JPH02168421A - 磁気記録媒体および磁気記憶装置 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記憶装置

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JPH02168421A
JPH02168421A JP17712589A JP17712589A JPH02168421A JP H02168421 A JPH02168421 A JP H02168421A JP 17712589 A JP17712589 A JP 17712589A JP 17712589 A JP17712589 A JP 17712589A JP H02168421 A JPH02168421 A JP H02168421A
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lubricant
magnetic
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magnetic recording
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Application number
JP17712589A
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English (en)
Inventor
Sakae Ota
太田 栄
Kenzo Masuda
益田 賢三
Hiroyuki Matsumoto
浩之 松本
Nobuya Yamaguchi
伸弥 山口
Takaaki Shirokura
白倉 高明
Fumio Nakano
文雄 中野
Hiroshi Kurosawa
黒沢 宏
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、薄膜磁気ディスク等の磁気記録媒体および磁
気記憶装置に係り、特に、ディスク表面に強く結合した
極めて薄い潤滑膜(潤滑性薄膜)を有する磁気ディスク
等の磁気記録媒体、およびそれを用いた磁気記憶装置に
関する。
[従来の技術] 磁気的に情報信号を記録再生できる磁気記録媒体は、比
較的安価な記憶デバイスとして計算機。
データ処理装置などの外部記憶装置に広く用いられてい
る。特に、ディスク上に磁性媒体膜を形成した磁気ディ
スクと媒体上の情報信号の記録再生を行なう磁気ヘッド
とを組合せた磁気ディスク装置は大容量記憶装置として
汎用されている。この種の装置は、磁気ヘッドと磁気デ
ィスクの間隔(以下「ヘッドスペーシング」と称する)
が0.3μm以下と非常に狭くする必要があり、ヘッド
スペーシングを一定に保つために種々の工夫がなされて
いる。現在最も多く用いられているのは、スライダ状の
構造を有する磁気ヘッドを一定の荷重で磁気ディスク面
に押し付けておき、磁気ディスクを回転して空気流を発
生させることによって一定量のへラドスペーシングとす
る方法(以下これを[コンタクト−スタート−ストップ
<C8S>Jと称する)である、しかし、この方法は、
磁気ディスクに大きな負担がかかる。CC8時に一定時
間ヘッドによって磁気ディスク面は摺動されるため、デ
ィスクに摺動耐性を付与しておかないと、磁性媒体を傷
つけ情報の欠落が発生する。これを防止するために磁気
ディスク表面に潤滑剤を付着させる方法がとられる。
種々の潤滑剤適用が提案されているが、多くの例では、
潤滑油を磁気ディスク表面に塗布する方法が採用されて
いる。しかし、磁気ディスク表面に塗布された潤滑油は
流動性があるため、ディスクの回転により、容易にディ
スク表面を流動し、膜厚の変動が起る。そのため、これ
を防止する工夫が種々提案されている。
例えば、従来、この潤滑剤としてフッ素結合鎖を含む長
鎖状の高分子を用いたものがある。しかし、これらの高
分子材料は、ディスク表面に表面張力で付着しているだ
けであり、その結合力は弱く、ディスクを長時間使用す
るとディスクの高速回転による飛散が起こり、潤滑不足
となったり。
ヘッドとの摺動摩擦により容易に脱離したりする。
