JP2013221215A - 表面被覆部材及びその製造方法、並びに、表面被覆部材の被覆方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】AlTiNで被覆された表面被覆部材において、耐食性をより向上させることである。
【解決手段】AlTiNで被覆された表面被覆部材10は、金属材料で形成される基体12と、基体12の表面に物理蒸着法で成膜され、AlTiNで形成されるAlTiN被覆層14と、を備え、AlTiN被覆層14は、AlTiNの結晶構造が面心立方晶構造であり、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きい。
【選択図】図1
【解決手段】AlTiNで被覆された表面被覆部材10は、金属材料で形成される基体12と、基体12の表面に物理蒸着法で成膜され、AlTiNで形成されるAlTiN被覆層14と、を備え、AlTiN被覆層14は、AlTiNの結晶構造が面心立方晶構造であり、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きい。
【選択図】図1
Description
本発明は、表面被覆部材及びその製造方法、並びに、表面被覆部材の被覆方法に係り、特に、AlTiN(アルミチタンナイトライド)で被覆された表面被覆部材及びその製造方法、並びに、表面被覆部材の被覆方法に関する。
高温腐食環境で使用される金属部材には、酸化雰囲気や腐食環境から金属部材を保護するために、窒化物系、酸化物系または炭化物系等の保護被膜が部材表面に被覆されている。例えば、航空機用エンジンや発電用ガスタービンに使用されるタービンブレードには、燃焼器によって発生する高温の燃焼ガスによる酸化や腐食を防止するために、タービンブレードの表面に保護被膜が被覆されている。
特許文献1には、タービンブレードの表面にプラズマ溶射でジルコニア等の酸化物をコーティングすることが記載されている。
ところで、高温腐食環境で使用される金属部材に被覆される窒化物系の被覆材料としては、耐酸化性や耐摩耗性等の観点からAlTiN(アルミチタンナイトライド)が優れている。AlTiN中のAl成分が安定な酸化物を形成するため、金属部材の酸化の進行が抑制されるからである。
ここで、上述した特許文献1に記載されているようなプラズマ溶射法でAlTiN被膜を金属部材の表面に成膜した場合には、被膜形成時に空気等のガスを巻き込むために被膜内部に空孔やボイドが多く形成される。被膜内部に空孔やボイドが多く形成された表面被覆部材を高温腐食環境で使用した場合には、腐食ガスや腐食液等の腐食媒体が被膜の空孔やボイドを通して入り込み、AlTiN被膜で覆われた金属部材の腐食を加速する可能性がある。
そこで、本発明の目的は、耐食性をより向上させた表面被覆部材及びその製造方法、並びに、表面被覆部材の被覆方法を提供することである。
本発明に係る表面被覆部材は、金属材料で形成される基体と、前記基体の表面に物理蒸着法で被覆され、AlTiNで形成されるAlTiN被覆層と、を備え、前記AlTiN被覆層は、前記AlTiNの結晶構造が面心立方晶構造であり、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きいことを特徴とする。
本発明に係る表面被覆部材において、前記AlTiN被覆層は、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度に対して2.9倍以上であることが好ましい。
本発明に係る表面被覆部材において、前記AlTiN被覆層は、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度に対して48倍以上であることが好ましい。
本発明に係る表面被覆部材において、前記AlTiN被覆層は、AlXTi100−XN(ただし、Xは原子%を示す。)における前記Xが55以上60以下であることが好ましい。
