JPH0214799B2

JPH0214799B2 -

Info

Publication number: JPH0214799B2
Application number: JP63256016A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Oohayashi; Hidemoto Hiraoka
Original assignee: Hiraoka and Co Ltd
Current assignee: Hiraoka and Co Ltd
Priority date: 1988-10-13
Filing date: 1988-10-13
Publication date: 1990-04-10
Also published as: JPH01152695A

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本発明は、電気障害を効果的に除去した、引裂
強度にすぐれ、更に、透視性および採光性のすぐ
れたフレキシブルシートに関するものである。〔従来の技術〕従来、機器カバーその他のフレキシブルな被覆
用材料として、各種合成樹脂又は合成もしくは天
然ゴムからなるフレキシブルシートが使用されて
おり、これらは繊維材料で補強されているものも
多い。しかし、これらのシートは、本質的には電
気的に絶縁性であり、一般に10¹⁰〜10¹⁷Ω・cm、
多くは10¹²Ω・cm以上の固有抵抗値を有する。従
つて、これらのシートは、摩擦されると静電気を
発生するために取扱い性に劣る。また、例えば、
炭鉱での風管やタンカーにおいて使用するカバー
類としてこれらのシートを用いる場合には、表面
を帯電防止して用いていたけれども、しかし必要
以上に抵抗値を低下させると用途によつては漏電
の危険性もあり、用途の単一的な要求から、帯電
防止シート、と導電性シートとは別々に作成さ
れ、使用されていたのである。また、従来の上記
フレキシブルシートは、引裂強度が低く、透視性
が低く、かつ採光性に劣るなどの問題点を有して
いた。〔発明が解決しようとする課題〕しかるに、近時、電気機器の開発が進み、電気
障害や電磁波障害等の発生が深刻な問題となり、
また帯電防止シートにしてもその帯電防止機能を
恒久的かつ信頼性の高いものとする等の要請か
ら、かかるシートにおける電気的な問題を解決す
るための抜本的な方策の開発が要望されている。本発明は、以上の要求を充足するために検討し
た結果、完成されたものであり、静電気の発生を
抑制してそれによる障害を除去することができ、
しかもその効果が恒久的であり、また電磁障害を
も効果的に抑制して、各種の状況に対して極めて
好ましい対応をすることができ、引裂強度が高
く、更に、透視性および採光性の高いフレキシブ
ルシートを提供するものである。〔課題を解決するための手段〕本発明のフレキシブルシートは、導電性を有す
るシート部とその少なくとも一面上に形成された
半導電性シート部とを含んでなり、前記導電性シ
ート部が、少なくともそれぞれ互に糸間間〓をお
いて平行に配置された経糸と、および緯糸とを含
む糸条により構成された粗目織物状基布と、可撓性重合体材料からなるマトリツクスと、導
電性材料との混合物を主成分として含む導電性被
覆層とを有し、前記導電性被覆層が、前記基布を構成している
糸条の少なくとも露出表面を被覆している、導電
性粗目シートによつて構成され、かつ、10⁸Ω・
cm以下の固有抵抗値を有し、前記半導電性シート
部が、可撓性重合体材料からなるマトリツクス
と、導電性材料との混合物を主成分として含み、
前記導電性被覆層上に形成された半導電性被覆層
によつて、構成され、かつ、10²〜10⁸Ω・cmの固
有抵抗値を有し、そして前記半導電性シート部と
半導電性シート部との固有抵抗値の差が、少なく
とも10²Ω・cmのオーダーにある、ことを特徴とするものである。本発明のフレキシブルシートにおいて、導電性
を有するシート部の表裏両面に半導電性シート部
が形成されていることが好ましい。本発明のフレキシブルシートにおいて、その導
電性シート部は、粗目織物状基布と、導電性被覆
層とを有するものであり、粗目織物状基布は、少
なくともそれぞれ互に糸間間〓をおいて平行に配
置された経糸と、および緯糸とを含む糸条により
構成されたものである。また、導電性被覆層は、
可撓性重合体マトリツクスと、導電性材料との混
合物を主成分とするものであつて、基布を構成し
ている糸条の少なくとも露出部分を被覆している
ものである。更に、半導電性シート部は、可撓性
重合体材料からなるマトリツクスと、導電性材料
との混合物を主成分として含み、かつ、前記導電
性粗目シートを被覆している半導電性フイルム状
被覆層によつて構成されたものである。導電性被
覆層は、透視性および採光性の高い粗目織物基布
の糸条表面に形成されており、また、半導電性フ
イルム状被覆層は、このような粗目シート上に形
成されているから、本発明のフレキシブルシート
は、全体として良好な透視性と採光性とを有する
ものである。導電性シート部の導電性被覆層および半導電性
シート部において、本発明のシート全体として所
要フレキシビリテイーを保持するために、そのマ
トリツクスを構成する重合体材料は、合成樹脂、
合成ゴム又は天然ゴムなどの可撓性重合体から選
ばれる。好ましい合成樹脂の例としてはポリ塩化
ビニル（PVC）、ポリウレタン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、アイソタクチツクポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ
エステル及びポリアミドやその他公知の材料があ
る。また、好ましい合成ゴムの例としては、スチ
レン−ブタジエンゴム（SBR）、クロルスルホン
化ポリエチレンゴム、ポリウレタンゴム、ブチル
ゴム及びイソプレンゴムやその他公知の材料があ
る。最も好ましい合成樹脂はPVCであり、これ
は可塑剤、充填剤、着色剤、安定剤および／又は
その他の変性剤を含んでいてもよい。また、用途
や目的により、これらマトリツクスが気泡を含有
していてもよく、あるいは多孔質であつてもよ
い。これらのマトリツクス中に配合されて、各シー
ト部の抵抗値をコントロールするための導電性材
料としては、液状、粉末状、繊維状、箔状、線状
又はシート状の導電性物質、例えば、カーボンブ
ラツク、グラフアイト、金属、例えば、Al、
Au、Ag、Pt、Cu、Cr、Ni、Zn、Ti、Pb、Sn、
Pdやこれらの化合物又はNi−Cr合金、又はその
他の導電性化合物、例えば、酸化イソジウムなど
がある。導電性物質の配合量は、その物質に固有
の導電性、性状や導電性シート部、および半導電
性シート部に所要の導電性の程度を勘案して定め
られるが、少なくとも５重量％であるのが好まし
く、10〜70重量％であるのが更に好ましい。勿
論、導電性物質の配合量は、70重量％以下に限定
されるものではなく、特に導電性シート部の場合
には、それが所望のフレキシブルシート性状（強
度、屈曲性、外観など）を有している限り、70重
量％より多くてもよい。参考のため、各種材料の
固有抵抗値を示すと下記の如くである。

