JPH0215654B2 - - Google Patents

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JPH0215654B2
JPH0215654B2 JP58144490A JP14449083A JPH0215654B2 JP H0215654 B2 JPH0215654 B2 JP H0215654B2 JP 58144490 A JP58144490 A JP 58144490A JP 14449083 A JP14449083 A JP 14449083A JP H0215654 B2 JPH0215654 B2 JP H0215654B2
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Japan
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fibers
nonwoven sheet
aromatic polyamide
fiber
web
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Kazushi Yoshida
Tooru Sawaki
Hideharu Sasaki
Keizo Shimada
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、芳香族ポリアミド繊維からなる不織
シートに関する。更に詳細には、高い緻密性と独
特の空隙分布を有し、すぐれた樹脂含浸性を示す
耐熱性、難燃性の芳香族ポリアミド繊維不織シー
トに関する。 従来技術 ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性合成繊維
を適当な方法で結合又は絡合して不織シートとす
ることは従来から周知である。これらの熱可塑性
繊維は、熱によつて軟化・溶融するという性質を
有するため、通常の熱圧着等の一般に汎用されて
いる結合法を採用することができるという利点を
有する。しかし、得られた不織シートは前述の如
き熱可塑性繊維により構成されているため、耐熱
性及び難燃性において劣つたものとなり、特に耐
熱性、難燃性が要求される、電気絶縁材、ハニカ
ムコア、複合材等の分野には、使用し難い。 一方、耐熱性及び難燃性の両方の要求を満足す
る繊維として、ポリメタフエニレンイソフタラミ
ド繊維等の芳香族ポリアミド繊維が知られてい
る。しかし、この繊維は一般に熱可塑性を有しな
いため、前述のような熱圧着等の方法ではすぐれ
た紙状不織シートを製造することは不可能であ
る。 このため、芳香族ポリアミド繊維を用いた紙状
不織シートとして、次のような3種のものが知ら
れている。 (イ) 芳香族ポリアミドから「フイブリツド」と称
されるパルプ状粒子を作り、このパルプ状粒子
の結合力を利用して紙状の不織シートを形成し
たもの。 (ロ) 芳香族ポリアミド繊維のほかに、ポリエステ
ル等の熱可塑性素材をバインダーとして併用し
たもの。 (ハ) 配向結晶化した芳香族ポリアミド繊維と実質
的に配向結晶化していない繊維との混合ウエブ
を、後者の繊維のガラス転移点以上でかつ前者
の繊維のガラス転移点以下の温度で熱圧着して
形成したもの。 しかし、従来知られている前記(イ)〜(ハ)のシート
は、構造の緻密性、適度な含浸性、耐熱性という
実用上大きな問題となる特性に於て、一長一短が
あり、いずれも満足した性能を示すに至つていな
い。 すなわち、前記(イ)の不織シートは、パルプ状粒
子という特殊な形態を有する物を使用する関係
上、かなり緻密な構造と良好な表面平滑性とを有
する反面、含浸性が悪いという欠点を有するた
め、絶縁油、絶縁ワニス等の使用を必須条件とす
る電気絶縁材料用途及び樹脂含浸処理を必須条件
とする軽量複合材、電気材料用途に関しては、そ
の含浸不良に起因する寿命の低下、絶縁耐力や強
度の不足をきたし、好ましくない。かかる、緻密
な構造、平滑な表面、含浸性の悪さという特徴