本発明に係る表面被覆部材の製造方法は、金属材料で基体を形成する基体形成工程と、前記基体の表面をAlTiNで被覆して、AlTiN被覆層を形成するAlTiN被覆層形成工程と、を備え、前記AlTiN被覆層形成工程は、前記AlTiN被覆層をスパッタリングにより形成し、前記スパッタリングの条件は、ターゲットがAlTi合金であり、反応ガスがN2ガスであり、前記基体に印加されるバイアス電圧が−100V以上で0Vよりも小さいことを特徴とする。
本発明に係る表面被覆部材の製造方法において、前記スパッタリングの条件は、前記基体に印加されるバイアス電圧を−50V以上で0Vよりも小さいことが好ましい。
本発明に係る表面被覆部材の製造方法において、前記スパッタリングの条件は、ターゲットがAlYTi100−Y(ただし、Yは原子%を示す。)であり、前記Yが50以上60以下であることが好ましい。
本発明に係る表面被覆部材の製造方法において、前記スパッタリングの条件は、全ガス圧が0.2Pa以上1.0Pa以下であることが好ましい。
本発明に係る表面被覆部材の製造方法において、前記スパッタリングの条件は、前記基体の表面温度が450℃以上550℃以下であることが好ましい。
本発明に係る表面被覆部材の被覆方法は、金属材料で形成される基体の表面をAlTiNで被覆して、AlTiN被覆層を形成するAlTiN被覆層形成工程を備え、前記AlTiN被覆層形成工程は、前記AlTiN被覆層をスパッタリングにより形成し、前記スパッタリングの条件は、ターゲットがAlTi合金であり、反応ガスがN2ガスであり、前記基体に印加されるバイアス電圧が−100V以上で0Vよりも小さいことを特徴とする。
上記構成によれば、AlTiN被覆層は、スパッタリング等の物理蒸着法で成膜されており、プラズマ溶射法等で成膜するよりも緻密な被膜が形成されるので、表面被覆部材の耐食性を向上させることが可能となる。また、AlTiN被覆層は、AlTiNの結晶構造が面心立方晶構造であり、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きく、AlTiNの結晶方位がミラー指数で示すAlTiN(200)面に優先配向されているので、表面被覆部材の表面エネルギーが低下することにより耐食性が更に向上する。
以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、表面被覆部材10の構成を示す断面図である。表面被覆部材10は、基体12と、基体12の表面に形成されるAlTiN被覆層14と、を備えている。
基体12は、金属材料で形成されている。金属材料には、例えば、Fe基合金、Ni基合金、Co基合金等の耐熱合金が用いられる。基体12は、例えば、航空機用エンジンや発電用のガスタービンにおけるタービンブレードの形状に形成されている。
AlTiN被覆層14は、基体12の表面に物理蒸着法で被覆されており、AlTiNで形成されている。基体12の表面にAlTiN被覆層14を設けることにより、表面被覆部材10の耐酸化性、耐食性、耐摩耗性等を向上させることができる。また、AlTiN被覆層14は、物理蒸着法で成膜されているので、プラズマ溶射法等よりも緻密な被膜で形成されている。
AlTiN被覆層14は、例えば、2μm以上10μm以下の膜厚で形成されている。AlTiN被覆層14の膜厚が2μmより薄いと、耐酸化性等が十分発揮できないからである。また、AlTiN被覆層14の膜厚が10μmより厚いと、AlTiN被覆層14の剥離が生じやすいからである。なお、AlTiN被覆層14の膜厚は、4μm以上6μm以下であることが好ましい。
AlTiN被覆層14は、AlTiNの結晶構造が面心立方晶構造であり、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きく、AlTiNの結晶方位がAlTiN(200)面に優先配向して形成されている。このようにAlTiNの結晶方位をAlTiN(200)面に優先配向させることにより、表面被覆部材10の耐食性をより向上させることができる。
AlTiN被覆層14は、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度に対して2.9倍以上であることが好ましく、48倍以上であることがより好ましい。AlTiNの結晶方位をAlTiN(200)面により強く優先配向させることにより、表面被覆部材10の耐食性を更に向上させることができるからである。