【表】

〔作用〕

本発明に係るフレキシブルシートは、少なくと
も一方の最外側表面層が半導電性シート部からな
り（両外側表面層が半導電性シート部からなるの
が特に好ましい）、その下部層又は中間層が全体
として導電性シート部からなるか又は導電性シー
ト部を一部に含む層から構成されているシートで
あつてよい。導電性シート部は半導電性シート部
での電気的逃散を助けるのに効果的であり、半導
電性シート部に生じた静電気等を外部に放電する
ことなく、シート自体を伝つてアース効果により
除電する効果もあり、従つて半導電性シート部に
密着しているのが好ましい。この場合、導電性を
有するシート部と半導電性シート部との固有抵抗
値（Ω・cm）の差は少なくとも10²のオーダーで
あることが好ましい。このようにすると、電流は
特に導電性を有するシート部に集中して流れ、半
導電性シート部に生じた静電気等の外部への放電
がより効果的に防止されるのである。また、本発
明のシートにおいては、少なくとも一方の最外側
表面層が、10²〜10⁸Ω・cmの固有抵抗値を有する
半導電性シート部により形成されるので、得られ
るシートは恒久的帯的防止効果の極めて大きいも
のとなる。この半導電性シート部が半導電性でな
く、10¹⁰Ω・cmより高い固有抵抗値を有する絶縁
性の材料からなる場合には、得られるシートの静
電防止効果および電波遮蔽効果が著るしく低くな
る。また、導電性シート部の固有抵抗値は10⁸
Ω・cm以下であり10⁰Ω・cm以下であることが好
ましく、10^-1Ω・cm以下であることがより好まし
い。このような固有抵抗値を有する導電性シート
により更にすぐれた遮蔽（シールド）効果が得ら
れる。更に、この半導電性シート部が10²Ω・cm
より小さい固有抵抗値を有する材料からなる場合
には、得られる複合シートの漏電防止効果が失わ
れる。従来、外表面を構成する層が絶縁性材料（10¹⁰
Ω・cm以上）からなり、その表面にスポツト状に
導電性、半導電性部分を点在状に形成し、絶縁性
部で閉じられた構成の材料も見受けられるが、こ
の場合静電気、帯電電気の逃散の場がなく、部分
的に貯つて放電する等、好ましくないものであつ
た。また、積極的に突起等を設けて放電を図る考
えのものもあつたが、好ましいものではなかつ
た。また、導電性シート部は、貫通電波の遮蔽をも
目的とし、この目的の場合、半導電性シート部と
導電性シート部とが密着していなくともよく、あ
るいはその他の層が介在していてもよい。しか
し、他の層が介在しない方がより多目的に有効で
ある。特に、両外表面に半導電性シート部を有す
るシートの場合には、導電性シート部は、中間層
として少なくとも１層の導電性シート部を有する
シートであつても、大なる効果が得られる。〔実施例〕本発明のフレキシブルシートの１例を下記に示
す。経糸および緯糸として1000デニールのポリエ
ステルフイラメントをそれぞれ11本／25.4mmの密
度で用いからみ糸として110デニールのナイロン
フイラメント糸を用いて、第３図に示された粗目
組織構成の特殊織物状基布を用意した。この粗目
基布の糸条間間〓は、3.5mm×3.5mmであつた。こ
の粗目基布を、PVC100重量部に対しカーボンブ
ラツク（ケチンブラツク）40重量部を混入した加
工液に浸漬、含浸した後、ピツクアツプ100％に
搾液し、次いで乾燥し、180℃でゲル化熱処理固
