JPH0216722B2 - - Google Patents

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JPH0216722B2
JPH0216722B2 JP59148624A JP14862484A JPH0216722B2 JP H0216722 B2 JPH0216722 B2 JP H0216722B2 JP 59148624 A JP59148624 A JP 59148624A JP 14862484 A JP14862484 A JP 14862484A JP H0216722 B2 JPH0216722 B2 JP H0216722B2
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JP
Japan
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acid
carboxylic acid
group
carboxylic
polymerizable vinyl
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JP59148624A
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JPS6128505A (ja
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Takeshi Nakahara
Toshio Kawaguchi
Koji Kusumoto
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、歯科用接着剤に関する。詳しくは、
カルボン酸の遷移金属塩、第3級アミン及び芳香
族スルフイン酸の塩とよりなる歯科用接着剤に関
する。 従来、歯科分野等でカルボン酸基および/また
は無水カルボン酸基を有する化合物の存在下に重
合可能なビニル化合物の重合を行なう場合に於て
有機過酸化物及びアミンよりなる二元系触媒を使
用することが知られている。 しかしながら、前記のカルボン酸基および/ま
たは無水カルボン酸基を有する化合物の存在下に
重合可能なビニル化合物を比較的低温で重合させ
る場合、従来公知の有機過酸化物およびアミンよ
りなる二元系触媒では、重合硬化速度が極めて遅
いという欠点があつた。特に、カルボン酸基およ
び/または無性カルボン酸基を有する化合物が重
合体の場合、重合可能なビニル化合物の重合に於
いて上記の欠点が著しかつた。 カルボン酸基および/または無水カルボン酸基
を有する化合物の存在下、重合可能なビニル化合
物を比較的低温で重合させる技術としては、特開
昭58−189213号公報に記載された遷移金属石鹸お
よびアミンからなる二元系触媒あるいは特開昭56
−163106号公報及び特開昭57−75907号公報に記
載された有機過酸化物、アミンおよびスルフイン
酸の塩からなる三元系触媒が公知である。しかし
ながら遷移金属石鹸およびアミンからなる二元系
触媒では酢酸、アクリル酸等の比較的酸解離定数
の高い一塩基酸の存在下に於ける重合可能なビニ
ル化合物の重合にのみ比較的有効であるが、無水
酢酸、無水フタル酸等の無水カルボン酸基を有す
る化合物の存在下に於ける重合可能なビニル化合
物の重合、アジピン酸、フマル酸等の二ないしは
多塩基酸の存在下に於ける重合可能なビニル化合
物の重合、あるいはポリアクリル酸、無水マレイ
ン酸−スチレン共重合体等のカルボン酸基およ
び/または無水カルボン酸基を有する重合体の存
在下に於ける重合可能なビニル化合物の重合を比
較的低温で行なう場合、重合硬化速度が極めて遅
いという欠点がある。また、有機過酸化物、アミ
ンおよびスルフイン酸の塩からなる三元系触媒で
は重合硬化速度は速いが、有機過酸化物を用いる
為、長期間の保存によつて有機過酸化物が分解す
る問題がある。例えば、重合可能なビニル化合物
と有機過酸化物を共存させて長期間保存した場合
には、有機過酸化物の分解により該ビニル化合物
が保存中に重合硬化してしまつたり、保存後にア
ミンおよびスルフイン酸の塩と混合し使用する際
に重合硬化速度が大幅に遅延するという欠点があ
つた。さらに、有機過酸化物は、爆発性を有する
ことからその取扱いに注意を要する等、作業性に
問題があつた。 本発明者らは、上記の如き欠点を改良すべく鋭
意研究を重ねて来た。その結果、重合可能なビニ
ル化合物の重合、特にカルボン酸基および/また
は無水カルボン酸基を有する化合物がどのような
ものであつても、これの存在下に重合可能なビニ
