JPH06945B2 - 複合材料及びその製造方法 - Google Patents
複合材料及びその製造方法Info
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- JPH06945B2 JPH06945B2 JP18360589A JP18360589A JPH06945B2 JP H06945 B2 JPH06945 B2 JP H06945B2 JP 18360589 A JP18360589 A JP 18360589A JP 18360589 A JP18360589 A JP 18360589A JP H06945 B2 JPH06945 B2 JP H06945B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、複合材料及びその製造方法に関し、特に耐食
性の優れた複合材料及びその製造方法に係わる。
性の優れた複合材料及びその製造方法に係わる。
[従来の技術及び課題] Taを始めとするバルブメタル元素を含むアモルファス
合金は、通常の耐食性金属材料では腐蝕が進行する塩酸
又は沸騰濃硝酸のような腐蝕性の激しい環境下でも優れ
た高耐食性を有することが知られている。しかしなが
ら、これらのアモルファス合金は、通常、液体急冷法で
作られているため、その手法から形状的には薄帯、細
線、粉末等に制約されている。このため、種々の形状で
の利用が考えられる耐食材料としては必ずしも満足する
ものではなかった。
合金は、通常の耐食性金属材料では腐蝕が進行する塩酸
又は沸騰濃硝酸のような腐蝕性の激しい環境下でも優れ
た高耐食性を有することが知られている。しかしなが
ら、これらのアモルファス合金は、通常、液体急冷法で
作られているため、その手法から形状的には薄帯、細
線、粉末等に制約されている。このため、種々の形状で
の利用が考えられる耐食材料としては必ずしも満足する
ものではなかった。
このようなことから、最近では各種のスパッタ法により
アモルファス合金層を金属基材表面に形成する技術が検
討されている。しかしながら、代表的なマグネトロンス
パッタ法においても作用真空度に由来する純度不足や基
材との密着性が不充分である等の技術的な問題が残って
いる。
アモルファス合金層を金属基材表面に形成する技術が検
討されている。しかしながら、代表的なマグネトロンス
パッタ法においても作用真空度に由来する純度不足や基
材との密着性が不充分である等の技術的な問題が残って
いる。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたも
ので、金属基材に対して高純度で緻密かつ平滑なアモル
ファス合金層を密着性よく被覆され、かつ形状的な制約
を受けない高耐食性を有する複合材料、並びにかかる複
合材料を簡単に製造し得る方法を提供しようとするもの
である。
ので、金属基材に対して高純度で緻密かつ平滑なアモル
ファス合金層を密着性よく被覆され、かつ形状的な制約
を受けない高耐食性を有する複合材料、並びにかかる複
合材料を簡単に製造し得る方法を提供しようとするもの
である。
[課題を解決するための手段] 本発明の複合材料は、金属基材と、この金属基材表面に
被覆されたTaからなるアモルファス層と、前記基材と
前記アモルファス層の界面に形成され、前記基材の金属
にTaが分散された組成でアモルファス層側ほどTa濃
度を高くして濃度勾配を持たせた緩衝層とからなること
を特徴とする物である。
被覆されたTaからなるアモルファス層と、前記基材と
前記アモルファス層の界面に形成され、前記基材の金属
にTaが分散された組成でアモルファス層側ほどTa濃
度を高くして濃度勾配を持たせた緩衝層とからなること
を特徴とする物である。
上記金属基材は、各種の金属から形成され、例えばステ
ンレスなど鉄系合金、Ni系合金、Co系合金、Ti、
