JP2563590B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機Info
- Publication number
- JP2563590B2 JP2563590B2 JP1172226A JP17222689A JP2563590B2 JP 2563590 B2 JP2563590 B2 JP 2563590B2 JP 1172226 A JP1172226 A JP 1172226A JP 17222689 A JP17222689 A JP 17222689A JP 2563590 B2 JP2563590 B2 JP 2563590B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- swirl
- back pressure
- valve
- pressure chamber
- lubricating oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はスクロール式の電動圧縮機に関するもので
ある。
ある。
従来の技術 第５図は従来のスクロール電動圧縮機の縦断面図で、
特開昭57−70984号公報のものである。
特開昭57−70984号公報のものである。
密閉容器101の内部に圧縮機構102と、その下方に電動
機の固定子103を固定し、更にその下方に潤滑油を溜め
る潤滑油溜104が設けられている。
機の固定子103を固定し、更にその下方に潤滑油を溜め
る潤滑油溜104が設けられている。
圧縮機構102は、固定枠体105の上に一体に形成した固
定渦巻羽根106を有する固定渦巻羽根部品107と、この固
定渦巻羽根106と噛み合って複数個の圧縮作業空間111を
形成する旋回渦巻羽根108を旋回鏡板109の上に形成した
旋回渦巻羽根部品110と、この旋回渦巻羽根部品110の自
転を防止して旋回のみをさせる自転拘束部品112と、こ
の旋回鏡板109に設けた旋回駆動軸113を偏心旋回駆動す
る偏心駆動軸受114を有するクランク軸115とその主軸11
6を主軸受117で支承する軸受部品119等で構成されてい
る。
定渦巻羽根106を有する固定渦巻羽根部品107と、この固
定渦巻羽根106と噛み合って複数個の圧縮作業空間111を
形成する旋回渦巻羽根108を旋回鏡板109の上に形成した
旋回渦巻羽根部品110と、この旋回渦巻羽根部品110の自
転を防止して旋回のみをさせる自転拘束部品112と、こ
の旋回鏡板109に設けた旋回駆動軸113を偏心旋回駆動す
る偏心駆動軸受114を有するクランク軸115とその主軸11
6を主軸受117で支承する軸受部品119等で構成されてい
る。
また、固定枠体105の旋回鏡板側の枠体平面120と、旋
回鏡板109の固定枠体側の旋回鏡板平面121を摺動自在に
当接させるとともに、旋回鏡板109に圧縮作業空間111と
連通する空間圧力孔122を設けて、旋回鏡板109の旋回渦
巻羽根108の反対側の背圧室123を吐出圧力と吸入圧力の
中間の圧力に保っている。
回鏡板109の固定枠体側の旋回鏡板平面121を摺動自在に
当接させるとともに、旋回鏡板109に圧縮作業空間111と
連通する空間圧力孔122を設けて、旋回鏡板109の旋回渦
巻羽根108の反対側の背圧室123を吐出圧力と吸入圧力の
中間の圧力に保っている。
圧縮機の吸入管124から吸入し吸入室125、吸入口126
から、圧縮機構102に吸入された冷媒気体は、圧縮作業
空間111で圧縮された後、吐出穴127を出て、圧縮機構10
2の下方の吐出室128を通り、吐出管129から圧縮機外に
吐出される。
から、圧縮機構102に吸入された冷媒気体は、圧縮作業
空間111で圧縮された後、吐出穴127を出て、圧縮機構10
2の下方の吐出室128を通り、吐出管129から圧縮機外に
吐出される。
潤滑油溜104の潤滑油は、クランク軸105の主軸116を
貫通した給油通路130から、一部を分岐させて分岐給油
路131を経て、主軸受117に給油する。他の一部の潤滑油
は給油通路130から偏心駆動軸受114の給油量制限部132
の隙間を通り減圧されて背圧室123に排出される。
貫通した給油通路130から、一部を分岐させて分岐給油
