JPH02147232A - 表面処理プラスチックフィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、筆記、印字、印刷適性に優れたＯＨＰフィ
ルムなど表面処理プラスチックフィルムに関する。

【従来の技術〕

プラスチックフィルムに直接、印刷や印字また筆記する
必要が、プリペイドカード、プリントアウト用受像紙、
ＯＨＰフィルムなどにある。しかしながら、通常のプラ
スチックフィルム表面にそのまま印刷、筆記すると、印
刷インキなどとの密着性やセット性がプラスチックフィ
ルム表面になく、良好な印刷物が得られず、また満足な
印字や筆記を行うことができない。

従来、印刷適性を向上させるためにプラスチック表面に
コロナ処理やプライマー処理を施された表面処理プラス
チックフィルムが提案されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

印字・印刷または筆記適性に優れたシートには、通常、
次の物性が要求される。

すなわち、表面同士が擦れて生じる静電気を容易に逃が
す小さい表面電気抵抗および表面の滑りが良い小さい摩
擦係数の走行性、オフセットインキ中の溶剤、植物油な
どを吸収して樹脂の増粘を速めるセット性、オフセット
印刷における湿し水に対する親水性、オフセット印刷に
おいて樹脂（油性）に対する濡れを確保する親油性など
がある。

上述の従来の易接着処理されたプラスチックフィルムで
は、印刷を行うとセット性が悪く、また、乾燥時間が長
く、必ずしも良好な印字・印刷適性を示していない。

また、水性ペンによる筆記やインキジェットプリンタに
よる印刷では、プラスチックフィルムに十分な親水性が
ないために、実用的に使用することができない。

この発明は上述の背景に基づき成されたものであり、そ
の目的とするところは、印字・印刷適性、すなわち、優
れた走行性、セット性および、バランスの取れた親水性
および親油性を有する表面処理プラスチックフィルムを
提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題はこの発明の表面処理プラスチックフィルム
より解決される。

すなわち、この発明による表面処理プラスチックフィル
ムは、プラスチックフィルムの基材面に、例えば、発泡
剤添加または機械的発泡により、孔径０．５μｍ以下の
微細空気孔を有する発泡樹脂層が形成されていることを
特徴とするものである。

この発明の好ましい態様において、この発泡樹脂層は、
親水性高分子などを含有して親水性を併せ持つものであ
る。この発明の好ましい態様において、この発泡樹脂層
はＩ　Ｘ　１０８Ω〜１ｘ１０１２Ωの表面固有抵抗を
有する。この発明を、以下より詳細に説明する。

この発明によるフィルムは、筆記、印字および印刷適性
に優れた表面処理プラスチックフィルムであり、プラス
チックフィルムの基材と、その基材面に形成された発泡
樹脂樹脂層とから基本的になる。

この発明で用いられるプラスチックフィルムとしては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン、ポリス
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、トリアセテート、ポリエーテ
ルサルフォン、セロファン、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−α−オレフィン
共重合体エラストマー、酸変性ポリオレフィン、スチレ
ン−ブタジェン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミ
ン、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリメチルメチク
リレート、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、ポ
リブタジェンテレフタレート、ポリイミドその他のプラ
スチックがある。

この発明による表面処理フィルムは、樹脂層に、例えば
、発泡剤添加または機械的発泡による多孔性を持つ。

この発明において、樹脂層の構造は、微細に発泡した多
数の孔が樹脂層の内部に形成され、表面上に開孔したも
のであり、孔径は、例えば、５００ｍμｍ以下、好まし
くは、５〜５００ｍμｍで、孔の数が５〜１０００個／
μＭある。

これは、このような微細な孔径で良好な印字適性が得ら
れるからである。

発泡樹脂層は、帯電防止剤などを添加して、例えば、ｌ
Ｘｌ０　　Ω〜ｌＸｌ×１０８Ω、好ましくは、１Ｘ１
０　Ω〜ｌＸ１０１２Ωの表面固有抵抗を有することが
望ましい。これは、この範囲外では、複写機に用いる場
合に、静電気による走行不良が発生するからである。発
泡樹脂層の厚さは、その用途に応じて適宜選択変更する
ことができる。

この発明の好ましい態様において、基材面に形成される
樹脂層は、親水性を有する。この親水性の程度は、水性
ペンによる筆記やインキジェットプリンタによる印刷に
適する様に決めることが望ましい。

次いで、この発明による表面処理プラスチックフィルム
の製造方法の２態様を、以下に説明する。

第一の態様において、適当な粘稠な樹脂液を、機械的手
段で液中に微細な孔を形成し、この発泡液をプラスチッ
クフィルム基材に塗布して発泡樹脂層を形成することが
できる。機械的手段には、デイシルバーなどの撹拌、エ
アーガンなどによる吹き込みなどがある。粘稠な樹脂液
の調製は、樹脂に溶剤や増粘剤を添加して行なうことが
できる。

