JP3717533B2 - 感圧性接着剤の粘着付与剤及び感圧性接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は感圧性接着剤の粘着付与剤として有用なロジン系樹脂に関するものであって、特にロジンの多価アルコールエステルなどのロジン系樹脂における残存水酸基を、イソシアネート化合物と反応させて得られる低水酸基価変性ロジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来一般に、感圧性接着剤においては、粘着付与剤としてロジン系の樹脂が使用されており、特にロジン又はロジンの各種変性物と、多価アルコールとのエステルが広く使用されている。
【0003】
ロジンは化学構造的には、ハイドロフェナンスレン骨格を有し、一分子中に二重結合とカルボキシル基を有する、アビエチン酸などの各種樹脂酸の混合物であるとされている。
【0004】
而して前記カルボキシル基を多価アルコールでエステル化することにより、酸価を低下させることが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらロジンにおけるカルボキシル基は三級であるため、反応性に乏しく、エステル化反応には高温で長時間を要する。
【0006】
酸価を低下させるために多価アルコールの使用量を多くし、カルボキシル基の当量以上の水酸基を反応させれば、カルボキシル基は消失して酸価はより低下し、反応時間も短くなるが、得られたロジンエステルには未反応の水酸基が多くなり、水酸基価が高くなる。
【0007】
一方水酸基価を低くしようとすれば多価アルコールの使用量を抑制し、カルボキシル基の当量に相当する水酸基を反応させることとなるが、反応に長時間を要し、しかも酸価を十分に低下させることが困難である。
【0008】
而してロジンエステルを接着剤の粘着付与剤に使用する場合、水酸基が有する反応性が接着剤機能を阻害するので、水酸基価は低いことが好ましい。特に接着剤に硬化剤を併用する場合には、水酸基が硬化剤を消費してその機能を失わしめるため、水酸基価を低くするべきである。
【0009】
例えばアクリル系感圧性接着剤において、アクリル系ポリマーに粘着付与剤としてロジン系樹脂を使用した場合、通常は接着剤の物性を向上させるためにテープに塗工する前にポリイソシアネート系化合物を微量添加し、テープ塗工後熟成させてポリマーをポリイソシアネート化合物で架橋し、硬化させて内部凝集力を高めることが行われている。
【0010】
このとき粘着付与剤として添加されたロジン系樹脂の水酸基価が高いと、水酸基がポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応し、当該ポリイソシアネート化合物による架橋が十分に行われず、感圧性接着剤としての物性を低下させ、接着剤としての保持力が低下する。
【0011】
アクリル系以外の感圧性接着剤においてもかかる傾向は見られるが、特にアクリル系感圧性接着剤においてロジンエステルを粘着付与剤として使用した場合に、水酸基価による影響が強く見られる。
【0012】
水酸基価を上昇させないためには、多価アルコールをロジンのカルボキシル基の当量付近で反応させるのが良いが、前述のように反応に長時間を要し、酸価を十分に低下させることができない。
【0013】
またロジンエステル中の残存水酸基に一塩基性又は二塩基性の酸と反応させる方法もあるが、これも反応性に乏しく反応に長時間を要し、また十分に水酸基価を低下させることができない。
【0014】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、ロジンエステルなどの残存水酸基を有するロジン系樹脂の、水酸基価を効率よく低下させ、感圧性接着剤組成物の粘着付与剤として使用した場合に、接着剤の物性を損うことがないようにすることを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決する手段】
而して本発明における感圧性接着剤の粘着付与剤は、水酸基を有するロジン誘導体に、イソシアネート基を有する化合物を反応させてなる低水酸基価変性ロジンを主成分とするものである。
【0016】
この感圧性接着剤の粘着付与剤において、前述の水酸基を有するロジン誘導体としては、ロジンと多価アルコールとのエステル、ホルマリン変性ロジン又は変性ロジンアルコールなどであって、残存水酸基を有するものについて適用することができる。
【0017】
またこの水酸基を有するロジン誘導体は、水酸基価が10〜180のものについて適用するのが適当である。
【0020】
また本発明の感圧性接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜18のアルキルアルコールとのエステルを主成分とする重合体100重量部に、請求項1、2又は3に記載の低水酸基価変性ロジン3〜50重量部を添加したことを特徴とするものである。
【0021】