Ti合金等の軽量金属等を挙げることができる。
ンレスなど鉄系合金、Ni系合金、Co系合金、Ti、
Ti合金等の軽量金属等を挙げることができる。
本発明に係わる複合材料は、金属基材表面にTaを蒸着
すると同時にTa又は不活性ガスのイオンを照射するイ
オンビームミキシング法によりTaからなるアモルファ
ス層を形成する方法により製造される。
すると同時にTa又は不活性ガスのイオンを照射するイ
オンビームミキシング法によりTaからなるアモルファ
ス層を形成する方法により製造される。
上記Taの蒸着手段としては、各種の蒸着法を採用し得
るが、特に高真空度での成膜が可能な電子ビームによる
真空蒸着又はターゲットを利用したイオンビームスパッ
タ法が好ましい。
るが、特に高真空度での成膜が可能な電子ビームによる
真空蒸着又はターゲットを利用したイオンビームスパッ
タ法が好ましい。
本発明に係わる複合材料は、前記アモルファス層を金属
基材表面に形成するに先立ち、該基材表面にTaイオン
を照射してイオン注入層を形成することにより製造され
る。
基材表面に形成するに先立ち、該基材表面にTaイオン
を照射してイオン注入層を形成することにより製造され
る。
本発明の別の複合材料は、金属基材と、この金属基材表
面に被覆されたTa、Ti、Zr及びNbから選ばれる
少なくとも1種以上のバルブメタル元素と少なくとも1
種以上の鉄族元素とを含むアモルファス層と、前基基材
と前記アモルファス層の界面に形成され、前記基材の金
属に少なくとも1種以上のバルブメタル元素と少なくと
も1種以上の鉄族元素が分散された組成でアモルファス
層側ほどバルブメタル元素と鉄族元素の濃度を高くして
濃度勾配を持たせた緩衝層とからなることを特徴とする
ものである。
面に被覆されたTa、Ti、Zr及びNbから選ばれる
少なくとも1種以上のバルブメタル元素と少なくとも1
種以上の鉄族元素とを含むアモルファス層と、前基基材
と前記アモルファス層の界面に形成され、前記基材の金
属に少なくとも1種以上のバルブメタル元素と少なくと
も1種以上の鉄族元素が分散された組成でアモルファス
層側ほどバルブメタル元素と鉄族元素の濃度を高くして
濃度勾配を持たせた緩衝層とからなることを特徴とする
ものである。
上記鉄族元素としては、例えばFe、Ni、Co等を挙
げることができる。
げることができる。
上記アモルファス層中のバルブメタルとしてTa単独、
又はTaとTi、Zr、Nbとを併用することが望まし
い。この場合、バルブメタルの含有量を30at%以上にす
ることが望ましい。
又はTaとTi、Zr、Nbとを併用することが望まし
い。この場合、バルブメタルの含有量を30at%以上にす
ることが望ましい。
本発明に係わる別の複合材料は、金属基材の表面に、T
a、Ti、Zr及びNbから選ばれる少なくとも1種以
上のバルブメタル元素と少なくとも1種以上の鉄族元素
との合金を蒸着すると同時に前記バルブメタル元素、鉄
族元素又は不活性ガスのイオンを照射するイオンビーム
ミキシング法によりアモルファス層を形成する方法によ
り製造される。
a、Ti、Zr及びNbから選ばれる少なくとも1種以
上のバルブメタル元素と少なくとも1種以上の鉄族元素
との合金を蒸着すると同時に前記バルブメタル元素、鉄
族元素又は不活性ガスのイオンを照射するイオンビーム
ミキシング法によりアモルファス層を形成する方法によ
り製造される。
上記合金の蒸着手段としては、各種の蒸着法を採用し得
るが、特に高真空度での成膜が可能な電子ビームによる
真空着又はターゲットを利用したイオンビームスパッタ
法が好ましい。
るが、特に高真空度での成膜が可能な電子ビームによる
真空着又はターゲットを利用したイオンビームスパッタ
法が好ましい。
本発明に係わる別の複合材料は、前記アモルファス層を
前記金属基材表面に形成するに先立ち、該基材表面にT
a、Ti、Zr及びNbから選ばれる少なくとも1種以
上のバルブメタル元素及び少なくとも1種以上の鉄族元