そのため、あらかじめの多量の潤滑剤を塗布する方法が
とられるが、その場合には、ディスクが静止した時に、
潤滑剤がディスクとヘッドのすきまに引き寄せられ、ヘ
ッドとディスクが強く粘着し、再起動時に大きな負荷が
かかり、記憶装置とじての機能が作動しなかったり、ヘ
ッドやディスクの破損を引き起こしたりすることになる
これらの問題を解決するために、潤滑剤を磁気ディスク
表面に強く結合させる方法が検討され、いくつかの提案
がなされている1例えば、特開昭62−114122号
公報においては、潤滑剤として末端に官能基(極性基)
を有するものを用いて潤滑膜形成後加熱する等により、
ディスク表面との結合性を促進させる方法が提案されて
いる。
他にも潤滑剤の末端構造を改善してディスク表面に固着
させる方法が提案されている(特開昭60−10368
号公報)。
また、例えば特開昭61−113126号公報に記載の
ように、潤滑剤成分として末端に極性基を有する成分(
成分■)と末端に極性基を持たない成分(成分■)とを
混合した組成物を磁性媒体上に塗布する方法が提案され
ている。これによって成分Iは媒体表面に吸着して植え
付けられ、その上に成分■がそれよりは弱い力で付着す
る潤滑膜構造を作る。こうすることによって、従来成分
■のみで構成した潤滑膜構造に比べると、表面に強く吸
着している成分■が介在する分だけ流動が起りにくいと
されている。
しかし、上記特開昭62−114122号公報および特
開昭60−10368号公報のいずれの場合も、官能基
を有する潤滑剤が接する保護膜の表面については何らの
考慮もされておらず、特に磁性媒体をメツキ、スパッタ
等で成膜し、その上に無定形の炭素保護膜(例えば、グ
ラファイト。
アイカーボン、ダイヤモンドなどの混じったもの)を形
成したような磁気ディスクでは、ディスク表面と潤滑剤
とが化学的に強く結合しているとは言い難かった。
また、上記特開昭61−113126号公報の従来技術
では、成分■の極性基が媒体表面と強く吸着し得る条件
が媒体表面組成に依存するにもかかわらず、媒体表面全
体に亘ってそのような条件を作る工夫がなされていない
為、媒体表面全体に亘って潤滑膜の流動を抑える条件が
十分に成立しているとは考えられない、そのためもあっ
て、十分な摺動耐久性を保証する必要性から1表面に固
定されない成分Hの量を33〜80%と非常に多くして
適用されている。
[発明が解決しようとする課題] 上記特開昭62−114122号、特開昭66−103
68号、特開昭61−113126号の各公報による従
来技術は、官能基を有する潤滑剤が接する表面について
は、何らの考慮も払われておらず特に磁性媒体をメツキ
、スパッタ法等で成膜し、その上に無定形の炭素保護膜
を形成したような磁気ディスクでは、ディスク表面と潤
滑剤が化学的に強く結合しているとは言い難かった。
また、上記各公報による従来技術は、潤滑剤として官能
基(極性基)を有するものを用いる提案がされていると
はいえ、媒体表面に固定される潤滑剤成分を多くしよう
とすることについて考慮されておらず、そのため、相対
的に媒体表面に固定されている潤滑剤成分が少なく、流
動し易い潤滑剤成分の方が多くなっているので、ディス
クが回転すると、その遠心力や磁気ヘッドとの接触によ
り潤滑剤の流動し易い成分が移動し、膜厚変動が生じる
(例えば、遠心力による場合、ディスクの内周から外周
への移動により、潤滑剤の膜厚は内周側で薄く外周側で
厚くなる。)という問題があった。
従って、本発明の第1の目的は、上記従来技術の問題を
解消し、硬質保護膜中に潤滑剤と強い結合を作り得る成
分を含有させることにより、磁気記録媒体表面と潤滑剤
との結合力を強め、かつ、潤滑剤を均一に付着させて薄
膜化し、ヘッドとの粘着が起こらず、かつ、潤滑剤の飛
散やヘッドとの摺動摩擦による欠損が少なく、長期にわ
たる耐摺動強度が保証できる磁気記録媒体および磁気記
憶装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、媒体表面を十分に被覆した状態
となるように潤滑剤を媒体表面に固定し、膜厚変動の主
要因となっている固定されない潤滑剤の量を制限するこ