は、パルプを使用することに起因する本質的な問
題であり、その長所である緻密性、平滑性を維持
したまま、欠点である含浸性の悪さのみを改善す
ることは、非常に困難と考えられる。 つまり、一般に合成重合体からなるパルプ状粒
子はフイブリルを有するフイルム状の形状をした
微小な物体であり、前記(イ)のシートではこの物体
のもつ絡合力を利用してシート状になしていると
考えられる。したがつて、シート中のパルプ状粒
子の含量を上げれば、構造の緻密性、表面の平滑
性が向上する半面、パルプによる気泡のつつみ込
みやシート表裏に貫通した細孔のカバーが生じ、
その結果として、シート内部に孤立したボイドを
生成する。これが、含浸性の悪さ及び樹脂含浸物
の絶縁耐力の不足の主因となつており、これが、
ハニカムコア等の軽量複合材、樹脂含浸等の含浸
型電気絶縁材に使用したときに、未だ不充分な性
能しか発現し得ないという結果を招いていると考
えられる。 一方、前記(ロ)の不織シートは、熱可塑性重合体
をバインダーとして使用するため、芳香族ポリア
ミドがもつ優れた耐熱特性を減ずるという本質的
な欠点を避け得ない。市場に出ている前記(ロ)の不
織シートとしては、バインダーとしてポリエチレ
ンテレフタレートを使用した不織布があるが、こ
こで使用するバインダーの量は、不織シートの耐
熱性を低下させないために、該シートを構成し得
る最小限に抑えることが必要であり、このため、
シートの緻密性がどうしても低くなりがちであ
る。 また、当然のことであるが、耐熱性は、芳香族
ポリアミドのみでできたシートよりかなり低下す
る。今、仮りに耐熱性の低下をがまんするとして
も、ハニカムコア等の軽量複合材、樹脂含浸等の
含浸型電気絶縁材に使用した場合には、その構造
の粗さが原因となり、やはり不充分な性能しか得
られない。 更に、前記(ハ)の不織シートは、まだ市場に一般
に出廻つていないが、本質的に熱可塑性を有して
いない繊維のみでシートを形成するため、緻密な
構造を有するシートを得ることは、ほとんど不可
能である。これは前記(ハ)の不織シートに関する特
開昭51−75179号公報に、シートの空隙率30〜70
%と記載されている事実からも推測される。この
ため、前記(ハ)の不織シートもまた、ハニカムコア
等の軽量複合材、樹脂含浸等の含浸型電気絶縁材
に使用した場合、構造の粗さに起因する不十分な
性能しか示し得ない。 発明の目的 本発明の主たる目的は、構造の緻密性、適度な
含浸性及び耐熱性という3つの特性を併せ備え
た、芳香族ポリアミド繊維からなる新規な不織シ
ートを提供することにある。本発明の他の目的
は、電気絶縁材料、ハニカムコア、軽量複合材料
等の用途に特に好適な不織シートを提供すること
にある。 発明の構成 本発明の新規な不織シートは、 (a) 配向結晶化した芳香族ポリアミド繊維Aと部
分的に配向結晶化した芳香族ポリアミド繊維
B1及び/又は未配向未結晶化の芳香族ポリア
ミド繊維B2とから実質的になる不織シートに
可塑剤を含浸させた状態で線圧50〜600Kg/cm、
温度240〜400℃の条件で加圧加熱した不織シー
トであつて (b) 該不織シート内における前記繊維(B1
び/又はB2)の少くとも一部はその断面が扁
平化されていて、各繊維は少くともその交点に
おいて互いに融着しており (c) かつ、該不織シート内に孤立したボイドを含
まず、水銀ポロメーターで測定される水銀侵入
量が0.1〜0.5c.c./gであつて、孔径分布の最頻
値が15ミクロン以下に位置し (d) しかも後述の方法で測定される空〓率が5〜
40%である ことを特徴とする芳香族ポリアミド繊維不織シー
トである。 本発明においていう「芳香族ポリアミド」と
は、ポリマー繰返し単位の85モル%が下記〔〕及
び/又は〔〕であるポリアミドを総称する。 かかる芳香族ポリアミドとしては、ポリメタフ
エニレンイソフタルアミドが最適であるが、少量
の共重合成分、例えばパラフエニレンジアミン、
テレフタル酸等の成分を含んでもよい。 本発明において使用する芳香族ポリアミド繊維
