JPH029976A - スクロール型流体装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、回転圧縮機などに用いられるスクロール型流
体装置に関し、特に、両スクロール間のシール構造に係
るものである。

（従来の技術） 一般に、スクロール型流体装置には、特開昭５７−１４
８００２号公報に開示されているように、夫々鏡板の前
面にインボリュート曲線状のラップが立設されて成る固
定スクロールと公転スクロールと噛合して並設され、該
公転スクロールの鏡板背面にクランク軸が偏心して連結
され、該クランク軸の回転により公転スクロールが固定
スクロールに対して自転することなく公転し、両スクロ
ール間で流体を圧縮するように構成されているものがあ
る。そして、上記両スクロールの鏡板間には両ラップに
よって密閉室が形成されており、該密閉室が中心方向に
移動しつつ収縮して流体を圧縮している。従って、第５
図に示すように、ラップ（ａ）の端面にシール溝（ｂ）
を削設し、該シール？１ｔ（ｂ）にチップシール（Ｃ）
を嵌挿して、ラップ（ａ）と相対向する鏡板（ｄ）との
間をシールするようにして上記密閉室を密閉状態に保持
している。

（発明が解決しようとする課題） 上述したスクロール型流体装置において、チップシール
（ｃ）のシール幅をシール／ｉｌ！７（ｂ）の溝幅に一
致させ且つ高さをシール溝（ｂ）の底面から鏡板（ｄ）
までの長さに一致させると、確実なシールを行うことが
できる。しかし、上記チップシール（ｃ）を正確に上記
寸法形状に成形することは困難であり、また、摩耗等に
よりシール効果が低下することになる。

そこで、チップシール（Ｃ）を、第５図に示すように、
シール溝（ｂ）の溝幅より短くし、且つ高さも低く形成
し、該チップシール（Ｃ）を流体圧によってシール溝（
ｂ）の外側面に押圧させると共に、下面より背圧を作用
させるか、又は下面側にスプリングを設け（特開昭５７
−１４８００２号公報）、鏡板（ｄ）に押圧させるよう
にしてシールするようにしている。しかしながら、この
チップシール（Ｃ）ではタンジエンタル方向（矢符Ａ参
照）の洩れを確実に防止できないという問題があった。

つまり、シール溝（ｂ）内のチップシール（Ｃ）下面を
通り、高圧の密閉室より周回方向の隣接する低圧の密閉
室に高圧流体が洩れるという問題があった。また、上記
スプリングを設けるようにしたものでは、部品点数が多
くなると共に、組付作業が煩雑となるという問題があっ
た。

本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、チップシ
ールをテーパ面で２分割し、楔作用により該チップシー
ルがシール溝の両側面に押圧するようにし、タンジエン
タル方向の流体の洩れを確実に防止すると共に、組付作
業の簡易化を図ることを目的とするものである。

（課題を解決するための子役） 上記目的を達成するために、本発明が講じた手段は、第
１図及び第２図に示すように、まず、夫々鏡Ｆｆｉ、（
１１）、　　（１２）の前面にインボリュート曲線状の
ラップ（１３）、　　（１４）が立設されて成る固定ス
クロール（７）と公転スクロール（８）とが各ラップ（
１３）、　　（１４）を噛合して並設され、該公転スク
ロール（８）を固定スクロール（７）に対して自転する
ことなく公転させるようにしたスクロール型流体装置を
前提としている。

そして、上記各ラップ（１３）、（１４）の端面にシー
ル溝（４０）、　　（４０）が創設されていて、該シー
ル溝（４０）、（４０）にチップシール（４１）、　　
（４１）が嵌入されている。更に、該チップシール（４
１）はシール幅が上記シール溝（４０）の溝幅より大き
い断面略矩形状のシール本体（４２）を上面から下面に
亘るテーパ面（４２ａ）で内側シール片（４３）と外側
シール片（４４）とに分割して形成されている。加えて
、該チップシール（４１）は両シール片（４３）。

（４４）がテーパ面（４２ａ）でスライドして上記シー
ル溝（４０）の両側面及び相対面する鏡板（１１）、　
　（１２）に接するように構成されている。

（作用） 上記構成により、本発明では、公転スクロール（８）が
固定スクロール（７）に対して自転することなく公転し
ており、該両スクロール（７）。

（８）のラップ（１３）、　　（１４）により鏡板（１
１）、（１２）間に密閉室（１９）が形成され、該密閉
室（１９）が、例えば、収縮して流体を圧縮するように
している。