とによって、ディスクの回転などの外乱による膜厚変化
をなくした磁気記録媒体および磁気記憶装置を提供する
ことにある。
[課題を解決するための手段] 上記第1の目的を達成するため、本発明の磁気記録媒体
は、非磁性保護膜中に、潤滑性薄膜に対する結合力が保
護膜剤よりも強い結合材を含有させるように構成する。
この結合剤は、好ましくは、P + Co * N l
 lCr、Si、Ti、Zrから選ばれた少くとも一種
を含む。
なお、従来と同様に、非磁性保護膜材は、無定形の炭素
で構成され、潤滑性薄膜の潤滑剤は、末端に官能基を有
するものまたは有しないもので構成される。
結合材は、保護膜材の10原子%以下が好適である。
上記第2の目的を達成するため、本発明の磁気記録媒体
は、該媒体の表面に潤滑膜が形成されており、該潤滑膜
を構成する潤滑剤の総量の83%以上が媒体表面に固定
され、固定されない潤滑剤成分は17%以下とされるこ
とを特徴とする。この固定されない潤滑剤成分は、該潤
滑剤用の溶剤による溶解除去操作によって除去される成
分であり、固定された潤滑剤成分は、該溶解除去操作に
よっても除去されない成分である。
[作用] 上記構成に基づく作用を説明する。
これまで提供されている、末端に官能基を有する潤滑剤
は、保護膜中に含有させた結合材によって、磁気ディス
ク表面と強く結合することが可能になる。つまり、潤滑
剤分子の両端の官能基が、保護膜中の(特に保護膜表面
近くの)結合材原子と1つ1つ結合して、保護膜と潤滑
膜との間の結合力が強化されると考えられる。
なお、端末に官能基を有しない潤滑剤に対しても、その
理由は不明であるが、結合力がある程度増加するこが実
験により確かめられた。
一般に、浸漬等で潤滑剤を塗布すると、膜厚が数nm−
数10nmの潤滑剤がディスク表面に塗布されるが、こ
れらは単に表面に物理的に付着しているだけなので、容
易に脱離し易く、そのほとんどは、溶剤で洗い落とすこ
とができる。従って、溶剤で洗浄しても表面に残留して
いる潤滑剤は、化学反応に近い形で表面と強く結合して
いる固定成分と考えることができる。
本発明による磁気ディスクにおいては、潤滑溶液の濃度
を高くして浸漬し、多くの潤滑剤を付けた場合でも、溶
剤での洗浄後残留する潤滑剤量はほぼ一定であり、ヘッ
ドによる摺動にも強いことが確認された。また、ヘッド
への転着や、ディスク上での潤滑剤の移動も起こりにく
いため、ヘッドと強く粘着することも回避できる。
媒体表面に強く結合している固定成分は、70%以上、
より効果的には83%以上とされる。これにより、使用
中の潤滑膜厚の変動が防止され、長寿命化が達成される
[実施例] 以下に1本発明の詳細な説明する。
まず、本発明の実施例の概要を説明する。
上記目的を達成するためには、潤滑膜が形成されるディ
スク表面に、前記潤滑剤と結合し得る結合基が多く存在
しなければならない、一般に磁気ディスク表面は、塗布
型ディスクでは、バインダ材、磁性粉、フィラー(アル
ミナ等の充填粉末)などが混在して存在しており、潤滑
剤との結合性は必ずしも一定しない。また、スパッタ型
のディスクでは、金属磁性膜の防蝕などの目的で、カー
ボン、セラミックスなどの非磁性薄膜が保護膜として付
けられているが、これらも結合性が高い材料とは言えな
い。また、表面全体に一様に潤滑剤との結合性を高めな
ければ、強く結合した状態が局所的になり、潤滑剤の特
性が均一とならない。
表面の結合性を一様にするために本発明等は既にある種
の前処理法を見出している。これは、カーボンなどの非
磁性保護膜を有する金属薄膜磁性媒体に特に有効な手段
として提案されているもので、表面に水酸基(−OH基
)を形成することによって達成される。水酸基の存在は
ESCA (XPE3 :X線電子スペクトメトリ)に
よって確かめられる。
あるいは5表面にCo、Ni、Orなどの遷移金属類あ
るいはそれらの酸化物、水酸化物を含む層を設けること
によっても達成される。これら金属成分の表面濃度は、
オージェ電子分光によって確認できる。
本発明においては、上記第1の目的を達成するために、
保護膜中にできるだけ均一に、潤滑剤との結合に寄与す
る成分(結合材)を含有させる。
