JPH02170966A - 複合材料及びその製造方法 - Google Patents

複合材料及びその製造方法

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JPH02170966A
JPH02170966A JP18360589A JP18360589A JPH02170966A JP H02170966 A JPH02170966 A JP H02170966A JP 18360589 A JP18360589 A JP 18360589A JP 18360589 A JP18360589 A JP 18360589A JP H02170966 A JPH02170966 A JP H02170966A
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Tokiaki Hayashi
林 常昭
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(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、複合材料及びその製造方法に関し、特に耐食
性の優れた複合材料及びその製造方法に係わる。
[従来の技術及び課題] Taを始めとするバルブメタル元素を含むアモルファス
合金は、通常の耐食性金属材料では腐蝕が進行する塩酸
又は沸騰濃硝酸のような腐蝕性の激しい環境下でも優れ
た高耐食性を有することが知られている。しかしながら
、これらのアモルファス合金は、通常、液体急冷法で作
られているため、その手法から形状的には薄帯、細線、
粉末等に制約されている。このため、種々の形状での利
用が考えられる耐食材料としては必ずしも満足するもの
ではなかった。
このようなことから、最近では各種のスパッタ法により
アモルファス合金層を金属基材表面に形成する技術が検
討されている。しかしながら、代表的なマグネトロンス
パッタ法においても作用真空度に由来する純度不足や基
材との密着性が不充分である等の技術的な問題が残って
いる。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたも
ので、金属基材に対して高純度で緻密かつ平滑なアモル
ファス合金層を密着性よく被覆され、かつ形状的な制約
を受けない高耐食性を有する複合材料、並びにかかる複
合材料を簡単に製造し得る方法を提供しようとするもの
である。
[課題を解決するための手段〕 本発明の複合材料は、金属基材と、この金属基材表面に
被覆されたTaからなるアモルファス層と、前記基材と
前記アモルファス層の界面に形成され、前記基材の金属
にTaが分散された組成でアモルファス層側ほどTa濃
度を高くして濃度勾配を持たせた!1衝層とからなるこ
とを特徴とする物である。
上記金属基材は、各種の金属から形成され、例えばステ
ンレスなど鉄系合金、Ni系合金、C。
系合金、Ti  T1合金等の軽量金属等を挙げること
ができる。
本発明に係わる複合材料は、金属基材表面にTaを蒸着
すると同時にTa又は不活性ガスのイオンを照射するイ
オンビームミキシング法によりTaからなるアモルファ
ス層を形成する方法により製造される。
上記Taの蒸着手段としては、各種の薄石法を採用し得
るが、特に高真空度での成膜が可能な電子ビームによる
真空蒸着又はターゲットを利用したイオンビームスパッ
タ法が好ましい。
本発明に係わる複合材料は、前記アモルファス層を金属
基材表面に形成するに先立ち、該基材表面にTaイオン
を照射してイオン注入層を形成することにより製造され
る。
本発明の別の複合材料は、金属基材と、この金属基材表
面に被覆されたT;1.TI  Zr及びNbから選ば
れる少なくとも1種以上のバルブメタル元素と少なくと
も1種以上の鉄族元素とを含むアモルファス層と、前記
基材と前記アモルファス層の界面に形成され、前記基材
の金属に少なくとも1種以上のバルブメタル元素と少な
くとも1種以上の鉄族元素が分散された組成でアモルフ
ァス層側ほどバルブメタル元素と鉄族元素の濃度を高く
して濃度勾配を持たせた緩衝層とからなることを特徴と
するものである。
上記鉄族元素としては、例えばFc、NlCo等を挙げ
ることができる。
上記アモルファス層中のバルブメタルとしてTa単独、
又はTaとTt 、Zr、Nbとを併用することが望ま
しい。この場合、Taの含有量を30a【5以上にする
ことが望ましい。
本発明に係わる別の複合材料は、金属基材の表面に、T
a、TI  Zr及びNbから選ばれる少なくとも1種
以上のバルブメタル元素と少なくとも1種以上の鉄族元
素との合金を蒸着すると同時に前記バルブメタル元素、
鉄族元素又は不活性ガスのイオンを照射するイオンビー
ムミキシング法によりアモルファス層を形成する方法に
