該クランプ軸の
回転によつてスピンドルに磁気デイスクの中心部
を押付けるクランプ部材と、下側ヘツドアセンブ
リ側へ常時弾性付勢された上側ヘツドアセンブリ
と、前記クランプ部材の非クランプ状態において
前記上側ヘツドアセンブリを下側ヘツドアセンブ
リから所定量離間した位置で拘束・保持し、且つ
前記クランプ軸の回転に応動して上側ヘツドアセ
ンブリを磁気デイスクを介して押付けるべく前記
拘束状態を解除する上側ヘツド拘束部材と、装置
本体のシヤーシに回動自在に保持され且つバネに
よつて常時一定方向に弾性付勢されたクランプ軸
回動制御用のロツクカムレバーと、磁気デイスク
非挿入状態において前記ロツクカムレバーと係合
してクランプ軸の回転を阻止するクランプ軸の突
部と、磁気デイスク挿入時に該磁気デイスクの側
縁部に当接してクランプ軸の回転を許容する位置
までロツクカムレバーを回動させる該ロツクカム
レバーの作動部とを備え、ロツクカムレバーの前
記回動によつて回転可能となつたクランプ軸の回
転により、ロツクカムレバーを更に回動させて前
記ロツクカムレバーの作動部を磁気デイスクから
離間させるようにしたことを特徴とする。

（考案の実施例） 以下、本考案の詳細を図示した１実施例によつ
て説明する。第１図は要部の機構全体を示す簡略
化した斜視図、第２図はロツクカムレバーの斜視
図、第３図〜第５図は動作説明図である。

第１図において、１は、装置本体のシヤーシ２
に所定角度範囲内のみ回転自在であるように取付
けられたクランプ軸で、装置本体より外方に突出
した先端部に、操作レバー３が取付けてある。上
記クランプ軸１は、図示矢印Ａ，Ｂで示すように
その回動範囲を略90゜とされており（図示してい
ないが、適宜の回転角制限手段が設けられてい
る。）、Ｂ方向の回転で後述のクランプ動作および
上側ヘツドアセンブリの拘束解除を行なうように
なつている。４は、クランプ軸１の回転を可能も
しくは不能状態に制御するためのロツクカムレバ
ーで、シヤーシ２に植設した支柱５に回動自在に
保持されている。６は、ネジリコイル型のバネ
で、上記支柱５に巻回され、その一端をシヤーシ
２の切欠き２ａに、他端をロツクカムレバー４の
ピ４ａにそれぞれ係止させることにより、ロツク
カムレバー４に図示矢印Ｃ方向の回動力を付与し
ている。そして、第１図示の状態、即ち磁気デイ
スクの非挿入状態においては、ロツクカムレバー
４の作動部４ｂがシヤーシ２の切溝２ｂの図示手
前側の段部２ｂ−１に当接した位置を保持され、
ロツクカムレバー４の係止部４ｃが、クランプ軸
１に植設・固着した水平状態にあるピン１ａ（突
部）の下部に位置している。従つて、この状態で
はクランプ軸１は前記矢印Ｂ方向への回転が阻止
されるようになつている（第３図ｂ参照）。

７はクランプ軸１に取付けた押下げカム、８
は、その基端を板バネ９を介して所定量回動自在
であるように保持されたクランプ部材保持板で、
板バネ９によつて図示矢印Ｄ方向（その自由端側
を持上げる方向）の偏倚力を付与されており、ク
ランプ軸１の矢印Ｂ方向の回転によつて上記押下
げカム７を介し、自由端側が押下げられるように
なつている。１０は、ハブ、コイルバネ等から構
成されるクランプ部材で、前記クランプ部材保持
板８の自由端側に回転自在であるように取付けら
れている。１１は、磁気デイスクを駆動・回転さ
せるためのスピンドルで、前記押下げカム７によ
つてクランプ部材保持板８がクランプ状態に押下
げられた時には、磁気デイスクの中心孔に挿入さ
れたクランプ部材１０とこのスピンドル１１とで
磁気デイスクを挾持して磁気デイスクを回転させ
るようになつている。

１２は、上側ヘツド拘束部材たるデイスクパツ
ドレバーで、その基端を板バネ１３を介して所定
量回動自在であるように保持されていると共に、
上記板バネ１３によつて図示矢印Ｄ方向の偏倚力
を付与されており、その自由端側の上面に当接し
た前記クランプ部材保持板８のアーム８ａによつ
て押下げ制御されるようになつている。１４は磁
気ヘツドキヤリツジで、それぞれ磁気ヘツドを取
付けた上側ヘツドアセンブリ１５と下側ヘツドア
センブリ１６とからなり、ガイド棒１７，１７に
沿つてステツピングモータで移送されるようにな
つている。上記上側ヘツドアセンブリ１５は、板
バネ１８を介して下側ヘツドアセンブリ１６に対
して所定量回動自在であるように結合されている
と共に、バ乃１９によつて図示矢印Ｅ方向（下側
ヘツドアセンブリ１６側に接近する方向）の偏倚
力を付与されているが、第１図示の状態では前記
デイスクパツドレバー１２の先端が上側ヘツドア
センブリ１５のアーム１５ａをバネ１９に抗して
持上げ（前記バネ１３の力がバネ１９の力よりも
大きく設定されている。）、上側ヘツドアセンブリ
１５を降下不能であるように拘束している。