AlTiN被覆層14は、AlXTi100−XN(ただし、Xは原子%を示す。)におけるXが55以上60以下であることが好ましい。AlXTi100−XNにおけるXが55at%より小さい場合には、Al量が少なくなるので表面被覆部材10の耐酸化性等が低下するからである。AlXTi100−XNにおけるXが60at%より大きい場合には、AlTiNの結晶方位におけるAlTiN(200)面への優先配向の度合いがより小さくなるからである。また、AlXTi100−XNにおけるXが60at%より大きい場合には、AlTiNの結晶構造がウルツ鉱型構造になりやすいからである。
次に、AlTiNの結晶方位をAlTiN(200)面に優先配向させることにより、表面被覆部材10の耐食性を向上させることができる理由について説明する。
図2は、面心立方晶の結晶構造を示す模式図である。図2(a)に示すように、面心立方晶構造は、立方体の隅に8個のイオン(または原子)があると共に、立方体における6つの面の中央にイオン(または原子)が1個ずつ入った構造をとっている。
ここで、図2(b)に示すように、(111)面における単位面積当たりのイオン(または原子)の数(斜線の部分の合計)は、4/√3個である。これに対して、図2(c)に示すように、(200)面における単位面積当たりのイオン(または原子)の数(斜線の部分の合計)は、2個である。
このように、(200)面における単位面積当たりのイオン(または原子)の数は、(111)面における単位面積当たりのイオン(または原子)の数より小さくなる。そのため、ダングリングボンド(未結合手)の密度は、(200)面のほうが(111)面よりも小さくなる。
ダングリングボンドの密度が大きくなるほど表面エネルギーが高くなり(反応性が高くなる)、ダングリングボンドの密度が小さくなるほど表面エネルギーが小さくなる(反応性が低くなる)。このため、ダングリングボンドの密度が小さくなるほど表面被覆部材10の表面エネルギーが小さくなるので、表面被覆部材10の耐食性が向上する。したがって、結晶構造が面心立方晶構造であるAlTiNにおいて、AlTiNの結晶方位をAlTiN(200)面に優先配向させることにより、表面被覆部材10の耐食性を向上させることができる
次に、表面被覆部材10の製造方法について説明する。
次に、表面被覆部材10の製造方法について説明する。
図3は、表面被覆部材10の製造方法を示すフローチャートである。表面被覆部材10の製造方法は、基体12を形成する基体形成工程(S10)と、基体12の表面にAlTiN被覆層14を形成するAlTiN被覆層形成工程(S12)と、を備えている。
基体形成工程(S10)は、金属材料で基体12を形成する工程である。基体12は、例えば、上述したFe基合金、Ni基合金、Co基合金等を鍛造、鋳造、粉末冶金等で所定の形状に成形して形成される。例えば、基材12がタービンブレードの場合には、Ni基合金を精密鋳造して形成される。
AlTiN被覆層形成工程(S12)は、基体12の表面をAlTiNで被覆して、AlTiN被覆層14を形成する工程である。AlTiN被覆層14は、物理蒸着法によりAlTiNを成膜して形成される。物理蒸着法には、スパッタリング法やイオンプレーティング法等を用いることができる。物理蒸着法によれば、プラズマ溶射法等よりも緻密なAlTiN被膜を成膜することが可能となる。
AlTiN被覆層14の形成には、スパッタリング法を用いることが好ましい。イオンプレーティング法の場合には、ドロップレット(溶融粒子)が基体12の表面に付着してドロップレットが基体12の内部から表面にかけて取り込まれ、AlTiN被膜の耐食性が低下する場合があるからである。
スパッタリング法には、マグネトロンスパッタリング装置を使用することが好ましい。マグネトロンスパッタリング装置では、ターゲット表面に磁界を印加することにより多量のイオン(例えば、アルゴンガスのイオン)を発生させてターゲットをスパッタするので、成膜速度を高めることができる。