樹脂の粘度は１０ｃｐｓ以上、好ましくは１００ｃｐｓ
以上である。この発明おいて用いることができる樹脂に
は、ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタ
クリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル
共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、
ウレタン樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジェンゴム、
ＭＭＡ−ブタジェンゴム、イソプレンゴム、クロロプレ
ンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレンゴム（
ＥＰＭ−ＥＲＰ）　、エチレン−プロピレンターポリマ
ー（ＥＰＴ−ＥＰＤＭ）などのゴムエラストマー、ポリ
アミド、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジウムハ
ライド、メラミン樹脂、ポリビニルアルコールなど、な
らびにこれらを組み合わせ混合樹脂がある。樹脂層に親
水性を付与する場合、樹脂に、親水性高分子を配合して
親水性樹脂を調製し、得られた親水性樹脂を用いてプラ
スチックフィルムの基材面の片面、若しくは両面、また
は、全面もしくは部分面に、親水性発泡樹脂層を形成す
る。この発明の表面処理プラスチックフィルムは、印字
および印刷適性に優れており、具体的には、表面同士が
擦れて生じた静電気を容易に逃がすような小さい表面電
気抵抗を有し、表面を滑り易くする走行性（小さい摩擦
係数）を示し、オフセットインキ中の溶剤、植物油など
を吸収して樹脂の増粘を速めるセット性を持ち、オフセ
ット印刷における湿し水および樹脂（油性）に対する濡
れを確保する親油性と親水性とのバランスを有する。

樹脂に配合される親水性高分子としては、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエ
ーテル、無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルピロリ
ドンなどのビニル系水溶性高分子、ポリアクリル酸系樹
脂、ポリアクリルアマイド系樹脂などのアクリル系水溶
性高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
などの繊維素系水溶性高分子、ポリエチレンオキサイド
、ポリエチレンイミンなどのその他の合成水溶性高分子
、可溶性デンプン、カチオンデンプンなどの加工または
変性デンプン、コーンスターチ、小麦デンプン、米デン
プン、馬鈴薯デンプン、薩摩芋デンプンなどの生デンプ
ン、アラビアガム、トラガカントガムなどの植物ガム質
、アルギン酸ナトリウム、ふ糊、寒天などの海藻類など
植物系天然水溶性高分子などから選ばれる１種または２
種以上の高分子を使用し得る。これらの水溶性高分子の
変性物も使用することができる。

この発明において、好ましい親水性高分子は、ビニル系
および繊維素系水溶性高分子物質、特にポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドンが好適に使用することが
できる。

また、樹脂の合成調製に際して、親水性単量体を添加し
て親水性樹脂を調製し、親水性単量体を共重合等の形で
分子構造中に含む発泡樹脂層を形成することもできる。

この態様で用いられる親水性単量体としては、親水性基
を有するものであって、例えば、ヘキシルエチルメタク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメ
タクリレート、エチレングリコールメタクリレート、ジ
エチレングリコールメタクリレート、テトラエチレング
リコールメタクリレート、メトキシジエチレングリコー
ルメタクリレート、メトキシテトラエチレングリコール
メタクレートなどがある。

この発明の表面処理プラスチックフィルムに対する第二
の態様の製造方法は、樹脂に発泡剤を添加し、プラスチ
ックフィルム基材への塗布の前もしくは後に、加熱など
の方法で気泡を発生させ、樹脂中に微細な孔を形成して
発泡樹脂層を形成することができる。発泡剤に加えて、
発泡を補助促進させ表面に開孔部を有する気泡を得るた
めに、必要に応じて、界面活性剤、発泡促進剤、または
これらの代わりにワセリンなどのペトロラクタム、ロウ
、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの低融点物質を添
加することができる。

ここで用いることができる発泡剤としては、重炭酸ナト
リウム、炭酸アンモニウム、ソジウムハイドライド、シ
リコンオキシハイドライドなどの無機発泡剤、アゾジカ
ルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、パラトルエンスルホニル
ヒドラジド、４．４′　−オキシビスベンゼンスルホニ
ルヒドラジッド等の有機発泡剤、さらには、気体や低沸
点の有機溶剤を包含したミクロバルーン（またはミクロ
スフェア−）などがある。発泡剤の配合量は、樹脂１０
０重量部にたいして、０．１〜３０部、好ましくは２〜
８重量部である。発泡促進剤としては、レゾシノールジ
サリシレート、レゾルシノールジさンゾエート、フェニ
ルフタレート、フェニルベンゾエート、ｏ−トリルベン
ゾエート、オイゲノール、グアヤコール、０−ニトロフ
ェノール、０−ニトラニリン、トリエチレングリコール
サリシレート、有機リン酸塩、およびバリウム、カドニ
ウム、ストロンチウム、鉛、スズなどの金属の錯化合物
などがある。また、配合できる耐熱安定剤としては、ア
ルミニウム、銀、カルシウム、カドニウム、マグネシウ
ム、セリウム、ナトリウム、ストロンチウム、等の硫化
物および亜硫酸塩、グリセリン、ロイシン、アラニン、
０−およびｐ−アミノベンゾイル酸およびスルファニル
酸、ヘキサメチレンテトラミン、オレエート、レジノー
ル、アビエテート、サリシルエートなどの弱酸物エポキ
シ化大豆油等が挙げられる。通常、これらは、樹脂１０
０重量部にたいして約０．５〜約５重量部である。

