JPH0216984B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、携帯用の電子体温計に関するもので
ある。

〔従来技術〕

最近、体温計の市場において、検温結果をデジ
タル表示する電子体温計が水銀体温計の間に散見
される。しかし、この種の電子体温計は複雑な構
造なので、水銀体温計に比べて寸法が極めて大き
く、かつ価格が高い。

すなわち、従来の電子体温計は、本体ケースが
２つに分割され、両者が、製品を小さくするため
に使用する微細ねじによつて組合わされた構造な
ので、組立性が悪い。また、電源スイツチはスラ
イドスイツチを採用しているので、板ばねとかス
プリング等の機械部品が多く構造が複雑で組立性
が悪く、かつ占めるスペースも大きい。これら２
つの理由が製品を大型化し、製造コストを高めて
いる。

〔発明の目的〕

本発明は、上記のような従来技術の不具合に鑑
みてなされたもので、その目的は、組立性が良く
小型で安価な電子体温計を提供することにある。

〔発明の概要〕

上記目的を達成するために、本発明は、本体ケ
ースの組立にねじを使用しないで、構造の簡単な
電源スイツチと、電池ケースを効果的に組合わせ
たもので、その構成上の特徴は、電源スイツチを
測温回路部の回路基板の表面に設けた押しボタン
スイツチとし、電池ケースが本体ケースの後端に
着脱自在に設けられ、かつ該電池ケースに設けた
舌部が回路基板の裏面に位置している。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて説
明する。第１図は本発明の一実施例の電子体温計
の外観正面図、第２図は第１図の電子体温計の正
面断面図、第３図は第１図の電子体温計の平面断
面図である。

第１図において、２はプラスチツク製の長手状
の本体ケース、１は本体ケース２の前端に設けら
れ、サーミスタとこれを保護するアルミ製キヤツ
プから成る感温部、６は体温測定値を液晶を用い
て表示する表示器、９は検温開始時操作する電源
スイツチである。なお、本体ケース２の感温部１
を装着する先端部は、外径約４〜５mmの中空軸状
を成す。また、該本体ケース２の表面は、表示器
６、電源スイツチ９を設けるための開口部を持
ち、裏面は、後で述べるように、本体ケース２の
内部に設けた回路調整用の開口部と、後端に電池
ケース用の開口部を持つ。（９ｃは後述する。） 第２図、第３図において、３は厚さ0.6mmの弾
性を持つガラス布基材エポキシ樹脂板である回路
基板、８ａ〜８ｆは回路基板３の裏面に半田付け
された外付回路部品で、８ｆは回路の調整用トリ
マ、５は感温部１の温度を間けつ的にサンプリン
グして表示器６に表示させる温度測定用のICで
ある（第３図）。このIC５は、チツプを直接回路
基板３にワイヤ・ボンデイングして、シール処理
したもので、その内部は低消費電力のＣ−MOS
プロセスで作つてある。なお、IC５の駆動電圧
は1.5Vであり、電源スイツチ９の操作により発
生するスイツチ信号によつて検温モードとなり、
所定条件にしたがつて検温モードを保持した後、
表示器６を消して測定待機状態となるが、そのシ
ーケンスは本発明と直接関係がないので省略す
る。上記各部品、すなわち、回路基板３、外付回
路部品８ａ〜８ｆ、IC５により測温回路部１９
が構成される。

４は、本体ケース２の前方の内壁に設けられ、
回路基板３を挟持するための溝を形成するリブで
ある。なお、リブ４は、回路基板３の全長にわた
り保持するわけではなく、図示のようにＡ点まで
設けてあり回路基板３の前方のほぼ半分を保持す
る。また、回路基板３が装着される本体ケース２
の内径寸法Ｗは、回路基板３の全長にわたり一定
ではなく、前方から後端に近づく程大となつてい
る。これは、該本体ケース２をプラスチツクで成
形加工するとき、型を抜くために型抜き用の勾配
をつけるからである。したがつて、取付けられた
回路基板３の前方は、それを保持するリブ４によ
つてその面と垂直方向の移動を規制されるが、そ
の後方は、本体ケース２の内径Ｗが回路基板３の
幅より大きいため、力を加えれば該回路基板３の
弾性限度範囲内でその面と垂直方向に変位させる
ことができる。

