JPH0215395B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、発色材料を担持しており、加熱され
ることにより、前記発色材料を記録媒体に転写す
る熱転写記録用発色材シートのカセツトに関す
る。

従来例の構成とその問題点 第１図は従来の熱転写記録用発色材シートおよ
び熱転写記録装置を示す。１はサーマルヘツド、
２はサーマルヘツド１を押し上げるためのばね、
３はヘツド押えローラであり、ヘツド押えローラ
３は図示しないモータにより駆動されるようにな
つている。４は発色材シートであり、薄いフイル
ム状のシートの片面全面に顔料または熱昇華性染
料をコートしてなり、ロール状となされている
（４ａは発色材シート４のロールを示す）。

５は被転写紙であり、自動給紙ローラ６および
ガイド７により、サーマルヘツド１に向かつて搬
送されるようになつている。８は巻取ボビン、
９，１０は発色材シート４が巻取ピン８に巻き取
られるにつれ、そのロール４ａの径が変化して
も、サーマルヘツド１に対する発色材シート４の
接触角度が常に一定となるようにする規正ローラ
である。

前記発色材シート４を熱写記録装置にセツトす
る際には、まず使用者が発色材シート４の先端
を、その先端に付着されている粘着材または粘着
テープにより、巻取ボビン８に付着させる。な
お、この際、発色材シート４の向きは、前記発色
材料がコートされている面がヘツド押えローラ３
側となるようにする。

このように発色材シート４がセツトされた状態
において、自動給紙ローラ６が駆動されると、被
転写紙５がガイド７に沿つてサーマルヘツド１の
方に搬送され、この被転写紙５が発色材シート４
と重なつてサーマルヘツド１とヘツド押えローラ
３との間に挾まれた状態となる。そして、この状
態においてサーマルヘツド１が駆動され、その発
熱素子が発熱すると、その熱により、前記発色材
料が発色材シート４から被転写紙５に転写され、
印字がなされる。

また、上述のようにして１ラインの印字または
１列の文字の印字がなされると、図示しないモー
タにより、ヘツド押えローラ３が回転されて必要
量だけ被転写紙５が移動される。他方、発色材シ
ート４は、前記被転写紙５の移動とともに移動
し、図示しないモータによつて駆動される巻取ボ
ビン８に巻き取られる。そして、印字された被転
写紙５は、ガイド１１によつて発色材シート４と
分離されて、矢印Ａ方向に排出される。

しかしながら、このような従来の発色材シート
４においては、発色材シート４のセツトが非常に
困難であつた。これは、発色材シート４は非常に
薄く通常数ミクロン程度であり、その先端を巻取
ボビン８に付着させる場合に破損したり、規正ロ
ール９，１０間で皺が発生し易い上、裏表を間違
わないように注意してセツトしなければならない
からである。

また、従来においては、熱転写記録装置にガイ
ド７，１１を設ける必要があり、熱転写記録装置
の構成が複雑になるという欠点もあつた。

発明の目的 本発明は、前記従来の欠点を解消するためにな
されたもので、使用者が、発色材シートの先端に
巻取ボビンに粘着材、粘着テープ等の手段により
付着させる必要や、発色材シートを規正ローラ等
の規正ガイド間に皺のないようにセツトする必要
がないとともに、発色材シートの裏表を気にする
必要もなく、熱転写記録装置に簡単に発色材シー
トをセツトすることができ、しかも熱転写記録装
置の構造を簡単化することができる熱転写記録用
発色材シートのカセツトを提供することを目的と
する。

発明の構成 本発明による熱転写記録用発色材シートのカセ
ツトは、供給ボビンと、巻取ボビンと、供給ボビ
ンから巻取ボビンに巻き取られる発色材シートと
をケース内に収容するとともに、被転写紙等の記
録媒体を案内するガイドを前記ケース自体によつ
て構成することにより、上述の目的を達成せんと
するものである。

