JPH11321072A - インクジェット記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録媒体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11321072A
JPH11321072A JP10127534A JP12753498A JPH11321072A JP H11321072 A JPH11321072 A JP H11321072A JP 10127534 A JP10127534 A JP 10127534A JP 12753498 A JP12753498 A JP 12753498A JP H11321072 A JPH11321072 A JP H11321072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polylactic acid
receiving layer
ink
recording medium
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10127534A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3887946B2 (ja
Inventor
Kenji Kawamoto
憲治 河本
Yuichi Matsumoto
雄一 松本
Yukako Tada
有歌子 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP12753498A priority Critical patent/JP3887946B2/ja
Publication of JPH11321072A publication Critical patent/JPH11321072A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3887946B2 publication Critical patent/JP3887946B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】微生物分解性を用いるポリエステル基材を用
い、製品として実用上の十分な基材物性を示し、かつイ
ンクジェット記録特性に優れており、増え続ける高品位
記録情報媒体の廃棄物問題の解決にも寄与することが出
来るインクジェット記録媒体とその製造方法を提供する
こと。 【解決手段】支持体がポリ乳酸フィルムであり、支持体
上に有機溶剤に可溶のポリ乳酸からなる受像層アンカー
層と、インク受容層とがこの順に形成されてあり、特に
は、有機溶剤に可溶なポリ乳酸がD,L−乳酸を共重合
してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンター用の記録媒体に関し、特に廃棄後、微生物によ
り分解性を有する記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ出力用に各種方式の
プリンターが普及している。なかでもインクジェットプ
リンターは、静粛性、コスト、画像品質が優れ、特にフ
ルカラー画像を高品位で再現でき、他方式にはない優れ
た性能を有し、さらなる普及が期待できる。一方、プリ
ンター用紙には紙が多用されるが、プラスチックフィル
ムや合成紙等もその平滑な表面を生かした滑らかな画像
や、OHPなどの透明性が要求される用途で使われてい
る。
【0003】また、インクジェット用インクには、イン
クノズルの目詰まり防止の為に、水溶性染料等を水性溶
媒に溶解した乾燥が遅いインクを用いる。従って、記録
用紙が紙等の吸水性の場合は良いが、プラスチックフィ
ルムの如き非吸水性の場合は印字後のインクの乾燥性が
悪いので、通常は支持体である紙やフィルム上にインク
吸収性のあるインク受容層を設ける。
【0004】一方、ワープロ、パソコン等の普及にとも
なってこれらの情報記録用紙の廃棄量が増加し問題にな
ってきている。近年、環境問題において、問題とされる
廃棄物のうち、その多くをプラスチック製品が占めてお
り、とくに半永久的に分解しない特性からきわめて処理
困難な素材とされている。特に高品位用途に利用される
インクジェット記録媒体やOHPシートなどはプラスチ
ック基材用いられるため、埋め立て廃棄されたとき、通
常のプラスチックと同様に長年にわたって存在し続ける
ことが問題となっていた。
【0005】このような上記のような事例も含めプラス
チック廃棄物問題を解決すべく近年、微生物分解性のプ
ラスチックが開発されている。これらのなかでPETフ
ィルムとほぼ同等な特性を持つものとして微生物分解性
のポリ乳酸樹脂が開発されている。よってOHPシート
や受像紙用の基材の代替に利用可能であるとして検討さ
れているが、一般的にインクジェットインキは水性のイ
ンキが使用されているため受像層は親水性の樹脂がコー
ティングされており、これらのインクジェット受像層用
の樹脂とポリ乳酸の基材とは密着性が悪く、通常の使用
において簡単に剥離することが問題になっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術の問題点を鑑みなされたものであり、微生物分解性
を用いるポリエステル基材を用い、製品として実用上の
十分な基材物性を示し、かつインクジェット記録特性に
優れており、増え続ける高品位記録情報媒体の廃棄物問