ル化合物を比較的低温で迅速に重合させ、且、長
期的に安定で作業性の良好な新規な触媒を見い出
し本発明を完成させるに至つた。 即ち、本発明は、 (イ) カルボン酸の遷移金属塩 (ロ) 第3級アミン (ハ) 芳香族スルフイン酸の塩 及び (ニ) 重合可能なビニル化合物(但し、1分子中に
少なくとも2個のヒドロキシル基を有するアル
カンポリオールまたはポリオキシアルカンポリ
オールのうちの少なくとも1個のヒドロキシル
基が(メタ)アクリル酸のエステルを形成し、
かつ少なくとも1個のヒドロキシル基が少なく
とも3個のカルボキシル基を有する芳香族ポリ
カルボン酸の1個のカルボキシル基とエステル
を形成した構造を有する(メタ)アクリロイル
オキシル基含有芳香族ポリカルボン酸又はその
酸無水物を除く) よりなり、構成成分(ロ)及び(ハ)が(イ)1重量部に対し
てそれぞれ0.01〜200重量部の範囲で混合され且
つ構成成分(イ)、(ロ)及び(ハ)の合計が(ニ)に対して
0.001〜20重量%の範囲で混合されてなる歯科用
接着剤である。 本発明の歯科用接着剤の一成分であるカルボン
酸遷移金属塩としては従来公知のカルボン酸の遷
移金属塩から何ら制限なく使用し得る。 カルボン酸は一価カルボン酸であつても良く、
またジカルボン酸やトリカルボン酸のような多価
カルボン酸であつても良い。 カルボン酸として、具体的なものを例示する
と、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸、ヘキサン酸、ナフテン酸、2−エチルヘキサ
ン酸、カプリル酸、オクテン酸、ラムリン酸、ス
テアリン酸、ピルビン酸、メトキシ酢酸、アセト
酢酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸、フエニル
酢酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸;グリコ
ール酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸;シユウ
酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、マレイン
酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸;アク
リル酸、メタクリル酢酸等のビニルカルボン酸な
どがあげられる。本発明で使用するカルボン酸遷
移金属塩としては前記カルボン酸の遷移金属塩が
何ら制限なく使用される。例えば、クロム塩、マ
ンガン塩、鉄塩、コバルト塩、ニツケル塩、銅
塩、スズ塩、セリウム塩等を挙げることができ
る。就中、マンガン塩、コバルト塩、銅塩は、カ
ルボン酸基および/または無水カルボン酸基を有
する化合物の存在下での重合可能なビニル化合物
の重合硬化速度が速いため、本発明で好適に使用
される。 次に本発明の歯科用接着剤の他の一成分である
アミンとしては、通常重合開始剤として用いられ
るものであれば特に制限なく使用できる。例えば
アミンとしては、トリエチルアミン、トリブチル
アミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジメチル−P−トルイジン、N,N−ジ
メチル−P−キシリジン、N,N−ジヒドロキシ
エチル−P−トルイジン等の第3級アミンが好適
に使用される。 さらに、本発明の歯科用接着剤の他の一成分で
ある芳香族スルフイン酸の塩としては、公知のも
のが何ら制限なく使用し得るが、芳香族スルフイ
ン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第
3級アミン塩が好適に使用される。本発明に於い
て好適に使用される芳香族スルフイン酸の塩を具
体的に例示すると、ベンゼンスルフイン酸ナトリ
ウム、ベンゼンスルフイン酸カリウム、ベンゼン
スルフイン酸カルシウム、ベンゼンスルフイン酸
N,N−ジメチルアニリン塩、p−トルエンスル
フイン酸ナトリウム、p−トルエンスルフイン酸
カリウム、p−トルエンスルフイン酸カルシウ
ム、p−トルエンスルフイン酸−N,N−ジメチ
ル−p−トルイジン塩等が挙げられる。 以上に説明したカルボン酸遷移金属塩、第3級
アミン及び芳香族スルフイン酸の塩の混合割合
は、重合可能なビニル化合物の種類によつても異
なるが、一般には、カルボン酸遷移金属塩1重量
部に対して、アミン及びスルフイン酸がそれぞれ
0.01〜200重量部の範囲で、好ましくは、0.1〜
100重量部の範囲で用いられる。 本発明の前記触媒成分は、重合可能なビニル化
合物の重合に好適に使用される。特に、カルボン
