JPS6328013B2

JPS6328013B2 -

Info

Publication number: JPS6328013B2
Application number: JP56029340A
Authority: JP
Inventors: Juzo Aido; Hideharu Sasaki; Tooru Sawaki; Keizo Shimada
Original assignee: Teijin Ltd
Current assignee: Teijin Ltd
Priority date: 1981-03-03
Filing date: 1981-03-03
Publication date: 1988-06-07
Also published as: JPS57144746A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、ハニカムコアに関し、その目的とす
るところは、軽量でかつ高強力な、芳香族ポリア
ミド繊維より構成されたハニカムコアを提供する
ことにある。

従来、ハニカムコアは軽量でかつ高強力の構造
体として有用であり、アルミニウム箔、クラフト
ペーパー等の素材が使用されてきた。

たとえば、アルミニウム箔からなるハニカムコ
アは、強度的に高い水準にあり、航空機の部材な
どに使用されている。しかしながら、このような
航空機等の部材においては、さらに高度の軽量化
ならびに強度的信頼性が要請されるようになり、
さらに軽くて強いハニカムコアの開発がのぞまれ
てきた。

一方、クラフトペーパーを基材とするハニカム
コアも軽量かつ安価であるものの、機械的強度の
不足および温度や湿度による収縮が大きいなどの
欠点をもつている。

軽量かつ熱的により安定な基材としていわゆる
ノーメツクスペーパー（商標名）を基材として用
いたハニカムコアが使用されるようになつてき
た。すなわち、ポリメタフエニレンイソフタルア
ミド繊維とポリメタフエニレンイソフタルアミド
からの合成パルプとを混抄してシート状とした合
成紙を基材とするものであるが、構成成分として
のポリメタフエニレンイソフタルアミドのパルプ
が非晶質であるためバインダーとしての働きをす
る一方で、機械的強度の弱点を示す結果となつて
いる。

本発明者らは、このような欠点を排除し、軽量
かつ高性能のハニカムコアを得るべくの鋭意研究
の結果、本発明に到達したものである。

すなわち、本発明は、 (A) 延伸熱処理した芳香族ポリアミド繊維95〜５
重量％と、 (B) 未延伸芳香族ポリアミド繊維、延伸未熱処理
芳香族ポリアミド繊維または／および易溶性の
スキン層と難溶性もしくは不溶性のコア層とを
有する芳香族ポリアミド繊維５〜95重量％との混合物から主としてなるウエブ状物を加圧加
熱した不織繊維状物を積層後、延展し、固定化し
てハニカムコアに形成したことを特徴とするもの
である。

本発明において使用する芳香族ポリアミドは、
前記の如く、酸成分としてテレフタル酸単位又は
イソフタル酸単位を、アミン成分としてパラフエ
ニレンジアミン単位、メタフエニレンジアミン単
位、ジアミノ・ジフエニルエーテル単位、ジアミ
ノジフエニルメタン単位又はジアミノジフエニレ
スルホン単位を主たる構成単位として含むポリア
ミドであつて、耐熱性の良好なポリマーである。
さらに、これら芳香族ポリアミドは、たとえば硫
酸のような無機溶剤、あるいはＮ−メチルピロリ
ドンのような有機溶剤に溶解したのち、製糸する
ことによつて、耐熱性の良好な繊維を得ることが
できる。

前記の如く、耐熱性のすぐれたシート状物とし
てポリメタフエニレンイソフタルアミドからの繊
維のカツトフアイバーと、同じポリメタフエニレ
ンイソフタルアミドから得られるフイブリツドと
を混合抄紙した合成紙が提案されているが、フイ
ブリツドの非晶性に起因すると考えられる強度
（たとえば圧縮強度）が不充分であり、さらに高
強力化が要求されている。

しかるに本発明にかかれるシート状物は、主た
る構成要素が芳香族ポリアミドの繊維あるいはそ
の集合体である繊維束またはウエブから成つてお
り、その為繊維自身のもつ強力が充分に発揮され
ると同時に繊維あるいはその集合体同志のからみ
合い及びすぐれた接着性によつて、シート状物と
しての強力が極めて高い水準に達している。

すなわち、本発明にかかわる芳香族ポリアミド
繊維からなるシート状物は、ハニカム用基材とし
て用いた時にきわめてすぐれた強度、とくに圧縮
強度を発揮することにある。

本発明にかかわる芳香族ポリアミド繊維からの
ウエブ状物の他の特徴は、樹脂含浸性がきわめて
良いことである。従つて、本発明においては、ハ
ニカムの製作に際しての樹脂または樹脂溶液の含
浸をきわめてすみやかに、しかも効率よく所望の
量を付着させることが可能となる。