素のいずれか一方又は両者のイオンを照射してイオン注
入層を形成することにより製造される。
前記金属基材表面に形成するに先立ち、該基材表面にT
a、Ti、Zr及びNbから選ばれる少なくとも1種以
上のバルブメタル元素及び少なくとも1種以上の鉄族元
素のいずれか一方又は両者のイオンを照射してイオン注
入層を形成することにより製造される。
[作用] 本発明に係わる複合材料によれば、金属基材表面に耐食
性の優れたTaからなるアモルファス層を被覆すること
によって、酸性の過酷な環境下に曝されても安定した超
耐食性を示す。これは、不働体皮膜と呼ばれる腐食に対
する保護作用の優れた均一性に富んだ酸化物皮膜が精製
されることによるものである。また、前記基材と前記ア
モルファス層の界面に基材の金属にTaが分散された組
成でアモルファス層側ほどTa濃度を高くして濃度勾配
を持たせた緩衝層を形成することによつて、基材に対る
アモルファス層の密着性を著しく向上でき、該アモルフ
ァス層の高耐食性を効果的に付与された複合材料を得る
ことができる。
性の優れたTaからなるアモルファス層を被覆すること
によって、酸性の過酷な環境下に曝されても安定した超
耐食性を示す。これは、不働体皮膜と呼ばれる腐食に対
する保護作用の優れた均一性に富んだ酸化物皮膜が精製
されることによるものである。また、前記基材と前記ア
モルファス層の界面に基材の金属にTaが分散された組
成でアモルファス層側ほどTa濃度を高くして濃度勾配
を持たせた緩衝層を形成することによつて、基材に対る
アモルファス層の密着性を著しく向上でき、該アモルフ
ァス層の高耐食性を効果的に付与された複合材料を得る
ことができる。
本発明に係わる複合材料の製造方法によれば、Taを電
子ビームによる真空蒸着法などの蒸着手段により金属基
材表面に成膜することもできるが、Ta蒸着と同時にT
a又は不活性ガスのイオンを照射してイオンビームミキ
シングを行なうことによって、アモルファス層と基材の
界面に基材の金属にTaが分散された組成でアモルファ
ス層側ほどTa濃度を高くして濃度勾配を持たせた緩衝
層を形成できるため、アモルファス層の基材に対する密
着性を向上でき、しかもイオンビームの照射条件は独立
して制御できるため該アモルファス層の緻密化、平滑化
等を達成し易くなる。従って、高純度で緻密かつ平滑な
アモルファス層を基材に対して密着性よく形成でき、形
状的な制約を受けない高耐食性を有する複合材料を製造
できる。
子ビームによる真空蒸着法などの蒸着手段により金属基
材表面に成膜することもできるが、Ta蒸着と同時にT
a又は不活性ガスのイオンを照射してイオンビームミキ
シングを行なうことによって、アモルファス層と基材の
界面に基材の金属にTaが分散された組成でアモルファ
ス層側ほどTa濃度を高くして濃度勾配を持たせた緩衝
層を形成できるため、アモルファス層の基材に対する密
着性を向上でき、しかもイオンビームの照射条件は独立
して制御できるため該アモルファス層の緻密化、平滑化
等を達成し易くなる。従って、高純度で緻密かつ平滑な
アモルファス層を基材に対して密着性よく形成でき、形
状的な制約を受けない高耐食性を有する複合材料を製造
できる。
本発明に係わる複合材料の製造方法において、アモルフ
ァス層の金属基材表面への形状に先立ち、該基材表面に
Taイオンを照射することによって、イオン注入の打ち
込み効果と基材の深さ方向に成分組成が段階的に変化し
た構造を有する密着性の優れたイオン注入層(界面層)
を形成できるため、この後前後イオンミキシングにより
アモルファス層を形成することにより基材に対して一層
密着性が優れ、全体的に耐剥離性の富んだ複合材料を製
造できる。
ァス層の金属基材表面への形状に先立ち、該基材表面に
Taイオンを照射することによって、イオン注入の打ち
込み効果と基材の深さ方向に成分組成が段階的に変化し
た構造を有する密着性の優れたイオン注入層(界面層)