一方、上記各ラップ（１Ｂ）、　　（１４）に設けられ
たチップシール（４１）はシール溝（４２ａ）で内側シ
ール片（４３）と外側シール片（４４）とに分割されて
いるので、上記チップシール（４１）の下方に高圧流体
が導入され、該高圧流体により上方に押圧され、例えば
、内側シール片（４３）が相対する鏡板（１２）、（１
１）に圧接される。これと同時に外側シール片（４４）
が上方に移動すると、テーパ面（４２ａ）で楔作用が生
じ、チップシール（４１）のシール幅が大きくなり、シ
ール溝（４０）の両側面に圧接させることになり、高圧
流体の洩れを確実に防止することになる。

（発明の効果） 従って、本発明のスクロール型流体装置によれば、チッ
プシール（４１）をテーパ面（４２ａ）で内側シール片
（４３）と外側シール片（４４）とに２分割して、楔作
用により上記チップシール（４１）がシール溝（４０）
の両側面に接するようしたために、従来のようにシール
溝（４０）の内周面側に間隙が生じることがないので、
該間隙より高圧流体がチップシール（４１）の下方を通
り、低圧の密閉室（１９）に流出することがなく、所謂
タンジエンタル方向の洩れを確実に防止することができ
ることから、圧縮効率等の向上を図ることができる。ま
た、上記チップシール（４１）を流体圧で押圧するので
、スプリング等が不要であり、部品点数が少なく、組付
作業が容易であると共に、チップシール（４１）を高精
度を仕上げる必要がないので、安価なものとすることが
できる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。

第２図に示すように、（１）はスクロール型流体装置で
あって、冷凍機における圧縮機に用いられ、冷媒ガスを
高圧に圧縮して吐出している。

該スクロール型流体装置（１）は、密閉ドーム（２）内
にスクロール機構（３）と駆動機構（４）とが収納され
て構成され、該ドーム（２）の側部には吸入管（５）と
吐出管（６）とが連設されている。そして、上記スクロ
ール機構（３）は固定スクロール（７）と公転スクロー
ル（８）とより成り、また、上記駆動機構（４）は電動
機（９）とクランク軸（１０）とより構成されている。

上記固定スクロール（７）及び公転スクロール（８）は
鏡板（１１）、　　（１２）の前面にラップ（１３）、
　　（１４）がインボリュート曲線状に立設されて成り
、両スクロール（７）、　　（８）は鏡板（１１）、　
　（１２）の前面を対面させて上下に並設され、両ラッ
プ（１３）、（１４）が噛合されている。そして、上記
固定スクロール（７）は鏡板（１１）の外周縁にフラン
ジ（１１ａ　）が連設され、該フランジ（１１ａ　）に
てドーム（２）に固定されている。また、上記公転スク
ロール（８）の鏡板（１２）の背面中央部にはスクロー
ル軸（１２ａ）が突設される一方、上記ドーム（２）に
は公転スクロール（８）及びクランク軸（１０）を支持
する固定フレーム（１５）が公転スクロール（８）の下
方に取付けられ、該固定フレーム（１５）に上記クラン
ク軸（１０）が上下に嵌挿されている。該クランク軸（
１０）は、上記固定フレーム（１５）を貫通するクラン
ク主軸（１０ａ）の上端に凹状のスクロール軸受孔（１
０ｂ）を有するボス（１０ｃ）が連接されると共に、給
油路（１０ｄ）が穿設され、且つ上記ボス（１０ｃ）の
側面にバランサ（１０ｅ）が突設されて構成されている
。そして、該クランク主軸（１０ａ）に電動機（９）が
取付けられる一方、上記スクロール軸受孔（１０ｂ）は
その軸受中心（Ｏｌ）がクランク主軸（１０ａ）の軸心
（０２）より偏心して設けられ、該スクロール軸受孔（
１０ｂ）に上記公転スクロール（８）のスクロール軸（
１２ａ）が嵌合されている。更に、上記公転スクロール
（８）と固定フレーム（１５）との間には、自転阻止手
段（１６）が設けられており、該公転スクロール（８）
は自転運動を防止しつつスクロール軸受孔（１０ｂ）の
偏心により固定スクロール（７）に対して公転するよう
に構成されている。

上記固定スクロール（７）と公転スクロール（８）は両
ラップ（１３）、　　（１４）が側面にて多点接触（１
８）するように設けられると共に、各ラップ（１３）、
（１４）の端面が他方のｖ１仮（１２）、（１１）に接
し、上記接触（１８）間に密閉室（１９）が形成されて
いる。また、上記固定スクロール（７）におけるフラン
ジ（１１ａ　）の内周部には吸入路（２０）が、鏡板（
１１）の中央部には吐出口（２１）が各々形成されてお
り、該吸入路（２０）に上記吸入管（５）がフランジ（
１１ａ）を貫通して開口されていて、低圧冷媒ガスが密
閉室（１９）に供給されるように成っている。