本発明の電源スイツチ９は、押しボタンスイツ
チであり、本実施例においては、図示のように絶
縁ゴム９ａと導電ゴム９ｂから成るものであり、
回路基板３に固着してある。これは、本実施例の
ものに限定されることはなく、押すことにより信
号を送出する押しボタンスイツチであればよい。
なお、該電源スイツチ９の押下面は、本体ケース
２の表面とほぼ同一であり、該押下面の方が若干
外へ出ているものである。また、９ｃ（第１図）
は電源スイツチ９のために本体ケース２に設けた
開口部外周の開口傾斜面である。

７は表示器６を回路基板３に固定する表示器ホ
ルダである。

１０は電源用の電池で、例えば酸化銀電池、１
１は本体ケース２の後端に着脱自在に設けた電池
ケース、１１ａは電池ケース１１の端部に一体に
設けた、本体ケース２に挿入される舌部、１２は
電池ケース１１の下に設けた、電池１０のマイナ
ス極に対応する端子、１４は回路基板３に取付け
た、電池１０のプラス極に対応する端子で、これ
ら各部品により電源部２０が構成される。

なお、舌部１１ａの長さＢは、本体ケース２の
リブ４に挟持された回路基板３の弾性変形してな
い場合の裏面とそれに対向する本体ケース２の内
壁との距離に等しい。これにより、電源スイツチ
９を矢印Ｃ方向へ押し込んだとき、その押圧力を
回路基板３の変形を生じることなく当該舌部１１
ａ自身で受けるようになつている。

１２ａ（第３図）は端子１２の舌部１１ａ近傍
に該端子１２に一体に設けた凸部で、舌部１１ａ
よりも若干突き出ている。１３は回路基板３の後
端に設けた、凸部１２ａと係合する穴である。

第３図において、１５は測温回路部１９の各部
を調整するために本体ケース１２の裏側すなわち
表示器６と反対側に設けた開口部を被う裏蓋、１
６は裏蓋１５の両端に一体に設けた係止爪で、本
体ケース２に対して挿入され係合する。１７は裏
蓋１５の内側に一体に設けた回路基板３の位置決
め用ボス、１８はボス１７と係合する、回路基板
３に設けた穴である。

次に、以上のように構成された本実施例の電子
体温計の組立順序を説明する。

まず、サーミスタをアルミキヤツプの中に入れ
てシリコン係接着剤で固着して作つた感温度１の
リード線を本体ケース２の先端部の中空軸に挿入
し、感温部１と本体ケース２を接着して固定す
る。次に、IC５がワイヤ・ボンデイングされた
回路基板３の裏面に外付回路部品８ａ〜８ｆと、
プラス極用の端子１４を半田付けした後、該回路
基板３の表面に液晶表示器６を表示器ホルダ７に
介して取付け、さらに電源スイツチ９を接着す
る。以上の部品実装剤み回路基板３を、本体ケー
ス２の後端の電池ケース１１の開口部から該本体
ケース２内へ挿入する。なお、このとき、前述の
ように回路基板３はその前方のみがリブ４により
保持されるので、該回路基板上に電源スイツチ９
が突き出て固着されていても、該電源スイツチ９
の凸部が本体ケース２の該当開口部へ入るまで、
弾性を持つ該回路基板３は押し曲げられて所定の
位置に装着することができる。