を形成できるため、この後前後イオンミキシングにより
アモルファス層を形成することにより基材に対して一層
密着性が優れ、全体的に耐剥離性の富んだ複合材料を製
造できる。
本発明の別の複合材料によれば、金属基材表面に耐食性
に優れたTa、Ti、Zr及びNbから選ばれる少なく
とも1種以上のバルブメタル元素と少なくとも1種以上
の鉄族元素とを含むアモルファス層を被覆することによ
って、酸性の過酷な環境下に曝されても安定した超耐食
性を示す。これは、不働体皮膜と呼ばれる腐食に体する
保護作用の優れた均一性に富んだ酸化物皮膜が生成され
ることによるものである。また、前記基材と前記アモル
ファス層の界面に前記基材の金属に少なくとも1種以上
のバルブメタル元素と少なくとも1種以上の鉄族元素が
分散された組成でアモルファス層側ほどバルブメタル元
素と鉄族元素の濃度を高くして濃度勾配を持たせた緩衝
層を形成することによって、基材に体するアモルファス
層の密着性を著しく向上でき、該アモルファス層の高耐
食性を効果的に付与された複合材料を得ることができ
る。
に優れたTa、Ti、Zr及びNbから選ばれる少なく
とも1種以上のバルブメタル元素と少なくとも1種以上
の鉄族元素とを含むアモルファス層を被覆することによ
って、酸性の過酷な環境下に曝されても安定した超耐食
性を示す。これは、不働体皮膜と呼ばれる腐食に体する
保護作用の優れた均一性に富んだ酸化物皮膜が生成され
ることによるものである。また、前記基材と前記アモル
ファス層の界面に前記基材の金属に少なくとも1種以上
のバルブメタル元素と少なくとも1種以上の鉄族元素が
分散された組成でアモルファス層側ほどバルブメタル元
素と鉄族元素の濃度を高くして濃度勾配を持たせた緩衝
層を形成することによって、基材に体するアモルファス
層の密着性を著しく向上でき、該アモルファス層の高耐
食性を効果的に付与された複合材料を得ることができ
る。
本発明に係わる別の複合材料の製造方法によれば、金属
基材の表面に、Ta、Ti、Zr及びNbから選ばれる
少なくとも1種以上のバルブメタル元素の少なくとも1
種以上の鉄族元素との合金を電子ビームによる真空蒸着
法などの蒸着手段により成膜することによって、前記合
金からなる高純度のアモルファス層を金属基材表面に形
成できる。また、蒸着と同時に前記バルブメタル元素、
鉄族元素又は不活性ガスのイオンを照射するイオンビー
ムミキシングを行なうことによって、前記アモルファス
層と基材の界面に該基材の金属に対して少なくとも1種
以上のバルブメタル元素と少なくとも1種以上の鉄族元
素が分散された組成でアモルファス層側ほどバルブメタ
ル元素と鉄族元素の濃度を高くして濃度勾配を持たせた
緩衝層を形成できるため、アモルファス層の基材に対す
る密着性を向上でき、しかもイオンビームの照射条件は
独立して制御できるため該アモルファス層の緻密化、平
滑化等を達成し易くなる。更に、バルブメタル元素と鉄
族元素の合金を上記イオンミキシング法で成膜すること
によってバルブメタル元素が80原子%以上含む組成でも
良好なアモルファス相を形成できる。従って、高純度で
緻密かつ平滑なアモルファス層を基材に対して密着性よ
く形成でき、形状的な制約を受けない高耐食性を有する
複合材料を製造できる。
基材の表面に、Ta、Ti、Zr及びNbから選ばれる
少なくとも1種以上のバルブメタル元素の少なくとも1
種以上の鉄族元素との合金を電子ビームによる真空蒸着
法などの蒸着手段により成膜することによって、前記合
金からなる高純度のアモルファス層を金属基材表面に形
成できる。また、蒸着と同時に前記バルブメタル元素、
鉄族元素又は不活性ガスのイオンを照射するイオンビー
ムミキシングを行なうことによって、前記アモルファス
層と基材の界面に該基材の金属に対して少なくとも1種
以上のバルブメタル元素と少なくとも1種以上の鉄族元
素が分散された組成でアモルファス層側ほどバルブメタ