路131を経て、主軸受117に給油する。他の一部の潤滑油
は給油通路130から偏心駆動軸受114の給油量制限部132
の隙間を通り減圧されて背圧室123に排出される。
背圧室123の潤滑油は、中間圧力孔122などから、圧縮
作業空間111を経て、圧縮され、冷媒と共に圧縮機構か
ら吐出される。
作業空間111を経て、圧縮され、冷媒と共に圧縮機構か
ら吐出される。
第６図はクランク軸105の回転角度と圧縮作業空間111
の圧力の関係を示す。回転角度の基準は圧縮作業空間11
1が丁度密閉状態になる角度位置である。圧縮作業空間1
11が閉じている間の圧力は殆ど吸入圧力に依存し、吐出
圧力には殆ど無関係である。しかし、圧縮作業空間111
が吐出側に連通するとその圧縮作業空間111は吐出圧力
になる。
の圧力の関係を示す。回転角度の基準は圧縮作業空間11
1が丁度密閉状態になる角度位置である。圧縮作業空間1
11が閉じている間の圧力は殆ど吸入圧力に依存し、吐出
圧力には殆ど無関係である。しかし、圧縮作業空間111
が吐出側に連通するとその圧縮作業空間111は吐出圧力
になる。
従って、この旋回渦巻羽根部品110を背圧室123の方向
に押し付けようにとする圧力による力は、吸入圧力に依
存するものと吐出圧力に依存するものとがある。
に押し付けようにとする圧力による力は、吸入圧力に依
存するものと吐出圧力に依存するものとがある。
中間圧力孔122の部分の圧縮作業空間111の圧力はこの
中間圧力孔122の角度位置に応じて例えば第５図太線部
分のように１回転周期で変化する。また背圧室123の圧
力は、当然、クランク軸の回転速度が遅いほどよく圧縮
作業空間111の圧力に追随して変化する。
中間圧力孔122の角度位置に応じて例えば第５図太線部
分のように１回転周期で変化する。また背圧室123の圧
力は、当然、クランク軸の回転速度が遅いほどよく圧縮
作業空間111の圧力に追随して変化する。
発明が解決しようとする課題 上に述べた第５図の従来のスクロール圧縮機のよう
に、旋回鏡板109に圧縮作業空間111の適当な位置に連通
する中間圧力孔122を設けて旋回鏡板109の背面の殆ど全
面に渡って、背圧をかける構造では、圧縮作業空間111
の圧力によって、この旋回渦巻羽根部品110を固定渦巻
羽根部品106の方向に押圧する力は吸入圧力に依存する
ものと吐出圧力に依存するものがあるために、この圧縮
機を吐出圧力や吸入圧力の変化幅が大きい冷凍機に搭載
すると、付勢力が過剰になったり不足したりすることが
ある。
に、旋回鏡板109に圧縮作業空間111の適当な位置に連通
する中間圧力孔122を設けて旋回鏡板109の背面の殆ど全
面に渡って、背圧をかける構造では、圧縮作業空間111
の圧力によって、この旋回渦巻羽根部品110を固定渦巻
羽根部品106の方向に押圧する力は吸入圧力に依存する
ものと吐出圧力に依存するものがあるために、この圧縮
機を吐出圧力や吸入圧力の変化幅が大きい冷凍機に搭載
すると、付勢力が過剰になったり不足したりすることが
ある。
さらに、潤滑油溜104から給油通路130、背圧室123、
中間圧力孔122を経て圧縮作業空間に供給される潤滑油
の量が不足すると圧縮作業空間の洩れ隙間の密封が不完
全となり、過剰になると吸入冷媒が加熱されていずれの
場合も、圧縮機の効率が低下するが、この潤滑油の流量
は冷媒気体の吐出圧力と背圧圧力の差に依存してきま
り、極端な場合は背圧室の圧力が吐出圧力より大になっ
て給油が不能になり得る。そのため冷暖房兼用エアコン
のような吐出圧力の変動幅の大きい冷凍機ではその効率
や信頼性に課題が生じ得る。
中間圧力孔122を経て圧縮作業空間に供給される潤滑油
の量が不足すると圧縮作業空間の洩れ隙間の密封が不完
全となり、過剰になると吸入冷媒が加熱されていずれの
場合も、圧縮機の効率が低下するが、この潤滑油の流量
は冷媒気体の吐出圧力と背圧圧力の差に依存してきま
り、極端な場合は背圧室の圧力が吐出圧力より大になっ
て給油が不能になり得る。そのため冷暖房兼用エアコン
のような吐出圧力の変動幅の大きい冷凍機ではその効率
や信頼性に課題が生じ得る。
前述のようにこの背圧は、特に低い回転速度に於て、
１回転の間に大きく変動するから、旋回渦巻羽根部品11
0を固定渦巻羽根部品107の方向に確実に付勢しようとす