題の解決にも寄与することが出来るインクジェット記録
媒体とその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、支持体がポリ乳酸フィルムからなり、前記支持体
上に有機溶剤に可溶のポリ乳酸からなる受像層アンカー
層と、インク受容層とがこの順に形成されてあることを
特徴とするインクジェット記録媒体である。これによる
と、支持体のポリ乳酸とインクジェット用の受像層は密
着性が悪く、各樹脂と密着性がよくかつ、基材と同じ微
生物分解性を有するポリ乳酸をコーティングすることに
より受像層の信頼性を向上することができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
インクジェット記録媒体を基本とし、特に有機溶剤に可
溶なポリ乳酸がD,L−乳酸を共重合してなることを特
徴とする。ポリ乳酸樹脂は通常、構造単位としてL−乳
酸の連続ユニットを有しており、結晶性も高く、一般的
な汎用性有機溶剤には不溶である。このため、樹脂自体
の結晶性を低下させ有機溶剤へ溶解性と密着性を上げる
ため、D,L−乳酸を共重合することにより解決するこ
とができる。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
のいずれかに記載のインクジェット記録媒体を基本と
し、特に有機溶剤に可溶なポリ乳酸がD,L−乳酸のど
ちらか一方の構造を10%以上の割合で含んでなること
を特徴とする。D,L−乳酸の共重合割合はどちらか一
方を10%以上とすることで有機溶剤に対する溶解性を
著しく向上させることが出来る。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに記載のインクジェット記録媒体を基本と
し、特にインク受像層が少なくともポリビニルアルコー
ルを含んでなることを特徴とする。ポリビニルアルコー
ルは微生物分解性を有しており、ポリ乳酸の基材と組み
合わせることにより微生物分解性の良好なインクジェッ
ト記録媒体を得ることができる。
【0011】請求項5に記載の発明は、ポリ乳酸フィル
ムからなる支持体上に、有機溶剤に可溶のポリ乳酸を受
像層アンカー層としてコーティングし、その上にインク
受容層を形成することを特徴とするインクジェット記録
媒体の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録媒体は、上記課題を解決し
目的を達成するために、支持体がポリ乳酸フィルムから
なり、支持体上に有機溶剤に可溶のポリ乳酸をコーティ
ング後、さらにインク受容層を形成してなることを特徴
とするインクジェット記録媒体とすることで廃棄後、土
中の自然界の微生物によって分解し環境負荷の小さい記
録媒体を提供するものである。
【0013】本発明で述べるポリ乳酸フィルム基材とは
重合単位に乳酸構造を有するものであればいづれでもよ
く、たとえば乳酸の環状二量体であるラクチドを開環重
合して得たものや乳酸の重縮合反応によって得られた樹
脂をシート化したものなどがある。熱安定性を増すため
に延伸したものはより好ましい。このようなポリ乳酸フ
ィルムは多くの生物体内に存在する乳酸を原料としてい
るため、微生物による分解性を有する。このため環境に
廃棄された場合、時間とともに自然界微生物によって分
解、資化され最終的には水と炭酸ガスに還元される。よ
って、廃棄物による環境汚染の心配がない。一般的にO
HPシートなどでは100μm程度のものが用いられる
が、厚さに関して特に限定するものではない。
【0014】本発明で述べる有機溶剤に可溶のポリ乳酸
とは乳酸のD体とL体の共重合物を示す。L−乳酸単位
のみのホモポリマーは結晶性が高く汎用性の有機溶剤に
不溶であるが、ポリマーの構造単位D−乳酸とL−乳酸
との割合を、いずれか一方を約10%以上混合されるよ
うにすれば、非晶部分が増加し、各種有機溶剤に可溶と
なり割合が増えるほど溶解性が向上する。また、非晶性
のポリ乳酸は通常L-乳酸のホモポリマーであるポリ乳酸
フィルムとの密着性が良好なのは言うまでもなく、一般
的にインクジェット受像層に用いられるカチオン変性ア
クリル樹脂やカチオン変性ポリエステル樹脂、カチオン
変性ウレタン樹脂、カチオン変性ポリビニルアルコール
などの水系樹脂との密着性が良好である。このためポリ
乳酸フィルムを基材にコーティングすることにより、イ
ンクジェット受像層との密着性は向上し、材料としての
信頼性が高められる。
【0015】このように本発明で述べる有機溶剤に可溶
のポリ乳酸はポリマーの構造単位のD−乳酸とL−乳酸
が一定の割合で混合された組成であればよい。なお、L
−乳酸は通常の乳酸発酵によって安価に得られるが、D
−乳酸は高価である。一方、化学合成で得られる乳酸は
D−乳酸とL−乳酸のラセミ混合物であるため、ポリ乳
酸樹脂を合成する原料にこのラセミ混合物を加えて製造
することにより安価にD,L−乳酸構造をもつポリ乳酸
を合成することが出来る。また、先に述べた乳酸の環状
二量体であるD,L−ラクチドを経由して開環重合させ
ても、上記の条件を満たすポリ乳酸樹脂を得ることがで
きる。
【0016】本発明で述べる有機溶剤に可溶なポリ乳酸
はインク受像層のアンカーコートとして通常1〜10μ
mの範囲内で設ける。またコーティングする有機溶剤と
してはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢
酸イソプロピルなどのエステル系、トルエン、キシレン
などの芳香族系などもしくはそれ混合系などがあげられ
る。インキ受像層が水系なので非水系溶剤が望ましい。
【0017】本発明で述べるインクジェット受像層は、
一般的に用いられるカチオン変性アクリル樹脂、カチオ
ン変性ポリエステル樹脂、カチオン変性ウレタン樹脂、
カチオン変性ポリビニルアルコールなどがあげられる。
上記したインクジェット用記録媒体に設けるインク受像
層は通常、5〜30μm程度の厚さであるため基材に比
べて環境負荷が小さく、特に本発明によるポリ乳酸フィ
ルムを基材とするものは基材が自然界微生物によって完
全に消失するため、一般のインクジェット用に用いられ
る受像層を使用して特に問題はない。
【0018】さらに本発明では、インクジェット受像層
としてポリビニルアルコールを含んでなるものを用いる
とさらに環境適合性の点で好ましい。ポリビニルアルコ
ールは微生物による分解性が確認されており、かつ優れ
たインクジェット記録特性を有している。インクジェッ
トインキの定着性を上げるため通常カチオン変性された
ポリビニルアルコールがより好ましい。
【0019】上記、インク受像層の記録特性を向上させ
る目的として、必要に応じて無機もしくは有機フィラー
を添加してもよい。これらのフィラーはインク受容層中
に通常5〜50wt%程度、好ましくは0.1〜20w
t%程度、含有させる。少なすぎると搬送性、耐ブロッ
キング性が十分に得られない。OHP等の透明性画像の
場合には多すぎると透明性が損なわれるので10wt%
未満が良い。
【0020】本発明で述べる無機もしくは有機フィラー
としては、例えば、無機粒子として、シリカ、クレー、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、水
酸化アルミニウム、タルク、ベントナイト、酸化チタン
等や、有機微粒子として、各種澱粉微粒子、ポリメタク
リル酸メチル、ポリスチレン、フッ素樹脂系のビニル系
樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、ポリベンゾグ
アナミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂からなる微粒
子で、粒径が30μm以下、好ましくは0.1〜20μ
mのものが特にすぐれてる。
【0021】上記フィラーのうち無機フィラーは自然界
に存在するものであれば、環境に対して問題はないが、
有機系フィラーの場合は多くは微生物分解性が乏しいの
で天然系有機物フィラーを用いるのがより望ましい。特
に澱粉系微粒子が受像層の微生物分解性の点ですぐれて
いる。たとえば米澱粉、とうもろこし澱粉、ばれしょ澱
粉などの微粉末があげられる。
【0022】以上のようなインク受像層の材料は、いず
れも、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン等の一種
または二種以上の混合溶剤を用いた10〜50重量%溶
液の塗工液として使用する。また、インク受容層には、
目的に応じて、前記した以外のその他の樹脂、あるい
は、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、PH調整
剤、消泡剤その他添加剤を性能を逸脱しない範囲で適宜
混合しても良い。インク受容層の形成は、上記主剤及び
硬化剤を適宜な当量比で混合した塗工液を、支持体の少
なくとも片面に、グラビアコート、ロールコート、ワイ
ヤーバーコート等の公知の塗工手段によって塗工すれば
良い。
【0023】なお、本発明のインクジェット記録媒体に
使用され得る水性インクは、公知のインクジェット用の
インクであり、通常、水溶性染料、湿潤剤、染料可溶化
剤、防腐剤、水、水混和性有機溶剤等からなる。
【0024】<作用>以上説明したように本発明のイン
クジェット記録媒体では、支持体にポリ乳酸フィルムを
用い、有機溶剤に溶解するポリ乳酸をコーティング後、
さらにインク受容層をポリビニルアルコールを主成分と
する構造にすることのより、廃棄後、環境負荷の極めて
少ない材料を提供できる。
【0025】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明する。
【0026】<実施例1>支持体として、厚さ約100
μmポリ乳酸フィルム(商品名;エコロージュ、三菱樹
脂(株)社製)を用いた。この支持体上の片方に、受像
層のアンカーとして可溶性ポリ乳酸(D,L−乳酸割
合;50%/50%、分子量約3万)をメチルエチルケ
トンに約10%の割合で混合しワイヤーバーコーティン
グにて支持体上に3μmの厚さで設けた。
【0027】次に受像層としてカチオン性PVA(商品
名CM318、クラレ(株))100重量部と米澱粉
(商品名;ミクロパール、)15重量部からなる組成物
を水−イソプロパノール溶液に混合し、ワイヤーバーコ
ーティングにより、膜厚約15μmに塗布した。塗布
後、100℃のオーブンで約3分間加熱してインクジェ
ット記録媒体を得た。
【0028】<実施例2>支持体として、厚さ約100
μmポリ乳酸フィルム(商品名;エコロージュ、三菱樹
脂(株)社製)を用いた。この支持体上の片方に、受像
層のアンカーとして可溶性ポリ乳酸(D,L−乳酸割
合;40%/60%、分子量約3万)をメチルエチルケ
トンに約10%の割合で混合しワイヤーバーコーティン
グにて支持体上に3μmの厚さで設けた。
