JP2004244438A - 粘着剤用アンカー剤及び積層体 - Google Patents

粘着剤用アンカー剤及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】生分解性フィルムと粘着剤、特にポリ乳酸フィルムと主剤が天然ゴムをはじめとする天然物系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤との密着性に優れたアンカー剤とそれらを用いた積層体を提供する。
【解決手段】乳酸残基を50重量%以上含有し、L乳酸とD乳酸のモル比(L/D)が9/1〜1/9の範囲であり、還元粘度が0.3〜1.0dl/gの範囲にある脂肪族ポリエステルを含むことを特徴とする粘着剤用アンカー剤とそのアンカー剤を生分解性フィルムにコーティングし、さらにその上に粘着剤をコーティングしたことを特徴とする積層体に関する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着剤用の生分解性アンカー剤及び積層体に関する。さらに詳しくは、生分解性アンカー剤を介して生分解性フィルムと天然物系粘着剤が積層してなる生分解性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題に対する意識の高まりから、天然素材または生分解性素材を利用した商品の開発が盛んに行われている。
【0003】
このような世の中の流れから、ポリL乳酸フィルムを基材として利用し、粘着剤をコーティングしたラベル、粘着テープに関する研究が盛んに行われている。例えば特許文献1では、生分解性粘着テープに関してであり、生分解性基材に対して、天然ゴムをコーティングしたものが提案され、また、特許文献2においては、除塵器具に使用でき、廃棄が容易な生分解性粘着シートを提案している。
しかしながらポリL乳酸フィルムは、植物由来のプラスチックであることや、価格・物性において、生分解性フィルムの本命と言われているが、上記、天然ゴム系の粘着剤のみならず、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤も、ポリL乳酸フィルムへの密着性が悪い。すなわち生分解性フィルムに上述の粘着剤を用いて粘着性フィルムを作成しようとしても、基材フィルムに対する粘着剤の密着性が十分でなく、例えばフィルムの折り曲げやこすり試験で容易に粘着剤層が脱落してしまって、実用上問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−40492号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2000−60788号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は生分解性フィルムと粘着剤、特にポリ乳酸フィルムと主剤が天然ゴムをはじめとする天然物系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤との密着性に優れたアンカー剤とそれらを用いた積層体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ね、本発明の粘着剤用アンカー剤をコーティングすることにより、密着性が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は以下の粘着剤用アンカー剤及び積層体である。
【0007】
(1)乳酸残基を50重量%以上含有し、L乳酸とD乳酸のモル比(L/D)が9/1〜1/9の範囲であり、還元粘度が0.3〜1.0dl/gの範囲にある脂肪族ポリエステルを含むことを特徴とする粘着剤用アンカー剤。
【0008】
(2)(1)記載のアンカー剤を生分解性フィルムにコーティングし、さらにその上に粘着剤をコーティングしたことを特徴とする積層体。
【0009】
(3)生分解性フィルムがポリL乳酸フィルムであることを特徴とする(2)記載の積層体。
【0010】
(4)粘着剤が天然ゴムを含むことを特徴とする(2)または(3)記載の積層体。
【0011】
(5)粘着剤がアクリル樹脂を含むことを特徴とする(2)または(3)記載の積層体。
【0012】
(6)粘着剤がさらにロジン系樹脂および/またはテルペン系樹脂を含むことを特徴とする(4)または(5)記載の積層体。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の脂肪族ポリエステルは、乳酸残基を50重量%以上含むことが望ましい。好ましくは75重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。50重量%未満であると良好な耐ブロッキング性と溶剤溶解性の両立が難しくなることがある。また、フィルムがポリL乳酸フィルムの場合、密着性が不足する場合がある。脂肪族ポリエステルの組成はH−NMR測定のプロトン積分比より決定する。
【0014】
本発明の脂肪族ポリエステルは、L乳酸とD乳酸のモル比(L/D)が9/1〜1/9の範囲にあることが望ましい。L乳酸の好ましい上限は8.5、より好ましい下限は8.0であり、好ましい下限は1.5、より好ましい上限は2である。D乳酸がこの範囲より過剰すぎると酢酸エチル、メチルエチルケトン等の汎用溶剤に対する溶解性が不足気味となり、コーティング剤として適さないことがある。また、同様にL乳酸が過剰になっても汎用溶剤溶解性が不足し、コーティング剤として適さない場合がある。ここでL/D比は脂肪族ポリエステルのメタノリシス分解後、乳酸モノマーの旋光度を測定することで決定するものである。
【0015】