従つて上述の構成から明らかなように、手動操
作によつて操作レバー３、即ちクランプ軸１を矢
印Ｂ方向に90゜回転させれば、押下げカム７によ
つてクランプ部材保持板８が押下げられてクラン
プ部材１０がクランプ状態となり、またクランプ
部材保持板８のアーム８ａによつてデイスクパツ
ドレバー１２が押下げられて、上側ヘツドアセン
ブリ１５は上方へ持上げられた拘束状態を解除さ
れ、下側ヘツドアセンブリ１６側へ前記バネ１９
の弾圧力で押下げられることになる。一方、この
状態から前記操作レバー３を矢印Ａ方向に90゜回
転させれば、押下げカム７によるクランプ部材保
持板８への押下げ力が除かれ、クランプ部材保持
板８は板バネ９の力によつて上方に復帰し、この
クランプ部材保持板８の上方への復帰に伴つてデ
イスクパツドレバー１２も板バネ１３の力によつ
て上方に復帰すると共に、上側ヘツドアセンブリ
１５を持上げて、上記各部材は第１図示の状態に
復することとなる。

ここで、前述したようにクランプ軸１は磁気デ
イスクの非挿入状態においては、矢印Ｂ方向へ回
動不能となつており、磁気デイスクを装置本体に
挿入した時にのみ回動不能となつている。この機
構を次に第２図〜第５図によつて説明する。

第３図ａ，ｂは磁気デイスクの非挿入状態を示
している。この状態においては前述したようにバ
ネ６の弾性力によつてロツクカムレバー４は、第
１図矢印Ｃ方向、即ち第３図ａにおいて支柱５を
中心として時計回り方向の回動力を付与されると
共にその作動部４ｂを前記シヤーシ２の切溝５ｂ
の段部２ｂ−１に衝合させて位置決めされ、ロツ
クカムレバー４の係止部４ｃが水平状態にあるク
ランプ軸１の前記ピンの真下に位置して、クラン
プ軸１の第１図矢印Ｂ方向への回転、即ち第３図
ｂにおける時計回り方向の回転を阻止している。
またこの時、ロツクカムレバー４の下部に垂下し
た前記作動部４ｂは、第３図ｂにおいて点線で囲
われ点線のハツチングを施こして示した磁気デイ
スクの挿入通路２０内の側端部に位置している。
なお、第２〜５図において、４ｄは前記係止部４
ｃと連らなり該係止部４ｃより一段低くなつた平
板状のピンカム部で（第２図参照）、前記ピン１
ａの前記矢印Ｂ方向の回動時にピン１ａと係合す
る被動カム面４ｄ−１と、ピン１ａの矢印Ｂ方向
の回転終了時にピン１ａと係合する係止カム面４
ｄ−２とを有している。また４ｅは上記ピンカム
部４ｄと係止部４ｃとの補強連結部であり、第３
図ｂにおいて前記支柱５の上部に示した２１，２
２はワツシヤ並びにＥ型ワツシヤで、前記バネ６
の巻回部を抜け止め・保持し、この結果バネ６の
巻回部はロツクカムレバー４を下に押付けるよう
にも作用している。

上述の第３図の状態から磁気デイスク２３を挿
入すると、第４図ａに示すように磁気デイスク２
３の矢印方向の挿入に伴つて磁気デイスク２３の
側縁部がロツクカムレバー４の作動部４ｂに当接
し、ロツクカムレバー４を第４図ａにおいて反時
計回り方向（第１図における矢印Ｃと反対方向）
へ所定量回転させる。この結果、ロツクカムレバ
ー４の係止部４ｃは前記ピン１ａの真下の位置か
ら離脱し、ピン１ａ、即ちクランプ軸１の前記矢
印Ｂ方向への回転を許容する位置に退避する。

