JPH0216383A - スクロール型流体装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、回転圧縮機などに用いられるスクロール型流
体装置に関し、特に、公転スクロールの軸受構造に係る
ものである。

（従来の技術） 一般に、例えば、スクロール圧縮機において、公転スク
ロールは固定スクロールに対して自転が阻止されて公転
自在に噛合されると共に、該公転スクロールの背面には
クランク軸が該クランク軸の軸心より偏心して連接され
る一方、該クランク軸はライナを介してフレームに嵌合
支持されており、上記クランク軸の回転により公転スク
ロールが固定スクロールに対して自転することなく公転
し、両スクロール間で流体を圧縮するように構成されて
いる。

上記スクロール圧縮機において、公転スクロールと固定
スクロールとのラップ間に液体や異物等が噛込むと、液
圧縮などの圧縮不良を起すことになる。そこで、特開昭
５９−１６２３８３号公報に開示されているように、ク
ランク軸の軸端部に偏心孔を穿設し、該偏心孔に軸受孔
を有する偏ノら・リングを回転自在に嵌入し、該軸受孔
に上記公転スクロールの鏡板背面に突設されたスクロー
ル軸（枢軸）を嵌合している。そして、上記公転スクロ
ールと固定スクロール間に異物が介入すると、上記スク
ロール軸より偏心リングに回転力が作用して該偏心リン
グが回転し、上記公転スクロールのラップが固定スクロ
ールのラップより離れ、圧縮不良を防止するようにして
いる。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上述したスクロール圧縮機の軸受構造に
おいては、クランク軸とスクロール軸との間に偏心リン
グを介設しているため、部品点数が多くなり、高価にな
るという問題があった。その上、上記スクロール圧縮機
においては、両ラップか正確に多点接触するように公転
スクロールを公転させる必要があり、ラップを始め各軸
受部材を高精度に仕上げている。従って、上述の如く偏
心リングか増加すると、該偏心リングや偏心孔等を高精
度に加工しなければならず、高精度な加工工程が増加し
、コストアップになると共に、加工誤差も増加して精度
が低下するという問題があった。

本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、公転スク
ロールのクランク軸に対する負荷方向か常に一定である
点に着目し、該公転スクロールが負荷方向に移動できる
ようにして、部品点数を増加させることなく圧縮不良を
確実に防止できるようにすることを目的とするものであ
る。

（課題を解決するだめの手段） 上記目的を達成するために、本発明か講した手段は、第
１図及び第２図に示すように、各々鏡板（１１）、　　
（１２）の前面にインボリュート曲線状のラップ（１３
）、　　（１４）が立設されて成る固定スクロール（７
）と公転スクロール（８）とが各ラップ（１３）、（１
４）を噛合して並設されると共に、上記公転スクロール
（８）は鏡板（１２）背面にてクランク軸（１０）に枢
軸（１２ａ）と該枢軸（１２ａ）が嵌合する軸受孔（１
０ｂ）とを介して該クランク軸（１０）の軸心より偏心
して支持され、上記公転スクロール（８）が固定スクロ
ール（７）に対して自転することなく公転するようにし
たスクロール型流体装置を前提としている。

そして、上記軸受孔（１０ｂ）が長円形に形成されると
共に、該軸受孔（１０ｂ）の長径（Ｄ１）が上記枢軸（
１２ａ）の外径（Ｄ３）より大きく、短径（Ｄ２）が上
記枢軸（１２ａ）の外径（Ｄ３）に対応して各々形成さ
れ、且つ長径（Ｄ１）の方向が上記公転スクロール（８
）のクランク軸（１０）に対する負荷のほぼ作用線上に
設定された構成としている。

（作用） 上記構成により、本発明では、クランク軸（１０）を回
転すると、公転スクロール（８）がクランク軸（１０）
の軸心より偏心した偏心点を中心に自転することなく公
転し、両ラップ（１３）。

（１４）間の流体、例えば、冷媒ガスを圧縮するように
している。

この動作中において、上記ラップ（１Ｂ）。

（１４）間に異物が噛込んだり、液圧縮が生じると、上
記公転スクロール（８）を支持する軸受孔（１０ｂ）が
負荷ＣＰ）のほぼ作用線上に長円形に形成されているの
で、公転スクロール（８）が負荷（Ｐ）の反作用側に移
動することになる。これにより圧縮不良を防止するよう
にしている。

（発明の効果） 従って、本発明のスクロール型流体装置によれば、軸受
孔（１０ｂ）を長円形にすることにより、圧縮不良等を
確実に防止することができる。更に、従来のように偏心
リング等を設ける必要がないので、部品点数の増加を招
くことがなく、簡素な構造でもって上記圧縮不良等を防
止でき、安価なものとすることができる。更にまた、部
品点数を増加させることがないので、加工精度の低下を
防止することができ、信頼性の向上を図ることができる
。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。