本発明の脂肪族ポリエステルの樹脂還元粘度は、0.3〜1.0dl/gの範囲にあることが望ましい。還元粘度が0.3dl/g未満の場合、アンカー剤としての付着強度が低下することがある。また、1.0dl/gよりも大きいと、溶液粘度が高くなりコーティング適性が悪くなる場合がある。
【0016】
尚、上記樹脂還元粘度は、サンプル0.125gをクロロホルム25mlに溶解させ、ウベローデ粘度管を用い、測定温度25℃において測定した値である。
【0017】
本発明の脂肪族ポリエステルに共重合可能なオキシ酸モノマーとしては、グリコール酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、4−ヒドロキシ酪酸、10−ヒドロキシステアリン酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、等が挙げられる。またカプロラクトンのようなヒドロキシ酸の分子内エステルも用いることが出来る。
【0018】
本発明の脂肪族ポリエステルに共重合可能なジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸などが挙げられ、ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等が挙げられる。
【0019】
本発明の脂肪族ポリエステルを使用したアンカー剤において使用出来る溶剤は、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸エチル等のエステル系溶剤やトルエン、キシレン等の芳香族溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤があげられるが、これらに限定されるものでは無い。
【0020】
本発明のアンカー剤においては、多官能イソシアネート等の硬化剤、シリカゲル、ワックス等のブロッキング防止剤、粘度調整剤、レオロジー調整剤、消泡剤等も添加することが出来る。
【0021】
本発明のアンカー剤は、生分解性フィルム、好ましくはポリ乳酸フィルムに塗布される。塗布方法としては、スプレーコート、ダイコート、ナイフコート、グラビアコート、等公知の方法が用いられ、特に限定されるものでは無い。なお、生分解性とは、分解の一過程において、生物の代謝が関与し、低分子量化合物に変換する性質をいう。
【0022】
また、フィルムにアンカーコート剤を塗工する際には、フィルムの延伸前にアンカー剤をコートしてその後延伸するインラインコートであってもかまわないし、延伸後、別途工程で塗工するオフラインコートであってもよい。
【0023】
ポリ乳酸フィルムとしては、特にL乳酸含有率が97モル%以上の光学純度のものが耐熱性や密着性の観点より好ましく、99%以上のものがさらに好ましい。
【0024】
本発明に用いる粘着剤は密着性の観点から特に天然ゴムを主剤として含むものが好ましい。天然ゴムとしては、例えば、スモークドシート、ペールクレーブ、エアドライドシート、スキムラバー、SPラバー、TCラバー、MGラバー等が挙げられる。天然ゴムは素練りすることにより、高分子量ゲルゴムを崩壊させ、平均分子量を低下させ、分子量分布を狭くすることができる。天然ゴムは素練りにより、粘着特性を制御することができ、さらには粘着付与剤等との混合が容易になる。したがって、天然ゴムには素練り品が含まれる。天然ゴムのムーニー粘度〔ML(1+4)100℃〕は,通常20〜90、好ましくは30〜80、より好ましくは35〜70である。
【0025】
本発明に用いる粘着剤としては主剤に合成ゴムを含むものでも良い。合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリイソブチレンゴム(PIB)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。合成ゴムの中でも天然ゴムに近いポリイソプレンゴムがアンカーコート効果を発揮させる上で好ましい。
【0026】
SBRとしては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれでも良いが粘着特性の点からランダム共重合体が好ましい。SBRは合成してもよいが、市販品を使用することができる。SBRのランダム共重合体としては、日本ゼオン(株)製の商品名ニポール1500、ニポール1502、ニポール1507、ニポール1006、ニポール1009;日本合成ゴム(株)製の商品名JSR1500、JSR1502、JSR1503、JSR1013N、JSR0202等が挙げられる。
【0027】
SBRのブロック共重合体としては、シェル化学社製の商品名TR1101、TR1118、TR4122S、TRKX138S;旭化成(株)製の商品名タフテックH等が挙げられる。
【0028】
SBRの結合スチレン量は、通常15〜50重量%、好ましくは20〜45重量%程度である。SBRのムーニー粘度〔ML(1+4)100℃〕は、通常20〜90、好ましくは、30〜80、より好ましくは35〜70である。
【0029】
ポリイソプレンは、天然ゴムに最も近い合成ゴムであり、粘着性、自己癒着性に優れている。市販のポリイソプレンとしては、エクソン社製の商品名ビスタネックスLM−MH、ビスタネックスMM−L−120、ビスタネックスMM−L−140;バスフ社製の商品名オバノールB−100、オバノールB−80、オバノールB−120などが挙げられる。
【0030】
本発明に用いる粘着剤としてはさらに粘着付与剤を含んでも良い。粘着性付与剤としてはロジン系樹脂および/またはテルペン系樹脂を含むものが密着性の効果を発揮させる上で好ましい。
【0031】