その方法としては、保護膜をスパッタ法などで形成する
際に、一定の結合成分(結合材)を含む保護膜ターゲッ
トを用いて成膜する方法が最も簡便である。また、潤滑
剤の結合に直接寄与するのは。
保護膜の極く最表面層のみであるので、磁性体膜表面上
にまず純粋の保護膜成分のみを成膜し、その最終段階に
おいて薄い混合膜層を形成する方法も有効である。一般
に、保護膜層全体に亘って少量成分を含ませると膜の摺
動強度(ヘッドとの間での摺動の際のディスク表面の傷
付きにくさ)が低下するなどの副作用を生ずる場合には
、表面層のみに少量成分を含ませることは特に有用であ
る。
ところで、潤滑剤との結合に寄与する成分の表面濃度は
、潤滑剤の表面占有面積などから決まるが、本発明者等
の実験によれば、はぼ10原子%程度で十分であること
が判った0表面濃度だけを高める方法としては、保護膜
中あるいは保護膜下に存在する成分を、何らかの手段で
表面付近に拡散させる方法もある0例えば導電性の高い
炭素質保護膜ならば、高湿下に所定時間保持することで
表面濃度を高めることが出来る。
つぎに、上記第2の目的を達成するためには、潤滑剤と
して、その化学構造の中に、潤滑に寄与する部分の他に
潤滑剤が塗布される表面と単なる物理吸着とは異なる強
い結合力で結合し得る構造を有することが望ましい0通
常は長鎖のパーフロロポリエーテル構造の末端に、−C
OOH,−NCo、−ORなどの極性基(官能基)がつ
いている構造で、この極性基が表面と化学的に結合して
強い結合を作る例が多い。また、末端に、芳香族環、ペ
テロ環などの疎水性の結合基がついている構造体の例も
強く表面に結合し得るものであって、この場合の結合力
は極性基の場合よりは弱いと考えられるが1本発明に用
いる潤滑剤として実用的には十分な結合強度を有するも
のであった。
本発明の上記第2の目的を一層高度に達成するためには
、ディスク表面に直接結合していない潤滑剤成分を出来
る限り少なくする必要があり、過剰の潤滑剤を除去する
工程を加えるのが有効である。これは、ディスク面上に
堆積した潤滑剤のうち、表面と強く結合している潤滑剤
の上に積層した潤滑剤に、ヘッドとの粘着力を大きくす
る原因となる可能性を有するため、これを除去する目的
でなされるものである。この様な非結合潤滑剤は、必ら
ずしも耐摺動性(摺動強度)に重要な役割を果たしてな
いので、これを除去しても耐摺動性で劣ることはない。
非結合潤滑剤を除去する方法としては、溶剤の入った槽
にディスクを浸漬させてから引き上げる手段や、溶剤の
シャワーをディスクにかける手段等がある。
以上に述べた様な形で磁気媒体表面及び潤滑剤を準備し
、潤滑膜を形成すれば本発明の目的は達成されることに
なるが、工業的規模で本発明の目的を達成するためには
1表面に固着されない潤滑剤成分の存在を許容しなけれ
ばならない。これについて詳細な評価を繰返した結果、
少なくとも存在する潤滑剤のうち、表面に固定されてい
ない潤滑剤の量が媒体表面に形成された潤滑剤の総量の
30%以下、より効果的には17%以下(媒体表面と強
く結合して固定されている成分が、総量の70%以上、
より効果的には83%以上)であれば、本発明の目的に
かなうことが判明し本発明を至った。この量の下限は特
にないが、摺動耐久性の観点からは5%以上存在する方
が好ましい結果が得られる。
以上が本発明の概要である。
次に、本発明中、潤滑剤との結合材を均一に保護膜中に
含有させ形成する最も簡便な方法であるスパッタ法によ
る方法での実施例について、実施例1〜3により説明す
る。
〈実施例1〉 本実施例による実験では、硬質の基板例えばアルミ基板
1(厚さ2nn)上にメツキによるNi −Pの硬質下
地膜2(厚さ約10μ)を形成し、その上にCrの中間
膜(厚さ約300nm)とGo。
Ni、Zrからなる磁性膜4(厚さ約60nm)をスパ
ッタリングで形成し、最後に、結合材6として燐Pを(
硬質保護膜カーボンに対し) 10at%含有した非磁
性硬質保護膜カーボン5(厚さ約45nm)をスパッタ
法にて形成した磁気ディスクを用いた。この磁気ディス
クに第1表に示す潤滑剤7(厚さ約4〜5 n m、分
子量2000前後)を塗布した。