【0029】次に受像層としてカチオン変性アクリル共
重合樹脂(商品名;ジュリマー、日本純薬(株)社製)
100重量部と米澱粉(商品名;ミクロパール、)15
重量部からなる組成物を水−イソプロパノール溶液に混
合し、ワイヤーバーコーティングにより、膜厚約15μ
m に塗布した。塗布後、100℃のオーブンで約3分間
加熱してインクジェット記録媒体を得た。
【0030】<実施例3>支持体として、厚さ約100
μmポリ乳酸フィルム(商品名;レイシア、三井東圧化
学(株)社製)を用いた。この支持体上の片方に、受像
層のアンカーとして可溶性ポリ乳酸(D,L−乳酸割
合;30%/70%、分子量約2.5万)をメチルエチ
ルケトンに約10%の割合で混合しワイヤーバーコーテ
ィングにて支持体上に3μmの厚さで設けた。
【0031】次に受像層としてカチオン変性ポリウレタ
ン樹脂エマルジョン(商品名;パラテコールIJ−5、
大日本インキ(株)社製)を固形分で100重量部と米
澱粉(商品名;ミクロパール、)15重量部からなる組
成物を混合し、ワイヤーバーコーティングにより、膜厚
約15μm に塗布した。塗布後、100℃のオーブンで
約3分間加熱してインクジェット記録媒体を得た。
【0032】<実施例4>支持体として、厚さ約100
μmポリ乳酸フィルム(商品名;レイシア、三井東圧化
学(株)社製)を用いた。この支持体上の片方に、受像
層のアンカーとして可溶性ポリ乳酸(D,L−乳酸割
合;50%/50%、分子量約3万)をメチルエチルケ
トンに約10%の割合で混合しワイヤーバーコーティン
グにて支持体上に3μmの厚さで設けた。
【0033】次に受像層としてカチオン変性ポリエステ
ル樹脂エマルジョン(商品名;NS−141LX、高松
油脂(株)社製)を固形分で100重量部と米澱粉(商
品名;ミクロパール、)15重量部からなる組成物を混
合し、ワイヤーバーコーティングにより、膜厚約15μ
m に塗布した。塗布後、100℃のオーブンで約3分間
加熱してインクジェット記録媒体を得た。
【0034】<比較例>比較例1〜4は、各実施例1〜
4に可溶性ポリ乳酸アンカーを設けないものについて調
べた。すなわち、支持体上に直接受像層を設けたもので
ある。
【0035】以上のようにして得られたインクジェット
記録媒体について以下の項目の評価を行った。なお、印
字はキャノン製インクジェットプリンター(BJC−4
20J)を使用し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ックの4色のインクによりカラー記録画像を形成させ
た。その評価結果を表1にまとめて示す。
【0036】つぎに密着強度はJISK5400−19
90により受像層をクロスカット後、セロハン粘着テー
プ(商品名:セロテープLP18 ニチバン(株)社
製)で碁盤目法による剥離試験を行った。結果はJIS
K5400に従い、10点(剥がれがない)〜0点(剥
がれる)で評価した。
【0037】また、微生物分解性はインクジェット記録
媒体を市販の生ゴミコンポストに約20日保存すること
によって、その分解性を評価し、結果を表1にまとめ
た。
【0038】<記録品質>印字直後、記録物の記録部を
目視し、色再現性の具合を評価した。 ◎;非常に鮮明な画像を形成 ○;必要充分な画像を形成 △;インキの吸収性が悪く、画像の品質も劣る。 ×;インキの流出が認められ印字しない。
【0039】<微生物分解性>生ゴミコンポストでの分
解性を評価。 ◎;完全に分解した。もしくは紙のみが若干残るが、樹
脂部分は完全に分解した。 ○;ほとんど分解しているが、若干樹脂部が残った。 △;分解していない部分がかなりある。 ×;全く分解していない。
【0040】
【表1】
【0041】表中、〔註*〕については、受像層は膜厚
が薄くコンポスト中で膜の残存を確認することができな
かった。
【0042】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の実施例1〜4により得られたインクジェット記録媒体
は、受像層の密着性、記録特性と微生物分解性に優れて
いた。総じて、本発明によれば、微生物分解性を用いる
ポリエステル基材を用い、製品として実用上の十分な基
材物性を示し、かつインクジェット記録特性に優れ、廃
棄物問題の解決にも寄与することが出来るインクジェッ
ト記録媒体とその製造方法を提供することが出来た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体がポリ乳酸フィルムからなり、該支
    持体上に、有機溶剤に可溶のポリ乳酸からなる受像層ア
    ンカー層と、インク受容層とがこの順に形成されてある
    ことを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 【請求項2】前記有機溶剤に可溶なポリ乳酸は、D,L
    −乳酸を共重合してなることを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット記録媒体。
  3. 【請求項3】前記有機溶剤に可溶なポリ乳酸は、D,L
    −乳酸のどちらか一方の構造を10%以上の割合で含ん
    でなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記
    載のインクジェット記録媒体。
  4. 【請求項4】前記インク受像層が少なくとも、ポリビニ