ル元素と鉄族元素の濃度を高くして濃度勾配を持たせた
緩衝層を形成できるため、アモルファス層の基材に対す
る密着性を向上でき、しかもイオンビームの照射条件は
独立して制御できるため該アモルファス層の緻密化、平
滑化等を達成し易くなる。更に、バルブメタル元素と鉄
族元素の合金を上記イオンミキシング法で成膜すること
によってバルブメタル元素が80原子%以上含む組成でも
良好なアモルファス相を形成できる。従って、高純度で
緻密かつ平滑なアモルファス層を基材に対して密着性よ
く形成でき、形状的な制約を受けない高耐食性を有する
複合材料を製造できる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1 まず、基材としての50×50×2mmの寸法のTi板を用意
し、この片面を鏡面研磨し、超音波洗浄を施した後、イ
オン照射と蒸着機能を備えた真空チャンバ内に設置し
た。つづいて、このチャンバ内を5×10-6torrに真空引
きした後、イオン源からArイオンを加速電圧5kVの
条件でTi板の鏡面に5分間照射して表面洗浄化のため
に前処理を施した。次いで、Taをシングルハース方式
の電子ビーム蒸着法で前記Ti板表面に蒸着すると同時
にイオン源からArイオンを引きだし、加速電圧150k
V、イオン電流2.0mAの条件でイオン照射して厚さ3
μmのTaのアモルファス層を形成して複合材料を製造
した。
し、この片面を鏡面研磨し、超音波洗浄を施した後、イ
オン照射と蒸着機能を備えた真空チャンバ内に設置し
た。つづいて、このチャンバ内を5×10-6torrに真空引
きした後、イオン源からArイオンを加速電圧5kVの
条件でTi板の鏡面に5分間照射して表面洗浄化のため
に前処理を施した。次いで、Taをシングルハース方式
の電子ビーム蒸着法で前記Ti板表面に蒸着すると同時
にイオン源からArイオンを引きだし、加速電圧150k
V、イオン電流2.0mAの条件でイオン照射して厚さ3
μmのTaのアモルファス層を形成して複合材料を製造
した。
実施例2 実施例1でのアモルファス層の形成に先立ち、質量分離
型イオン源からTaイオンを引きだし、加速電圧180k
eV、ドーズ量1.0×1017個/cm2、ビーム電流0.2mA
でTi板表面に照射してTaイオン注入層を形成した以
外、同実施例1と同様な方法により複合材料を製造し
た。
型イオン源からTaイオンを引きだし、加速電圧180k
eV、ドーズ量1.0×1017個/cm2、ビーム電流0.2mA
でTi板表面に照射してTaイオン注入層を形成した以
外、同実施例1と同様な方法により複合材料を製造し
た。
比較例1 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したTi板
を市販のマグネトロンスパッタ装置により厚さ3μmの
Taの結晶性の被覆層を形成して複合材料を製造した。
を市販のマグネトロンスパッタ装置により厚さ3μmの
Taの結晶性の被覆層を形成して複合材料を製造した。
しかして、本実施例1、2及び比較例1の複合材料につ
いて断面組織をSEMで観察した。その結果、本実施例
1、2はいずれもアモルファス層の組織が緻密で均一な
相を有し、Ti板との界面にも何等の欠陥も認められな
かった。これに対し、比較例1の複合材料では被覆層の
組織に不均一な相が一部認められ、またTiとの界面に
ポアー発生が認められ、良質な被覆層とは評価し得なか
った。
いて断面組織をSEMで観察した。その結果、本実施例
1、2はいずれもアモルファス層の組織が緻密で均一な
相を有し、Ti板との界面にも何等の欠陥も認められな
かった。これに対し、比較例1の複合材料では被覆層の
組織に不均一な相が一部認められ、またTiとの界面に
ポアー発生が認められ、良質な被覆層とは評価し得なか
った。
また、本実施例1、2の複合材料を沸騰した7.5規定