次に、本体ケース２の裏蓋５が被う回路調整用
開口部から半田ごてを入れ、感温部１の前記リー
ド線を回路基板３の該当箇所に接続する。

次に、電池ケース１１の下にマイナス極用端子
１２を入れ、前記半田ごてにより電池ケース１１
の一部を熱変形させて端子１２を脱落しないよう
に固定する。

さらに、酸化銀電池１０を入れた電池ケース１
１を本体ケース２の後端の開口部に挿入する。こ
こで、この電池ケース１１に設けた端子１２の凸
部１２ａが回路基板３を上に押し上げた後、該回
路基板３の穴１３に入るため、電池を取り換える
使用者に対して、“パチン”というクリツク感を
与え、電池ケース１１が所定の位置に装着された
ことを確認させることができる。

その後、本体ケース２に装着された感温部１を
調整用恒温水槽に入れ、表示器６の表示値が所定
の温度となるように、本体ケース２の裏面の開口
部から調整用トリマ８ｃを調整する。

次に、製品の測定精度を検定した後、本体ケー
ス２の裏面開口部に裏蓋１５を押し込むと、裏蓋
１５内側の位置決めボス１７が回路基板３の穴１
８に嵌合して位置を決めるとともに、該裏蓋１５
の両端の爪１６が本体ケースに係合し、裏蓋１５
の接着され当該電子体温計の組立が完了する。

次に、本実施例の電子体温計の使用時の動作を
説明する。

すなわち、使用者がこの電子体温計を用いて検
温するときは、まず、本体ケース２の開口傾面９
ｃに指が当たるように電源スイツチ９を押下する
と、回路基板３は押圧された導電ゴム９ｂにより
下方へ力を受けるが、その力は前述のように電池
ケース１１の舌部１１ａにより支えられるので、
回路基板３はその面と垂直方向に変形することな
く、したがつて損なわれることがない。

また、この電子体温計を使用することにより、
電池１０が消耗して電圧が低下したために、該電
池１０を交換するときは、電池ケース１１を本体
ケース２から後方へ引き抜いてそこへ新しい電池
１０を装着する。ここで、電池ケース１１を引き
抜くとき、回路基板３は、マイナス極用端子１２
の凸部１２ａと穴１３合の係合により該電池ケー
ス１１とともに後方へ引き出されようとするが、
爪１６により本体ケース２に固定された裏蓋１５
のボス１７が該回路基板３の穴１８に嵌合してい
るためこの回路基板３は移動せず、したがつて感
温部１に接続されたリード線が引張られて断線し
たり、電源スイツチ９が機械的損傷を受けること
が防止される。

〔発明の効果〕

以上の説明で明らかなように、本発明によれ
ば、電源スイツチが回路基板の表面に設けた押し
ボタンスイツチであり、電池ケースが本体ケース
の後端に着脱自在に設けられ、かつ該電池ケース
の舌部を回路基板の裏面に位置させて、回路基
板、電源スイツチおよび電池ケースを効果的に組
み合わせてあるので、ねじを使用しないで組立て
ることができる。したがつて、組立て性の良い、
小型で安価な電子体温計を提供することができる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の電子体温計の外観
正面図、第２図は第１図の電子体温計の正面断面
図、第３図は第１図の電子体温計の平面断面図で
ある。 １……感温部、２……本体ケース、３……回路
基板、４……リブ、６……表示器、９……電源ス
イツチ、１０……電池、１１……電池ケース、１
１ａ……舌部、１２ａ……凸部、１３，１８……
穴、１５……裏蓋、１７……ボス、１９……測温
回路部、２０……電源部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 長手状の本体ケース、その前端に設けた感温
   部、回路基板を含む測温回路部、体温測定値の表
   示器、電池と電池ケースを含む電源部、および電
   源スイツチを具備する電子体温計において、前記
   電源スイツチが前記回路基板の表面に設けた押し
   ボタンスイツチであり、前記電池ケースが前記本
   体ケースの後端に着脱自在に設けられ、かつ前記
   電池ケースに設けた舌部が前記回路基板の裏面に
   位置することを特徴とする電子体温計。 ２ 特許請求の範囲第１項において、前記電源ス
   イツチが前記表示器の後方に位置し、前記舌部が
   前記電源スイツチを押下しても前記回路基板を変
   形させずに支持する長さになつていることを特徴
   とする電子体温計。