れば背圧室123の平均圧力を余分に高くしなければなら
ない。背圧室123の圧力が余分に高すぎると、圧縮機の
入力が大になる。背圧室の平均圧力が不足すると、圧縮
作業空間111の圧力が低い瞬間に、旋回鏡板109が旋回鏡
板背面に向かって移動したり振動して、騒音が発生した
り、圧縮作業空間111の洩れが増加して圧縮機の効率が
低下したりする課題がある。
１回転の間に大きく変動するから、旋回渦巻羽根部品11
0を固定渦巻羽根部品107の方向に確実に付勢しようとす
れば背圧室123の平均圧力を余分に高くしなければなら
ない。背圧室123の圧力が余分に高すぎると、圧縮機の
入力が大になる。背圧室の平均圧力が不足すると、圧縮
作業空間111の圧力が低い瞬間に、旋回鏡板109が旋回鏡
板背面に向かって移動したり振動して、騒音が発生した
り、圧縮作業空間111の洩れが増加して圧縮機の効率が
低下したりする課題がある。
また、背圧室の圧力の調整機構を固定の通路抵抗や通
常の制御弁の組合せで構成すると、この圧縮機を最近の
冷暖房兼用型のエアコンのように吐出圧力や吸入圧力の
変化範囲が極めて広いものに搭載する場合は、旋回渦巻
羽根部品110を背圧室123の方向に押し付けようとする圧
力による力は吸入圧力と吐出圧力の両方に依存し、背圧
室123の圧力による押し付け力は吸入圧力に依存するた
めに、その変化範囲の全てに渡って旋回鏡板を適切に付
勢する背圧にすることが困難である。
常の制御弁の組合せで構成すると、この圧縮機を最近の
冷暖房兼用型のエアコンのように吐出圧力や吸入圧力の
変化範囲が極めて広いものに搭載する場合は、旋回渦巻
羽根部品110を背圧室123の方向に押し付けようとする圧
力による力は吸入圧力と吐出圧力の両方に依存し、背圧
室123の圧力による押し付け力は吸入圧力に依存するた
めに、その変化範囲の全てに渡って旋回鏡板を適切に付
勢する背圧にすることが困難である。
課題を解決するための手段 上に述べた課題を解決するための第１の技術的手段
は、密閉容器の内部に電動機と、この電動機で駆動する
圧縮機構を配設し、この圧縮機構を、固定枠体に形成し
た固定渦巻羽根を有する固定渦巻羽根部品と、この固定
渦巻羽根と噛み合い複数個の圧縮室を形成する旋回渦巻
羽根を旋回鏡板の上に固定又は形成した旋回渦巻羽根部
品と、この旋回渦巻羽根部品の自転を防止して旋回のみ
をさせる自転拘束部品と、前記渦巻羽根部品を旋回駆動
するクランク軸と、このクランク軸の主軸を支承する軸
受を有する軸受部品を含んで構成し、この軸受に給油す
る潤滑油を溜める潤滑油溜に吐出側の圧力が作用する構
造にし、前記旋回鏡板の背面に前記圧縮機構の吸入側圧
力より大で吐出側の圧力より小なる流体圧力が作用する
背圧室を形成し、前記旋回渦巻羽根部品を前記固定渦巻
羽根部品の方向に附勢し、潤滑油溜と背圧室の間に定流
量型の流量制御弁を設け、背圧室と前記圧縮機構の吸入
側との間に一定圧力で解放する定圧弁を配設することで
ある。
は、密閉容器の内部に電動機と、この電動機で駆動する
圧縮機構を配設し、この圧縮機構を、固定枠体に形成し
た固定渦巻羽根を有する固定渦巻羽根部品と、この固定
渦巻羽根と噛み合い複数個の圧縮室を形成する旋回渦巻
羽根を旋回鏡板の上に固定又は形成した旋回渦巻羽根部
品と、この旋回渦巻羽根部品の自転を防止して旋回のみ
をさせる自転拘束部品と、前記渦巻羽根部品を旋回駆動
するクランク軸と、このクランク軸の主軸を支承する軸
受を有する軸受部品を含んで構成し、この軸受に給油す
る潤滑油を溜める潤滑油溜に吐出側の圧力が作用する構
造にし、前記旋回鏡板の背面に前記圧縮機構の吸入側圧
力より大で吐出側の圧力より小なる流体圧力が作用する
背圧室を形成し、前記旋回渦巻羽根部品を前記固定渦巻
羽根部品の方向に附勢し、潤滑油溜と背圧室の間に定流
量型の流量制御弁を設け、背圧室と前記圧縮機構の吸入
側との間に一定圧力で解放する定圧弁を配設することで
ある。
課題解決のための第２の技術的手段は、前記第１の技
術的手段を備えた電動圧縮機に、旋回鏡板背面に旋回駆
動軸または旋回駆動軸受を形成し、クランク軸の偏心駆
動軸受または偏心駆動軸と前記の旋回駆動軸または旋回
駆動軸受を係合し、この旋回駆動軸または旋回駆動軸受
の周囲に、旋回鏡板背面と軸受部品との間を中心部の吐