酸基および/または無水カルボン酸基を有する化
合物の存在下に重合可能なビニル化合物を重合す
る場合に好適である。 さらに、本発明の前記触媒成分、重合可能なビ
ニル化合物及びカルボン酸基および/または無水
カルボン酸基を有する化合物からなる接着用組成
物は、歯科用接着剤として使用することができる
という利点を有する。 本発明の触媒成分を用いて重合し得る重合可能
なビニル化合物としては、従来公知のものが何ら
制限されず用いうる。特に好適に重合し得るもの
を具体的に例示すれば次のとおりである。例え
ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテル等ビニル
エーテル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレン、クロルメチルスチレン、スチルベ
ン等のアルケニルベンゼン類;メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、等のア
クリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル又
はグリシジルエステル類;エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、ブチレングリコール等のジアクリル酸
エステル及びジメタクリル酸エステル類;トリメ
チロールプロパン、トリメチロールエタン等のト
リアクリル酸エステルおよびトリメタクリル酸エ
ステル類;テトラメチロールエタンのトリアクリ
ル酸エステルおよびトリメタクリル酸エステル
類;テトラメチロールエタンのテトラアクリル酸
エステルおよびテトラメタクリル酸エステル類;
ビスフエノール−A−ジメタクリレート、ビスフ
エノールA−ジグリシジルメタクリレート、2,
2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフエニ
ル)プロパン;アクリル酸、メタクリル酸、無水
メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、P−メタクリロキシ安息香酸、N−2
−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル−N
−フエニルグリシン、等が好適に重合される。 また前記の重合可能なビニル化合物は単独で用
いることも二種以上のものを混合して用いること
も可能である。 また、カルボン酸基および/または無水カルボ
ン酸基を有する化合物としては従来より公知のも
のが何ら制限されず用いられる。例えばギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、
カプリル酸、ラウリン酸、ピルビン酸、メトキシ
酢酸、アセト酢酸等の脂肪族カルボン酸;安息香
酸、フエニル酢酸、サリチル酸、トレイル酸、ア
ニル酸、エトキシ安息香酸、アントラニル酸等の
芳香族カルボン酸;グリコール酸、乳酸等のヒド
ロキシカルボン酸;シユウ酸、コハク酸、アジピ
ン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸
等のジカルボン酸;アクリル酸、メタクリル酸、
ビニル酢酸、メタクリロキシ安息香酸、N−2−
ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピル−N−
フエニルグリシン、4−メタクリロキシエチルト
リメリツト酸等のビニルカルボン酸;無水酢酸、
無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水マレイ
ン酸、無水フタル酸、等のカルボン酸無水物;あ
るいはポリアクリル酸、スチレン−無水マレイン
酸共重合体等のカルボン酸基および/または無水
カルボン酸基を有する重合体等が好適に使用され
る。カルボン酸基および/または無水カルボン酸
基を有する重合体の存在下に重合可能なビニル化
合物を重合する場合に本発明の触媒成分は特に好
適である。該重合体は前述のカルボン酸基およ
び/または無水カルボン酸基を有する化合物のう
ち、重合可能なものを単独で重合させたものであ
つても良く、また、既述の共重合可能な他のビニ
ル化合物と共重合させたものであつても良い。ま
た、カルボン酸基および/または無水カルボン酸
基に変換し得る基、例えばカルボン酸エステル基
等を有する重合可能なビニル化合物を単独で又は
共重合可能な他のビニル化合物と共重合させたの
ち、カルボン酸基および/または無水カルボン酸
基に変換した重合体であつても良い。カルボン酸
基および/または無水カルボン酸基を有する重合