の硝酸水溶液中に浸漬して腐食状況を評価した。その結
果、アモルファス層及びTi板との界面での腐食進行は
認められなかった。
の硝酸水溶液中に浸漬して腐食状況を評価した。その結
果、アモルファス層及びTi板との界面での腐食進行は
認められなかった。
更に、上記各実施例1、2において基材としてTi板の
代わりにTi-6Al−4VのTi合金板、オーステナイト
ステンレス板を用いて複合材料を製造したところ、同様
な優れた特性を有することが確認された。
代わりにTi-6Al−4VのTi合金板、オーステナイト
ステンレス板を用いて複合材料を製造したところ、同様
な優れた特性を有することが確認された。
実施例3 まず、実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施した
基材にNi及びNbをダブルハース方式の電子ビーム蒸
着法で前記Ti板表面に蒸着すると同時にイオン源から
Arイオンを引きだし、加速電圧150kV、イオン電流
2.0mAの条件でイオン照射して厚さ3μmのNi−40a
t%Nbのアモルファス層を形成して複合材料を製造し
た。
基材にNi及びNbをダブルハース方式の電子ビーム蒸
着法で前記Ti板表面に蒸着すると同時にイオン源から
Arイオンを引きだし、加速電圧150kV、イオン電流
2.0mAの条件でイオン照射して厚さ3μmのNi−40a
t%Nbのアモルファス層を形成して複合材料を製造し
た。
実施例4 実施例3でのアモルファス層の形成に先立ち、質量分離
型イオン源からNiイオンを引きだし、加速電圧180k
eV、ドーズ量1.0×1017個/cm2、ビーム電流0.2mA
でTi板表面に照射してNiイオン注入層を形成した以
外、同実施例3と同様な方法により複合材料を製造し
た。
型イオン源からNiイオンを引きだし、加速電圧180k
eV、ドーズ量1.0×1017個/cm2、ビーム電流0.2mA
でTi板表面に照射してNiイオン注入層を形成した以
外、同実施例3と同様な方法により複合材料を製造し
た。
比較例2、3 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したTi板
を市販のマグネトロンスパッタ装置により厚さ3μmの
Ni−40at%Nb、又は同厚さのNi−30at%Taのア
モルファス層を形成して複合材料を製造した。
を市販のマグネトロンスパッタ装置により厚さ3μmの
Ni−40at%Nb、又は同厚さのNi−30at%Taのア
モルファス層を形成して複合材料を製造した。
しかして、本実施例3、4及び比較例2、3の複合材料
について断面組織をSEMで観察した。その結果、本実
施例3、4はいずれもアモルファス層の組織が緻密で均
一な相を有し、Ti板との界面にも何等の欠陥も認めら
れなかった。これに対し、比較例2、3の複合材料では
アモルファス層の組織に不均一な相が一部認められ、ま
たTiとの界面にポアー発生が認められ、良質なアモル
ファス層とは評価し得なかった。
について断面組織をSEMで観察した。その結果、本実
施例3、4はいずれもアモルファス層の組織が緻密で均
一な相を有し、Ti板との界面にも何等の欠陥も認めら
れなかった。これに対し、比較例2、3の複合材料では
アモルファス層の組織に不均一な相が一部認められ、ま
たTiとの界面にポアー発生が認められ、良質なアモル
ファス層とは評価し得なかった。
実施例5〜7 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したTi板
の表面にNi−40at%Nb、Ni−30at%Ta、Ni−
20at%Nb−10at%Taの組成のターゲットを夫々用い
て加速電圧3keV、イオン電流1.5AのArイオンで
イオンビームスパッタ蒸着を行なうと同時に別のイオン
源からArイオンを引きだし、加速電圧150keV、イ
オン電流2.0mAの条件でイオン照射して厚さ3μm