第  1  表 この時の断面構造の模式図を第1図に示す。これらの潤
滑剤は、全て両端に官能基(極性基付き。
何かの衝撃ではなれても、再結合する。)を持つ鎖状の
パーフロロアルキルポリエーテルである。
これらの潤滑剤のトリクロロトリフロロエタン0.2%
溶液中に、磁気ディスクを浸漬させた後、ゆっくり引き
上げることにより、塗布を行なった。
結合材を含有しない保護膜を用いた従来ディスクとの潤
滑剤付着量の比較を第2図に示す、また。
潤滑剤がディスク表面にどの程度強く結合しているかを
見るは、潤滑剤を塗布したディスクをトリクロロトリフ
ロロエタン溶剤で洗い流して、ディスクに潤滑剤が残留
しているかどうかを調べればよい。潤滑剤塗布後に洗い
流しを行なって、そのあとの潤滑剤残留付着量を同じく
第2図に示した。
本実施例による結合材を含有した保護膜のディスクは、
従来のディスクに比べ潤滑剤付着量が約3倍、また、洗
い流しを行なった後の潤滑剤の残留付着量は約3.5倍
になっている。これが本発明の大きな効果であり、結合
成分の存在が潤滑剤とディスク表面との結合力を強くし
ていることの証明である。
また、このようにして得た潤滑膜は、溶剤などでも抽出
されず、長時間フレオン(溶剤)などで洗浄しても、そ
の付着量は変ることがない。本発明者等の検討によれば
、超音波などの手段を併用しても、脱落する潤滑剤量は
10%を越えることがなかった。また、別の検討から、
脱落する潤滑剤量が30%以下、即ち、脱落しない成分
(非磁性保護膜と・強く結合している潤滑剤成分)が7
0%以上であれば、耐摺動性が高く、粘着しない円板と
なり得ることが判った。
次に、保護膜中の結合材(P)の含有量をかえて保護膜
を形成し、潤滑剤を同様に形成し、付着量と耐摺動強度
を調べてみた。結果を第3図に示す。図中、0印は潤滑
剤付着量、Δ印は耐摺動強度を示す、実際のディスクの
結合材の量は、蛍光Xgで測定した。Pの含有量が増加
すると共に潤滑剤の残留付着量も増加する。しかし、5
at%からは、その量は、はぼ一定となる。これは、潤
滑剤は高分子であるため、−っ−っの分子が一定の占有
面積を持ち、各分子で保護膜表面を被覆すれば、それ以
上はこの表面と結合できなくなることによると推察され
る。つまり、潤滑剤の1つ1つの分子(分子量例えば2
000程度)の両末端の官能基が保護膜表面の結合材原
子(P)と結合して、潤滑剤の単分子層を形成すると考
えられる。
また、耐摺動強度(CSS標準測定法による。
すなわち、磁気ディスクに傷が付いて実質的な寿命を終
えるまでの、コンタクト・スタート・ストップ回数を測
定することによる。)については、結合材含有量が15
at%から弱くなりかけている。これは、硬質保護膜中
に結合材成分を多く含むようになって、摺動耐久性が低
くなるためと考えられる。
次に、トリクロロトリフロロエタンで洗い流しを行った
実験ディスクの粘着力を測定し、同一の潤滑剤付着量を
持つ従来ディスクと比較した。ここでの粘着力とは、磁
気ディスク面にヘッドを10gfの荷重で押し付けた時
の静摩擦力のことである。結果を第4図に示す。本実施
例による実験ディスクの粘着力は従来ディスクに比べ小
さく、ヘッドとの粘着が起こりにくいディスク面になっ
ている。これは、ディスク表面に潤滑剤が強く結合して
いる成分が多くなった上に、溶剤での洗い流しでディス
ク面に不完全に付いていた潤滑剤が落されたため1強く
ディスク面と結合している潤滑剤のみが残され、ディス
ク面上で静止しているヘッドに潤滑剤が集まるといった
現象が起りにくくなったためである。
さて、こうして溶剤による洗い流しを行なったディスク
を磁気ディスク装置に組み込んで実験した。装置の概略
を第5図に示す。図中、8は磁気ディスク、9は磁気ヘ
ッド、10はアクチュエータ、11はボイスコイルモー
タである。ヘッド9は、浮上量0.25μmのM n 
−Z nヘッドを用い、5インチディスクを2枚組込ん
だ、。この装置を回転数36QOrpmでランダムシー
ク1200hr、フォローイングを150hr、計13
50時間稼働させた後、ヘッドとディスクを調べた。デ
ィスク損傷度は、すし状のきず等が従来ディスクに比べ