図4は、マグネトロンスパッタリング装置20の構成を示す概略図である。マグネトロンスパッタリング装置20は、真空容器22と、被処理物24が取り付けられる陽極26と、ターゲット28が取り付けられる陰極30と、を備えている。陰極30の内部には、マグネット32が設けられている。真空容器22には、反応ガスを導入する反応ガス導入口34と、作動ガスを導入する作動ガス導入口36と、真空容器22内のガスを排気するガス排気口38が設けられている。陽極26と陰極30とは、パルス電源40と電気的に接続されている。マグネトロンスパッタリング装置20には、例えば、並行平板形マグネトロンスパッタリング装置を用いることができる。
基体12は、AlTiN被覆層14を形成する前に有機溶剤等で脱脂洗浄されることが好ましい。脱脂洗浄された基体12は、マグネトロンスパッタリング装置20における真空容器22内の陽極26にセットされる。
ターゲット28には、AlTi合金を用いることが好ましく、AlYTi100−Y(ただし、Yは原子%を示す。)であり、Yが50以上60以下であるAlTi合金を用いることがより好ましい。AlYTi100−YにおけるYが50at%以上60at%以下であるAlTi合金を用いて成膜することにより、AlTiN被覆層14を形成するAlTiNを、AlXTi100−XN(ただし、Xは原子%を示す。)におけるXが55以上60以下とすることができるからである。
反応ガスには、例えば、N2ガス等が用いられる。作動ガスには、例えば、Arガス等の不活性ガスが用いられる。
基体12を真空容器22内の陽極26にセットした後、真空容器22内のガスをガス排気口38から排気する。次に、真空容器22内に作動ガス導入口36から不活性ガスを導入する。そして、パルス電源40を作動させて、基体12の表面を不活性ガスイオンでボンバート処理してクリーニングする。
基体12の表面をボンバート処理した後、AlTiNの成膜を開始する。パルス電源40を作動させて不活性ガスイオンでターゲット28であるAlTi合金をスパッタリングする。また、基体12にバイアス電圧を印加させる。そして、反応ガスであるN2ガスを反応ガス導入口34から真空容器22内に導入し、AlとTiとN2ガスを反応させてAlTiNを生成し、基体12の表面にAlTiN被膜を成膜する。
スパッタリング条件は、基体12に印加されるバイアス電圧が−100V以上で0Vより小さく設定されている。真空容器22内の全ガス圧は、0.2Pa以上1.0Pa以下であることが好ましい。なお、全ガス圧は、N2ガスと不活性ガスとを合わせた圧力であり、N2ガスと不活性ガスとの圧力比は1対1であることが好ましい。また、基体12の表面温度は、450℃以上550℃以下であることが好ましい。
このスパッタリング条件でAlTiN被膜を成膜することにより、AlTiNの結晶構造が面心立方晶構造であり、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きく、AlTiNの結晶方位がAlTiN(200)面に優先配向して形成されているAlTiN被膜を成膜できる。上記のスパッタリング条件によれば、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度に対して2.9倍以上であるAlTiN被膜を成膜することが可能となる。
基体12に印加されるバイアス電圧は、−50V以上で0Vよりも小さいことが好ましい。基体12に印加される負のバイアス電圧をより小さくするほど、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きく、AlTiNの結晶方位がAlTiN(200)面により優先配向して形成されているAlTiN被膜を成膜できるからである。
基体12に印加されるバイアス電圧は、−50V以上−30V以下であることがより好ましい。基体12に印加される負のバイアス電圧が−30Vより大きい場合(−30Vより大きく0Vよりも小さい場合)では、負のバイアス電圧が小さくなることにより、AlTiN被膜の成膜速度が遅くなる場合があるからである。
所定の膜厚のAlTiN被膜を成膜した後、真空容器22を開放し、AlTiN被覆層14が形成された基体12を取り出す。以上により、表面被覆部材10の製造が完了する。