    ルアルコールを含んでなることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
  5. 【請求項5】ポリ乳酸フィルムからなる支持体上に、有
    機溶剤に可溶のポリ乳酸を受像層アンカー層としてコー
    ティングし、その上にインク受容層を形成することを特
    徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
JP12753498A 1998-05-11 1998-05-11 インクジェット記録媒体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3887946B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12753498A JP3887946B2 (ja) 1998-05-11 1998-05-11 インクジェット記録媒体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12753498A JP3887946B2 (ja) 1998-05-11 1998-05-11 インクジェット記録媒体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11321072A true JPH11321072A (ja) 1999-11-24
JP3887946B2 JP3887946B2 (ja) 2007-02-28

Family

ID=14962400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12753498A Expired - Fee Related JP3887946B2 (ja) 1998-05-11 1998-05-11 インクジェット記録媒体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3887946B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002020530A (ja) * 2000-07-05 2002-01-23 Toyo Cloth Co Ltd 生分解性多孔質膜及び構造体、及びその製造方法
JP2003183419A (ja) * 2001-12-14 2003-07-03 Unitika Ltd 生分解性合成紙及びその製造方法
JP2004223786A (ja) * 2003-01-21 2004-08-12 Toyobo Co Ltd 生分解性印刷インキ用アンカー剤及び生分解性積層体
JP2004244438A (ja) * 2003-02-10 2004-09-02 Toyobo Co Ltd 粘着剤用アンカー剤及び積層体
WO2005053964A1 (en) * 2003-11-26 2005-06-16 Eastman Kodak Company Inkjet recording element and method of use
EP1559569A1 (en) 2004-01-30 2005-08-03 Nisshinbo Industries, Inc. Recording material
EP1637336A2 (en) 2004-09-17 2006-03-22 Nisshinbo Industries, Inc. Biodegradable material for recording thereon
JP2007269022A (ja) * 2006-03-10 2007-10-18 Yasuhiko Tokuchi レンチキュラーレンズベースコーティング用受理材及びそれを用いた3dプリント用シート
US7824030B2 (en) * 2005-08-23 2010-11-02 Eastman Kodak Company Extruded open-celled ink-receiving layer comprising hydrophilic polymer for use in inkjet recording
WO2012061181A1 (en) * 2010-11-01 2012-05-10 Carestream Helath, Inc. Transparent ink-jet recording films
JP2021095497A (ja) * 2019-12-17 2021-06-24 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクセット、インクジェット捺染方法及びインクジェット捺染装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002020530A (ja) * 2000-07-05 2002-01-23 Toyo Cloth Co Ltd 生分解性多孔質膜及び構造体、及びその製造方法
JP2003183419A (ja) * 2001-12-14 2003-07-03 Unitika Ltd 生分解性合成紙及びその製造方法
JP2004223786A (ja) * 2003-01-21 2004-08-12 Toyobo Co Ltd 生分解性印刷インキ用アンカー剤及び生分解性積層体
JP2004244438A (ja) * 2003-02-10 2004-09-02 Toyobo Co Ltd 粘着剤用アンカー剤及び積層体