また、上記固定フレーム（１５）は、クランク軸（１０
）を支持する略筒状の支持筒（１５１）の上端外周部に
フランジ（１５２）が連続形成されて成り、該フランジ
（１５２）の外周面にてドーム（２）に固定されると共
に、上面が固定スクロール（７）のフランジ（１１ａ）
下面に密接されている。そして、上記固定スクロール（
７）及び固定フレーム（１５）の両フランジ（１１ａ）
　。

（１５２）の外周部には上下に貫通する冷媒ガスの流通
路（ｌｌｂ）、（１５ａ）が穿設され、上記固定スクロ
ール（７）の吐出口（２１）より吐出された高圧冷媒ガ
スが上記流通路（１１ｂ）　。

（１５ａ）を通り、上記ドーム（２）内に充満して該ド
ーム（２）が高圧ドームに構成されている。

また、上記支持筒（１５１）にはクランク軸（１０）の
クランク主軸（１０ａ）及びボス（１０ｃ）が軸受メタ
ル（３１）、　　（３２）を介して軸孔（１５ｂ）に嵌
合支持されると共に、上記バランサ（１０ｅ）が収納さ
れるバランサ室（１５Ｃ）が形成される一方、上記フラ
ンジ（１５２）の内周部には公転スクロール（８）の支
持部材（１５３）が設けられ、該支持部材（１５３）と
公転スクロール（８）との間に上記自転阻止手段（１６
）が設けられている。

更に、上記ドーム（２）内の底部には油溜め（３３）が
形成されており、該油溜め（３３）の潤滑油には上記該
クランク軸（１０）の下端部に連設された差圧ポンプ（
３４）が浸漬されている。

そして、該差圧ポンプ（３４）によって高圧の潤滑油が
上記給油路（１０ｄ）を通って軸受メタル（３１）、　
　（３２）及びスクロール軸受孔（１０ｂ）に供給され
るように構成されている。

次に、本発明の特徴とする両スクロール（７）。

（８）間のシール構造について説明する。尚、このシー
ル構造については両スクロール（７）。

（８）共に同様であるので、固定スクロール（７）につ
いて説明する。

該固定スクロール（７）は、第１図及び第３図並びに第
４図に示すように、ラップ（１３）の先端面にシール溝
（４０）が創設されると共に、該シール溝（４０）にチ
ップシール（４１）が嵌入されて構成されている。該シ
ール溝（４０）は断面１字状に形成されて前面開口が公
転スクロール（８）の鏡板（１２）に対面すると共に、
上記ラップ（１３）に従ってインボリュート曲線状に吸
入路（２０）から吐出口（２１）に亘って形成されてい
る。

上記チップシール（４１）は、シール溝（４０）に対応
してインボリュート曲線状に成形され、チル化鋳鉄など
により形成されている。更に、該チップシール（４１）
は、断面矩形状のシール本体（４２）をテーバ面（４２
ａ）で内側シール片（４３）と外側シール片（４４）と
に分割されて形成されている。該シール本体（４２）は
、シール幅がシール溝（４０）の溝幅よりやや大きく形
成されると共に、高さはシール溝（４０）の底面と相対
する鏡板（１２）との間隔より小さく形成されている。

また、上記テーバ面（４２ａ　）はシール本体（４２）
の上面から下面に亘って斜めに形成されており、上記内
側及び外側シール片（４３）、　　（４４）は相対面が
傾斜した断面台形状に形成されている。そして、該内側
及び外側シール片（４３）、（４４）はテーバ面（４２
ａ）にて互いに上下方向にスライド可能に構成されてお
り、該両シール片（４３）、　　（４４）が上下方向に
やや変位した状態において上記シール溝（４０）に１ｆ
５．入されている。更に、該両シール片（４３）。

（４４）は上記シール溝（４０）の吸入路（２０）側端
部から吐出口（２１）側端部に亘ってほぼ全体に設けら
れており、該シール溝（４０）の底部に流入した高圧冷
媒ガスにより上方に押圧され、楔作用によりシール溝（
４０）の両側面に圧接されると共に、外側シール片（４
４）の上面が鏡板（１２）に圧接されて、上記密閉室（
１９）、つまり、鏡板（１２）とラップ（１３）との間
をシールするように構成されている。尚、上記公転スク
ロール（８）のラップ（１４）においても同様にチップ
シール（４１）が設けられている。

次に、上記スクロール型流体装置（１）の作用について
説明する。

先ず、低圧の冷媒ガスは吸入管（５）より固定スクロー
ル（７）内の吸入路（２０）に導入した後、各ラップ（
１３）、（１４）間の密閉室（１９）に流入する。そし
て、公転スクロール（８）はクランク軸（１０）の回転
により偏心して回転し、固定スクロール（７）に対して
自転することなく公転し、上記密閉室（１９）が両ラッ
プ（１３）、　　（１４）で順次形成されて収縮する。