この感圧性接着剤組成物において、前記重合体として、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50重量%以上と、これらと共重合可能なビニル系モノマーの少くとも一種との共重合体を使用するのが好ましい。
【0022】
本発明における水酸基を有するロジン誘導体としては、ロジンに対して各種変性を行い、その結果水酸基が残存したものであって、最も一般的には、ロジンと多価アルコールとのエステルがある。
【0023】
ここで言うロジンとしては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性のロジンの外、これらのロジンをベースにした不均斉化ロジン、水素添加ロジン、重合ロジン及び、これらの精製物などがある。またこれらのロジン類にマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、アクリル酸などを付加した強化ロジンや、さらにその変性物を使用することもできる。
【0024】
また多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの三価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどの四価アルコール、ジペンタエリスリトールなどの六価アルコールがあり得る。
【0025】
通常ロジンエステルは、窒素ガス等の不活性雰囲気下に、ロジンとアルコールとを加熱して得られる。この際の反応条件は、一般的に250〜280℃で、5〜20時間かけて行われる。
【0026】
またその他の水酸基を有するロジン誘導体としては、ホルマリン変性ロジン、変性ロジンアルコールなどについても適用することができ、さらにフェノール化などの変性を施したロジンについても適用できる。
【0027】
前記水酸基を有するロジン誘導体の水酸基価は、10〜180程度が適当である。水酸基価が10未満の場合には、本発明によりさらに水酸基価を低下させることは困難である。また水酸基価が180を超えると、それに応じて多量のイソシアネート化合物を反応させる必要があり、副反応によりイソシアネート基が水酸基以外の部分を攻撃するため、ロジンの物性が低下すると共に、水酸基価が十分に低下しにくい。
【0028】
また本発明におけるイソシアネート基を有する化合物としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物を使用することができ、またこれらの化合物に多価アルコールを付加したポリイソシアネートを使用することもでき、要するに化合物中に一つ以上のイソシアネート基を有するものであれば、広く使用することが可能である。
【0029】
本発明の低水酸基価変性ロジンは、広く感圧性接着剤の粘着付与剤として使用することができる。感圧性接着剤としては、アクリル系感圧性接着剤の外、天然ゴム系、SBR系、ウレタン系、CR系などの各種のゴム系の感圧性接着剤があり、これらの溶液型又は水分散型の感圧性接着剤について適用することができる。また光重合型又は放射線重合型の感圧性接着剤においても、その粘着付与剤として使用することができる。
【0030】
特に本発明の低水酸基価変性ロジンは、アクリル系感圧性接着剤組成物における粘着付与剤として適しており、アクリル系感圧性接着剤の接着物性の改質効果、特に保持力に優れている。
【0031】
本発明の感圧性接着剤組成物は上記アクリル系のものであって、(メタ)アクリル酸とアルキルアルコールとのエステルを主成分とし、これに粘着付与剤として前記低水酸基価変性ロジンを添加したものである。
【0032】
なおこの明細書において(メタ)アクリル酸の語は、アクリル酸とメタアクリル酸とを総称する語として使用しており、アクリル酸、メタアクリル酸及び、これらを任意の割合で併用した場合を含んでいる。
【0033】
そして前記感圧性接着剤組成物の発明において、アルキルアルコールとしては、炭素数1〜18のものが適当であり、これらを単独で又は混合して使用することができる。
【0034】
すなわち上記エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、これらを単独で又は二種以上を併用して使用する。
【0035】
そして本発明の感圧性接着剤組成物は、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合体を使用するものである。この重合体は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単独の重合体であっても差支えないが、接着力や凝集力を改善するための副成分として、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なビニル系モノマーを共重合させることもできる。
【0036】
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸などの酸性モノマー及び、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマーのような官能基を有するモノマー成分を、一種又は二種以上併用して使用することができる。