て少なく、ヘッド汚れについても従来ディスクより少な
かった。また、装置稼働前後での潤滑剤付着量は、測定
精度範囲内で全く変化はなかった。
上記実施例では結合剤としてPを用いたが、これに代え
て、Co、Ni、Cr、Sie Ti、Zrを単独にま
たはその2つ以上を組合わせて用いた場合にも同様の効
果(第2図〜第5図)が得られた。
この中で、Cot Nip Zrは、磁性膜4に用いた
材料と同じであり、実験によれば、例えば磁性膜4中の
COが、保護@4内に一部入り込み、又は、保護膜5中
のCoと結合することにより、磁性膜4と保護膜5の間
の結合力が強くなる傾向も認められた。
〈実施例2〉 スパッタ法で結合剤を含有しない保護膜について後処理
を加える実験を行ってみた。その後処理とは、温度24
℃、湿度90−100%RH雰囲気に24〜72hr暴
露する簡便な方法(加湿処理)である、この処理を行な
うことにより、保護膜下のCo、Ni、Zr、P、Cr
、Tiなどが表面に拡散され、実施例1と同等の効果を
示すことが判った。それら結合材が、保護膜表面層に含
有していることは、ESCA分析により容易に測定でき
る。
〈実施例3〉 末端に官能基を持たない潤滑剤についての実験を行なっ
た。塗布した潤滑剤は全て鎖状のパーフロロポリエーテ
ルで、第2表に示す。
従来の薄膜ディスクには、これらの潤滑剤は非常に付着
しにくいか、付着しても溶剤によって簡単に洗い流され
てしまっていた。実験には、実施例1,2で形成された
潤滑剤塗布前のスパッタディスクを用い、第2表の潤滑
剤を塗布した。その結果、潤滑剤付着量は従来ディスク
に比べて増加し、またトリクロロトリフロロエタンで洗
い流した後の潤滑剤残留付着量も向上した。このため耐
摺動強度試験(コンタクト・スタート・ストップ)にお
いても、従来ディスクに比べ良好な結果を得た。
上記実施例は、保護膜を、スパッタリングで形成したが
、これを蒸着法により形成することもできる。
〈実施例4〉 本実施例は、潤滑膜を構成する化合物の80%以上が媒
体の表面に固定された磁気記録媒体に関する実施例で、
媒体表面に固定されていない潤滑材に対する、媒体表面
に固定されている潤滑剤の量の比率を色々変えて、その
特性を調べたものである。
第6図は、本実施例による磁気記録ディスク媒体の概念
図およびその片面の部分断面を拡大して示したものであ
る。同図で、8は磁気ディスク、lはアルミ基板、2は
硬質下地膜、4は磁性膜、5は硬質保護膜、7はディス
ク8の最表面の潤滑膜である。また、6は結合材で、実
施例のようにして作られたもの(硬質保護膜5に対し1
Oat%のP)から成っている。
潤滑膜7は、読み書き用磁気ヘッドとの接触摺動による
損傷を防止する役割を有し、その厚さはlnmないし2
0nmの範囲にあり、第6図では、本発明にいう媒体表
面に固定されている成分と固定されていない成分とが区
別しないで示されている0本発明では、潤滑剤を溶解し
得る溶剤1例えばトリクロロトリフロロエタン(潤滑剤
に対する溶剤の中では非常に溶解性の高いもの)に磁気
ディスクを浸漬することにより除去し得る潤滑剤成分を
固定されていない潤滑剤成分として、除去し得ない成分
(すなわち固定されている潤滑剤成分)と区別している
。磁気ディスクを溶剤処理する際、溶剤の種類や、超音
波を使用するなどによって若干除去される量が異なる場
合もあるが、多くの場合に、除去される量はほぼ一定の
値となる。
本実施例では、5.5インチ程のアルミ基板1上に硬質
下地膜2としてN、Pメツキ膜を形成し、その上にCo
合金系の磁性膜4を作り、更にその上に硬質保護膜5と
してカーボン膜を形成した。
この状態で、カーボン表面を活性化するため、ra素雰
囲気中でプラズマ処理するなどの前処理を実施する0次
にこれに、パーフロロアルキルポリエーテル系潤滑剤(
モンテフロース社製ホンプリンZDOL (登録商標名
FOM肛INZDOL■)を塗布し潤滑膜を形成し磁気
ディスク8とした。潤滑膜の付着量を調整する手段とし
て、潤滑剤の濃度を変えた溶液(溶剤ニトリクロロトリ
フロロエタン)を作り浸漬法により形成した。同一条件
で処理した磁気ディスクについて、それぞれ膜厚dOを