の製造方法は特に限定されないが、一般には、ポ
リメタフエニレンイソフタルアミド繊維の製造方
法としては、ポリメタフエニレンイソフタルアミ
ドを溶解した紡糸原液を乾式あるいは湿式あるい
は半乾半湿のいずれかの方法で紡糸し、次いで水
洗し、沸水延伸を施した後、乾燥し、更にガラス
転移温度以上で延伸熱処理する工程をとる。 本発明に於ては、上記工程のうち、1.05〜4倍
に沸水延伸後、更にガラス転移温度以上(例えば
250〜400℃)で全延伸倍率が2.5〜5倍となるよ
うに延伸熱処理された実質的に配向結晶化した繊
維Aと、沸水延伸を施した段階で取り出した部分
的に配向結晶化した繊維B1及び/又は、紡糸し
次いで水洗を施した後に取り出した配向結晶化の
していない繊維B2とが、混合して使用される。
本発明に於ては、ウエブの10〜90重量%が部分的
に配向結晶化した繊維B1及び/又は、未配向未
結晶化繊維B2(以下、これらを「実質的に配向結
晶化していない繊維B」と総称することがある)
より不織シートが構成されるのが好ましく、最も
好ましいのは、全体の30〜70重量%が実質的に配
向結晶化していない繊維Bより成る場合である。 本発明者らの研究によれば、前記配向結晶化し
た繊維A及び部分的に配向結晶化した繊維B1
繊度は、5デニール/フイラメント以下、特に3
デニール/フイラメント以下が好ましく、未配向
未結晶化繊維B2の繊度は、3デニール/フイラ
メントより大きいものが好ましい。 前記繊維B2としては、その内部にアミド系極
性溶媒を含むものでもよく、例えば、紡糸直後の
水洗を全く又は十分に行わない未延伸繊維を用い
ることができる。この場合、繊維中の溶媒含有量
は繊維重量に対し3〜20%が好ましい。溶媒含有
量がこの範囲内にある溶媒含有未延伸繊維を用い
るときは、後述のウエブ形成後の可塑剤処理を省
略することができる。 なお、本発明において、製品の耐熱性を損わな
い範囲で、芳香族ポリアミド繊維に対し小割合の
他の耐熱性繊維を併用することも可能であり、例
えばポリパラフエニレンテレフタルアミド等の他
の芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊
維、炭素繊維、無機繊維、ガラス繊維、金属繊維
等を含むことができる。 前記A,Bの繊維を用いて、本発明の不織シー
トを製造するには、通常、前記繊維を混合して、
それ自体公知の方法でウエブ化し、得られた混合
ウエブに極性アミド溶媒及び/又は水よりなる可
塑剤を付着せしめた状態で熱圧ロールにより高温
高圧で熱圧加工する方法が採用されるが、繊維A
からなるウエブと繊維Bからなるウエブを積層し
たのち、前記と同様の方法によつて処理し、熱圧
加工する方法を採用してもよい。後者の場合は、
繊維Bを主体とするウエブを中間層とし、その両
側に繊維Aを主体とするウエブを積層して表層部
を形成するように構成するのが好ましく、該中間
層は全体の不織シートの20〜70重量%となるよう
に積層するのが好ましい。このようにすると、得
られる不織シートの断面方向に粗密の状態が好ま
しくは変化した構造を有する製品となり、前記の
場合は中間層が特に緻密な構造を有するものとな
る。もちろん、製品の用途に応じて、表層部に繊
維(B1及び/又はB2)を主体とするウエブを配
し、中間層に繊維Aを主体とするウエブを配する
ように積層してもよく、また、各層における繊維
の配合割合を変化させてもよい。 一般に、ウエブを製造する方法としては、例え
ば、(a)捲縮を付与したステープルをフラツトカー
ド又はローラカード等のカード機により開繊化し
シート状にする方法、(b)長繊維のトウを積層した
ものを、針を植えた一対の末広がりベルトを用い
て幅方向に延伸するいわゆる長繊維のトウ開繊法
によつてシート状とする方法、(c)長繊維をベルト
上にランダムに積層することによつてシート状と
する方法、あるいは、(d)5〜20mm程度の短繊維を
水又は空気を用いて分散後、網上に捕集して得ら
れるシート状物等を、例えばニードリング、接着