【0037】
また(メタ)アクリル酸アミド類、ビニルピロリドンのような窒素原子を含有するモノマーと、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどとの共重合成分も、同様の目的で、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合させることができる。
【0038】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、上述の各種副成分とを共重合させる場合には、主成分で(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少くとも50重量%以上含むべきである。
【0039】
本発明の感圧性接着剤組成物においては、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合体100重量部に対して、粘着付与剤として前記低水酸基価変性ロジンを、3〜50重量部添加する。低水酸基価変性ロジンの添加量が3重量%未満では接着力が不十分であり、また50重量%を超えると接着剤としての一連の物性が低下する。
【0040】
また本発明の感圧性接着剤組成物においては、前記重合体及び粘着付与剤の外に、0.1〜10重量%程度の架橋剤又は硬化剤成分を添加するのが好ましい。かかる架橋剤又は硬化剤成分としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、変性エポキシ化合物、金属キレート化合物、アミノ化合物、変性アミノ化合物などが挙げられる。
【0041】
さらに用途によっては、感圧性接着剤の強度を向上させるために有機又は無機系の充填剤を添加することができ、また柔軟性を付与するために軟化剤、可塑剤などを添加することもできる。これらの充填剤及び軟化剤などの添加量は、10重量%以下とするべきである。
【0042】
【発明の効果】
本発明の低水酸基価変性ロジンは、従来のロジン系樹脂に較べて大巾に水酸基価が低く、これを感圧性接着剤に粘着付与剤として添加したとき、水酸基が少いために架橋剤や硬化剤成分が水酸基と反応して架橋反応を阻害することが少く、接着力が大きく且つ保持性に優れたものとなる。
【0043】
また水酸基を含有するロジンにイソシアネート化合物を反応させることにより、反応性に優れたイソシアネート基が水酸基と結合してウレタン結合を生じ、水酸基が消失するので、短時間で容易に高水酸基価のロジンの水酸基価を、効率良く減少させることができる。
【0044】
【実施例】
[アクリル系重合体溶液の製造]
【0045】
参考例1
温度計、窒素導入管、撹拌機及び冷却管を備えた反応容器に、重合体成分としてアクリル酸n−ブチル80重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル20重量部及びアクリル酸4重量部並びに、溶剤としてトルエン60重量部及び酢酸エチル60重量部を仕込み、さらに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.3重量部を添加し、窒素ガスを吹込みながら撹拌して、20分間かけて系内の空気を窒素に置換した。
【0046】
然る後加熱して75℃にまで昇温し、同温度にて8時間重合反応を行い、感圧接着性を有するアクリル系共重合体の溶液を得た。この共重合体の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した結果、重量平均分子量が約53万であった。また共重合体溶液の不揮発分は、45.8%であった。
【0047】
参考例2
参考例1に記載の反応容器に、重合体成分としてアクリル酸n−ブチル60重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル40重量部、アクリル酸3重量部及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル0.5重量%並びに、溶剤としてトルエン36重量部及び酢酸エチル84重量部を仕込み、さらに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.3重量部を添加し、参考例1と同様の手順で操作して、75℃において8時間重合反応を行い、感圧接着性を有するアクリル系共重合体の溶液を得た。
【0048】
この共重合体の重量平均分子量は約55万であり、また共重合体溶液の不揮発分は、45.6%であった。
【0049】
参考例3
参考例1に記載の反応容器に、重合体成分としてアクリル酸n−ブチル50重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル50重量部、アクリル酸4重量部、酢酸ビニル1.5重量%及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル0.5重量%並びに、溶剤としてトルエン24重量部及び酢酸エチル100重量部を仕込み、さらに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2重量部を添加し、参考例1と同様の手順で操作して、75℃において8時間重合反応を行い、感圧接着性を有するアクリル系共重合体の溶液を得た。