着して、導電性樹脂被覆層を有する粗目導電性シ
ートを形成した。このシートの糸条間間〓は3.0
mm×3.0mmであつて、この粗目シートの固有抵抗
値は10⁰〜10¹Ω・cmであつた。この粗目シートに
対して、次いで、PVC100重量部に対しカーボン
ブブラツク10重量部を添加した加工液を粗目シー
トの糸条表面上に、粗目シート片面づつ両面に塗
布し、乾燥し、ゲル化熱処理固着して、糸条の両
面にそれぞれ厚さ約0.1mmの連続フイルム状の半
導電性シート部を有し、引裂強度の極めて高いフ
レキシブルシートを得た。この半導電性シート部
の固有抵抗値は10⁸Ω・cmであり、フレキシブル
シート全体の厚さは約0.7mmであつた。このシートの取扱い作業性は極めて良好であ
り、従来シートにしばしば見られるまつわりつき
は認められず、極めて容易に取扱うことができ
た。また、このシートを用いて実験室内に簡易ボ
ツクスを作り、その中で高周波ミシンによる縫製
作業を行つたところ、すぐ外側において点灯され
ていたテレビ画面に全くノイズが発生しなかつ
た。比較のため、従来のPVCシートを用いて同
様のテストを行つたところ、テレビ画面に乱れを
生じた。また、帯電防止加工のみを施した従来の
PVCシートによつて行つたテストにおいても同
様にテレビ画面の乱れを生じた。上記操作におい
て、カーボンブラツク10重量部の代りに、５重量
部の酸化錫粉末を用い、100重量部のPVCとの混
合物から厚さ約0.1mmの半導電性透明フイルムを
作成した。このフイルムの固有抵抗値は10⁸Ω・
cmであつた。この半導電性透明フイルムを前記導
電性粗目シートの両面にカレンダーで加熱貼着し
てフレキシブルシートを作成した。このフレキシ
ブルシートの厚さは約0.5mmであつた。得られた
フレキシブルシートは透視性が良好でありかつ採
光性（透光性）も良好なものであつた。また、こ
の透明フイルムは任意の色相、濃度に着色可能で
あつた。また、基布に同様目付の、密に織られた
平織布を使用した所、効果は全く同様であつた
が、得られたシートは先の実施例シートに較べて
硬く、カバーフイツト性等の面で難点がみられ、
透視性および透光性が不十分であつた。その他、
シートに作成に際しては、カレンダー法、トツピ
ング法、デイツピング法、コーテイング法、ラミ
ネート法、押出成型法、撒布法その他の任意の手
段を用いることができる。〔発明の効果〕本発明のシートは、上記の如く、引裂強度が高
く静電気帯電を防止し、しかも電波障害を生ぜ
ず、また漏電の危険もなく、更に透視性および透
光性にすぐれているという極めて画期的な複合的
効果を奏する。従つて、このシートは、それのみ
で多目的の用途に適合するという驚くべき利点を
も有し、工業的価値の大なるものである。更に、
このシートは、フレキシブルであるから、どのよ
うな物品に対してもその有する形状のまま被覆す
ることができ、また風管その他の任意の形状物に
縫製して使用することもできるから、極めて種々
の製品を簡易に供給することも可能にする。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ本発明のフレキシ
ブルシートの一例を模式的に示す断面図であり、
第３図は本発明のシートに用いることのできる粗
目織物状基布の一例を示す模式図である。１……導電性シート部、２……半導電性シート
部、３……経糸、４……緯糸、５……からみ糸。