従つて、磁気デイスク２３を完全に挿入し終つ
た状態でクランプ軸１を前記矢印Ｂ方向（第４図
ａにおける矢印方向）に90゜回転させれば、これ
に伴つてピン１ａも回転し、該ピン１ａに前記被
動カム面４ｄ−１を押されたロツクカムレバー４
は第５図ａのように更に同方向に回転し、クラン
プ軸１が完全に90゜回転し終つた時点では、第５
図ａに示すように垂直状態となつたピン１ａがロ
ツクレバーカム４の前記係止カム面４ｄ−２と当
接した状態となる。この係止カム面４ｄ−２にピ
ン１ａが当接した状態においては、ロツクカムレ
バー４の前記バネ６による第５図時計回り方向
（第１図矢印Ｃ方向）の回動は、ピン１ａによつ
て阻止されると共に、ロツクカムレバー４の前記
作動部４ｂは、磁気デイスク２３から完全に離間
した位置にある（第５図ｂ参照）。そして、この
第５図示のクランプ軸１が前記矢印Ｂ方向に90゜
回転し終つた状態は、前述した動作によつて装置
が駆動可能（もしくは駆動）状態にあり、磁気デ
イスク２３はその装置への挿入を検知する部材た
るロツクカムレバー４の作動部４ｂが完全に離間
しているため、円滑で信頼性の高い回転動作を行
なうことになる。

また、この第５図示の状態からクランプ軸１を
前記矢印Ａ方向に90゜回転させれば、第４図示の
状態までロツクカムレバー４はバネ６の力によつ
て戻り、更にこの状態から磁気デイスク２３を引
抜けば、ロツクカムレバー４は第３図示の初期状
態に復することとなる。

（考案の効果） 以上詳述したように本考案によれば、磁気デイ
スクの非挿入状態においてはクランプ軸を回動不
能とし、換言すればクランプ軸の回動操作による
クランプ部材によるクランプ動作と、上側ヘツド
アセンブリの降下とを禁止したので、誤操作、い
たずら操作によつて機器の重要部を損傷する恐れ
が全くない。また、磁気デイスクを挿入してこれ
をクランプした状態においては、磁気デイスクの
挿入を検知するロツクカムレバーが磁気デイスク
から完全に離れるので、磁気デイスク回転時の信
頼性を損うこともない。また、ロツクカムレバー
の作動部は磁気デイスクの比較的ハードな側縁部
に接触するので、磁気デイスクを傷める恐れがな
く、またレバー形状であるので作動部を大きく磁
気デイスクから逃がすことができ、動作信頼性が
高い上、成形品で形成できるロツクカムレバー
が、クランプ軸の回動制御と磁気デイスクの挿入
検知とを行なうので、比較的部品点数が少なく、
機構簡略な誤動作防止機構を提供でき、その実用
的価値は多大である。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本考案の１実施例に係り、第１図
は機構全体を示す簡略化した斜視図、第２図はロ
ツクカムレバーの斜視図、第３図〜第５図は動作
説明図で、各図のａ，ｂは同一状態を上方および
側方より見た状態を示している。 １……クランプ軸、１ａ……ピン（突部）、２
……シヤーシ、２ｂ……切溝、３……操作レバ
ー、４……ロツクカムレバー、４ｂ……作動部、
４ｃ……係止部、４ｄ……ピンカム部、４ｄ−１
……被動カム面、４ｄ−２……係止カム面、５…
…支柱、６……バネ、７……押下げカム、８……
クランプ部材保持板、９……板バネ、１０……ク
ランプ部材、１１……スピンドル、１２……デイ
スクパツドレバー（上側ヘツド拘束部材）、１３
……板バネ、１４……磁気ヘツドキヤリツジ、１
５……上側ヘツドアセンブリ、１６……下側ヘツ
ドアセンブリ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 装置本体の前面から手動操作可能なクランプ軸
   と、該クランプ軸の回転によつてスピンドルに磁
   気デイスクの中心部を押付けるクランプ部材と、
   下側ヘツドアセンブリ側へ常時弾性付勢された上
   側ヘツドアセンブリと、前記クランプ部材の非ク
   ランプ状態において前記上側ヘツドアセンブリを
   下側ヘツドアセンブリから所定量離間した位置で
   拘束・保持し、且つ前記クランプ軸の回動に応動
   して上側ヘツドアセンブリを磁気デイスクを介し
   て押付けるべく前記拘束状態を解除する上側ヘツ
   ド拘束部材と、装置本体のシヤーシに回動自在に
   保持され且つバネによつて常時一定方向に弾性付
   勢されたクランプ軸回転制御用のロツクカムレバ
   ーと、磁気デイスク非挿入状態において前記ロツ
   クカムレバーと係合してクランプ軸の回転を阻止
   するクランプ軸の突部と、磁気デイスク挿入時に
   該磁気デイスクの側縁部に当接してクランプ軸の
   回転を許容する位置までロツクカムレバーを回動
   させる該ロツクカムレバーの作動部とを備え、ロ
   ツクカムレバーの前記回動によつて回転可能とな
   つたクランプ軸の回転により、ロツクカムレバー
   を更に回動させて前記ロツクカムレバーの作動部
   を磁気デイスクから離間させるようにしたことを
   特徴とする両面型フロツピーデイスクドライブ装
   置。