より製造される。
上記合金の蒸着手段としては、各種の蒸着法を採用し得
るが、特に高真空度での成膜が可能な電子ビームによる
真空蒸着又はターゲットを利用したイオンビームスパッ
タ法が好ましい。
本発明に係わる別の複合材料は、前記アモルファス層を
前記金属基材表面に形成するに先立ち、該基材表面にT
a、TI  Zr及びNbから選ばれる少なくとも1種
以上のバルブメタル元素及び少なくとも1種以上の鉄族
元素のいずれか一方又は両者のイオンを照射してイオン
注入層を形成することにより製造される。
[作用コ 本発明に係わる複合材料によれば、金属基材表面に耐食
性の優れたTaからなるアモルファス層を被覆すること
によって、酸性の過酷な環境下に曝されても安定した超
耐食性を示す。これは、不動体皮膜と呼ばれる腐食に対
する保護作用の優れた均一性に富んだ酸化物皮膜が生成
されることによるものである。また、前記基材と前記ア
モルファス層の界面に基材の金属にTaが分散された組
成でアモルファス層側ほどTaa度を高くして濃度勾配
を持たせた緩衝層を形成することによって、基材に対す
るアモルファス層の密着性を著しく向上でき、該アモル
ファス層の高耐食性を効果的に付与された複合材料を得
ることができる。
本発明に係わる複合材料の製造方法によれば、Taを電
子ビームによる真空蒸着法などの蒸着手段により金属基
材表面に成膜することもできるが、Ta蒸着と同時にT
a又は不活性ガスのイオンを照射してイオンビームミキ
シングを行なうことによって、アモルファス層と基材の
界面に基材の金属にTaが分散された組成でアモルファ
ス層側ほどTaa度を高くして濃度勾配を持たせた緩衝
層を形成できるため、アモルファス層の基材に対する密
着性を向上でき、しかもイオンビームの照射条件は独立
して制御できるため該アモルファス層の緻密化、平滑化
等を達成し易くなる。従って、高純度で緻密かつ平滑な
アモルファス層を基材に対して密着性よく形成でき、形
状的な制約を受けない高耐食性を有する複合材料を製造
できる。
本発明に係わる複合材料の製造方法において、アモルフ
ァス層の金属基材表面への形成に先立ち、該基材表面に
Taイオンを照射することによって、イオン注入の打ち
込み効果と基材の深さ方向に成分組成が段階的に変化し
た構造を有する密着性の優れたイオン注入層(界面層)
を形成できるため、この後前述したイオンミキシングに
よりアモルファス層を形成することにより基材に対して
一層密着性が優れ、全体的に耐剥離性の富んだ複合材料
を製造できる。
本発明の別の複合材料によれば、金属基材表面に耐食性
の優れたTa、TI 、Zr及びNbから選ばれる少な
くとも1種以上のバルブメタル元素と少なくとも1種以
上の鉄族元素とを含むアモルファス層を被覆することに
よって、酸性の過酷な環境下に曝されても安定した超耐
食性を示す。これは、不動体皮膜と呼ばれる腐食に対す
る保護作用の優れた均一性に富んだ酸化物皮膜が生成さ
れることによるものである。また、前記基材と前記アモ
ルファス層の界面に前記基材の金属に少なくとも1種以
上のバルブメタル元素と少なくとも1種以上の鉄族元素
が分散された組成でアモルファス層側ほどバルブメタル
元素と鉄族元素の濃度を高くして濃度勾配を持たせた緩
衝層を形成することによって、基材に対するアモルファ
ス層の密告性を著しく向上でき、該アモルファス層の高
耐食性を効果的に付与された複合材料を得ることができ
る。
本発明に係わる別の複合材料の製造方法によれば、金属
基材の表面に、Ta5Ti  Zr及びNbから選ばれ
る少なくとも1種以上のバルブメタル元素と少なくとも
1種以上の鉄族元素との合金を電子ビームによる真空蒸
着法などの蒸着手段により成膜することによって、前記
合金からなる高純度のアモルファス層を金属基付表面に
形成できる。また、蒸着と同時に前記バルブメタル元素
、鉄族元素又は不活性ガスのイオンを照射するイオンビ
ームミキシングを行なうことによって、前記アモルファ
ス層と基材の界面に該基材の金属に対シテ少なくとも1
種以上のバルブメタル元素と少なくとも1種以上の鉄族
元素が分散された組成でアモルファス層側ほどバルブメ
タル元素と鉄族元素の濃度を高くして濃度勾配を持たせ
た緩衝層を形成できるため、アモルファス層の基材に対
する奇貨性を向上でき、しかもイオンビームの照射条件
は独立して制御できるため該アモルファス層の緻密化、
平滑化等を達成し品くなる。更に、Taを含有するバル
ブメタル元素と鉄族元素の合金を上記イオンミキシング
法で成膜することによってバルブメタル元素が80原子
%以上含む組成でも良好なアモルファス相を形成できる
。従って、高純度で緻密かつ平滑なアモルファス層を基
材に対して密着性よく形成でき、形状的な制約を受けな