第２図に示すように、（１）はスクロール型流体装置で
あって、冷凍機における圧縮機に用いられ、冷媒ガスを
高圧に圧縮して吐出している。

該スクロール流体装置（１）は、密閉ケース（２）内に
スクロール機構（３）と駆動機構（４）とが収納されて
構成され、該ケース（２）の側部には吸入管（５）が、
上部には吐出管（６）が連設されている。そして、上記
スクロール機構（３）は固定スクロール（７）と公転ス
クロール（８）とより成り、また、上記駆動機構（４）
は電動機（９）とクランク軸（１０）とより構成されて
いる。

上記固定スクロール（７）及び公転スクロール（８）は
鏡板（１１）、　　（１２）の前面にラップ（１３）、
　　（１４）がインボリュート曲線状に立設されて成り
、両スクロール（７）、　　（８）は鏡板（１１）、（
１２）の前面を対面させて上下に並設され、両ラップ（
１Ｂ）、（１４）が噛合されている。そして、上記固定
スクロール（７）は鏡板（１１）の外周縁にフランジ（
１１ａ　）が連設され、該フランジ（１１ａ　）にてケ
ース（２）に固定され、該ケース（２）内が固定スクロ
ール（７）上方の高圧室（２ａ）と下方の低圧室（２ｂ
）とに区画されている。また、上記公転スクロル（８）
の鏡板（１２）の背面中央部にはスクロール軸（１２ａ
）が突設される一方、上記ケース（２）の中央部にはク
ランク軸（１０）の支持フレーム（１５）が固定され、
該支持フレーム（１５）には上下に連通ずる連通口（１
５ａ）が穿設されると共に、上記クランク軸（１０）が
軸受メタル（１６）を介して上下に嵌挿されて該クラン
ク軸（１０）が支持されている。そして、該クランク軸
（１０）は上記支持フレーム（１５）を貫通するクラン
ク主軸（１０ａ）の上端に凹状のスクロール軸受孔（１
０ｂ）を有するボス（１０ｃ）が連接されて成り、該ク
ランク主軸（１０ａ）に電動機（９）が取付けられる一
方、上記スクロール軸受孔（１０ｂ）はその軸受中心（
０１）がクランク主軸（１０ａ）の軸心（０２）より偏
心して設けられ、該スクロール軸受孔（１０ｂ）に前記
公転スクロール（８）のスクロール軸（１２ａ）が嵌合
されている。更に、上記両スクロールスクロール（７）
、　　（８）における鏡板（１１）（１２）の外周面間
にはガイド円形溝を介して複数の球体（１７）が設けら
れ、該球体（１７）により上記公転スクロール（８）は
自転運動を防止しつつスクロール軸受孔（１０ｂ）の偏
心、により固定スクロール（７）に対して公転し、この
スクロール軸受孔（１０ｂ）の中心（０＋）（スクロー
ル軸（１２ａ）の中心）が公転スクロール（８）の可動
支点、クランク主軸（１０ａ）の軸心（０２）が公転中
心となっている。

上記固定スクロール（７）と公転スクロール（８）は両
ラップ（１３）、　　（１，４）か側面にて多点接触（
１８）するように設けられると共に、各ラップ（１Ｂ）
、（１４）の端面が他方の鏡板（１２）、（１１）に接
し、上記接触（１８）間に密閉室（１９）が形成されて
いる。また、上記固定スクロール（７）のフランジ（１
１ａ　）には内面から下面に亘る吸入口（２０）が、鏡
板（１１）の中央部には吐出口（２１）がそれぞれ穿設
され、該吸入口（２０）より冷媒ガスが密閉室（１９）
に供給されるように成っている。

また、上記公転スクロール（８）の鏡板（１２）背面側
にはケース（２）に固着された固定部材であるドーナツ
状の固定フレーム（２２）が鏡板（１２）と平行に形成
されている。該固定フレーム（２２）の外周部には貫通
孔（２２ａ）が穿設されると共に、中央部にはクランク
軸（１０）のボス（１０ｃ）が軸受メタル（２３）を介
して嵌入され、該ボス（１０ｃ）が回転自在に支持され
ている。更に、上記固定フレーム（２２）の内周上面に
は段差部（２４）が形成され、該段差部（２４）の外側
にチップシール（３１）がシール溝（３２）を介して設
けられ、該チップシール（３１）の内側には背圧室（２
５）が段差部（２４）と公転スクロール（８）の鏡板（
１２）との間に形成されている。該背圧室（２５）は、
図示しないが、高圧の密閉室（１９）に連通されて高圧
冷媒ガスが導入され、公転スクロール（８）を固定スク
ロール（７）側に押圧するようになっている。また、上
記チップシール（３１）の外側には公転スクロール（８
）の鏡板（１２）と固定フレーム（２２）との間隙によ
って吸入路（２６）が形成され、上記固定スクロール（
７）の吸入口（２０）と固定フレーム（２２）の貫通孔
（２２ａ）とが連通されている。