体をさらに詳しく例示すると、例えば、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−マレイン
酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−マレイン酸−無水マレイン酸共重
合体、スチレン−マレイン酸−メチルエステル共
重合体ビニルナフタレン−フマル酸共重合体、酢
酸ビニル−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体等である。 カルボン酸基および/または無水カルボン酸基
を有する化合物は、重合可能なビニル化合物に任
意の割合で含まれていても良いが、本発明の歯科
用接着剤を含む重合用組成物の接着性を良好にす
るためには一般に重合可能なビニル化合物に対し
て、0.01〜30wt%好ましくは0.1〜20wt%の範囲
で用いることが好ましい。但し、重合可能なビニ
ル化合物が、カルボン酸基および/または無水カ
ルボン酸基を有するものであるときは、カルボン
酸基および/または無水カルボン酸基を有する化
合物の添加は不要である。 本発明の歯科用接着剤における触媒成分即ちカ
ルボン酸の遷移金属塩、第3級アミン及び芳香族
スルフイン酸の塩はこれらの合計がは、重合可能
なビニル化合物に対して、0.001〜20重量%の範
囲で、さらに好ましくは0.01〜10重量%の範囲で
用いれば十分である。 前記した重合可能なビニル化合物の重合に際
し、重合硬化時の体積収縮等の調節のため、カオ
リン、タルク、シリカ、アルミナ、チタニア、シ
リカ−チタニア、炭酸カルシウム、ガラス繊維、
カーボン繊維等の無機化合物;ポリメチルメタク
リレート、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂等の高分子化合物;スピロオルソエステル類、
ビツクロオルソエステル類等の添加が有効であ
る。また、粘度の調節のため有機溶媒を添加する
こともできる。有機溶媒のうち、アセトン、クロ
ロホルム、エタノール、塩化メチレン等の低沸点
溶媒を用いた場合、溶媒を蒸発させることにより
重合硬化させることができるために好ましい。さ
らに、ハイドロキノン、ブチレイテツドヒドロキ
シトルエン等の重合禁止剤;2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフエノン、2(2′−ヒドロキシ
−5′−メチルフエニル)ベンゾトリアゾール等の
紫外線吸収剤等を添加することができる。 本発明で使用する触媒成分を用いて重合可能な
ビニル化合物を重合するに際しては、カルボン酸
遷移金属塩、第3級アミンおよび芳香族スルフイ
ン酸の塩からなる触媒成分をカルボン酸基およ
び/または無水カルボン酸基を有する化合物を必
要に応じて混合した重合可能なビニル化合物に添
加してもよいし、あらかじめ重合可能なビニル化
合物及び必要に応じて加えられるカルボン酸基お
よび/または無水カルボン酸基を有する化合物を
二ないし三以上の包装に分割保存しておき、重合
直前に混合してもよい。但し、カルボン酸遷移金
属塩と第3級アミンあるいはカルボン酸遷移金属
塩と芳香族スルフイン酸の塩を同一包装内保存し
た場合には触媒の劣化や好ましくない副反応が起
る為、本発明で使用する触媒成分の成分のうち少
なともカルボン酸遷移金属塩と第3級アミンある
いはカルボン酸遷移金属塩と芳香族スルフイン酸
の塩は別々に保存しておき、重合時に両者を混合
することにより重合反応を行なうことが好まし
い。例えば、一方にカルボン酸遷移金属塩とカル
ボン酸基および/または無水カルボン酸基を有す
る化合物を必要に応じて混合した重合可能なビニ
ル化合物を、他方に第3級アミンと芳香族スルフ
イン酸の塩を含む混合物をあらかじめ調製し、使
用直前に両者を混合する等の方法が採用されう
る。このように、少なくともカルボン酸遷移金属
塩と第3級アミンあるいはカルボン酸遷移金属塩
と芳香族スルフイン酸の塩を別々に保存しておく
ことにより必要時に必要量だけ重合させることが
できるという利点がある。重合は、比較的低温、
即ち0℃〜40℃の範囲で行なうことができる。こ
のような低温で重合を行なつた場合であつても重
合硬化時間が数分〜数十分という極めて短い時間
で重合硬化が行なえる。 以上の説明で明らかなように、カルボン酸遷移
金属塩、第3級アミンと芳香族スルフイン酸の塩
触媒成分を用いることにより、カルボン酸およ
び/または無水カルボン酸基を有する化合物の存
在下であつても重合可能なビニル化合物を熱や光
等のエネルギーを必要とすることなく、低温で迅
速の重合硬化させることができる。また、本発明