本発明にかかわるハニカムコアは、前述の特性
を発現させるために、芳香族ポリアミド繊維とし
て(A)延伸熱処理繊維に(B)未延伸繊維または／およ
び延伸・未熱処理繊維あるいは、易溶性のスキン
層と難溶性もしくは不溶性のコア層を有する繊維
を併用する。

本発明で用いる延伸熱処理繊維は、後記芳香族
ポリアミド延伸未熱処理繊維をさらに、高温たと
えば200℃〜600℃の雰囲気もしくはプレート状を
通過させ熱処理することにより得られる。

又芳香族ポリアミドの未延伸繊維および延伸・
未熱処理繊維は、通常よく知られた製糸方法、た
とえば該芳香族ポリアミドを極性有機溶剤に溶解
させた溶液を小孔を通して凝固溶中にとり出し、
洗浄する工程で得ることが出来る。

すなわち、未延伸繊維は、たとえば上述の洗浄
したのちの繊維を乾燥することによつて得られる
し、延伸・未熱処理繊維は、上記未延伸繊維をた
とえば、熱水中で延伸することによつて得られ
る。

さらに、本発明において用いられる易溶性のス
キン層と難溶性もしくは不溶性のコア層を有する
（スキン／コア型）芳香族ポリアミド繊維は、上
述の延伸・熱処理繊維を得る工程において、たと
えば凝固条件等を変更することにより得ることが
出来る（詳細については特開昭55−142717号公報
参照）。

このように、(A)延伸熱処理繊維に対し、(B)未延
伸繊維または／および延伸・未熱処理繊維あるい
はスキン／コア型繊維を併用するに当り、その使
用割合は、ハニカムコアの使用用途に応じて任意
に変えることができる。

即ち、(A)延伸熱処理繊維と前記(B)繊維との混合
率は95〜５重量％：５〜95重量％、好ましくは80
〜20重量％：20〜80重量％である。(A)延伸熱処理
繊維が約95重量％を越えると、繊維間の絡み合い
が弱くなりシート状物の構造体としての強度が弱
く、一方約５重量％未満では構成繊維自体の強度
が乏しく好ましくない。

本発明にかかわる芳香族ポリアミド繊維からの
シート状物を得る方法としては、長繊維を開繊し
ていく方法、短繊維を混繊し面状にひろげる方法
あるいは、これら工程を水中など湿式で実施する
方法または乾式法など種々の方法を採用すること
ができる。

たとえば、芳香族ポリアミドとしてポリメタフ
エニレンイソフタルアミドを例にあげると、該ポ
リメタフエニレンイソフタルアミド延伸熱処理繊
維及び未延伸繊維をそれぞれ、例えば51mm長さに
カツトし、重量比40：60の割合で混繊したのち、
所定の重さ（ｇ／m²）になるように連続的に均質
な面状に拡げることによつて、ウエブ状物を得
る。さらに該ウエブ状物を熱プレスまたは熱ロー
ル等の手段で加圧加熱することによつてシート状
物を得ることができる。

本発明にかかわるシート状物をつくるに際し
て、芳香族ポリアミド繊維のほかに、必要に応じ
て種々の繊維を併せ用いることも可能である。か
かる繊維の例としては、ポリプロピレン繊維、ポ
リエチレンテレフタレート繊維、ナイロン−６、
ナイロン66等のポリアミド繊維、ポリアリレート
繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の有機繊維、
ガラス繊維、石綿、金属繊維、チタン酸カリウム
繊維等の無機質繊維、あるいは炭素繊維、アルミ
ナ繊維等をあげることができる。

かかる芳香族ポリアミド繊維以外の繊維以外の
繊維の使用割合は、ハニカムコア基材としての芳
香族ポリアミド繊維の特性を損わない範囲で可能
であるが通常30重量％以下、好ましくは15重量％
以下を用いることができる。

本発明にかかわるハニカムコアを製造するに際
しては、上述してきた芳香族ポリアミド繊維から
のシート状物を積層後、展張することが必要であ
る。

すなわち、芳香族ポリアミド繊維からのシート
状物上に、所定のセルサイズになるように、スト
ライプ状に接着材を塗工（特公昭39−7640号公
報。、特公昭43−17910号公報、特開昭53−134075
号公報等）し、その塗工したシートを、半ピツチ
ずつずらせながら重ねあわせたのち、熱プレスを
行なつて未展張物を得る。ついで、所定のコア厚
みにカツトし、展張（例えば特開昭53−129267号
公報）して、ハニカム状に至つたところで、硬化
型樹脂を塗工ないしは含浸せしめ加熱処理をほど
こすことによつて固定化したハニカムコアを得る
ことができる。