い高耐食性を有する複合材料を製造できる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1 まず、基材としての50X 50X 2 amの寸法の
Tl板を用意し、この片面を鏡面研磨し、超音波洗浄を
施した後、イオン照射と蒸着機能を備えた真空チャンバ
内に設置した。つづいて、このチャンバ内を5 X 1
0−’Lorrに真空引きした後、イオン源からA「イ
オンを加速電圧5kVの条件でTi板の鏡面に5分間照
射して表面清浄化のための前処理を施した。次いで、T
aをシングルハース方式の電子ビーム蒸着法で前記Ti
板表面に蒸亡すると同時にイオン源からArイオンを引
きだし、加速電圧150kV、イオン電流2.0mAの
条件でイオン照射して厚さ3μmのTaのアモルファス
層を形成して複合材料を製造した。
実施例2 実施例1でのアモルファス層の形成に先立ち、質量分離
型イオン源からTaイオンを引きだし、加速電圧180
keV、 ドーズm1.OXl017個/e12  ビ
ーム電流0.2m AでTl板表面に照射してTaイオ
ン注入層を形成した以外、同実施例1と同様な方法によ
り複合材料を製造した。
比較例1 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したTl板
を市販のマグネトロンスパッタ装置により厚さ3μmの
Taの結晶性の被覆層を形成して複合材料を製造した。
しかして、本実施例1.2及び比較例1の複合材料につ
いて断面組織をSEMで観察した。その結果、本実施例
1.2はいずれもアモルファス層の組織が緻密で均一な
相を有し、Tl板との界面にも何等の欠陥も認められな
かった。これに対し、比較例1の複合材料では被覆層の
組織に不均一な相が一部認められ、またTIとの界面に
ボアー発生が認められ、良質な被覆層とは評価し得なか
った。
また、本実施例1.2の複合材料を沸騰した7、5規定
の硝酸水溶液中に浸漬して腐食状況を評価した。その結
果、アモルファス層及びTl板との界面での腐食進行は
認められなかった。
更に、上記各実施例1.2において基材としてTl板の
代わりにTI−[i Al1−4Vの71合金板、オー
ステナイトステンレス板を用いて複合材料を製造したと
ころ、同様な優れた特性を有することが確認された。
実施例3 まず、実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施した
基材にNl及びNbをダブルハース方式の電子ビーム蒸
着法で前記Tl板表面に蒸着すると同時にイオン源から
Arイオンを引きだし、加速電圧150kV、イオン電
流2.0mAの条件でイオン照射して厚さ3μmのNi
−40at%Nbのアモルファス層を形成して複合材料
を製造した。
実施例4 実施例3でのアモルファス層の形成に先立ち、質量分離
型イオン源からN1イオンを引きだし、加速電圧180
keV、  ドーズff11.o XIO”個/c12
  ビーム電流0.2m AでTl板表面に照射してN
1イオン注入層を形成した以外、同実施例3と同様な方
法により複合材料を製造した。
比較例2.3 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したTl板
を市販のマグネトロンスパッタ装置により厚さ3μmの
N1−40at%Nb、又は同厚さのN L−30at
%Taのアモルファス層を形成して複合材料を製造した
しかして、本実施例3.4及び比較例2.3の複合材料
について断面組織をSEMで観察した。
その結果、本実施例3.4はいずれもアモルファス層の
組織が緻密で均一な相を存し、T!板との界面にも何等
の欠陥も認められなかった。これに対し、比較例2.3
の複合材料ではアモルファス層の組織に不均一な相が一
部認められ、またT1との界面にポアー発生が認められ
、良質なアモルファス層とは評価し得なかった。
実施例5〜7 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したTI板
の表面にNl −40at%Nb 、 Ni −30a
t%T a s N 1−20at96 N b  1
0at%Taの組成のターゲットを夫々用いて加速電圧
3keV、イオン?li流1.5AのA「イオンでイオ
ンビームスパッタ蒸着を行なうと同時に別のイオン源か
らArイオンを引きだし、加速電圧150keV、イオ
ン電流2.0rnAの条件でイオン照射して厚さ3μm
で前記ターゲットとほぼ同組成のアモルファス層を形成
し、3 t−ifの複合材料を製造した。
比較例4 アルゴンアーク溶解法によりNi −30at%Taの
組成の溶融合金を製造した。この合金をX線回折を行っ
たところ、結晶質であることが確認された。
しかして、本実施例5〜7の複合材料及び比較例4の板
材を沸騰した7、5規定の硝酸溶液中に浸漬して腐蝕速
度をn1定した。その結果を下記第1表に示した。