出圧力が作用する部分と外周の前記背圧室とに摺勤自在
に仕切る摺動密封環を配設することである。
術的手段を備えた電動圧縮機に、旋回鏡板背面に旋回駆
動軸または旋回駆動軸受を形成し、クランク軸の偏心駆
動軸受または偏心駆動軸と前記の旋回駆動軸または旋回
駆動軸受を係合し、この旋回駆動軸または旋回駆動軸受
の周囲に、旋回鏡板背面と軸受部品との間を中心部の吐
出圧力が作用する部分と外周の前記背圧室とに摺勤自在
に仕切る摺動密封環を配設することである。
課題解決のための第３の技術的手段は、前記の第１技
術的手段を備えた電動圧縮機に、円筒状の内壁を有する
弁孔に円筒状の弁体を嵌人させ、この弁体をこの円筒の
軸方向に背圧室側から潤滑油溜の高圧側に向かって付勢
するバネを配し、この弁体の円筒面または弁孔の内壁に
切り欠きを設けて流体通路を形成し、この弁体が前記の
潤滑油溜側から背圧室側に向かって移動したとき、この
流体通路の通路抵抗が増大する方向に流体通路を形成す
ることである。
術的手段を備えた電動圧縮機に、円筒状の内壁を有する
弁孔に円筒状の弁体を嵌人させ、この弁体をこの円筒の
軸方向に背圧室側から潤滑油溜の高圧側に向かって付勢
するバネを配し、この弁体の円筒面または弁孔の内壁に
切り欠きを設けて流体通路を形成し、この弁体が前記の
潤滑油溜側から背圧室側に向かって移動したとき、この
流体通路の通路抵抗が増大する方向に流体通路を形成す
ることである。
課題解決のための第４の技術的手段は、前記の第３技
術的手段を備えた電動圧縮機で、前記流量制御弁に、円
筒状の内壁をする弁孔に円筒状の弁体を嵌入させ、この
弁体をこの円筒の軸方向に背圧側から前記潤滑油側に向
かって付勢するバネを配し、前記弁体の円筒面及びまた
は前記弁孔内面に、通路断面が膨張と収縮を多数回繰り
返す構造の流体通路を形成し、この弁体が前記潤滑油溜
側から前記背圧室側に向かって移動したときこの流体通
路の通路抵抗が増大する方向に前記流体通路を形成する
ことである。
術的手段を備えた電動圧縮機で、前記流量制御弁に、円
筒状の内壁をする弁孔に円筒状の弁体を嵌入させ、この
弁体をこの円筒の軸方向に背圧側から前記潤滑油側に向
かって付勢するバネを配し、前記弁体の円筒面及びまた
は前記弁孔内面に、通路断面が膨張と収縮を多数回繰り
返す構造の流体通路を形成し、この弁体が前記潤滑油溜
側から前記背圧室側に向かって移動したときこの流体通
路の通路抵抗が増大する方向に前記流体通路を形成する
ことである。
作用 上に述べた本発明の第１の技術的手段の作用は、潤滑
油溜と背圧室の間に定流量弁を設けることにより、吐出
出力の大小に左右されない一定の潤滑油流量が得られ、
背圧室と吸入室の間に設けた定圧弁によって、背圧が一
定に保たれて、背圧が吐出圧力より大にならないように
出来る。また圧縮作業空間の圧力に無関係に背圧が形成
されるので背圧が１回転の間で変動するような背圧の振
動がない。
油溜と背圧室の間に定流量弁を設けることにより、吐出
出力の大小に左右されない一定の潤滑油流量が得られ、
背圧室と吸入室の間に設けた定圧弁によって、背圧が一
定に保たれて、背圧が吐出圧力より大にならないように
出来る。また圧縮作業空間の圧力に無関係に背圧が形成
されるので背圧が１回転の間で変動するような背圧の振
動がない。
本発明の第２の技術的手段の作用は、上記の第１の技
術的手段の作用に加えて、摺動密封環の内方に吐出側の
圧力が作用することにより、旋回渦巻羽根部品を固定渦
巻羽根の方向に押し付ける力の一部を吐出圧力に依存さ
せることができる。
術的手段の作用に加えて、摺動密封環の内方に吐出側の
圧力が作用することにより、旋回渦巻羽根部品を固定渦
巻羽根の方向に押し付ける力の一部を吐出圧力に依存さ
せることができる。
本発明の第３の技術的手段による作用は、上記の第１
の技術的手段の流量制御弁の流量制御作用をさらに確実
にするもので、吐出圧力がさらに高圧の状態になると弁
体がバネの作用で背圧室側に移動して、この定流量弁の
流体通路の通路抵抗が増加して、潤滑油の流量をほぼ一
定に保とうとする。吐出圧力がさらに低下するとこの逆
の作用で同様に潤滑油の流量が一定に保たれる。
の技術的手段の流量制御弁の流量制御作用をさらに確実
にするもので、吐出圧力がさらに高圧の状態になると弁