〔作　用〕

上記のように構成されたこの発明では、次のように作用
する。

この発明における表面処理プラスチックフィルムは、フ
ィルム基材面に、発泡剤添加または機械的発泡により、
孔径０．５μｍ以下の微細空気孔を有する発泡樹脂層が
形成されている。発泡により多孔性がプラスチックフィ
ルムに付与される。

この樹脂に親水性高分子が配合される態様では、この親
水性高分子が表面層のマトリックスの一部を形成して表
面層に親水性を付与する。

〔発明の効果〕

この発明によって次の効果を得ることができる。

上記の構成、作用から判断され、以下の実施例により実
証されるように、 （イ）　請求項１記載の表面処理プラスチックフィルム
において、多孔質化されているので、プリンターなどの
インキの浸透性・定着性を大幅に改善すると共に、優れ
た走行性、セット性および、バランスの取れた親水性お
よび親油性を有する表面処理プラスチックフィルムが得
られる。

（ロ）　請求項２記載のフィルムでは、親水性を有する
ので、水性ペンによる筆記やインキジェットプリンタに
よる印刷にも適した印刷印字適性を向上させる。

（ニ）　請求項５記載の表面処理プラスチックフィルム
では、適度の表面固有抵抗を有するのでＰＰＣ複写機に
用いた場合でも静電気による走行性不良を抑制すること
ができる。

〔実施例〕

この発明を、以下の例によって具体的に説明する。

実施例１ ポリメタクリル酸メチル１００部に対して、帯電防止剤
としてドデシルリン酸ナトリウム０．５部、およびメチ
ルエチルケトンを添加し、デイシルバーで撹拌して発泡
させ、直ちに厚さ１００μｍのポリエステルフィルム（
東し製Ｔ−６０）上の両面にコートした。得られた表面
処理プラスチツクシートは、表面固有抵抗値が、１×１
０１２Ωであり、表面および樹脂中に微細な孔が多数形
成されていた。

実施例２ ポリビニルアルコール４０部、メタノール５０部、水１
０部からなる溶液にエアーガンで気泡を発生させ、得ら
れた樹脂液を厚さ１００μｍのポリエステルフィルム（
東し製Ｔ−６０）上の片面にコートした。得られた表面
処理プラスチックシートは、表面に微細な孔が多数形成
されていた。

実施例３ 樹脂固形分４０％のアクリルエマルジーン（ヘキスト合
成（株）製、モビニール８０３０）をデイシルバーで撹
拌して発泡させ、直ちに厚さ１００μｍのポリエステル
フィルム（東し製Ｔ−６０）上の両面にコートした。得
られた表面処理プラスチックシートは、表面固有抵抗値
が、３×１０１２Ωであり、表面および樹脂中に微細な
孔が多数形成されていた。そのため、プリンター・イン
キの浸透性が極めて良好であった。

実施例４ ポリメタクリル酸メチル１００部およびイソプレンゴム
１００部に、発泡剤としてアゾジカルボンアミド３部、
発泡促進剤Ｂａ−Ｚｎ錯体３部、ワセリン、３部を添加
し、酢酸エチル、トルエン、イソプロピルアルコールの
混合溶剤で希釈し、厚さ１００μｍのポリエステルフィ
ルム（東し製Ｔ−６０、予め１８０℃×３０秒雰囲気で
アニーリング処理済み））上の両面にコートした。溶剤
乾燥後に、２００℃×６０秒雰囲気中で発泡させた。

得られた表面処理プラスチックシートは、表面固有抵抗
値が、１×１０１２Ωであり、表面および樹脂中に微細
な孔が多数形成されていた。そのため、プリンター・イ
ンキの浸透性が極めて良好であった。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、プラスチックフィルムの基材面に、発泡樹脂層が形
   成されていることを特徴とする表面処理プラスチックフ
   ィルム。 ２、該樹脂層が、親水性を併せ持つものである、請求項
   １記載の表面処理プラスチックフィルム。 ３、該樹脂層が、親水性高分子を含有する、請求項２記
   載の表面処理プラスチックフィルム。 ４、該樹脂層が孔径０．５μｍ以下の微細空気孔を有す
   る、請求項１または２記載の表面処理プラスチックフィ
   ルム。 ５、該樹脂層が、１×１０＾８Ω〜１×１０＾１＾２Ω
   の表面固有抵抗を有する、請求項１乃至４記載の表面処
   理プラスチックフィルム。 ６、該樹脂層が発泡剤添加による、請求項１乃至５記載
   の表面処理プラスチックフィルム。 ７、該樹脂層が機械的発泡されたものである、請求項１
   乃至５記載の表面処理プラスチックフィルム。