ロジン系樹脂としては、ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジンフェノール樹脂等が挙げられる。ロジンとしては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン(米国のハーキュレス社製)等が挙げられる。重合ロジンとしては、ポリペールレジン、ダイマレックスレジン(理化ハーキュレス社製)等が挙げられる。水添ロジンとしては、エステルガムA、エステルガムAAV(荒川化学社製)、ハリエスターT、ハリエスターS(播磨化成社製)、エステルガム8L、ペンタリンA(理化ハーキュレス社製)等が挙げられる。ロジンフェノール樹脂としては、スミライトレジンPR12603(住友デュレズ社製)、タマノル803(荒川化学社製)等が挙げられる。
【0032】
テルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられるが、テルペン樹脂としては、YSレジンPx(ヤスハラケミカル社製)、ピッコライトA(ハーキュレス社製)等が挙げられる。テルペンフェノール樹脂としては、YSポリスターT、スケネクタディSP566(スケネクタディ社製、米国)等があげられる。
【0033】
また、これら以外の粘着剤を用いても良い。例えばアクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル〔例えば、(メタ)アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、ヘキシルエステル、オクチルエステル、2−エチルエステル、イソオクチルエステル、イソデシルエステル、ドデシルエステルなどのC1〜20アルキルエステルなど〕の単独又は共重合体や該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと他のモノマー〔例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基若しくは酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフォネートなどのリン酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;N−シクロヘキシルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;N−ビニルピロリドンなどのビニル基含有複素環化合物;スチレン、α―メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;アクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー等〕との共重合体からなるアクリル系樹脂が挙げられる。
【0034】
本発明の粘着剤は、有機溶剤系のコーティング剤でも水系のコーティング剤でも無溶剤タイプのものでも良く、多官能イソシアネートと水酸基の反応による架橋、ゴム系粘着剤に関しては加硫による架橋、ウレタン樹脂系粘着剤に関しては不飽和基を利用した電子線硬化などを実施したものでも良い。
【0035】
上記粘着剤のコーティングは、ブレードコーター、バーコーター、エア−ナイフコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ダイコーター、リップコーター等の通常の塗布装置で塗布・乾燥することによって得ることができる。この場合の塗布量は、固形分質量で2g/m以上、好ましくは、4〜30g/mの範囲で調整される。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中単に部とあるのは重量部を示す。
合成例1
DLラクチド990部、重合度が10であるポリグリセリン(ダイセル化学PGL10:水酸基濃度850KOHmg/g)10部、開環重合触媒として、オクチル酸スズ0.5部を4つ口フラスコ中に仕込み、窒素雰囲気下、180℃で3時間加熱溶融させることにより、開環重合させ、その後、残留ラクチドを減圧留去させることにより脂肪族ポリエステル(I)を得た。組成および還元粘度を表1に示す。
合成例2
DLラクチド950部、カプロラクトン40部、重合度が10であるポリグリセリン10部、開環重合触媒として、オクチル酸スズ0.5部を4つ口フラスコ中に仕込み、窒素雰囲気下、180℃で3時間加熱溶融させることにより、開環重合させ、その後、残留ラクチド、カプロラクトンを減圧留去させることにより脂肪族ポリエステル(II)を得た。組成および還元粘度を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004244438
【0038】
アクリル系粘着剤の調整
次の組成比となるよう各モノマーを混合した。
アクリル酸−2−エチルヘキシル:75重量%
アクリル酸エチル:10重量%
アクリル酸:0.5重量%
酢酸ビニル:4.5重量%
次いで、上記混合液100部に対して、
アニオン系乳化剤(商品名:エマールNC−35/花王社製):6部
イオン交換水:150部
を混合して、乳化モノマー混合液を調整した。
【0039】
次に、攪拌機、クーラー、滴下ロート、窒素吸入管、温度計を付帯したフラスコに、イオン交換水150部、過硫酸カリウム0.5部、オクチルメルカプタン0.1部を仕込み、窒素置換しながら80℃に昇温した後、上記乳化モノマー混合液を1/6滴下した。反応率が90%に達した時点で残りのモノマー混合液を3時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、80℃で3時間加熱熟成して反応を完成させた。次にフラスコ内容物を40℃に冷却し、カルボキシル基の100モル%に相当するアンモニア水を添加して中和反応を行い、反応後、ロジン系のタッキファイアー(商品名:スーパーエステルE−720/荒川化学工業社製)を3部添加して強攪拌し、アクリル系粘着剤(I)を得た。