体がバネの作用で背圧室側に移動して、この定流量弁の
流体通路の通路抵抗が増加して、潤滑油の流量をほぼ一
定に保とうとする。吐出圧力がさらに低下するとこの逆
の作用で同様に潤滑油の流量が一定に保たれる。
本発明の第４の技術的手段による作用は、上記の第３
の技術的手段の流量制御弁の流量制御作用をさらに確実
にするもので、通路断面が膨張と収縮を多数回繰り返す
構造にすることにより、通路抵抗をレイノルズ数に大き
く依存しないようにでき、潤滑油の温度が変化しても流
量が大きく変化しないとともに、この隙間寸法に対する
通路抵抗を大にすることにより精度よく通路抵抗値を設
定できる。
の技術的手段の流量制御弁の流量制御作用をさらに確実
にするもので、通路断面が膨張と収縮を多数回繰り返す
構造にすることにより、通路抵抗をレイノルズ数に大き
く依存しないようにでき、潤滑油の温度が変化しても流
量が大きく変化しないとともに、この隙間寸法に対する
通路抵抗を大にすることにより精度よく通路抵抗値を設
定できる。
実施例 第１図に本発明の特許請求範囲１項及び第２項に係る
スクロール式電動圧縮機の実施例を示す。
スクロール式電動圧縮機の実施例を示す。
密閉容器１の内部に、圧縮機構２と、これを駆動する
電動機の固定子３を固定し、この電動機の下方に潤滑油
溜４を設ける。
電動機の固定子３を固定し、この電動機の下方に潤滑油
溜４を設ける。
圧縮機構２は、固定枠体５に一体に形成した固定渦巻
羽根６を有する固定渦巻羽根部品７と、この固定渦巻羽
根６と噛み合って複数個の圧縮作業空間11を形成する旋
回渦巻羽根８を旋回鏡板９の上に形成した旋回渦巻羽根
部品10と、この旋回渦巻羽根部品10の自転を防止して旋
回のみをさせる自転拘束部品12と、この旋回鏡板９に設
けた旋回駆動軸13を偏心旋回駆動する偏心駆動軸受14を
有するクランク軸15と、このクランク軸の主軸16を電動
機の回転子12の下方で支承する主軸受17を有する軸受部
品19等で構成されている。
羽根６を有する固定渦巻羽根部品７と、この固定渦巻羽
根６と噛み合って複数個の圧縮作業空間11を形成する旋
回渦巻羽根８を旋回鏡板９の上に形成した旋回渦巻羽根
部品10と、この旋回渦巻羽根部品10の自転を防止して旋
回のみをさせる自転拘束部品12と、この旋回鏡板９に設
けた旋回駆動軸13を偏心旋回駆動する偏心駆動軸受14を
有するクランク軸15と、このクランク軸の主軸16を電動
機の回転子12の下方で支承する主軸受17を有する軸受部
品19等で構成されている。
クランク軸15の上端を、隔壁20に固定した玉軸受21に
嵌入し、隔壁20は電動機の固定子３と回転子12の上の空
間を電動機側空間22と吐出室23に仕切っている。
嵌入し、隔壁20は電動機の固定子３と回転子12の上の空
間を電動機側空間22と吐出室23に仕切っている。
軸受部品19の外周に設けた環状突起18が密閉容器胴部
27の下端と密閉容器下部28の上端で挟み込み、一体に密
閉溶接されている。
27の下端と密閉容器下部28の上端で挟み込み、一体に密
閉溶接されている。
圧縮機の吸入管29から密閉容器下部28の内部の吸入室
30に入り、吸入口31から圧縮機構２に吸入された冷媒気
体は、圧縮作業空間11で圧縮された後、旋回鏡板９に設
けた吐出穴32から、旋回駆動軸13の中を通り、クランク
軸15の中に設けた連通孔33を通り、クランク軸囲い34の
上方の隙間から出て、電動機の固定子３の周囲に設けた
連通路36を経て、固定子３の上方の電動機側空間22に導
かれ、通路孔24を通過して吐出室23に入り、吐出管37か
ら圧縮機外に吐出させる。
30に入り、吸入口31から圧縮機構２に吸入された冷媒気
体は、圧縮作業空間11で圧縮された後、旋回鏡板９に設
けた吐出穴32から、旋回駆動軸13の中を通り、クランク
軸15の中に設けた連通孔33を通り、クランク軸囲い34の
上方の隙間から出て、電動機の固定子３の周囲に設けた
連通路36を経て、固定子３の上方の電動機側空間22に導
かれ、通路孔24を通過して吐出室23に入り、吐出管37か
ら圧縮機外に吐出させる。
軸受部品19に潤滑油溜４と旋回鏡板９の背面に構成し
た背圧室38の間に定流量弁40を設け、この背圧室38と吸
入通路39の間に定圧弁50が配設されている。