実施例の説明 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第２図は本発明の一実施例による熱転写記録用
発色材シートのカセツト１２の斜視図、第３図は
熱転写記録装置にセツトした状態における前記カ
セツト１２の概略断面図、第４図および第５図は
前記カセツト１２の詳細断面図である。

まず、これらの図によりカセツト１２の構成を
説明すると、カセツト１２のケース１３には、供
給ボビン受け１４が一体的に設けられており（第
４図参照）、このボビン受け１４はケース１３内
に向かつて突出されている。前記供給ボビン受け
１４には、中空状の供給ボビンの一端部が回転自
在に嵌合されている。また、前記ケース１３に
は、ブレーキ片１６が一体的に設けられており、
このブレーキ片１６は、供給ボビン１５の他端部
に嵌合されるとともに、同ブレーキ片１６自体が
持つ弾性により供給ボビン１５を軸方向に押圧し
ている。以上の結果、前記供給ボビン１５は、ブ
レーキ片１６によつて制動を受ける状態でケース
１３内に回転自在に支持されている。

前記ケース１３には、巻取ボビン支持孔１７，
１８が設けられており、これらの支持孔１７，１
８には、中空状の巻取ボビン１９が回転自在に支
持されている。前記供給ボビンには、発色材シー
ト２０が巻かれている。この発色材シート２０
は、薄いフイルム状のシートの片面全面に顔料ま
たは熱昇華性染料をコートしてなり、その先端部
は、巻取ボビン１９に取り付けられている。

前記ケース１３の一方の面には開口２１、ケー
ス１３の他方の面には開口２２がそれぞれ設けら
れており、発色材シート２０のうちの、供給ボビ
ン１５と巻取ボビン１９との間に掛け渡されてい
る部分の一部は、前記開口２１，２２により外部
に対して露出されている。前記ケース１３のうち
の、開口２１の両側には、規正凸部２３，２４が
同ケース１３に一体的に設けられている。他方、
前記ケース１３のうちの、開口２２の両側の部分
には、斜面部が形成されており、これらの斜面部
はそれぞれ被転写紙ガイド２５，２６とされてい
る。また、前記被転写紙ガイド２６の先端部は鋭
利な形状とされており、かつ規正凸部２４との間
の距離を非常に狭くとられている。

前記ケース１３の上面および下面には、保護蓋
嵌合部２７が設けられており、カセツト１２を熱
転写記録装置にセツトする前は、前記保護蓋嵌合
部２７に第２図に示す保護蓋２８が嵌合され、使
用者が誤つて発色材シート２０に接触するのを防
止するようになつている。

次に、前記カセツト１２がセツトされる熱転写
記録装置の構成について説明する。

第３図に示されるように、記録装置本体２９の
上部には、開閉部３０が支点３１を中心として回
動自在に支持されており、この開閉部３０には、
カセツト押えばね３２が取り付けられるととも
に、自動給紙ローラ３３およびヘツド押さえロー
ラ３４が回転自在に支持されている。そして、前
記自動給紙ローラ３３およびヘツド押さえローラ
３４は、それぞれ図示しない駆動装置により駆動
されるようになつている。

第４図に示されるように、前記記録装置本体２
９の一方の側壁には、軸受３５を介して駆動セツ
トローラ軸３６が回転自在に支持されており、こ
の軸３６には、外周面先端にテーパ−を付けられ
た駆動セツトローラ３７が固定されている。ま
た、前記駆動セツトローラ軸３６は、図示しない
駆動装置により駆動されるようになつており、か
つ軸線方向には移動できないようになつている。

前記記録装置本体２９の他方の側壁には、前記
駆動セツトローラ軸３６に対応する位置におい
て、軸受３８を介してセツトローラ軸３９が回転
自在かつ軸線方向に移動自在に支持されててお
り、この軸３９には、外周面先端側にテーパーを
付けられたセツトローラ４０が固定されている。
このセツトローラ４０と軸受３８との間には、ば
ね４１が介装されており、このばね４１はセツト
ローラ４０を駆動セツトローラ３７に向かつて付
勢している。

