JPH0214439Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、プリンタ等に使用するインクリボン
カセツトに関する。

〔従来技術〕

以下に、従来のインクリボンカセツトについて
説明すると共に、その欠点を述べる。

インクリボンにおいては、インクリボンのプリ
ンタへの装着性の容易化や装着時の手や装着部周
辺の汚れの解消、並びに小型化等を考慮してイン
クリボンをカセツト内に収納してインクリボンカ
セツトとし、これをキヤリツジに搭載して使用し
ている。

尚、インクリボンの寿命は一般的にインクリボ
ンに含浸しているインクの量で決定されるが、イ
ンクリボンの基布自体の寿命はこれより格段に長
いのが実状である。

そこで、インクリボンの寿命を長くするためイ
ンクリボンにインクを適量補充するインク補充手
段を具備することが従来から提案されており、前
記のようなインクリボンカセツトにおいてもカセ
ツト内に補充手段を設けたものがある。

ところで、インクの補充手段を備えたインクリ
ボンカセツトは、それ自身インクリボンの送り駆
動源を持たず、搭載しているキヤリツジのスペー
シング運動により駆動力を得ているものが多い。
このため、次のような欠点が発生している。

それは、キヤリツジが停止している時はインク
リボンが給送されないので、その間インク補充手
段はインクリボンの同一位置にインクを補充し続
けることとなり、インクリボンが定速走行してる
間適量のインクが補充されるのに対し、この部分
のインク補充量は極端に多くなる。従つて、この
部分が印字に供された場合にはその前後の印字濃
度と比較すると著しく濃くなり印字濃度にむらが
生じる欠点である。

また、インクリボンが停止する毎にインクが過
剰に補充される結果インク補充手段自体の寿命が
縮まりインクリボンに対するインク補充効率が悪
くなる欠点もある。

加えて、上記キヤリツジが非印字時のスペーシ
ング動作をする時にもインクリボンが定走行した
部分にインクが補充されるので一層インク補充効
率が悪くなる欠点がある。

そして、キヤリツジの非印字時のスペーシング
動作時にインクリボンを走行させることはインク
リボンの使用効率を低下させる欠点ともなつてい
る。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、インクリボンの効果的な走行
に伴なう効果的なインク補充手段を設けることに
より従来の欠点を解決することにある。

〔考案の構成〕

その、本考案の構成は次の通りである。

駆動ーラに当接してインクリボンを送出する従動
ローラにインク液を内蔵したインク供給体を直接
あるいは転写ローラ等を介して接触させ、インク
供給体と共に従動ローラを回転可能に支持部材に
取付ける。

そして、該支持部材の従動ローラを駆動ローラ
に当接及び離反可能なように支持部材をインクリ
ボンカセツト内に回動可能に取付ける。

該回動可能に取付けた支持部材の端部に、従動
ローラを常に駆動ローラから離反させるリセツト
スプリングを設けると共に、リセツトスプリング
の力に抗して支持部材の同端部を吸引し従動ロー
ラを駆動ローラに当接させる吸引マグネツトを設
ける構成とすることである。

このような構成とすることにより、非印字及び
非印字時のスペーシング時には吸引マグネツトを
作用させないでリセツトスプリングにより駆動ロ
ーラから従動ローラを離反させることができ、イ
ンクリボンの走行を止めると共にインクリボンへ
のインクの供給も止めることができるものであ
る。

〔実施例〕

以下に、本考案の３つの実施例について図面を
基に説明すると共に、その効果を述べる。

第１図は、本考案の第１実施例によるインクリ
ボンカセツトの印字時を示す平面図、第２図は非
印字時を示す同平面図である。

図において、１はインクリボンカセツト、２
ａ，２ｂはインクリボンカセツト１の後記するイ
ンクリボンを外部へ導出するためアーム状リボン
案内部、３はインクリボンカセツト１の後記する
インクリボンの収納部、４は図示外の駆動源によ
つて回転する駆動ローラ、５は駆動ローラ４に当
接してインクリボンを給送する従動ローラ、６は
フエルト等の繊維材料あるいは多孔質のプラスチ
ツクゴム等にインクを含浸してなるインク供給
体、６ａはインク供給体６と同材質よりなり従動
ローラ５に当接するインク供給部、７はインク供
給体６と共に従動ローラ５を回転可能に取付けて
いる支持部材、８はインク供給体６のインク供給
部６ａを従動ローラ５に当接するように押圧して
いるバネ、９は従動ローラ５が駆動ローラ４に当
接及び離反するように支持部材７が回転可能とな
るようにインクリボンカセツト１の内部に支持部
材７を支持する回転支点、１０は支持部材７の端
部を押圧して従動ローラ５が駆動ローラ４から離
反させるリセツトスプリング、１１は支持部材７
の前記端部をリセツトスプリング１０の力に抗し
て吸引し従動ローラ５を駆動ローラ４に当接させ
る吸引マグネツト、１２は吸引マグネツト１１の
吸引に作用するべく支持部材７の端部に設けた鉄
片、１３ａ，１３ｂは後記するインクリボンの走
行においてたるみが発生しないようにアーム状リ
ボン案内部２ａ，２ｂの通路内にインクリボンを
押圧するために設けた張力用板バネ、１４はイン
クリボンカセツト１の収納部３に大部分を蛇行し
て収納されアーム状リボン案内部２ａ，２ｂを通
ると共に引張用板バネ１３ａ，１３ｂで押圧され
て駆動ローラ４と従動ローラ５間を通るように配
置したエンドレス状のインクリボンである。