た背圧室38の間に定流量弁40を設け、この背圧室38と吸
入通路39の間に定圧弁50が配設されている。
第２図に特許請求範囲第２項に係る実施例の部分詳細
を示す。軸受部品19の旋回鏡板９の背面と当接する部分
に環状の摺動密封環を配設して、内方の吐出圧力が作用
する部分と外方の背圧室38を摺動自在に仕切っている。
を示す。軸受部品19の旋回鏡板９の背面と当接する部分
に環状の摺動密封環を配設して、内方の吐出圧力が作用
する部分と外方の背圧室38を摺動自在に仕切っている。
第３図にそれぞれ本発明の特許請求範囲第１項及び第
３項に係る定流量弁の実施例の詳細を示す。弁ケース41
の内径42に定流量弁バネ44で付勢された弁体43を嵌入さ
せ、弁体43の表面に下方に向かって広がる流体通路平面
45が形成されている。
３項に係る定流量弁の実施例の詳細を示す。弁ケース41
の内径42に定流量弁バネ44で付勢された弁体43を嵌入さ
せ、弁体43の表面に下方に向かって広がる流体通路平面
45が形成されている。
第４図に特許請求範囲第４項にかかる定流量弁の実施
例で、弁体43Aの表面に僅かに下方に向かって広がる凹
凸面45が形成されている。
例で、弁体43Aの表面に僅かに下方に向かって広がる凹
凸面45が形成されている。
発明の効果 本発明の第１項の技術的手段よる効果は、作用の項に
述べたように、圧縮機の吐出圧力の変化に殆ど影響され
ないで一定潤滑油流量と一定背圧が得られるため潤滑が
確実であり、しかも振動の少ない、より信頼性が高くて
振動騒音の少ない、しかも安定した動力消費の圧縮機が
得られることである。
述べたように、圧縮機の吐出圧力の変化に殆ど影響され
ないで一定潤滑油流量と一定背圧が得られるため潤滑が
確実であり、しかも振動の少ない、より信頼性が高くて
振動騒音の少ない、しかも安定した動力消費の圧縮機が
得られることである。
第２項の技術的手段よる効果は、吐出圧力依存と吸入
圧力依存の両方を組み合わせた旋回鏡板押圧が得られる
ために広い運転条件範囲で使用できる。
圧力依存の両方を組み合わせた旋回鏡板押圧が得られる
ために広い運転条件範囲で使用できる。
本発明の第３項の技術的手段よる効果は、第１項の定
流量弁の具体的な構造を提供するもので、簡便安価で小
型の定流量弁が得られる。
流量弁の具体的な構造を提供するもので、簡便安価で小
型の定流量弁が得られる。
本発明の第４項の技術的手段よる効果は、潤滑油の温
度や冷媒希釈で温度が変わっても流量変化が少なく、か
つこの弁流量に変化の少ない安定した信頼性の高い圧縮
機が得られる。
度や冷媒希釈で温度が変わっても流量変化が少なく、か
つこの弁流量に変化の少ない安定した信頼性の高い圧縮
機が得られる。
第１図は本発明の一実施例を示す電動圧縮機の断面図、
第２図は同圧縮機の要部断面図、第３図（ａ）、（ｂ）
および第４図はそれぞれ同圧縮機におけるそれぞれ異な
る構造の定流量弁の断面図、第５図は従来例を示す圧縮
機の断面図、第６図は同圧縮機の圧縮作業空間の圧力の
変動状態を示す特性図である。 １……密閉容器、２……圧縮機構、３……電動機固定
子、４……潤滑油溜、５……固定鏡板、６……固定渦巻
羽根、７……固定渦巻羽根部品、８……旋回渦巻羽根、
９……旋回鏡板、10……旋回渦巻羽根部品、11……圧縮
作業空間、12……自転拘束部品、12A……回転子、13…
…旋回駆動軸、15……クランク軸、19……軸受部品、29
……吸入管、31……吸入穴、37……吐出管、38……背圧
室、39……吸入通路、40……定流量弁、50……定圧弁。
第２図は同圧縮機の要部断面図、第３図（ａ）、（ｂ）
および第４図はそれぞれ同圧縮機におけるそれぞれ異な
る構造の定流量弁の断面図、第５図は従来例を示す圧縮
機の断面図、第６図は同圧縮機の圧縮作業空間の圧力の
変動状態を示す特性図である。 １……密閉容器、２……圧縮機構、３……電動機固定
子、４……潤滑油溜、５……固定鏡板、６……固定渦巻
羽根、７……固定渦巻羽根部品、８……旋回渦巻羽根、
９……旋回鏡板、10……旋回渦巻羽根部品、11……圧縮
作業空間、12……自転拘束部品、12A……回転子、13…
…旋回駆動軸、15……クランク軸、19……軸受部品、29
……吸入管、31……吸入穴、37……吐出管、38……背圧