測定する。これはIRスペクトルから求められる。次に
、そのうちの半分の磁気ディスクを連続で高速回転でき
る試験装置に組込み、50℃の恒湿槽中で500Orp
mで回転させた。500時間回転後装置から取り出し再
び膜厚drを測定する。回転によって減少する潤滑剤量
の減少率Drを下式により算出する。
次に、残り半分の磁気ディスクについては、純粋なトリ
クロロトリフロロエタン浴に超音波をかけながら3分間
浸漬し、引き上げて乾燥した後膜厚dsを測定する。こ
のときに残存する潤滑剤が表面に固定されている成分で
あり、下式によって、表面に固定されている成分に対す
る表面に固定されていない成分の比率Rfが求められる
s また、表面に形成された全潤滑剤に対する表面に固定さ
れている成分の比率Rmは。
により求められる。あるいはまた、全潤滑剤に対する表
面に固定されていない成分の比率Rf’は、=100−
Rm により求められる。
結果を第3表に示す。
第  3  表 この結果から明らかなように1表面に固定されていない
成分すなわち溶剤で容易に除去し得る成分の量(固定成
分に対する比率Rf)がほぼ20%を越えると(′f4
滑剤全体に対する比率Rf’ =100−Rmが17%
を越えると、すなわち、全体に対する固定成分の比率が
83%よりも低下すると、)急激に回転による膜変動(
回転減少率Dr)が増大する。この現象は、媒体表面と
これに固定された潤滑剤成分との相互作用によって保持
し得る潤滑剤量と物理的な限界が存在することを示した
ものと考えられ、今回はじめて確認された現象である。
本実施例で、非固定成分の潤滑剤の除去にその塗布時の
溶剤と同じもの(トリクロトリフロロエタン)が使われ
るのに、固定成分が溶解除去されない理由は、この固定
成分が媒体表面(硬質保護膜5)と(単なる物理的結合
にとどまらず)主に化学的に結合しているためと考えら
れる。
第3表の実施例Eと同様にして作成した磁気ディスクを
第5図の磁気ディスク装置に組み込み。
実施例1と同一条件(浮上量0.25μm、回転数36
0Orpm、ランダムシーク1200hr、フオロイン
グ150hr)でテスト運転した後、ヘッドとディスク
の粘着状態をチ、ニックしたが、全く異常は認められな
かった。また、潤滑膜厚も変化がなかった0本実施例で
は潤滑剤が特定されているが、本発明の目的を更に高度
に達成するために、潤滑剤の種類、組成などを変更する
ことができる。
また1本実施例でも、潤滑剤の適用される相手方の媒体
表面としては、第1〜第3実施例で述べた結合材を含有
する保護膜で痛成することが。
(そのような結合材を有しない場合に比べて)、所要の
比率Rfのものを容易に実現する上で有効である。
また、上記説明では、溶剤により脱離される(除去され
る)潤滑剤成分と、脱離されない(除去されない)潤滑
剤成分とを同一物質としているが、両成分が異なる物質
から成るものでもよい。
[発明の効果] 以上詳しく説明したように、本発明によれば、磁気ディ
スク等の媒体表面を潤滑剤が結合し易い構造とすること
により、塗布した潤滑剤のディスク等の媒体との結合力
を強めることができるので、ヘッドとの粘着を起こしに
くく、かつ潤滑剤の飛散やヘッドとの摩擦による欠損が
少なく、長時間にわたってヘッドとの耐摺動強度が保証
できる高信頼性の磁気ディスク等の媒体及びそれを用い
た磁気記憶装置を提供することができる等、優れた効果
を奏する。
また、媒体表面に直接固定されている潤滑剤成分を全体
の83%以上としたことにより、膜厚変動を防止し、更
に長時間にわたって耐摺動性を向上する効果を奏する。
このことは、記録媒体表面に直接固定されている潤滑剤
成分が十分に存在すれば、若干の非固定成分の存在が許
容されることにつながり、生産過程での膜厚変動許容幅
が拡大されるので、生産性が向上し、コストを低減でき
る等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例による磁気ディスクの断面図、
第2図は本発明の一実施例の実験ディスクと従来の磁気
ディスクとの潤滑剤付着量を比較した図、第3図は結合
材(たとえばP)の含有量と潤滑剤付着量および摺動強
度との相関図、第4図は本発明の一実施例の実験ディス