【0050】
この共重合体の重量平均分子量は約50万であり、また共重合体溶液の不揮発分は、45.5%であった。
【0051】
[低水酸基価変性ロジンの製造]
実施例1
温度計、窒素導入管、撹拌機、冷却管及び水抜き管を備えた反応容器に、不均斉化ロジンのグリセリンエステル(ハリマ化成株式会社製ハリエスターDS−90S:酸価8、軟化点95℃、水酸基価25、重量平均分子量600)を100重量部及び、溶剤としてトルエンを81重量部仕込み、窒素ガスを吹込みながら撹拌を開始し、次いで100℃にまで昇温し、同温度で60分間撹拌して完全に溶解した。
【0052】
次いで50℃にまで冷却し、同温度でトリレンジイソシアネート(三井東圧化学工業株式会社製TDI−80)3.6重量部を添加し、その後1時間かけて100℃にまで昇温し、同温度で4時間反応させた。
【0053】
赤外線スペクトル分析を行った結果、2300cm-1のイソシアネート基の吸収が消失していることが確認された。また得られた樹脂溶液の不揮発分は55.8%、樹脂の軟化点は102℃、重量平均分子量は800であり、水酸基価は9であった。
【0054】
実施例2
実施例1に記載した反応容器に、不均斉化ロジンのペンタエリスリトールエステル(ハリマ化成株式会社製ハリエスターDS−110S:酸価15、軟化点106℃、水酸基価45、重量平均分子量800)を100重量部及び、溶剤としてトルエンを83重量部仕込み、窒素ガスを吹込みながら撹拌を開始し、100℃にまで昇温し、同温度で60分間撹拌して完全に溶解した。
【0055】
次いで50℃にまで冷却し、同温度でトリレンジイソシアネート(同前)6.5重量部を添加し、その後1時間かけて100℃にまで昇温し、同温度で5時間反応させた。
【0056】
赤外線スペクトル分析の結果、イソシアネート基の吸収は消失していた。また得られた樹脂溶液の不揮発分は55.5%、樹脂の軟化点は114.5℃、重量平均分子量は1600であり、水酸基価は15であった。
【0057】
実施例3
実施例1に記載した反応容器に、不均斉化ロジンのペンタエリスリトールエステル(ハリマ化成株式会社製ハリエスターDS−90:酸価18、軟化点90℃、水酸基価75、重量平均分子量750)を100重量部及び、溶剤としてトルエンを87重量部仕込み、窒素ガスを吹込みながら撹拌を開始し、100℃にまで昇温し、同温度で60分間撹拌して完全に溶解した。
【0058】
次いで50℃にまで冷却し、同温度でトリレンジイソシアネート(同前)10.5重量部を添加し、その後1時間かけて100℃にまで昇温し、同温度で8時間反応させた。
【0059】
赤外線スペクトル分析の結果、イソシアネート基の吸収は消失していた。また得られた樹脂溶液の不揮発分は55.3%、樹脂の軟化点は113.3℃、重量平均分子量は4400であり、水酸基価は21であった。
【0060】
実施例4
実施例1に記載した反応容器に、不均斉化ロジンのペンタエリスリトールエステル(ハリマ化成株式会社製ハリエスターDS−90)を100重量部及び、溶剤としてトルエンを87重量部仕込み、窒素ガスを吹込みながら撹拌を開始し、100℃にまで昇温し、同温度で60分間撹拌して完全に溶解した。
【0061】
次いで50℃にまで冷却し、同温度でヘキサメチレンジイソシアネート(武田薬品工業株式会社製タケネート700)10.2重量部を添加し、その後1時間かけて100℃にまで昇温し、同温度で5時間反応させた。
【0062】
赤外線スペクトル分析の結果、イソシアネート基の吸収は消失していた。また得られた樹脂溶液の不揮発分は55.5%、樹脂の軟化点は105℃、重量平均分子量は3800であり、水酸基価は15であった。
【0063】
実施例5
実施例1に記載した反応容器に、ロジンアルコール(理化ハーキュレス株式会社製アビトール:水酸基価148)を100重量部及び、溶剤としてトルエンを94重量部仕込み、窒素ガスを吹込みながら撹拌を開始し、50℃にまで昇温し、同温度で60分間撹拌して完全に溶解した。
【0064】
次いで同温度でトリレンジイソシアネート(同前)21.5重量部を添加し、その後1時間かけて100℃にまで昇温し、同温度で5時間反応させた。
【0065】
赤外線スペクトル分析の結果、イソシアネート基の吸収は消失していた。また得られた樹脂溶液の不揮発分は55.2%、樹脂の軟化点は81.2℃、重量平均分子量は560であり、水酸基価は12であった。
【0066】
比較例1
温度計、窒素導入管、撹拌機及び水抜き管を備えた反応容器に、不均斉化ロジン(酸価155、軟化点80℃)100重量部を仕込み、窒素ガスを吹込みながら200℃にまで昇温して加熱溶融する。ロジンが完全に熔融した後、グリセリン9.8重量部を添加し、270℃にまで昇温し、同温度で12時間反応させて、不均斉化ロジンのグリセリンエステルを得た。このロジンエステルの軟化点は95℃、酸価は6、水酸基価は15であった。