また、前記記録装置本体２９には、ヘツド支持
材４２が回動自在に支持されており、この支持材
４２には、サーマルヘツド４３が固定されてい
る。そして、このサーマルヘツド４３は、ばね４
４によりヘツド押さえローラ３４に向かつて付勢
されている。

次に、本実施例の動作を説明する。

カセツト１２を熱転写記録装置にセツトする際
には、使用者は、まず熱転写記録装置の開閉部３
０を開けるとともに、カセツト１２から保護蓋２
８を第２図の矢印Ｃ方向に抜き取る。そして、セ
ツトローラ軸３９を手で第４図の矢印Ｄ方向に引
張つた状態において、カセツト１２の巻取ボビン
１９を駆動セツトローラ３７とセツトローラ４０
との間に挿入した後、セツトローラ軸３９を離
す。すると、ばね４１の力によつてセツトローラ
４０が巻取ボビン１９を押圧し、巻き取りボビン
１９の両端部に駆動セツトローラ３７とセツトロ
ーラ４０とが嵌合する。

次に、開閉部３０を閉じると、ケース１３はカ
セツト押えばね３２により上方から押えられ、記
録装置本体２９に完全に固定される。また、この
状態においては、ばね４４の力によりサーマルヘ
ツド４３が開口２１を通して発色材シート２０の
うちの発色材がコートされていない面に押圧され
るとともに、ヘツド押えローラ３４が開口２２を
通して発色材シート２０のうちの発色材料をコー
トされている面に接触される。

以上のようにカセツト１２が熱転写記録装置に
セツトされている状態において、熱転写記録装置
が動作状態となり、自動給紙ローラ３３により被
転写紙４５がカセツト１２の方に給紙されて来る
と、この被転写紙４５は被転写紙ガイド２５に沿
つてサーマルヘツド４３に向かう。また、これに
相まつてヘツド押えローラ３４が前記駆動装置に
より矢印Ｅ方向に回転されると、発色材シート２
０が供給ボビン１５側から巻取ボビン１９側に移
動されるとともに、サーマルヘツド４３に向かつ
て侵入してきた被転写紙４５が発色材シート２０
と合流し、同シート２０とともに移動される（こ
れにより発色材シート２０および被転写紙４５
は、サーマルヘツド４３とヘツド押えローラ３４
との間に挾まつた状態で一緒に移動することにな
る）。

このような状態において、サーマルヘツド４３
が駆動されると、その発熱素子の発熱により、発
色材シート２０にコートされている発色材料が被
転写紙４５に転写され、印字が行われる。一方、
巻取ボビン１９は、前記駆動装置により駆動セツ
トローラ軸３６および駆動セツトローラ３７を介
して第５図の矢印Ｆ方向に回転され、発色材シー
ト２０を巻き取つて行く。

ここで、駆動セツトローラ軸３６の回転速度
は、仮に巻取ボビン１９が駆動セツトローラ３７
に対してスリツプを生じないものとした場合に
は、巻取ボビン１９に巻き取られている発色材シ
ート２０の周速度の方がヘツド押えローラ３４の
周速度より早くなるように定められている。そし
て、実際には、巻取ボビン１９は常に駆動セツト
ローラ３７に対してスリツプ状態となることによ
り、常に適当な張力が掛つた状態で発色材シート
２０が巻取ボビン１９に巻き取られるようになつ
ている。これにより、発色材シート２０は巻取ボ
ビン１９に常にきれいに巻取られて行く。