クと、同じ潤滑剤付着量の従来の磁気ディスクとの粘着
力を比較した図、第5図は本発明の一実施例の実験で用
いた磁気ディスク装置の概略図、第6図は本発明の他の
実施例による磁気ディスクの構成図である。 1・・・・・・アルミ基板、2・・・・・・硬質下地膜
、3・・・・・・中間膜、4・・・・・・磁性膜、5・
・・・・・硬質保護膜、6・・・・・・結合材、7・・
・・・・潤滑膜、8・・・・・・磁気ディスク、9・・
・・・・磁気ヘッド、10・・・・・・アクチュエータ
、11・・・・・・ボイスコイルモータ。 第1図 第2図 客2砒1ンに ツj刈俊1 鷺合着七窄暫 (P) (at%)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、基板上に、磁性薄膜、非磁性保護膜、および潤滑性
    薄膜が順次形成されてなる磁気記録媒体において、前記
    非磁性保護膜中に、前記潤滑性薄膜の潤滑剤に対して保
    護膜材よりも強い結合力を呈する結合材を含有させたこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。 2、前記結合材は、P、Co、Ni、Cr、Si、Ti
    、Zrの少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録媒体。 3、前記保護膜材は無定形の炭素からなることを特徴と
    する請求項1または2記載の磁気記録媒体。 4、前記結合材が前記保護膜材に対し10原子%以下と
    したことを特徴とする請求項1、2または3記載の磁気
    記録媒体。 5、前記非磁性保護膜と強く結合している潤滑剤成分が
    潤滑剤総量の70%以上としたことを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載の磁気記録媒体。 6、表面に潤滑性薄膜が形成された磁気記録媒体におい
    て、該潤滑性薄膜を構成する潤滑剤総量の83%以上が
    磁気記録媒体表面に固定されていることを特徴とする磁
    気記録媒体。 7、前記潤滑性薄膜を構成する潤滑剤成分のうち、潤滑
    剤を溶解し得る溶剤による除去操作によつて除去される
    成分の量が潤滑剤総量の17%以下であることを特徴と
    する請求項6記載の磁気記録媒体。 8、前記潤滑剤は、末端に官能基を有することを特徴と
    する請求項1ないし7のいずれか1項記載の磁気記録媒
    体。 9、基板上に、磁性薄膜、非磁性保護膜、および潤滑性
    薄膜が順次形成されてなる磁気記録媒体において、前記
    磁性保護膜中に、前記潤滑性薄膜の潤滑剤に対して保護
    膜材よりも強い結合力を呈する結合材を含有させると共
    に、前記潤滑性薄膜を構成する潤滑剤総量の83%以上
    が磁気記録媒体表面に固定されていることを特徴とする
    磁気記録媒体。 10、1または複数の磁気ディスク形磁気記録媒体が搭
    載され、前記磁気記録媒体の面に近接して浮上する磁気
    ヘッドにより磁気的に情報の読み書きを行なうように構
    成され、前記磁気記録媒体として請求項1ないし9のい
    ずれかの磁気記録媒体を用いたことを特徴とする磁気記
    憶装置。
JP17712589A 1988-09-19 1989-07-11 磁気記録媒体および磁気記憶装置 Pending JPH02168421A (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6154019A (ja) * 1984-08-25 1986-03-18 Asahi Chem Ind Co Ltd 保護膜を設けた磁気記録媒体

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6154019A (ja) * 1984-08-25 1986-03-18 Asahi Chem Ind Co Ltd 保護膜を設けた磁気記録媒体

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