さらに、上記ケース（２）内の底部には潤滑油の油溜め
（２７）が形成される一方、上記クランク主軸（１０ａ
）は給油路（１０ｄ）が穿設されると共に、下端部が上
記油溜め（２７）の潤滑油に浸漬され、該潤滑油を上記
軸受メタル（１６）。

（２３）に供給するようにしている。また、上記支持フ
レーム（１５）と固定フレーム（２２）との間にはバラ
ンサ室（２８）が形成され、該バランサ室（２８）内に
位置してバランサ（１０ｅ）が上記クランク軸（］０）
のボス（１０ｃ）に連接されており、該バランサ（１０
ｅ）の回転により上記述通口（１５ａ）を通過した冷媒
ガス中のミスト状の潤滑油を側壁に衝突させ、上記支持
フレーム（１５）等に形成された回収通路（２９）を介
して油溜めに戻すように成っている。

次に、本発明の特徴であるスクロール軸（１２ａ）の軸
受構造について説明する。

第１図に示すように、上記クランク軸（１０）は、上述
したように、ボス（１０ｃ）にスクロール軸受孔（１０
ｂ）が穿設されて、枢軸である公転スクロール（８）の
スクロール軸（１２ａ）が嵌合支持されている。そして
、上記スクロール軸受孔（１０ｂ）がボス（１０ｃ）の
上端面に開口されると共に、長円形に形成されており、
該スクロール軸受孔（１０ｂ）の長径（Ｄ１）は上記ス
クロール軸（１２ａ）の直径（Ｄ３）より大きく、短径
（Ｄ２）はスクロール軸（１２ａ）の直径（Ｄ３）にほ
ぼ一致するように形成されている。

具体的には、例えば、スクロール軸（１２ａ）の外径（
Ｄ３）は３０ｍｍに形成される一方、スクロール軸受孔
（１０ｂ）の短径（Ｄ２）はほぼ３０ｍｍに形成され、
長径（Ｄ１）は３０．０５ｍｍ〜３０．１０ｍｍに形成
されており、該スクロール軸受孔（１０ｂ）内には長径
（Ｄ１）の方向に５０μｍ〜１００μｍの間隔（δ）が
生じるように成っている。

更に、上記スクロール軸受孔（１０ｂ）の長径方向（Ｘ
）はほぼスクロール軸（１２ａ）のボス（１０ｃ）に対
する負荷（Ｐ）の作用線上に設定されている。つまり、
上記公転スクロール（８）は自転することなく公転のみ
しているので、クランク軸（１０）においてはスクロー
ル軸（１２ａ）のボス（１０ｃ）に対する負荷（Ｐ）方
向は常に一定であり、この負荷（Ｐ）は公転スクロール
（８）の遠心力負荷（Ｐｃ）とトルク負荷（Ｐｔ）とよ
り成っている。そして、上記スクロール軸受孔（１０ｂ
）の長径方向（Ｘ）はほぼ上記負荷（Ｐ）の作用方向線
上に設定され、該スクロール軸受孔（１０ｂ）内におい
て、負荷（Ｐ）の反作用側に間隙（δ）が形成され、第
３図（ｂ）に示すように、上記両スクロール（７）、　
　（８）のラップ（１３）、　　（１４）間に異物（ｃ
）か噛込むと、公転スクロール（８）がスクロール軸受
孔（１０ｂ）の長径方向に逃げるように構成されている
。

また、上記スクロール軸受孔（１０ｂ）内には潤滑油が
供給されており、スクロール軸（１２ａ）における負荷
（Ｐ）の作用面側にはスクロール軸受孔（１０ｂ）との
間に油膜圧力分布（Ｓ）が形成されて該スクロール軸（
１２ａ）がすべり軸受によりラジアル方向に支持されて
いる。そして、上記スクロール軸受孔（１０ｂ）におけ
る負荷（Ｐ）の作用側半円弧中心が公転スクロール（８
）の可動支点（０１）に成っている。

次に、このスクロール流体装置（１）の作用について説
明する。

先ず、冷媒ガスは吸入管（５）よりケース（２）内に流
入し、低圧室（２ｂ）において、電動機（９）のエアギ
ャップを通り、支持フレーム（１５）の連通口（１５ａ
）、バランサ室（２８）、固定フレーム（２２）の貫通
孔（２２ａ）、吸入路（２６）を順に介して固定スクロ
ール（７）の吸入口（２０）より密閉室（１つ）に導入
する。