Claims

【特許請求の範囲】１導電性を有するシート部とその少なくとも一
面上に形成された半導電性シート部とを含んでな
り、前記導電性シート部が、少なくともそれぞれ互に糸間間〓をおいて平行
に配置された経糸と、および緯糸とを含む糸条に
より構成された粗目織物状基布と、可撓性重合体材料からなるマトリツクスと、導
電性材料との混合物を主成分として含む導電性被
覆層とを有し、前記導電性被覆層が、前記基布を構成している
糸条の少なくとも露出表面を被覆している、導電性粗目シートによつて構成され、かつ、
10⁸Ω・cm以下の固有抵抗値を有し、前記半導電性シート部が、可撓性重合体材料からなるマトリツクスと、導
電性材料との混合物を主成分として含み、前記導
電性被覆層上に形成された半導電性被覆層によつ
て構成され、10²〜10¹⁰Ω・cmの固有抵抗値を有
し、かつ、前記導電性粗目シートを被覆している
半導体フイルム状被覆層によつて構成され、前記導電性シート部と半導電性シート部との固
有抵抗値の差が、少なくとも10²Ω・cmのオーダ
ーにある、ことを特徴とする、フレキシブルシート。２導電性粗目シートの固有抵抗値が10⁸Ω・cm
以下である特許請求の範囲第１項記載のシート。３前記導電性被覆層が前記基布中の糸条の露出
表面のみを被覆し、かつ前記糸条の交差点を包み
込んで一体に結着している、特許請求の範囲第１
項記載のシート。４前記導電性被覆層が前記基布を構成している
糸条の全表面を被覆している、特許請求の範囲第
１項記載のシート。