なお、規正凸部２３，２４は、第１図の従来の
規正ローラ９，１０と同じ機能を果たすものであ
る。すなわち、発色材シート２０が巻取ボビン１
９に巻かれて行き、供給ボビン１５に巻かれてい
る発色材シート２０の径が段々小さくなつて行つ
ても、供給ボビン１５と巻取ボビン１９との間に
おいて発色材シート２０が前記２つの規正凸部２
３，２４に案内されることにより、サーマルヘツ
ド４３に対する発色材シート２０の触接角度が常
に一定に保持される。

ここで、本実施例におけるような規正凸部２
３，２４の代わりに、従来と同様な規正ローラを
設けてもよいが、本実施例のようにケース１３自
体で規正凸部２３，２４を構成すれば、コストの
低減を図ることができる。また、規正凸部２３，
２４の形状をその幅方向に関して中央が高くなる
ような形状とすれば、発色材シート２０に皺が発
生するのを防止する効果も得られる。

さて、前記のようにして印字された被転写紙４
５は、被転写紙ガイド２６により、発色材シート
２０と分離され、第３図おおよび第５図の矢印Ｇ
方向に向かう。なお、本実施例では、供給ボビン
１５がブレーキ片１６により制動を受けているの
で、カセツト１２が熱転写装置にセツトされてい
ないときの発色材シート２０のゆるみを防止でき
るとともに、熱転写装置にセツトされた後、巻取
ボビン１９に巻き取られて行くときの、慣性等に
よる発色材シート２０のゆるみを防止することが
できる。

なお、前記実施例では、カセツト押えばね３２
を用いてカセツト１２を固定する構造となつてい
るが、カセツト押えばね３２を用いないでカセツ
ト１２を固定する構造としてもよいことは言うま
でもない。

また、巻取ボビン１９の形状や駆動セツトロー
ラ３７およびセツトローラ４０の形状も前記実施
例の形状に限らないことは言うまでもない。

発明の効果 本発明によれば、次のような優れた効果が得ら
れる。

(イ) ケース内に供給ボビン、巻取ボビンおよび発
色材シートが収容されているので、使用者が、
粘着材、粘着テープ等の手段により発色材シー
トの先端部を巻取ボビンに付着させる必要や、
発色材シートを規正凸部や規正ローラ等の規制
ガイド間に皺のないようにセツトする必要がな
いとともに、発色材シートの裏表を気にする必
要もなく、熱転写記録装置に簡単に発色材シー
トをセツトすることとができる。

(ロ) 被転写紙等の記録媒体を案内する記録媒体ガ
イドが前記ケース自体によつて構成されている
ので、熱転写記録装置の構造を簡単化すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱転写記録用発色材シートおよ
び熱転写記録装置の概略断面図、第２図は本発明
の一実施例による熱転写記録用発色材シートのカ
セツトの斜視図、第３図は前記カセツトを熱転写
記録装置にセツトした状態を示す概略断面図、第
４図は前記カセツトの水平断面図、第５図は第４
図のＶ−Ｖ線における断面図である。 １２……カセツト、１３……ケース、１５……
供給ボビン、１９……巻取ボビン、２０……発色
材シート、２１，２２……開口、２３，２４……
規正ガイド、２５，２６……被転写紙ガイド、４
５……被転写紙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ケースと、このケース内に回転自在に支持さ
   れた供給ボビンおよび巻取ボビンと、前記供給ボ
   ビンに巻かれており、前記巻取ボビンに巻き取ら
   れる、発色材料を担持した発色材シートと、前記
   ケースに設けられ、熱転写記録装置のサーマルヘ
   ツドとヘツド押さえローラとにより前記供給ボビ
   ンと前記巻取ボビンとの間において前記発色材シ
   ートを挾めるようにする開口と、前記ケースに設
   けられ、前記供給ボビンと前記巻取ボビンとの間
   において前記発色材シートを案内する規正ガイド
   と、前記ケース自体によつて構成され、記録媒体
   を案内する記録媒体ガイドとを有してなる熱転写
   記録用発色材シートのカセツト。