で前記ターゲットとほぼ同組成のアモルファス層を形成
し、3種の複合材料を製造した。
の表面にNi−40at%Nb、Ni−30at%Ta、Ni−
20at%Nb−10at%Taの組成のターゲットを夫々用い
て加速電圧3keV、イオン電流1.5AのArイオンで
イオンビームスパッタ蒸着を行なうと同時に別のイオン
源からArイオンを引きだし、加速電圧150keV、イ
オン電流2.0mAの条件でイオン照射して厚さ3μm
で前記ターゲットとほぼ同組成のアモルファス層を形成
し、3種の複合材料を製造した。
比較例4 アルゴンアーク溶解法によりNi−30at%Taの組成の
溶融合金を製造した。この合金をX線回折を行ったとこ
ろ、結晶質であることが確認された。
溶融合金を製造した。この合金をX線回折を行ったとこ
ろ、結晶質であることが確認された。
しかして、本実施例5〜7の複合材料及び比較例4の板
材を沸騰した7.5規定の硝酸溶液中に浸漬して腐蝕速
度を測定した。その結果を下記第1表に示した。
材を沸騰した7.5規定の硝酸溶液中に浸漬して腐蝕速
度を測定した。その結果を下記第1表に示した。
実施例8〜19 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理に施したTi板
の表面に下記第2表に示す条件で厚さ3′μmのアモル
ファス層を形成し、12種の複合材料を製造した。
の表面に下記第2表に示す条件で厚さ3′μmのアモル
ファス層を形成し、12種の複合材料を製造した。
しかして、本実施例8〜19の複合材料を90゜の曲げ加工
を施した後、室温で1規定の塩酸溶液に浸漬して腐蝕に
よる外観変化等を評価した。その結果を同第2表に併記
した。また、第2表中には前述した比較例2〜4の腐蝕
試験結果を併記した。
を施した後、室温で1規定の塩酸溶液に浸漬して腐蝕に
よる外観変化等を評価した。その結果を同第2表に併記
した。また、第2表中には前述した比較例2〜4の腐蝕
試験結果を併記した。
実施例20〜34 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したTi板
の表面に下記第3表に示す条件で厚さ3μmのアモルフ
ァス層を形成し、15種の複合材料を製造した。
の表面に下記第3表に示す条件で厚さ3μmのアモルフ
ァス層を形成し、15種の複合材料を製造した。
比較例5 実施例1と同様な研磨、表面清浄化処理を施したTi板
を市販のマグネトロンスパッタ装置により厚さ3μmの
Ta−15at%Niの合金層を形成して複合材料を製造し
た。この合金層をX線及び電子線回折を行ったところ、
合金微結晶とアモルファス相との混合相であることが確
認された。
を市販のマグネトロンスパッタ装置により厚さ3μmの
Ta−15at%Niの合金層を形成して複合材料を製造し
た。この合金層をX線及び電子線回折を行ったところ、
合金微結晶とアモルファス相との混合相であることが確
認された。
比較例6 アルゴンアーク溶解法により調整したTa−15at%Ni
の組成の溶融合金をアルゴン雰囲気中で単ロール法を用
いて急冷凝固させて厚さ0.05mmの合金薄板を製造し
た。この合金薄板をX線回折を行ったところ、結晶質で
あることが確認された。
の組成の溶融合金をアルゴン雰囲気中で単ロール法を用
いて急冷凝固させて厚さ0.05mmの合金薄板を製造し
た。この合金薄板をX線回折を行ったところ、結晶質で
あることが確認された。
しかして、本実施例20〜34の複合材料及び比較例5、6
の複合材料、合金薄板を沸騰した7.5規定の硝酸溶液中
に浸漬して腐蝕速度を測定した。その結果を下記第3表
に併記した。
の複合材料、合金薄板を沸騰した7.5規定の硝酸溶液中
に浸漬して腐蝕速度を測定した。その結果を下記第3表
に併記した。
[発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば金属基材に対して高