かかるハニカムコア製造の際に使用する接着剤
としてはエポキシ樹脂系、フエノール樹脂系、ポ
リイミド系、ポリアミドイミド系など、各種の接
着剤を用いることが可能である。

また、ハニカムコアの固定に使用する樹脂の例
としては、エポキシ樹脂、フエノール樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、その他各種
の樹脂をあげることができる。

なお、本発明においては、各種の熱安定剤、難
燃剤等の第３成分を基材に対し15重量％以下添加
することも本発明の範囲に入ると広く解釈すべき
である。

以上の様に本発明にかかわるハニカムコアは、
軽量かつ耐熱性にすぐれているばかりでなく、き
わめてすぐれた機械的特性（とくに圧縮特性）を
有しており、軽量・高性能構造材料の構成要素と
してきわめて有用である。

以下に、実施例をもつて本発明をさらに詳細に
説明する。

なお、実施例中単に「部」とあるのは、「重量
部」を意味する。

実施例１ (イ) シート状物の調製ポリメタフエニレンイソフタルアミドの延伸
熱処理繊維（商品名「テイジンコーネツクス」）
のカツトフアイバー（繊度1.5デニール、繊維
長51mm）40部及び該ポリメタフエニレンイソフ
タルアミドの製糸工程において凝固−水洗のの
ち熱水中で延伸したいわゆる延伸・未熱処理繊
維のカツトフアイバー（繊度4.7デニール、繊
維長51mm）60部を混繊し、フラツトカード機に
てカードしてウエブ状物を得た。

ついで、該ウエブ状物を130℃に設定したプ
レスで70Kg／cm²の圧力下２分間熱圧することに
より、64.0ｇ／m²、厚み0.073mmのシート状物
を得た。

(ロ) 接着剤の塗工及び積層上記(イ)によつて得られたシート状物上に、エ
ポキシ樹脂系接着剤（エピコート828：エピコ
ート871：エピキユアＺ（いずれもシエル化学製
品）＝50部：50部：20部混合糸）を、28mmのピ
ツチで７mm幅の縞状に塗工したのち、塗工面を
半ピツチずつずらせながら積層した。

ついで、この積層物を140℃に加熱したプレ
スを用い、30Kg／cm²の圧力で20分間加熱接着し
未展張ハニカムコアを得た。

(ハ) 展張、樹脂含浸及び硬化上記(ロ)により得られた未展張ハニカムコアを
接着剤の縞目に対して垂直に７mm幅（ハニカム
コアの厚みに相当）で切断した。

なお、接着剤の塗工量は、基材であるシート
状物に対し、平均72重量％であつた。

切断した未展張ハニカムコアを展張してハニ
カム状となし、そのまま固定してあらかじめ調
製したエポキシ樹脂溶液（エピコート828：エ
ピキユアＺ：アセトン＝100部：20部：180部）
中に含浸した。

ついで、アセトンを風乾で除去したのち、95
℃で２時間さらに、140℃で４時間加熱して硬
化せしめた。

(ニ) 圧縮強さ上記(ハ)で得られた樹脂含浸ハニカムコアは、
見かけ比重が0.026ｇ／cm³であり、圧縮強さ
（セルサイズ７mm、コア厚み７mm）は7.9Kg／cm²
であつた。

比較のため、ポリメタフエニレンイソフタル
アミドのフイブリツドと該ポリメタフエニレン
イソフタルアミド繊維とよりなる合成紙（デユ
ポン社Nomexペーパー、タイプ410、（２ミ
ル）：重さ38ｇ／m²）を用いて、実施例１(ロ)及
び(ハ)と同様にして樹脂含浸ハニカムコア（みか
け比重0.025ｇ／cm³）を得た。このペーパー型
ハニカムコアの圧縮強さは、2.8Kg／cm²にすぎ
なかつた。

実施例２実施例１(ハ)の含浸用エポキシ樹脂溶液における
アセトン使用量180部を150部とした以外は、実施
例１(イ)〜(ハ)と同様にして、硬化せしめた樹脂含浸
ハニカムコア（見かけ比重0.041ｇ／cm³）を得た。

このハニカムコアの圧縮強度は11.8Kg／cm²とき
わめて良好であつた。

実施例３実施例(ハ)で得たハニカムコアを、再び実施例１
(ハ)で用いた含浸用エポキシ樹脂溶液中に含浸し、
風乾後、160℃の熱風乾燥器中に２時間保持して、
みかけ比重0.048ｇ／cm³のハニカムコアを得た。
このハニカムコアの圧縮強さは16.5Kg／cm²ときわ
めて良好であつた。