上記構成の表面被覆部材によれば、金属材料で形成される基体と、基体の表面に、スパッタリング等の物理蒸着法で成膜され、AlTiNで形成されるAlTiN被覆層と、を備えているので、プラズマ溶射法等で成膜するよりも緻密な被膜が形成されており、表面被覆部材の耐食性を向上させることができる。また、AlTiN被覆層は、結晶構造が面心立方晶構造であり、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度をAlTiN(111)面のピーク強度より大きくして、AlTiNの結晶方位をAlTiN(200)面に優先配向させることにより、ダングリングボンドの密度がより小さくなり、表面エネルギーがより小さくなるので、表面被覆部材の耐食性をより向上させることができる。
上記構成の表面被覆部材の製造方法によれば、金属材料で基体を形成する基体形成工程と、基体の表面をAlTiNで被覆して、AlTiN被覆層14を形成するAlTiN被覆層形成工程と、を備え、AlTiN被覆層形成工程は、AlTiN被覆層をスパッタリングにより形成し、スパッタリングの条件は、ターゲットがAlTi合金であり、反応ガスがN2ガスであり、基体に印加されるバイアス電圧が−100V以上で0Vよりも小さいので、AlTiNの結晶構造が面心立方晶構造となり、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きくなり、AlTiNの結晶方位がAlTiN(200)面に優先配向するので、表面被覆部材の耐食性をより向上させることができる。また、AlTiN被覆層の膜厚は、プラズマ溶射法等で成膜される通常の被膜よりも薄いので、被膜の薄膜化が可能となり、生産性が向上する。
上記構成の表面被覆部材の被覆方法によれば、金属材料で形成される基体の表面をAlTiNで被覆して、AlTiN被覆層を形成するAlTiN被覆層形成工程を備え、AlTiN被覆層形成工程は、AlTiN被覆層をスパッタリングにより形成し、スパッタリングの条件は、ターゲットがAlTi合金であり、反応ガスがN2ガスであり、基体に印加されるバイアス電圧が−100V以上で0Vよりも小さいので、AlTiNの結晶構造が面心立方晶構造となり、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きくなり、AlTiNの結晶方位がAlTiN(200)面に優先配向するので、表面被覆部材の耐食性をより向上させることができる。また、AlTiN被覆層の膜厚は、プラズマ溶射法等で成膜された通常の被膜よりも薄いので、被膜の薄膜化が可能となり、生産性が向上する。
次に、基板にAlTiN被膜を成膜してAlTiN被膜の特性について評価した。
(AlTiN成膜試験)
基板には、Ni合金で形成した平板を使用した。基板のサイズは30mm×30mmで、基板の厚みは1.2mmである。基板表面を有機溶剤で脱脂洗浄した後、マグネトロンスパッタリング装置でAlTiN被膜を成膜した。Al、Tiの供給源には、AlTi合金を用いた。作動ガスにはArガスを使用し、反応ガスにはN2ガスを使用した。なお、AlTiN被膜を基板に成膜する前に、基板にArイオンでボンバート処理(エッチング処理)を行い、基板表面をクリーニングした。ボンバート処理条件は、バイアス電圧−200V、処理時間2時間以下である。
基板には、Ni合金で形成した平板を使用した。基板のサイズは30mm×30mmで、基板の厚みは1.2mmである。基板表面を有機溶剤で脱脂洗浄した後、マグネトロンスパッタリング装置でAlTiN被膜を成膜した。Al、Tiの供給源には、AlTi合金を用いた。作動ガスにはArガスを使用し、反応ガスにはN2ガスを使用した。なお、AlTiN被膜を基板に成膜する前に、基板にArイオンでボンバート処理(エッチング処理)を行い、基板表面をクリーニングした。ボンバート処理条件は、バイアス電圧−200V、処理時間2時間以下である。
AlTiN被膜の成膜について、4種類(実施例1から4)の成膜条件(スパッタリング条件)で行った。表1に、4種類(実施例1から4)の成膜条件を示す。
実施例1から4では、ターゲットとして異なる組成のAlTi合金を使用した。実施例1では、Alが60at%、Tiが40at%であるAl60Ti40合金を使用し、実施例2では、Alが55at%、Tiが45at%であるAl55Ti45合金を使用し、実施例3と実施例4では、Alが50at%、Tiが50at%であるAl50Ti50合金を使用した。