この密閉室（１９）の収縮により上記冷媒ガスは圧縮さ
れ、高圧冷媒ガスとなって固定スクロール（７）の吐出
口（２１）よりドーム（２）内に吐出される。その後、
上記高圧冷媒ガスは固定スクロール（７）及び固定フレ
ーム（１５）の流通路（１１ｂ）、　　（１５ａ）を通
りドーム（２）の下部に亘り、吐出管（６）を介してド
ーム（２）外に導出されることになる。

この圧縮動作中において、上記両スクロール（７）、　
　（８）間における各ラップ（１３）。

（１４）と鏡板（１２）、　　（１１）との間はチップ
シール（４１）、（４１）によってシールされ、各密閉
室（１９）が密閉状態に保持されている。

つまり、上記チップシール（４１）はシール本体（４２
）のシール幅がシール溝（４０）の溝幅よりやや大きく
形成されているので、内側シール片（４３）と外側シー
ル片（４４）とを上下方向に変位させた状態でシール溝
（４０）に嵌入されている。そして、上記シール溝（４
０）の吐出口（２１）側端部において、チップシール（
４１）の端部との間隙より圧縮された高圧冷媒ガスがチ
ップシール（４１）下面とシール溝（４０）底面との間
隙に流入し、該チップシール（４１）に背圧が作用して
両シール片（４３）、　　（４４）が相対向する鏡板（
１２）、（１１）側（第１図においては上方）に押圧さ
れることになる。この背圧により外側シール片（４４）
の上面は鏡阪（１２）（１１）に圧接されると同時に、
内側シール片（４３）も鏡板（１２）、（１１）側にテ
ーバ面（４２ａ）に添って移動するので、該両シール片
（４３）、　　（４４）が楔作用によってラジアル方向
に変位して、シール幅が大きくなる。そして、この楔作
用により外側シール片（４４）の外面及び内側シール片
（４３）の内面が夫々シール溝（４０）の両側面に圧接
されることになり、上記各ラップ（１３）、　　（１４
）と鏡板（１２）。

（１１）との間がシールされることになる。

従って、上記チップシール（４１）をテーバ面（４２ａ
）で内側シール片（４３）と外側シール片（４４）とに
２分割して、楔作用により上記チップシール（４１）が
シール溝（４０）の両側面に接するようにしたために、
従来のようにシール溝（４０）の内周面側に間隙が生じ
ることがないので、該間隙より高圧冷媒ガスがチップシ
ール（４１）の下方を通り、低圧の密閉室（１９）に流
出することがなく、所謂タンジエンタル方向の洩れを確
実に防止することができることから、圧縮効率の向上を
図ることができる。また、上記チップシール（４１）を
冷媒ガス圧で押圧するので、スプリング等が不要であり
、部品点数が少なく、組付作業が容易であると共に、チ
ップシール（４１）を高精度に仕上げる必要がないので
、安価なものとすることができる。

尚、本実施例は外側シール片（４０）を鏡板（１１）、
（１２）に圧接するようにしたが、内側シール片（４３
）を鏡板（１１）、　　（１２）に圧接するようにして
もよいことは勿論である。

また、スクロール型流体装置（１）は膨張機として用い
てもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本発明の一実施例を示し、第１図はチ
ップシールを示す横断面図、第２図はスクロール型流体
装置の縦断面図である。第３図は固定スクロールの正面
図、第４図はチップシールの斜視図である。第５図は従
来のチップシールを示す横断面図である。 （１）・・・スクロール型流体装置、（７）・・・固定
スクロール、（８）・・・公転スクロール、（１１）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）　夫々鏡板（１１），（１２）の前面にインボリ
   ュート曲線状のラップ（１３），（１４）が立設されて
   成る固定スクロール（７）と公転スクロール（８）とが
   各ラップ（１３），（１４）を噛合して並設され、該公
   転スクロール（８）を固定スクロール（７）に対して自
   転することなく公転させるようにしたスクロール型流体
   装置において、 上記各ラップ（１３），（１４）の端面にシール溝（４
   ０），（４０）が刳設されていて、該シール溝（４０）
   ，（４０）にチップシール（４１），（４１）が嵌入さ
   れ、 該チップシール（４１）はシール幅が上記シール溝（４
   ０）の溝幅より大きい断面略矩形状のシール本体（４２
   ）を上面から下面に亘るテーパ面（４２ａ）で内側シー
   ル片（４３）と外側シール片（４４）とに分割して形成
   されると共に、該チップシール（４１）は両シール片（
   ４３），（４４）がテーパ面（４２ａ）でスライドして
   上記シール溝（４０）の両側面及び相対面する鏡板（１
   １），（１２）に接するように構成されていることを特
   徴とするスクロール型流体装置。