純度で緻密かつ平滑なアモルファス合金層を密着性よく
被覆され、かつ形状的な制約を受けない高耐食性を有す
る複合材料、並びにかかる複合材料を簡単に製造し得る
方法を提供できる。
純度で緻密かつ平滑なアモルファス合金層を密着性よく
被覆され、かつ形状的な制約を受けない高耐食性を有す
る複合材料、並びにかかる複合材料を簡単に製造し得る
方法を提供できる。
Claims (6)
- 【請求項1】金属基材と、この金属基材表面に被覆され
たTaからなるアモルファス層と、前記基材と前記アモ
ルファス層の界面に形成され、前記基材の金属にTaが
分散された組成でアモルファス層側ほどTa濃度を高く
して濃度勾配を持たせた緩衝層とからなることを特徴と
する複合材料。 - 【請求項2】金属基材表面にTaを蒸着すると同時にT
a又は不活性ガスのイオンを照射するイオンビームミキ
シング法によりTaからなるアモルファス層を形成する
ことを特徴とする複合材料の製造方法。 - 【請求項3】前記アモルファス層を前記金属基材表面に
形成するに先立ち、該基材表面にTaイオンを照射して
イオン注入層を形成することを特徴とする請求項2記載
の複合材料の製造方法。 - 【請求項4】金属基材と、この金属基材表面に被覆され
たTa、Ti、Zr及びNbから選ばれる少なくとも1
種のバルブメタル元素と1種以上の鉄族元素とを含むア
モルファス層と、前記基材と前記アモルファス層の界面
に形成され、前記基材の金属に少なくとも1種以上のバ
ルブメタル元素と少なくとも1種以上の鉄族元素が分散
された組成でアモルファス層側ほどバルブメタル元素と
鉄族元素の濃度を高くして濃度勾配を持たせた緩衝層と
からなることを特徴とする複合材料。 - 【請求項5】金属基材の表面に、Ta、Ti、Zr及び
Nbから選ばれる少なくとも1種以上のバルブメタル元
素と少なくとも1種以上の鉄族元素との合金を蒸着する
と同時に前記バルブメタル元素、鉄族元素又は不活性ガ
スのイオンを照射するイオンビームミキシング法により
アモルファス層を形成することを特徴とする複合材料の
製造方法。 - 【請求項6】前記アモルファス層を前記金属基材表面に
形成するに先立ち、該基材表面にTa、Ti、Zr及び
Nbから選ばれる少なくとも1種以上のバルブメタル元
素及び少なくとも1種以上の鉄族元素のいずれか一方又
は両者のイオンを照射してイオン注入層を形成すること
を特徴とする請求項5記載の複合材料の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23687888 | 1988-09-21 | ||
JP63-236878 | 1988-09-21 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02170966A JPH02170966A (ja) | 1990-07-02 |
JPH06945B2 true JPH06945B2 (ja) | 1994-01-05 |
Family
ID=17007130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18360589A Expired - Lifetime JPH06945B2 (ja) | 1988-09-21 | 1989-07-18 | 複合材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06945B2 (ja) |
-
1989
- 1989-07-18 JP JP18360589A patent/JPH06945B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02170966A (ja) | 1990-07-02 |
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