実施例1から3では、基板に印加させるバイアス電圧を−50Vとし、実施例4では、基板に印加させるバイアス電圧を−100Vとした。真空容器内の全ガス圧は、いずれの成膜条件の場合も同じ圧力である0.5Paとした。なお、全ガス圧は、Arガスの分圧とN2ガスの分圧とを合計したガス圧である。また、基板温度は、いずれの成膜条件の場合も同じ温度である500℃とした。
実施例1から3では、AlTiN被膜を4μmの膜厚で基板に成膜した。実施例4では、AlTiN被膜を6μmの膜厚で基板に成膜した。図5は、代表的なAlTiN被膜の断面組織写真であり、図5(a)は、実施例3の断面組織写真であり、図5(b)は、実施例4の断面組織写真である。なお、AlTiN被膜の断面組織観察用試料については、AlTiN被膜を成膜した基板からサンプルを切り出し、埋込樹脂に埋め込んだ後、研磨して作製した。成膜後の外観観察結果では、いずれの成膜条件の場合もAlTiN被膜の剥離や割れ等は認められなかった。
(EPMA分析)
実施例1から3の成膜条件で成膜したAlTiN被膜の被膜組成についてEPMA(電子線マイクロ分析法)で分析した。EPMA分析条件は、エネルギー1.5keV、マッピング10mmピッチである。また、組成分析方法(Al,Ti,Nの算出)は、AlTiN被膜がAl,Ti,Nで形成されているとし、それらの分析値(重量%)のトータルを全成分とし、全成分に対するAl,Ti,Nの各々の成分の割合を原子%として換算した。図6は、EPMAによるAlTiN被膜の被膜組成分析結果を示す図である。EPMA分析では、基板に成膜したAlTiN被膜の表面を一方向に約35mmの長さでライン分析した。
実施例1から3の成膜条件で成膜したAlTiN被膜の被膜組成についてEPMA(電子線マイクロ分析法)で分析した。EPMA分析条件は、エネルギー1.5keV、マッピング10mmピッチである。また、組成分析方法(Al,Ti,Nの算出)は、AlTiN被膜がAl,Ti,Nで形成されているとし、それらの分析値(重量%)のトータルを全成分とし、全成分に対するAl,Ti,Nの各々の成分の割合を原子%として換算した。図6は、EPMAによるAlTiN被膜の被膜組成分析結果を示す図である。EPMA分析では、基板に成膜したAlTiN被膜の表面を一方向に約35mmの長さでライン分析した。
図6(a)のグラフは、実施例1におけるAlTiN被膜のEPMA分析結果であり、図6(b)のグラフは、実施例2におけるAlTiN被膜のEPMA分析結果であり、図6(c)のグラフは、実施例3におけるAlTiN被膜のEPMA分析結果である。各グラフの横軸には分析位置(走査位置)を取り、縦軸にはAl及びTiの原子比(at%)を取り、各分析位置におけるAlの組成を白丸で示し、Tiの組成を黒丸で示している。
実施例1と実施例2の成膜条件では、AlTiN被膜の被膜組成は、Alが60at%であり、Tiが40at%であるAl60Ti40Nであった。また、実施例3の成膜条件では、AlTiN被膜の被膜組成は、Alが55at%であり、Tiが45at%であるAl55Ti45Nであった。すなわち、ターゲットにAl60Ti40合金を使用した実施例1と、ターゲットにAl55Ti45合金を使用した実施例2では、Al60Ti40NからなるAlTiN被膜が形成され、ターゲットにAl50Ti50合金を使用した実施例3では、Al55Ti45NからなるAlTiN被膜が形成された。
(X線回折分析)
各成膜条件で成膜したAlTiN被膜の結晶配向性についてX線回折で分析した。X線回折装置には、リガク製のSmart Lab(スマートラボ)を使用した。X線回折の分析条件については、X線源CuKα線、印加電圧40kV、印加電流30mA、スキャンステップ0.04度、スキャン速度1.4度/分、走査範囲30度から90度とした。
各成膜条件で成膜したAlTiN被膜の結晶配向性についてX線回折で分析した。X線回折装置には、リガク製のSmart Lab(スマートラボ)を使用した。X線回折の分析条件については、X線源CuKα線、印加電圧40kV、印加電流30mA、スキャンステップ0.04度、スキャン速度1.4度/分、走査範囲30度から90度とした。