剤処理等の手段を用い絡合もしくは結合させる方
法等が採用される。 ウエブに付着させる可塑剤として、極性アミド
系溶媒を用いる場合、好ましい溶媒としては、例
えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホス
ホルアミド、テトラメチル尿素、N−メチルカプ
ロラクタム、N−メチルピペリジン、あるいはこ
れらの混合物を挙げることができる。 極性アミド水溶液の場合は、その濃度を1重量
%以上、特に3〜15重量%とするのが好ましい。 上記極性アミド溶媒単独又はその水溶液の、芳
香族ポリアミド繊維からなるウエブへの付着量
は、ウエブに対し、極性アミド溶媒に換算して
0.5〜200重量%、特に1〜100重量%が好ましい。 極性アミド溶媒に換算した付着量が0.5重量%
未満では、熱圧加工後の不織シートの機械物性及
び表面平坦性、緻密性が不充分である。付着量が
増加するにしたがい、熱圧加工後の機械物性、表
面平坦性、緻密性は向上するが、付着量が200重
量%をこえると、もはや物性の向上は僅かであ
り、極性アミド溶媒のロス及びエネルギーロスが
増大するのでコスト的に無駄である。 一方、可塑剤が水である場合は、付着量はウエ
ブに対して10〜250重量%が好ましい。付着量が
10重量%未満では機械物性及び表面平坦性が不充
分であり、250重量%より多い場合は、熱圧加工
時のエネルギーロスが大きい。 ウエブに極性アミド溶媒及び/又は水からなる
可塑剤を付着する方法は、ウエブに均一に付着す
ることができる通常工業的に用いられている方法
が使用でき、例えばスプレー法又は含浸法等を挙
げることができる。 本発明の不織シートを得るための熱圧加工条件
は、ウエブに付着する極性アミド溶媒及び/又は
水の付着量に影響されるので、これらの条件を考
慮して適宜選択することによつて決めるべきであ
るが、通常、温度200〜400℃、圧力(線圧)50〜
600Kg/cmの条件で行う。なお、繊維中にアミド
系極性溶媒を含むものを用い、可塑剤処理をしな
い場合は300〜400℃の温度が好ましい。 熱圧加工時の温度が200℃より低い場合は、素
材が芳香族ポリアミド繊維であるため、融着性が
低く、機械物性の充分なものが得られない。温度
が400℃より高い場合は、通紙速度との兼ね合い
もあるが、芳香族ポリアミド繊維が熱劣化を起こ
し、黄変する等の問題がでてくる。 圧力は低過ぎると融着が不充分となる。高い方
はいくら高くてもかまわないが、エネルギー的に
無駄であり線圧600Kg/cmまでが好ましい。 熱圧加工方法は、二本以上の熱圧ロールを用い
て行う必要がある。ウエブを構成する芳香族ポリ
アミド繊維の組合せ、ウエブに極性アミド溶媒及
び/又は水よりなる可塑剤を付着せしめること、
このウエブを熱圧ロールを用い高温高圧で熱圧加
工すると言う3つの要件を満すことが、本発明の
不織シートを得るために特に重要である。この際
の通紙速度は3〜15m/分が好ましい。 以上のような方法により製造される本発明の不
織シートは、構成繊維のうち、少くとも実質的に
配向結晶化していない繊維Bの全部又は一部が、
扁平化していると共に、少くとも繊維の交点にお
いて互いに融着して、一体の不織シートを構成
し、かつ、該不織シート内に微小な空隙がほゞ均
一に存在しており、パルプ状粒子を用いた紙状物
にみられるような孤立したボイドを含まない。 そして、このシートにおける空隙の分布状態
は、水銀ポロシメーターで測定されるHg侵入量
が0.1〜0.5c.c./gであり、かつ、孔径の分布のピ
ークが13ミクロン以下に存在することによつても
特徴づけられる。 これらの値は、60000psi型ポロシメーター
(American Instrument Company製)の装置
で、0.1〜0.5gの試料に、50ミクロンHgから
25000psi迄加圧し、Hgを侵入させ測定すること
によつて求められる。 水銀ポロシメーターによつて測定されるHg侵
入量及び空隙の孔径との関係を第1図に示すが、