の触媒成分は長期の保存によつても全く安定で作
業性が良好であるという利点をも有する。さらに
カルボン酸基および/または無水カルボン酸基を
有する化合物の存在下に重合化合なビニル化合物
を重合して得られる重合硬化体は金属、ガラス、
歯芽等に対する接着性にすぐれているため、歯科
用接着剤、金属用接着剤として有用である。 特に、上記の重合硬化体と歯芽とは緊密に接着
し、両方の接着面へのだ液等の液体の侵入が全く
認められないため、本発明の接着用組成物は特に
歯科用接着剤として好適に用いられる。 本発明を更に具体的に説明するためには、以下
実施例を挙げて説明するが本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。 尚、以下の実施例、比較例、参考例では、次の
化合物を下記のとおり略記する。 化合物名 略 称 トリエチレングリコールジメタクリレート
TEGDMA スチレン−マレイン酸共重合体 ST−MA N,N−ジメチル−4−トルイジン DMPT p−トルエンスルフイン酸ナトリウム
PTSA−Na 2−ヒドロキシメタクリレート HEMA ビスフエノールAジグリシジルメタクリレート
Bis−GMA N,N−ジメチルアニリン DMA N,N−ジメチル−3,5−キシリジン DMX ベンゼンスルフイン酸ナトリウム BSA−Na p−トルエンスルフイン酸−N,N−ジメチル−
p−トルイジン塩 PTSA・DMPT メチルメタクリレート MMA テトラメチロールメタントリアクリレート
TMMTA スチレン−無水マレイン酸共重合体 ST−MAn スチレン−マレイン酸メチルエステル共重合体
ST−MAME インブテン−マレイン酸共重合体 IB−MA ベンゾイルパーオキサイド BPO 実施例1〜15、比較例1〜3 表1に示される処方に従つて(a)液、(b)液および
(c)液を調製した。次いで(a)液、(b)液および(c)液を
夫々等量混和皿に採り、窒素ガスを吹きつけなが
ら30秒間混合した。その後、内径3mmのパイレツ
クス製ガラスチユーブに混合物を投入し、23℃の
恒温槽中でその流動性を傾斜法により観察した。
ガラスチユーブ中の混合物が重合硬化する事によ
り流動性を失い、固化する時点を重合硬化時間と
した。重合硬化時間の測定結果は表−1に併記し
た。また比較として夫々カルボン酸遷移金属塩、
アミン、スルフイン酸塩を添加しない場合の重合
硬化時間を同様に測定し結果を表1に併記した。
【表】
【表】
【表】 実施例16〜20、比較例4〜6 表2に示される処方に従つて(a)液および(b)液を
調製した。次いで(a)液、(b)液を夫々等量混和皿に
採り、以下実施例1〜15と同様な方法により重合
硬化時間を測定した。その結果は表3に併記し
た。また比較として夫々カルボン酸遷移金属塩ア
ミン、スルフイン酸塩を添加しない場合の重合硬
化時間を同様に測定し結果を表2に併記した。
【表】
【表】 実施例 21〜24 表−3に示される処方に従つて(a)液および(b)液
を調製し実施例16〜20と同様な方法により重合硬
化時間を測定した。その結果は表3に併記した。
【表】 実施例 25〜31 表4に示される処方に従つて(a)液および(b)液を
調製し実施例16〜20と同様な方法により重合硬化
時間を測定した。その結果は表4に併記した。
【表】 実施例 32〜39 表5に示される処方に従つて(a)液および(b)液を
調製し実施例16〜20と同様な方法により重合硬化
時間を測定した。その結果は表5に併記した。
【表】 実施例40〜45、比較例7、8 実施例16〜21で調製した(a)液を夫々5mlのガラ
ス製サンプル管に投入密栓した後、45℃に保つた
恒温槽中に保存し貯蔵安定性を調べた。保存中サ
ンプル管を随時取り出し、その流動性を観察し
た。サンプル管中の組成物が流動性を失い固化す
るまでの期間を保存安定な期間とした。その結果
は表6に示した。また比較としてカルボン酸遷移
金属塩にかえて有機過酸化物であるBPOを同量
添加混合した場合の保存安定な期間を同様に測定
し、結果を表6に併記した。
【表】
【表】 実施例 46 実施例16〜24、26、30〜31、34〜35、37〜39お
よび比較例4、5、6において処方した(a)液、(b)
液を用いて牛歯象芽質との接着強度を以下の方法
で測定した。 まず以下の処方によりペースト()およびペ
ースト()を調製した。 ()Bis−GWA TEGDMA DMPT シラン処理石英粉末 11.0重量部 10.5 〃 0.5 〃 78.0 〃 (粒径80μm以下) Bis−SMA 11.0重量部 TEGDMA 10.5 〃 BPO 0.5 〃 シラン処理石英粉末 78.0 〃 (粒径80μm以下) 次に新鮮抜去牛歯の唇面表面をエメリーペーパ