室、39……吸入通路、40……定流量弁、50……定圧弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 唐土 宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−243388（ＪＰ，Ａ)
Claims (4)
- 【請求項１】密閉容器の内部に電動機と、この電動機で
駆動する圧縮機構を配設し、前記圧縮機構を、固定枠体
に形成した固定渦巻羽根を有する固定渦巻羽根部品と、
前記固定渦巻羽根と噛み合い複数個の圧縮作業空間を形
成する旋回渦巻羽根を旋回鏡板の上に固定又は形成した
旋回渦巻羽根部品と、この旋回渦巻羽根部品の自転を防
止して旋回のみをさせる自転拘束部品と、前記渦巻羽根
部品を旋回駆動するクランク軸と、このクランク軸の主
軸を支承する軸受を有する軸受部品を含んで構成し、前
記軸受に給油する潤滑油を溜める潤滑油溜に吐出側の圧
力が作用する構造となし、前記旋回鏡板の前記旋回渦巻
羽根と反対側の旋回鏡板背面に前記圧縮機構の吸入側圧
力より大で吐出側の圧力より小なる流体圧力が作用する
背圧室を形成し、前記旋回渦巻羽根部品を前記固定渦巻
羽根部品の方向に附勢し、前記潤滑油と前記背圧室の間
に定流量型の流量制御弁を設け、前記背圧室と前記圧縮
機構の吸入側との間に一定圧力で解放する定圧弁を配設
したスクロール圧縮機。 - 【請求項２】前記旋回鏡板背面に旋回駆動軸または旋回
駆動軸受を形成し、前記クランク軸の偏心駆動軸受また
は偏心駆動軸と前記旋回駆動軸または旋回駆動軸受を係
合し、前記旋回駆動軸または前記旋回駆動軸受の周囲
に、前記旋回鏡板背面と前記軸受部品との間を中心部の
吐出圧力が作用する部分と外周の前記背圧室とに摺勤自
在に仕切る摺動密封環を配設した請求項（１）記載のス
クロール圧縮機。 - 【請求項３】円筒状の内壁を有する弁孔に円筒状の弁体
を嵌人させ、この弁体をこの円筒の軸方向に背圧室側か
ら前記潤滑油溜側に向かって付勢するバネを配し、前記
弁体の円筒面または前記弁孔の内壁に切り欠きを設けて
流体通路を形成し、この弁体が前記潤滑油溜側から前記
背圧室側に向かって移動したときこの流体通路の通路抵
抗が増大する方向に前記流体通路を形成した前記流量制
御弁を有する請求項（１）記載のスクロール圧縮機。 - 【請求項４】円筒状の内壁をする弁孔に円筒状の弁体を
嵌入させ、この弁体をこの円筒の軸方向に背圧側から前
記潤滑油側に向かって付勢するバネを配し、前記弁体の
円筒面及びまたは前記弁孔内面に、通路断面が膨張と収
縮を多数回繰り返す構造の流体通路を形成し、この弁体
が前記潤滑油溜側から前記背圧室側に向かって移動した
ときこの流体通路の通路抵抗が増大する方向に前記流体
通路を形成した前記流量制御弁を有する請求項（３）記
載のスクロール圧縮機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1172226A JP2563590B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1172226A JP2563590B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | スクロール圧縮機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0337385A JPH0337385A (ja) | 1991-02-18 |
| JP2563590B2 true JP2563590B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=15937939
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1172226A Expired - Lifetime JP2563590B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2563590B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6641479B2 (ja) * | 2016-06-28 | 2020-02-05 | 三菱電機株式会社 | スクロール圧縮機 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60243388A (ja) * | 1984-05-18 | 1985-12-03 | Hitachi Ltd | スクロ−ル圧縮機 |