図において横長の枠内の範囲Cが本発明の不織シ
ートの値であり、図中の縦長の枠内の範囲Nが従
来の芳香族ポリアミド繊維不織布の値である。 さらに、本発明の不織シートは、従来の芳香族
ポリアミド不織布に比べて格段にすぐれた緻密性
を有する。 本発明では、緻密性を表わす尺度として「空隙
率」を用いるが、本発明の不織シートは、空隙率
が5〜40%、好ましくは6〜30%の範囲内にあ
る。従来の芳香族ポリアミド繊維不織布は、いず
れも空隙率が40%より大きく、本発明のような緻
密性の大きいものは従来存在しなかつたものであ
る。 ここで「空隙率」とは、常法により、不織シー
トを一定面積に切り出し、その重量を化学天秤に
て0.1mgまで測定し、厚みを厚み計(ONO
SHOKKI DG−211)により0.1μmまで測定する
事により密度を求め、これより次式により算出し
たものである。 空隙率=(1.37−密度)/1.37×100(%) 不織シートにおける空隙の状態や緻密性が、従
来の不織布のような範囲にあるものは、樹脂の含
浸性は良いが、樹脂が泌み過ぎて該樹脂の不織シ
ート内の保持が出来難くなつて、複合化して電気
絶縁材とした時の絶縁破壊電圧が上昇しなかつた
り、不織シート内部に大きな空隙や孤立したボイ
ドが存在する為、樹脂の含浸量を極端に大きくし
ないと得られる電気絶縁材の絶縁破壊電圧は上昇
しないという問題がある。 一方、緻密すぎるものは、フイルムに近い状態
となつて含浸性が極端に低下する。 また、ハニカムコアとして使用する場合にも、
樹脂が均一に付着しない、樹脂が泌み過ぎる等の
問題がある。本発明の好ましい態様においては、
不織シートの透気度が0.1〜10000秒/100c.c.、と
くに1〜5000秒/100c.c.の範囲内にある。 ここで透気度は、JIS P8117の方法によつて測
定される値である。 また、本発明の好ましい態様においては、表面
粗さを示す中心線平均粗さ(Ra)が、5μm以下
となるような極めて表面平坦性に優れているもの
である。ここに中心線平均粗さ(Ra)は、JIS
B0601−1976に規定されたもので、具体的な測定
方法は測定機として東京精密(株)製「サーフコム
330B」を用い、触針径2μ、測定力70mgでJIS
B0601−1976に準じて実施した値である。 Ra値は粗さ曲線から、その中心線の方向に測
定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の
中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸として、粗さ
曲線をY=f(X)で表わした時、次の式で与えら
れた値でμm単位で表わす。 Ra=1/L∫L 0|f(X)|dx 本発明の好ましい芳香族ポリアミド不織シート
のRa値は5μm以下、特に4μm以下であり、芳香
族ポリアミド繊維のみから成るという点で類似し
ている従来の製品(ハ)のRa値が最良の場合でも6
〜7μmであることと比較すると、極めて表面平坦
性が優れていることが解る。 Raが約5μmを越えると、例えば得られる不織
シートをフイルムとラミネートし、電気絶縁材と
なした場合、該不織シートの表面が粗過ぎてラミ
ネート製品の性能が劣つたものとなる。 発明の効果 以上の如く本発明によれば、緻密性、適度な含
浸性、耐熱性等を併せ持つという従来にない全く
新規な不織シートが提供される。 即ち、本発明の不織シートの高い緻密性は、例
えばハニカムコア等の作製に於いては、接着剤の
過度のにじみを防止したり、樹脂含浸型電気絶縁
材料の作製に於いては含浸性の良さと相まつてす
ぐれた電気特性を発現させる。また、本発明の不
織シートの優れた含浸性は、含浸不良を防止し、
器機寿命を向上させると同時に、含浸工程を簡略
化できる可能性を持つ。更に、本発明の不織シー
トの好ましい態様では優れた表面平滑性をもつた
め、ラミネート基材として使用した場合に、ラミ
ネート品の優れた性能に大きく寄与し、又、工業
用離型紙としての性能に大きく寄与する。 更にまた、本発明の不織シートは実質的に芳香