図7は、実施例1から3の成膜条件で成膜したAlTiN被膜のX線回折分析結果を示すグラフである。図7のグラフでは、横軸に回折角(2θ)を取り、グラフの縦軸にX線強度(任意目盛)を取り、グラフの下から順に実施例1、実施例2におけるAlTiN被膜のX線回折パターンを示している。
図8は、実施例3と実施例4の成膜条件で成膜したAlTiN被膜のX線回折分析結果を示すグラフである。図8のグラフでは、横軸に回折角(2θ)を取り、グラフの縦軸にX線強度(任意目盛)を取り、グラフの下から順に実施例3、実施例4の成膜条件で成膜したAlTiN被膜のX線回折パターンを示している。
図7、図8のグラフから明らかなように、いずれの成膜条件においてもAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度よりも大きく、AlTiNの結晶方位がAlTiN(200)面に優先配向していることが認められた。
次に、実施例1から実施例4において、AlTiN(111)面のピーク強度に対するAlTiN(200)面のピーク強度の比を求めた。各成膜条件のAlTiN(200)ピーク強度/AlTiN(111)ピーク強度を以下に示す。
実施例1: 16.0
実施例2: 33.0
実施例3: 47.7
実施例4: 2.9
実施例1: 16.0
実施例2: 33.0
実施例3: 47.7
実施例4: 2.9
AlTiN(200)面への優先配向の度合は、実施例3の成膜条件によるAlTiN被膜が最も大きく、実施例2の成膜条件によるAlTiN被膜、実施例1の成膜条件によるAlTiN被膜、実施例4の成膜条件によるAlTiN被膜の順に優先配向の度合が小さくなった。このX線回折分析結果より、基板に印加されるバイアス電圧を−100V以上で0Vより小さくして、AlTiN被膜を成膜することにより、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きくなり、AlTiNの結晶方位がAlTiN(200)面に優先配向することがわかった。また、基板に印加されるバイアス電圧を−50V以上で0Vより小さくしてAlTiN被膜を成膜することにより、AlTiNの結晶方位におけるAlTiN(200)面への優先配向の度合いを更に強めることができることがわかった。
(耐食性試験)
実施例3と実施例4の成膜条件で成膜したAlTiN被膜の耐食性を評価するため耐食性試験を行った。まず、耐食性試験方法について説明する。AlTiN被膜を被覆した基板を硫酸系粉末(硫酸塩)を入れたルツボに入れてパックし、大気中、加熱温度600℃以上、保持期間1週間(保持時間168時間)以上で加熱した。加熱後、ルツボから基板を取り出し、腐食状況について電子顕微鏡により断面観察を行った。また、腐食の程度については、腐食深さを測定して評価した。
実施例3と実施例4の成膜条件で成膜したAlTiN被膜の耐食性を評価するため耐食性試験を行った。まず、耐食性試験方法について説明する。AlTiN被膜を被覆した基板を硫酸系粉末(硫酸塩)を入れたルツボに入れてパックし、大気中、加熱温度600℃以上、保持期間1週間(保持時間168時間)以上で加熱した。加熱後、ルツボから基板を取り出し、腐食状況について電子顕微鏡により断面観察を行った。また、腐食の程度については、腐食深さを測定して評価した。
図9は、耐食性試験後の断面組織写真であり、図9(a)は、実施例3における耐食性試験後の断面組織写真であり、図9(b)は、実施例4における耐食性試験後の断面組織写真である。耐食性試験の結果、実施例3と実施例4のAlTiN被膜を被覆した基板は、硫酸系物質に対して良好な耐食性を有していた。また、実施例3のAlTiN被膜を被覆した基板では、最大腐食深さが0μmであり(腐食無し)、実施例4のAlTiN被膜を被覆した基板では、最大腐食深さが1.7μmであることから、実施例3のAlTiN被膜を被覆した基板は、実施例4のAlTiN被膜を被覆した基板よりも優れた耐食性を有していた。
この耐食性試験結果から、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度をAlTiN(111)面のピーク強度より大きくして、AlTiNの結晶方位におけるAlTiN(200)面への優先配向の度合を強めることにより、耐食性をより向上できることがわかった。