第    1    表 前述した比較例2〜4の腐蝕試験結果を併記した。
実施例8〜19 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したT1板
の表面に下記第2表に示す条件で厚さ3μmのアモルフ
ァス層を形成し、12種の複合材料を製造した。
しかして、本実施例8〜19の複合材料を90’の曲げ
加工を施した後、室温で1規定の塩酸溶液に浸漬して腐
蝕による外観変化等を評価した。その結果を同第2表に
併記した。また、第2表中には実施例20〜34 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したTi板
の表面に下記第3表に示す条件で厚さ3μmのアモルフ
ァス層を形成し、15種の複合材料を製造した。
比較例5 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したTi板
を市販のマグネトロンスパッタ装置により厚さ3μmの
Ta−15aL%Niの合金層を形成して複合材料を製
造した。この合金層をX線及び電子線回折を行ったとこ
ろ、合金微結晶とアモルファス相との混合相であること
が確認された。
比較例6 アルゴンアーク溶解法により調製したTa −15at
%N1の組成の溶融合金をアルゴン雰囲気中で単ロール
法を用いて急冷凝固させて厚さ0.0511mの合金薄
板を製造した。この合金薄板をX線回折を行ったところ
、結晶質であることが確認された。
しかして、本実施例20〜34の複合材料及び比較例5
.6の複合材料、合金薄板を沸騰した7、5規定の硝酸
溶液中に浸漬して腐蝕速1度を測定した。
その結果を下記第3表に併記した。
[発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば金属基材に対して高
純度で緻密かつ平滑なアモルファス合金層を密着性よく
被覆され、かつ形状的な制約を受けない高耐食性を有す
る複合材料、並びにかかる複合材料を簡単に製造し得る
方法を提供できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)金属基材と、この金属基材表面に被覆されたTa
    からなるアモルファス層と、前記基材と前記アモルファ
    ス層の界面に形成され、前記基材の金属にTaが分散さ
    れた組成でアモルファス層側ほどTa濃度を高くして濃
    度勾配を持たせた緩衝層とからなることを特徴とする複
    合材料。
  2. (2)金属基材表面にTaを蒸着すると同時にTa又は
    不活性ガスのイオンを照射するイオンビームミキシング
    法によりTaからなるアモルファス層を形成することを
    特徴とする複合材料の製造方法。
  3. (3)前記アモルファス層を前記金属基材表面に形成す
    るに先立ち、該基材表面にTaイオンを照射してイオン
    注入層を形成することを特徴とする請求項2記載の複合
    材料の製造方法。
  4. (4)金属基材と、この金属基材表面に被覆されたTa
    、Ti、Zr及びNbから選ばれる少なくとも1種のバ
    ルブメタル元素と1種以上の鉄族元素とを含むアモルフ
    ァス層と、前記基材と前記アモルファス層の界面に形成
    され、前記基材の金属に少なくとも1種以上のバルブメ
    タル元素と少なくとも1種以上の鉄族元素が分散された
    組成でアモルファス層側ほどバルブメタル元素と鉄族元
    素の濃度を高くして濃度勾配を持たせた緩衝層とからな
    ることを特徴とする複合材料。
  5. (5)金属基材の表面に、Ta、Ti、Zr及びNbか
    ら選ばれる少なくとも1種以上のバルブメタル元素と少
    なくとも1種以上の鉄族元素との合金を蒸着すると同時
    に前記バルブメタル元素、鉄族元素又は不活性ガスのイ
    オンを照射するイオンビームミキシング法によりアモル
    ファス層を形成することを特徴とする複合材料の製造方
    法。
  6. (6)前記アモルファス層を前記金属基材表面に形成す
    るに先立ち、該基材表面にTa、Ti、Zr及びNbか
    ら選ばれる少なくとも1種以上のバルブメタル元素及び
    少なくとも1種以上の鉄族元素のいずれか一方又は両者
    のイオンを照射してイオン注入層を形成することを特徴
    とする請求項5記載の複合材料の製造方法。
JP18360589A 1988-09-21 1989-07-18 複合材料及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH06945B2 (ja)

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