実施例４実施例１(イ)及び(ロ)で得られた未展張ハニカムコ
アをコア厚み７mmになるように切断し、展張して
ハニカムコア状としたのち、フエノール樹脂（セ
メダイン株式会社製No.110、50％メチルエチルケ
トン溶液）中に含浸し、風乾後、180℃に２時間
加熱することによつて、みかけ比重0.053ｇ／cm³
のハニカムコアを得た。

得られたフエノール樹脂含浸ハニカムコアの圧
縮強さは18.2Kg／cm²と極めて良好であつた。

なお、比較の為、ポリメタフエニレンイソフタ
ルアミド系合成紙〔デユポン社Nomexペーパー、
タイプ410（２ミル）〕を用いて、上記と同様にし
てフエノール樹脂含浸ハニカムコアを試作した。
このハニカムコアの圧縮強さは、7.0Kg／cm²であ
つた。

実施例５ (イ) シート状物の調製ポリメタフエニレンイソフタルアミドの延伸
熱処理繊維（商品名「テイジンコーネツクス」）
のカツトフアイバー（繊度1.5デニール、繊維
長51mm）40部及び該ポリメタフエニレンイソフ
タルアミドの製糸工程において凝固・水洗して
得たいわゆる未延伸糸のカツトフアイバー（繊
度4.7デニル、繊維長51mm）60部を混繊し、フ
ラツトカード機にてカードしてウエブ状物を得
た。

ついで、該ウエブ状物を290℃に設定したプ
レスで70Kg／m²の圧力下２分間熱圧することに
より、重さ56.4ｇ／m²、厚み0.061のシート状
物を得た。

(ロ) 接着剤の塗工及び積層上記(イ)で得られたシート状物を、前述実施例
１(ロ)で示した方法で、接着剤を塗工し、ついで
積層−プレスして未展張ハニカムコアを得た。

(ハ) 展張、樹脂含浸及び硬化上記(ロ)で得た未展張ハニカムコアを実施例１
(ハ)の方法と同様にして、セルサイズ７mm、セル
厚み７mmの展張ハニカムコアとなし、これを実
施例４で用いたフエノール樹脂（セメダインNo.
110、但し40％メチルエチルケトン溶液として
使用）中に含浸、風乾後、180℃に２時間加熱
して、みかけ比重0.036のハニカムコアをえた。

このハニカムコアの圧縮強さは、8.7Kg／cm²
であつた。

実施例６パラフエニレンジアミンと３・4′−オキシジア
ニリンとの50：50（モル比）混合物をアミン成分
とし、これにテレフタル酸クロライドを反応せし
めて得られるポリ（パラフエニレン／３・4′−オ
キシジフエニレン・テレフタルアミド）のＮ−メ
チルピロリドン溶液から湿式紡糸熱延伸して得ら
れる全芳香族ポリアミド繊維のカツトフアイバー
（繊度1.5デニール、繊維長35mm）40部と実施例１
(イ)で用いたポリメタフエニレンイソフタルアミド
の延伸・未熱処理繊維のカツトフアイバー（繊度
1.8デニール、繊維長35mm）60部とを混繊し、カ
ードすることにより、ウエブ状物を得た。

ついで該ウエブ状物を実施例１(イ)〜(ハ)に記載し
た方法と同様にして、エポキシ樹脂を含浸硬化せ
しめたハニカムコアを得た。

こうして得られたハニカムコアのみかけ比重は
0.028ｇ／cm³であり、圧縮強さは8.5Kg／cm²であつ
た。

実施例７特開昭55−142717号公報に準じて得られた易染
性スキン層と難溶性コア層を有するポリメタフエ
ニレンイソフタルアミド繊維のカツトフアイバー
70部と、実施例１(イ)記載と同様の延伸熱処理繊維
のカツトフアイバー30部とを、実施例５と同様に
混繊、カードしてウエブ状物を得た。

ついで、実施例５と同様にして、みかけ比重
0.041ｇ／cm³のハニカムコアを試作した。

該ハニカムコアの圧縮強度は、13.8Kg／cm²と極
めて優秀であつた。

Claims

【特許請求の範囲】１ (A) 延伸熱処理した芳香族ポリアミド繊維95
〜５重量％と、 (B) 未延伸芳香族ポリアミド繊維、延伸未熱処理
芳香族ポリアミド繊維または／および易溶性の
スキン層と難溶性もしくは不溶性のコア層とを
有する芳香族ポリアミド繊維５〜95重量％との混合物から主としてなるウエブ状物を加圧加
熱した不織繊維シート状物を積層後、延展し、固
定化して形成したことを特徴とするハニカムコ
ア。