ー(#320)で研摩し平滑な象牙質を露出させ窒
素ガスを吹きつけて表面を乾燥した。そして直径
4mmの孔の空いた厚さ2mmの板状ワツクスを乾燥
表面に両面テープにて取り付けた。次に前記(a)液
および(b)液を1:1の割合で混合し、板状ワツク
スでかこまれた象牙質表面に塗布し、窒素ガスを
吹きつけエタノールと余剰の接着材を飛ばした。
その上に前記ペースト()および()を1:
1の割合で混合し充填した。一時間放置後板状ワ
ツクスを取り除き、37℃の水中に一昼夜浸漬した
後引張り強度を測定した。測定には東洋ボールド
ウイン社製テンシロンを用い、引張り速度は10
mm/分とした。 得られた結果を表7に示した。 尚表7のNo.19〜21は比較例である。
【表】
【表】 実施例 47 実施例16、17、18、31、38、および39において
処方した(a)液、(b)液を用いて辺縁封鎖性試験を以
下の方法により行なつた。 まず新鮮抜去牛歯の唇側表面に直後約3mm、深
さ約2mmの窩洞を形成した。次いで窩壁を37%オ
ルトリン酸水溶液で一分間処理し、30秒間水洗し
た後窒素ガスを吹きつけて表面を乾燥した。次に
前記(a)液および(b)液を1:1の割合で混合し窩壁
に塗布し窒素ガスを吹きつけたエタノールと余剰
の接着材を飛ばした後前記ペースト()および
()を1:1の割合で混合し充填した。一時間
放置後、37℃の水中に一昼夜浸漬後、余剰の複合
レジンを除去し、4℃と60℃のフクシン水溶液中
に1分交互に60回づつ浸漬するパーコレーシヨン
テストを行なつた。次いで充填歯を頬側面側から
唇面に直角に研磨しながら、窩壁と充填物の間に
色素(フクシン)の侵入があるかどうかを調べ
た。 実施例16、17、18、31、38および39の接着性組
性物を接着剤として用いた結果いずれの場合も色
素の侵入は認められず辺縁封鎖性は良好であつ
た。 実施例 48 以下の処方で調製したペースト()およびペ
ースト()を用いて各種金属との接着強度を測
定した。 ()HEMA TEGDMA Bis−SMA ST−MA カプリル酸銅 シラン処理石英粉末 12.1重量部 26.6 〃 16.9 〃 4.5 〃 0.4 〃 40.0 〃 (粒径80μm以下) ()HEMA TEGDMA Bis−GMA DMPT PTSA−Na シラン処理石英粉末 13.0重量部 28.7 〃 18.2 〃 0.5 〃 1.0 〃 40.0 〃 (粒径80μm以下) 先ず直径5mmの条種金属製円柱試験片の一方の
円型表面をエメリーペーパー(#320)で研磨し、
この研磨面をメチレンクロライドで洗浄後乾燥さ
せた。次にこの研磨面に上記ペースト()およ
びペースト()を等量ずつ採り練和混合したペ
ースト泥を付着させた後もう一つの試験片の研磨
面をこの付着面に対して突き合わせた。これら2
個の試験片は止め具により固定した。一時間放置
後、試験片を37℃の水中に一昼夜浸漬した後引張
り強度を測定した。測定には東洋ボールドウイン
社製テンシロンを用い、引張り速度は2mm/分と
した。得られた結果を表8に示した。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (イ) カルボン酸の遷移金属塩 (ロ) 第3級アミン (ハ) 芳香族スルフイン酸の塩 及び (ニ) 重合可能なビニル化合物(但し、1分子中に
    少なくとも2個のヒドロキシル基を有するアル
    カンポリオールまたはポリオキシアルカンポリ
    オールのうちの少なくとも1個のヒドロキシル
    基が(メタ)アクリル酸のエステルを形成し、
    かつ少なくとも1個のヒドロキシル基が少なく
    とも3個のカルボキシル基を有する芳香族ポリ
    カルボン酸の1個のカルボキシル基とエステル
    を形成した構造を有する(メタ)アクリロイル
    オキシル基含有芳香族ポリカルボン酸又はその
    酸無水物を除く)よりなり、構成成分(ロ)及び(ハ)
    が(イ)1重量部に対してそれぞれ0.01〜200重量
    部の範囲で混合され且つ構成成分(イ)、(ロ)及び(ハ)
    の合計が(ニ)に対して0.001〜20重量%の範囲で
    混合されてなる歯科用接着剤。 2 重合可能なビニル化合物が0.01〜30重量%の
    不飽和結合を有しないカルボン酸基又は無水カル
    ボン酸基を有する化合物を含有する重合可能なビ
    ニル化合物である特許請求の範囲1記載の歯科用
    接着剤。
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