-
1989
- 1989-07-04 JP JP1172226A patent/JP2563590B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0337385A (ja) | 1991-02-18 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP1253323B1 (en) | Hermetic compressors | |
| CA2275816C (en) | Bearing lubrication system for a scroll compressor | |
| JP3851971B2 (ja) | Ｃｏ２用圧縮機 | |
| US20030044296A1 (en) | Compressor discharge valve | |
| JPH0249988A (ja) | 軸方向に圧力等化された駆動軸を有する圧縮機 | |
| WO1991006772A1 (en) | Scroll compressor | |
| KR19980041990A (ko) | 역회전 소음을 감소시킨 스크롤머신 | |
| KR101215898B1 (ko) | 2 스피드 압축기 어셈블리 및 개방 구동 스크롤 기계 | |
| JP4104047B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
| US5582511A (en) | Scroll machine having discharge port inserts | |
| US8128388B2 (en) | Scroll-type expansion machine | |
| JP4697734B2 (ja) | 冷凍サイクル | |
| WO1993017220A1 (en) | Tip seal supporting structure for a scroll fluid device | |
| JP2563590B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JP4604968B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JP2538078B2 (ja) | スクロ―ル圧縮機 | |
| JP2000329082A (ja) | スクロール圧縮機及び冷凍装置 | |
| JPH073228B2 (ja) | スクロ−ル気体圧縮機 | |
| JP3584533B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JPH05141201A (ja) | スクロール形流体機械 | |
| JPH086696B2 (ja) | 電動圧縮機 | |
| JPH073229B2 (ja) | スクロ−ル気体圧縮機 | |
| JPH09158857A (ja) | 密閉型電動スクロール圧縮機 | |
| JPH0742945B2 (ja) | スクロール気体圧縮機 | |
| JPH09310689A (ja) | スクロール型圧縮機 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919 Year of fee payment: 12 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919 Year of fee payment: 12 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919 Year of fee payment: 13 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919 Year of fee payment: 13 |