族ポリアミド繊維のみより成るため、パルプを含
むシート、例えば市販の芳香族ポリアミド紙
(Nomex410)より高いエルメンドルフ引裂強度
を有する。なお、原因は不明であるが前述した従
来の(イ)、(ロ)、(ハ)と比較した場合、本発明の不織シ
ートは優れた長期耐熱特性も有している。 即ち、本発明の不織シートは、非常に緻密な構
造であり、且つ含まれる空隙が細い孔としてシー
ト表裏を貫通した形状で全体に分布し且つその表
面は極めて平坦である。この特異な構造の故に、
緻密性と高含浸性という相反する特性を兼ね備
え、且つ、熱可塑性素材を使用しない為、芳香族
ポリアミドの持つ優れた耐熱性が損なわれること
なく発現するものと考えられる。 そして、本発明の不織シートは、一般に、25〜
1000g/m2の目付を有し、厚みが1〜20mmの範囲
内にある。そして、引張強度1〜40g/cm、引裂
強度200〜1000Kg、破断伸度0.5〜10%のきわめて
すぐれた物性を有する。 したがつて、このものは、前述した種々の用途
において、有用性の大きいものであり、従来の芳
香族ポリアミド繊維不織布が用いられなかつた分
野にも広く使用することができる。 実施例 次に、本発明について、いくつかの実施例を挙
げ説明するが、本発明は、これにより何ら制約を
受けるものではない。 なお実施例中の重合体の固有粘度は濃硫酸を用
い濃度0.5g/dl、温度30℃で測定した。 油含浸性は25℃大気圧下で5cm角のサンプルを
真空乾燥後絶縁油1号(JIS規格)の油面上にお
き、サンプル表面に絶縁油があらわれるまでの時
間であらわした。 透気度はJIS P8117記載の方法に準じ、装置は
B型を使用した。 実施例1〜4、比較例1〜2 〔繊維の製造〕 極限粘度1.8のポリメタフエニレンイソフタル
アミドのN−メチル−2−ピロリドン溶液を用い
て、塩化カルシウム凝固浴中で湿式紡糸を行な
い、水洗乾燥後、捲縮を付与し、繊度1.5de、カ
ツト長51m/mの短繊維(繊維Mと略す)を得た。 同様に前記溶液を用いて、湿式紡糸し水洗後、
沸水浴中で2.7倍に延伸し乾燥後、捲縮を付与し
同様に繊度1.5deカツト長51m/mの短繊維(繊維
Fと略す)を得た。 同様に、前記溶液を用いて湿式紡糸し、水洗
後、沸水浴中で2.7倍に延伸し、乾燥後更に350℃
の熱板上で1.3倍に延伸したものに捲縮を付与し、
繊度1.5de、カツト長51m/mの短繊維(繊維Rと
略す)を得た。 〔シートの製造〕 前記3種類の繊維を用い、第1表に示すような
種々の割合でブレンドしたものをシングルスカツ
チヤーで予備開線後、フラツトカードを2段通し
クロスレイドウエバーでベルトコンベア上にウエ
ブを形成し、引き続きニードル機で9バーブの針
を用い、針密度84本/cm2のニードルをかけ目付80
g/m2の絡合ウエブを得た。このウエブの両面に
スプレー装置を用い、濃度3重量%のN−メチル
−2−ピロリドン3重量%水溶液をウエブに対し
100重量%付着させた。次いで一対の熱圧ロール
を用い温度280℃、線圧400Kg/cm、速度8m/
minの条件でプレスし張力をかけながら連続的に
巻き取つた。 得られた不織シートの物性を第1表に示す。 なお、強伸度はインストロン測定機を用い、チ
ヤツク間隔20cm、サンプル巾1.5cm、ヘツド速度
10cm/minの条件で測定した。 なお、比較のため実施例1と同様にして繊維混
合比率R/F=4/6、目付80g/m2の絡合ウエブ及
び、繊維混合比率R/M=4/6、目付80g/m2の絡
合ウエブを得た。これらのウエブに可塑剤を付着
しないで温度350℃、線圧400Kg/cm、速度8m/
minの条件でプレスし張力をかけながら連続的に
巻取つた。得られた2種の不織シートの物性を併
せて第1表に示す。
【表】 実施例5〜7、比較例3 実施例4と同様にして作成したR/F=4/6、目
付80g/m2のウエブに対し、5重量%N−メチル
−2−ピロリドン水溶液を第2表に示す各付着量
(水溶液基準)でスプレーした後、温度225℃、線