WO2005053964A1 (en) * 2003-11-26 2005-06-16 Eastman Kodak Company Inkjet recording element and method of use
EP1559569A1 (en) 2004-01-30 2005-08-03 Nisshinbo Industries, Inc. Recording material
EP1637336A2 (en) 2004-09-17 2006-03-22 Nisshinbo Industries, Inc. Biodegradable material for recording thereon
US7824030B2 (en) * 2005-08-23 2010-11-02 Eastman Kodak Company Extruded open-celled ink-receiving layer comprising hydrophilic polymer for use in inkjet recording
JP2007269022A (ja) * 2006-03-10 2007-10-18 Yasuhiko Tokuchi レンチキュラーレンズベースコーティング用受理材及びそれを用いた3dプリント用シート
WO2012061181A1 (en) * 2010-11-01 2012-05-10 Carestream Helath, Inc. Transparent ink-jet recording films
US8354149B2 (en) 2010-11-01 2013-01-15 Carestream Health Inc. Transparent ink-jet recording films, compositions, and methods
CN103189212A (zh) * 2010-11-01 2013-07-03 卡尔斯特里姆保健公司 透明喷墨记录薄膜
JP2021095497A (ja) * 2019-12-17 2021-06-24 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクセット、インクジェット捺染方法及びインクジェット捺染装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3887946B2 (ja) 2007-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0987100A2 (en) A degradable laminated body and a method for the preparation thereof
JP3887946B2 (ja) インクジェット記録媒体及びその製造方法
US5382473A (en) Multilayer film structure
US5526031A (en) Recording medium, ink-jet recording method using the same, and ink-jet recorded article
US5904974A (en) PVA-base thermoplastic copolymer and its production process and use
US20050100687A1 (en) Printable film
KR100286285B1 (ko) 폴리비닐알콜계 열가소성 공중합체, 그 제조방법 및 그 용도
US20060062989A1 (en) Biodegradable material for recording thereon
US20050171329A1 (en) Recording material
JPH11198522A (ja) インクジェット記録媒体およびその製造方法
JP2002067479A (ja) インクジェット記録媒体
JPH05278322A (ja) 記録シート
JPH09302207A (ja) 液体噴射記録用透明フィルム
KR100478534B1 (ko) 화이트 보드 기능이 부가된 출력용지 및 이의 제조방법
JP3109159B2 (ja) 記録シート
JP3932224B2 (ja) インクジェット用記録フィルム
JP2022149882A (ja) インクジェット記録媒体
JP2003020439A (ja) 生分解性オーバープリントニス組成物、および、生分解性複合体
JP2007160515A (ja) バリアフィルム及びバリア性積層材料
WO2004113089A1 (ja) インクジェット記録用シート
JP2005238824A (ja) 被記録材
JP2022149883A (ja) インクジェット記録媒体
US6068937A (en) Recording sheet and method of recording image using such recording sheet
JP3129644B2 (ja) インクジェット用記録シート
JP2000351266A (ja) インクジェット記録媒体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060822

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061012

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees