JPH0214557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、オートバイ等のエンジンの懸架装
置の改良に関する。

一般に、オートバイでは、第１図及び第２図に
示すように、エンジンＡを保持片Ｂを介して数個
所でボデーＣに取付けて懸架している。エンジン
Ａは、運転中振動を発生するので、このエンジン
Ａの振動がボデーＣに伝わるのを軽減するため、
保持片Ｂの先端に溶着した外筒Ｄの内側に、弾性
体Ｅを介して内筒Ｆを挿入し、この内筒Ｆにボル
トによつてエンジンＡを締着することにより、弾
性体Ｅによつて振動を吸収させるようにしてい
る。しかし、このため、エンジンＡが前後及び上
下方向の他に左右方向にも振れ、特に左右方向の
振れは、操縦安定性を悪くする不都合がある。

この考案は、かかる点に鑑み、エンジンの上下
前後の振動は可及的に吸収し、エンジンの左右方
向の振れはできるだけ規制できて、操縦安定性が
低下しないように改善したもので、以下第３図及
び第４図に示す本考案の実施例について説明す
る。

エンジンケース１は、数個所で保持片２を介し
てボデー３に懸架する。保持片２は、湾曲させた
バネ板の先端に円筒片４を連結したものである。
保持片２は、バネ板の湾曲した面が前後方向に向
くようにして、ボデー３にボルト５によつて締着
する。保持片２の先端の円筒片４にはボルト６を
通して、エンジンケース１に設けたボス部７に締
着する。保持片２のバネ板のバネ特性は、湾曲し
た部分のバネ板の厚さが徐々に変るもの、或いは
湾曲したバネ板部分の巾が徐々に変るものによつ
て、適宜バネ特性が得られるように設定する。

作用について説明する。

エンジンケース１の上下振動及び前後振動は、
保持片２のバネ板の湾曲面で受けるので、移動が
大きくできて、よく振動を吸収できる。エンジン
ケース１の左右方向の振動は、保持片２の湾曲し
たバネ板部分の巾方向の動きになるので、湾曲面
の剛性が高く、エンジンケース１の振動を規制で
きる。こうして、エンジンケース１の上下及び前
後の振動は十分吸収し、左右方向の横振れに対し
ては振動を規制し、操縦安定性の低下を防ぐ。

以上説明したように、この考案は、円弧状に湾
曲させたバネ板の先端に円筒片を連結した保持片
を設け、この保持片の基部をボデーに締着すると
共に、円筒片に通したボルトをエンジンケースに
締着してエンジンを浮動支持したので、バネ板の
湾曲した面を前後方向に向けることによつて、エ
ンジンケースの前後及び上下方向の振動を十分吸
収し、左右方向の振動については、バネ板の湾曲
面の巾方向の剛性で規制でき、横振動による操縦
安定性の低下を防ぐことができる。そして、保持
片の湾曲したバネ部分のバネ特性は、巾及び板厚
さを変化させることによつて、任意に選定でき
て、エンジンの振動特性に合せることができる。
又、バネ板の加工だけで保持片ができるので、製
造コストも安価にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例を示し第１図は側面
図、第２図は保持片の拡大斜視図、第３図及び第
４図は本考案の一実施例を示し、第３図は側面
図、第４図は要部の拡大分解斜視図である。 １……エンジンケース、２……保持片、３……
ボデー、４……円筒片、６……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円弧状に湾曲させたバネ板の先端に円筒片を連
   結した保持片を設け、この保持片の基部をボデー
   に締着すると共に、円筒片に通したボルトをエン
   ジンケースに締着してエンジンを浮動支持したこ
   とを特徴とするオートバイ等のエンジンの懸架装
   置。