【0040】
天然ゴム系粘着剤の調整
ゴム成分として天然ゴム(クレープ素練り品、ムーニー粘度68)75重量部、及びスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR:日本ゼオン社製「ニポール1502」、ムーニー粘度52)25重量部を用いた。ゴム成分100重量部に対して、粘着付与樹脂(トーネックス社製「エスコレックス1271」、脂肪族系石油樹脂)50重量部、有機過酸化物(日本油脂社製「パーヘキサ3M」;1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン)2重量部、2−メルカプトベンズイミダゾール(大内新興化学社製「ノクラックMB」)2重量部、及びヒンダドフェノール系老化防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガノックス565」)1重量部を用いた。これらの成分を攪拌しながらトルエン/ヘキサン混合溶剤に溶解させて、天然ゴム系粘着剤(I)を調整した。(固形分濃度25重量%)
【0041】
実施例1
脂肪族ポリエステル(I)10重量部をトルエン200重量部、メチルエチルケトン200重量部の混合溶剤に溶解し、この溶液を厚さ50μmのポリL乳酸フィルム上に、乾燥膜厚0.1μmになるようにコーティング後、40℃で1時間熱風乾燥した。得られたアンカー剤塗布フィルムにアクリル系粘着剤(I)を乾燥膜厚10μmになるように塗布し、40℃で1時間熱風乾燥させ、粘着剤積層ポリL乳酸フィルム(I)を得た。
【0042】
実施例2
脂肪族ポリエステル(II)10重量部をトルエン200重量部、メチルエチルケトン200重量部の混合溶剤に溶解し、この溶液を厚さ50μmのポリL乳酸フィルム上に、乾燥膜厚0.1μmになるようにコーティング後、40℃で1時間熱風乾燥した。得られたアンカー剤塗布フィルムにアクリル系粘着剤(I)を乾燥膜厚10μmになるように塗布し、40℃で1時間熱風乾燥させ、粘着剤積層ポリL乳酸フィルム(II)を得た。
【0043】
実施例3
脂肪族ポリエステル(II)10重量部をトルエン200重量部、メチルエチルケトン200重量部の混合溶剤に溶解し、この溶液を厚さ50μmのポリL乳酸フィルム上に、乾燥膜厚0.1μmになるようにコーティング後、40℃で1時間熱風乾燥した。得られたアンカー剤塗布フィルムに天然ゴム系粘着剤(I)を乾燥膜厚10μmになるように塗布し、40℃で1時間熱風乾燥させ、粘着剤積層ポリL乳酸フィルム(III)を得た。
【0044】
比較例1
厚さ50μmのポリL乳酸フィルム上に、アクリル系粘着剤(I)を乾燥膜厚10μmになるように塗布し、40℃で1時間熱風乾燥させ、粘着剤積層ポリL乳酸フィルム(IV)を得た。
【0045】
比較例2
厚さ50μmのポリL乳酸フィルム上に、天然ゴム系粘着剤(I)を乾燥膜厚10μmになるように塗布し、40℃で1時間熱風乾燥させ、粘着剤積層ポリL乳酸フィルム(V)を得た。
【0046】
上記実施例、比較例で得た粘着剤積層ポリL乳酸フィルム(I)〜(V)を評価した。結果を表2に示す。
【0047】
▲1▼粘着剤/ポリL乳酸フィルム間の接着強度:
ガラス基材に対して粘着剤層を合わせ、ポリL乳酸フィルム側(上側)より、カッターにより10×10の碁盤目(間隔1mm)を切り、セロファン製粘着テープ剥離により密着性を評価した。剥離せず残った個数を示した。
【0048】
▲2▼粘着剤層の粘着性(ボールタック)
JIS Z−0237に従って、粘着フィルムのボールタックを測定し、測定結果をボールナンバーで示した。測定温度は5℃とした。
【0049】
▲3▼粘着剤の残留性
ポリL乳酸シートに対して粘着フィルムを貼り付け、2kgローラーで1往復圧着させ、5℃にて、40m/分以上の急速で剥離し、粘着剤の残留性を評価した。
○:残留なし
△:一部残留
×:全面残留
【0050】
【表2】
Figure 2004244438
【0051】
表2より明らかなように実施例1〜3は比較例に比べて密着性、粘着剤残留性に優れていることがわかる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明により、粘着剤との接着性を飛躍的に向上させることが出来るアンカー剤が得られる。従ってポリ乳酸フィルムをはじめとする生分解性フィルムを基材とした場合にも優れた性能を有する積層体を得ることが出来る。

Claims (6)

  1. 乳酸残基を50重量%以上含有し、L乳酸とD乳酸のモル比(L/D)が9/1〜1/9の範囲であり、還元粘度が0.3〜1.0dl/gの範囲にある脂肪族ポリエステルを含むことを特徴とする粘着剤用アンカー剤。
  2. 請求項1記載のアンカー剤を生分解性フィルムにコーティングし、さらにその上に粘着剤をコーティングしたことを特徴とする積層体。
  3. 生分解性フィルムがポリL乳酸フィルムであることを特徴とする請求項2記載の積層体。
  4. 粘着剤が天然ゴムを含むことを特徴とする請求項2または3記載の積層体。
  5. 粘着剤がアクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項2または3記載の積層体。
  6. 粘着剤がさらにロジン系樹脂および/またはテルペン系樹脂を含むことを特徴とする請求項4または5記載の積層体。
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