10 表面被覆部材、12 基体、14 AlTiN被覆層、20 マグネトロンスパッタリング装置、22 真空容器、24 被処理物、26 陽極、28 ターゲット、30 陰極、32 マグネット、34 反応ガス導入口、36 作動ガス導入口、38 ガス排気口、40 パルス電源。
Claims (10)
- 表面被覆部材であって、
金属材料で形成される基体と、
前記基体の表面に物理蒸着法で被覆され、AlTiNで形成されるAlTiN被覆層と、
を備え、
前記AlTiN被覆層は、前記AlTiNの結晶構造が面心立方晶構造であり、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度より大きいことを特徴とする表面被覆部材。 - 請求項1に記載の表面被覆部材であって、
前記AlTiN被覆層は、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度に対して2.9倍以上であることを特徴とする表面被覆部材。 - 請求項2に記載の表面被覆部材であって、
前記AlTiN被覆層は、X線回折によるAlTiN(200)面のピーク強度がAlTiN(111)面のピーク強度に対して48倍以上であることを特徴とする表面被覆部材。 - 請求項1から3のいずれか1つに記載の表面被覆部材であって、
前記AlTiN被覆層は、AlXTi100−XN(ただし、Xは原子%を示す。)における前記Xが55以上60以下であることを特徴とする表面被覆部材。 - 表面被覆部材の製造方法であって、
金属材料で基体を形成する基体形成工程と、
前記基体の表面をAlTiNで被覆して、AlTiN被覆層を形成するAlTiN被覆層形成工程と、
を備え、
前記AlTiN被覆層形成工程は、前記AlTiN被覆層をスパッタリングにより形成し、
前記スパッタリングの条件は、ターゲットがAlTi合金であり、反応ガスがN2ガスであり、前記基体に印加されるバイアス電圧が−100V以上で0Vよりも小さいことを特徴とする表面被覆部材の製造方法。 - 請求項5に記載の表面被覆部材の製造方法であって、
前記スパッタリングの条件は、前記基体に印加されるバイアス電圧を−50V以上で0Vよりも小さいことを特徴とする表面被覆部材の製造方法。 - 請求項5または6に記載の表面被覆部材の製造方法であって、
前記スパッタリングの条件は、ターゲットがAlYTi100−Y(ただし、Yは原子%を示す。)であり、前記Yが50以上60以下であることを特徴とする表面被覆部材の製造方法。 - 請求項5から7のいずれか1つに記載の表面被覆部材の製造方法であって、
前記スパッタリングの条件は、全ガス圧が0.2Pa以上1.0Pa以下であることを特徴とする表面被覆部材の製造方法。 - 請求項5から8のいずれか1つに記載の表面被覆部材の製造方法であって、
前記スパッタリングの条件は、前記基体の表面温度が450℃以上550℃以下であることを特徴とする表面被覆部材の製造方法。 - 表面被覆部材の被覆方法であって、
金属材料で形成される基体の表面をAlTiNで被覆して、AlTiN被覆層を形成するAlTiN被覆層形成工程を備え、
前記AlTiN被覆層形成工程は、前記AlTiN被覆層をスパッタリングにより形成し、
前記スパッタリングの条件は、ターゲットがAlTi合金であり、反応ガスがN2ガスであり、前記基体に印加されるバイアス電圧が−100V以上で0Vよりも小さいことを特徴とする表面被覆部材の被覆方法。
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JP2016141861A (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-08 | 日産自動車株式会社 | 薄膜製造方法および薄膜製造装置 |
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-
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