【0067】
比較例2
比較例1に記載の反応容器に不均斉化ロジン100重量部を仕込み、窒素ガスを吹込みながら200℃にまで昇温して加熱溶融する。ロジンが完全に熔融した後、ペンタエリスリトール11.3重量部を添加し、280℃にまで昇温し、同温度で15時間反応させて、不均斉化ロジンのペンタエリスリトールエステルを得た。このロジンエステルの軟化点は108℃、酸価は13、水酸基価は28であった。
【0068】
比較例3
比較例1に記載の反応容器に重合ロジン(理化ハーキュレス株式会社製ポリペールレジン:酸価150、軟化点94℃)を100重量部仕込み、窒素ガスを吹込みながら180℃にまで昇温して加熱溶融する。ロジンが完全に熔融した後、グリセリン9.5重量部を添加し、270℃にまで昇温し、同温度で13時間反応させて、重合ロジンのグリセリンエステルを得た。このロジンエステルの軟化点は115℃、酸価は11.3、水酸基価は24であった。
【0069】
比較例4
比較例1に記載の反応容器に重合ロジン(同前)100重量部を仕込み、窒素ガスを吹込みながら200℃にまで昇温して加熱溶融する。ロジンが完全に熔融した後、ペンタエリスリトール11.0重量部を添加し、280℃にまで昇温し、同温度で14時間反応させて、重合ロジンのペンタエリスリトールエステルを得た。このロジンエステルの軟化点は123℃、酸価は13.4、水酸基価は31であった。
【0070】
[感圧性接着剤組成物の調製]
参考例1〜3により得られたアクリル系共重合体の溶液にトルエンを追加して、不揮発分が45%となるように稀釈した。
【0071】
また実施例1〜5により得られた樹脂溶液にトルエンを追加し、また比較例1〜4により得られたロジンエステルをトルエンに溶解して、それぞれ不揮発分が45%となるように調整した。
【0072】
次いで、前述のアクリル系共重合体と実施例及び比較例のロジンエステルの溶液とを、表1に示すように配合し、撹拌して混合した後、硬化剤としてトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加体の酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)に酢酸エチルを加え、有効成分を45%に調製したものを、表1に示す量添加して混合し、感圧性接着剤組成物の溶液を調製した。
【0073】
次いで厚さ25μmのポリエステルフィルム(東レ株式会社製:ルミラーフィルム)に、前記感圧性接着剤組成物溶液をアプリケーターで、乾燥後の塗膜厚さが40μmとなるように塗工し、80℃の熱風式乾燥器で3分間乾燥して、感圧接着性フィルムを得た。
【0074】
上記感圧接着性フィルムを温度20℃、湿度65%の恒温恒湿室に7日間保管した後、接着物性について試験を行った。
【0075】
[物性試験]
(1) 粘着性(タック)
JIS Z−0237に準じて、傾斜角度30度の斜面上に試験片を固定し、その試験片上に1/32〜32/32インチの鋼球を転がし、粘着面上で停止する最大鋼球のNo.を測定した。
【0076】
(2) 粘着力(ピール)
JIS Z−0237に準じて、被着体としてステンレス板を用いて、剥離強度を測定した。数値の単位はg/25mmである。
【0077】
(3) 保持力(クリープ)
JIS Z−0237に準じて、被着体としてステンレス板を用い、25℃及び80℃雰囲気下で24時間後のテープのずれた距離を測定した。数値の単位はmmである。
【0078】
[結果]
感圧性接着剤組成物の組成及び接着物性を、表1に示す。
【0079】
【表1】
Claims (5)
- 水酸基を有するロジン誘導体に、イソシアネート基を有する化合物を反応させてなる低水酸基価変性ロジンを主成分とすることを特徴とする、感圧性接着剤の粘着付与剤
- 前記水酸基を有するロジン誘導体が、ロジンと多価アルコールとのエステル、ホルマリン変性ロジン又は変性ロジンアルコールであって、残存水酸基を有するものであることを特徴とする、請求項1に記載の感圧性接着剤の粘着付与剤
- 前記水酸基を有するロジン誘導体の水酸基価が、10〜180であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の感圧性接着剤の粘着付与剤
- (メタ)アクリル酸と炭素数1〜18のアルキルアルコールとのエステルを主成分とする重合体100重量部に、請求項1、2又は3に記載の低水酸基価変性ロジン3〜50重量部を添加したことを特徴とする、感圧性接着剤組成物
- 前記重合体が、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50重量%以上と、これらと共重合可能なビニル系モノマーの少くとも一種との共重合体であることを特徴とする、請求項4に記載の感圧性接着剤組成物
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