一方、公転スクロール（８）はクランク軸（１０）の回
転により偏心して回転し、固定スクロール（７）に対し
て自転することなく公転し、密閉室（１つ）が両ラップ
（１３）、　　（１４）間で順次形成されて収縮する。

そして、密閉室（１９）に導入された冷媒ガスは圧縮さ
れ、固定スクロール（７）の吐出口（２１）より高圧室
（２ａ）に吐出され、吐出管（６）を介してケース（２
）外に導出される。

この圧縮動作中において、スクロール軸（１２ａ）は、
第３図（ａ）に示すように、スクロール軸受孔（１０ｂ
）内において負荷（Ｐ）の作用方向側に位置して公転ス
クロール（８）は公転している。そして、該公転スクロ
ール（８）と固定スクロール（７）との両ラップ（１４
）、　　（１３）間に、第３図（ｂ）に示すように、異
物（ｃ）か噛込むと、上記スクロール軸受孔（１０ｂ）
内には負荷（Ｐ）の反作用側に間隙（δ）が形成されて
いるので、上記スクロール軸（１２ａ）が負荷（Ｐ）の
反作用側に移動することになる（第３図（ｂ）矢符（Ａ
）参照）。このスクロール軸（１２ａ）の移動により両
ラップ（１３）、　　（１４）が離隔するように公転ス
クロール（８）が逃げることになる。

従って、上記スクロール軸受孔（１０ｂ）を長円形にす
るのみでもって異物（Ｃ）の噛込みによる圧縮不良を防
止することとができると共に、液圧縮をも防止すること
ができる。更に、従来のように偏心リング等を設ける必
要がないので、部品点数の増加を招くことがなく、簡素
な構造でもって上記圧縮不良等を防止でき、安価なもの
とすることができる。更に、部品点数を増加させないの
で、加工精度の低下を防止することができ、信頼性の向
上を図ることができる。

尚、本実施例において、枢軸であるスクロール軸（１２
ａ）を公転スクロール（８）に、軸受孔（１０ｂ）をク
ランク軸（１０）に設けたが、逆に、クランク軸（１０
）に枢軸を突設し、軸受孔を公転スクロール（８）に形
成してもよい。

また、本発明のスクロール型流体装置は圧縮機の他、膨
張機であってもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は公転スクロー
ルの軸受構造を示す断面平面図である。 第２図はスクロール型流体装置の縦断面図、第３図（ａ
）は公転スクロールの正常駆動時を示す軸受構造の概略
図、第３図（ｂ）は異物噛込み時を示す同概略図である
。 （１）・・・スクロール型流体装置、（２）・・・ケー
ス、（３）・・・スクロール機構、（７）・・・固定ス
クロール、（８）・・・公転スクロール、（１０）・・
・クランク軸、（１０ｂ）・・・スクロール軸受孔、（
１１）、　　（１２）・・・鏡板、（１２ａ）・・・ス
クロール軸、（１３）、　　（１４）・・・ラップ、（
１９）・・・密（２２）・・・固定フレーム、（Ｄ１）
・・・長径、・・・短径、（Ｄ３）・・・直径、（δ）
・・・間隙、・・負荷。 許　出　願　人　ダイキン工業株式会社理　人　弁理士
　前　１）　弘　ほか２名開室、 （Ｄ２） （Ｐ） 特 代 １（スフ０−ル！諾ビ峯梗ヌ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）各々鏡板（１１）、（１２）の前面にインボリュ
   ート曲線状のラップ（１３）、（１４）が立設されて成
   る固定スクロール（７）と公転スクロール（８）とが各
   ラップ（１３）、（１４）を噛合して並設されると共に
   、上記公転スクロール（８）は鏡板（１２）背面にてク
   ランク軸（１０）に枢軸（１２ａ）と該枢軸（１２ａ）
   が嵌合する軸受孔（１０ｂ）とを介して該クランク軸（
   １０）の軸心より偏心して支持され、上記公転スクロー
   ル（８）が固定スクロール（７）に対して自転すること
   なく公転するようにしたスクロール型流体装置において
   、 上記軸受孔（１０ｂ）が長円形に形成されると共に、該
   軸受孔（１０ｂ）の長径（Ｄ１）が上記枢軸（１２ａ）
   の外径（Ｄ３）より大きく、短径（Ｄ２）が上記枢軸（
   １２ａ）の外径（Ｄ３）に対応して各々形成され、且つ
   長径（Ｄ１）の方向が上記公転スクロール（８）のクラ
   ンク軸（１０）に対する負荷のほぼ作用線上に設定され
   ていることを特徴とするスクロール型流体装置。