圧400Kg/cm、速度10m/分の条件でシワが生じ
ない程度に張力をかけながら連続的に巻取つた。
得られた不織シートの物性を第2表に示す。
【表】 実施例 8〜9 実施例4と同様にして作成したR/F=4/6、目
付80g/m2のウエブに3重量%N−メチル−2−
ピロリドン水溶液を、100重量%スプレーした後、
温度280℃、線圧400Kg/cmの条件で速度を変更し
て連続的に巻取つた。得られた不織シートの物性
を第3表に示す。
【表】 実施例10〜13、比較例4 実施例4と同様にして作成したR/F=4/6、目
付90g/m2のウエブに第4表に示した各種溶剤を
100重量%スプレーした後、温度250℃、線圧400
Kg/cm、速度8m/分の条件でプレスし、張力を
かけながら巻取つた。 得られた不織シートの物性を第4表に示す。 なお、比較例4として溶剤なしの場合をあわせ
て第4表に示す。
【表】 実施例14、比較例5〜8 目付60g/m2のウエブで実施例4と同様にして
得られた不織シートを、常圧下でフエノール樹脂
20%溶液に浸漬含浸し硬化せしめ得られた含浸物
の絶縁破壊電圧(B.D.V)を第5表に示す。 なお比較例1で得た不織シートの含浸物(比較
例5)、Nomex410含浸物(比較例6)、
Nomex424含浸物(比較例7)、H8008CT(日本
バイリーン社不織布)含浸物(比較例8)のB.
D.Vも併せて第5表に示す。
【表】 実施例 15〜16 実施例1〜4に記載の繊維Rのみからなる
(R/Fが10/0である)目付40g/m2の芳香族ポリア
ミド繊維ウエブ、実施例1〜4に記載の繊維M
のみからなる(R/Mが0/10である)目付40g/m2
の芳香族ポリアミド繊維ウエブ、並びに実施例
4と同様に作製した繊維RとFとの混合比R/Fが
4/6の目付40g/m2の芳香族ポリアミド繊維混合ウ
エブを用い、中間層に繊維Mのみからなるウエ
ブ、上下層に繊維Rのみからなるウエブを積
層した目付120g/m2の積層ウエブ(実施例15)お
よび中間層に繊維Mのみからなるウエブ、上下
層に繊維R、Fからなる混合ウエブを積層した
目付120g/m2の積層ウエブ(実施例16)に、それ
ぞれ濃度3重量%のN−メチル−2−ピロリドン
水溶液を100重量%(対繊維重量)スプレーした
後、加圧加熱ローラー間で温度280℃、線圧400
Kg/cm、速度8m/minの条件でプレスし、張力
をかけながら巻取つた。得られた不織シートの物
性を第6表に示す。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、各種の不織シートについて水銀ポロ
シメーターで測定したときおけるHg侵入量と孔
径分布のピークとの関係を示す関係図であり、図
中の横長の枠Cは本発明の不織シートの範囲、縦
長の枠Nは従来公知の芳香族ポリアミド繊維不織
布の範囲を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 配向結晶化した芳香族ポリアミド繊維Aと部
    分的に配向結晶化した芳香族ポリアミド繊維B1
    及び/又は未配向未結晶化の芳香族ポリアミド繊
    維B2とから実質的になる不織シートに可塑剤を
    含浸させた状態で線圧50〜600Kg/cm、温度240〜
    400℃の条件で加圧加熱した不織シートであつて、
    該不織シート内における前記繊維(B1及び/又
    はB2)の少くとも一部はその断面が扁平化され
    ていて、各繊維は少くともその交点において互い
    に融着しており、かつ、該不織シート内に孤立し
    たボイドを含まず、水銀ポロシメーターで測定さ
    れる水銀侵入量が0.1〜0.5c.c./gであつて、孔径
    分布の最頻値が15ミクロン以下に位置し、しかも
    空〓率が5〜40%であることを特徴とする芳香族
    ポリアミド繊維不織シート。
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