尚、矢印は各部品の動きとインクリボン１４の
走行方向を示している。

次に、前述の部品構成にてなるインクリボンカ
セツト１の動作について述べる。

まず、第１図を基に印字時について述べる。

印字時には、インクリボン１４を走行させなけ
ればならないので、回転する駆動ローラ４に従動
ローラ５を当接してインクリボン１４の一部を挾
持し圧送すべく、吸引マグネツト１１を印字信号
により作用させて鉄片１２をリセツトスプリング
１０の力に抗して吸引し支持部材７を回動させ
る。

これで、インクリボン１４はアーム状リボン案
内部２ａ側からアーム状リボン案内部２ｂへと走
行を開始すると共に収納部３に収納される。この
走行と共に、従動ローラ５にはインク供給体６の
インク供給部６ａからインクが供給され続けるの
で、該従動ローラ５を介してインクリボン１４に
インクは供給され続けることとなる。

次に、第２図を基に非印字時について述べる。

印字信号の停止により吸引マグネツト１１は吸
引作用を解かれる。すると、リセツトスプリング
１０は支持部材７の端部を押し上げ他端に取付け
た従動ローラ５を駆動ローラ４から離反させる。

これで、第２図の状態となり、従動ローラ５は
回転を止める。該従動ローラ５は回転しないため
にインク供給体６からインクは供給されないこと
となる。当然駆動ローラ４側に位置するインクリ
ボン１４にも接していないのでインクリボンへの
インクの供給も断たれる。

かつ、インクリボン１４は挾持した圧送が不能
なために走行も停止することとなる。

ここで、重要なのは非印字時にインクリボン１
４の走行を停止するばかりでなく、非印字時には
インクリボン１４へインクを供給しないというこ
とである。これによつて、インクリボン１４への
インクの供給過多部分は発生せず常に均一な印字
濃度による印字を開始することができるのであ
る。

続いて、第３図を基に第２実施例の説明を行な
う。尚、前記第１実施例と同一部分にはその符号
を図示するのみとし改ためた説明は省略する。

第３図は、本考案の第２実施例を示すインクリ
ボンカセツト１の平面図であり、１５はインクを
含浸した転写ロールによるインク供給体、１６は
支持部材７の一端に回転可能に取付けた従動ロー
ラ５に当接して回転可能に支持部材７にインク供
給体１５を支持する回転支点である。

この第２実施例は、前記第１実施例と部品構成
はほぼ同様となつているが、第１実施例における
インク供給体６及びインク供給部６ａに代えて、
インクを含浸した転写ロールによるインク供給体
１５を設け、回転する従動ローラ５の回転を受け
てインク供給体１５は回転しながらインクを従動
ローラ５に供給することとなる。

そして、インクリボン１４の走行及び支持部材
７の回動等は前記第１実施例と同様にして行なわ
れる。

前記、第１及び第２実施例では単色インクリボ
ンについて述べたが、両実施例は複数色のインク
リボンで構成する多色のインクリボンカセツトと
しても使用することができ、これを第３実施例と
して述べる。

第４図は、本考案による第３実施例を示す印字
ヘツド部分の側面図であり、１１は吸引マグネツ
ト、１７は前記第１あるいは第２実施例によるイ
ンクリボンカセツト、１８は印字ヘツドを搭載し
てスペーシング移動を行なうキヤリツジである。

この第３実施例では、収納インクリボンの色を
異にしたインクリボンカセツト１７を三段に積み
重ねて、必要な色のインクリボンカセツト１７を
選択して吸引マグネツト１１を作用させるのであ
る。

〔考案の効果〕

以上、詳細に説明したように本考案では駆動ロ
ーラと従動ローラでインクリボンを挾持圧送する
従動ローラを駆動ローラに対して離反及び当接の
動きを可能として、従動ローラにインクを供給す
る構成としたので次のような効果を発揮すること
ができる。

それは、印字時のスペーシング移動時には従動
ローラを駆動ローラに当接させてインクリボンを
両ローラで挾持し圧送すると共に、従動ローラは
回転しながらインクリボンにインク供給でき、非
印字時には駆動ローラから従動ローラを離反し前
記両ローラによるインクリボンの挾持圧送を解消
すると共に従動ローラは回転を止めインクリボン
からも離れてインクリボンへのインクの供給は停
止されるので、従来発生したインクリボン停止中
のインク補充過多による印字濃度の不均一を解決
し印字濃度を一定とし印字品位を向上させる効果
である。

また、インクの補充過多がないことはインクの
使用効率の向上の効果ともなり、加えて従来は非
印字時のスペーシング移動においてもインクリボ
ンを走行させてインクを供給していたが、本考案
ではこの時にインクリボンの走行を停止すると共
にインクの供給も断つので一層のインク使用効率
の向上を計ることができる。そして、非印字時の
スペーシング移動においてインクリボンの走行を
停止可能としたことはインクリボンの使用効率を
大きく向上させる効果となつている。

更に、多色インクリボンカセツトにおいては必
要色のインクリボンカセツトを選択使用するの
で、一般に多く使用する黒色に従つて他色のイン
クリボンの使用及びインクの供給をすることはな
いので多色インクリボンカセツトにおいても前記
同様の効果を発揮することができる。

このような効果により、本考案はプリンタのイ
ンクリボンカセツトにおいて有益に利用すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例によるインクリボ
ンカセツトの印字時を示す平面図、第２図は非印
字時を示す同平面図、第３図は第２実施例を示す
インクリボンカセツトの平面図、第４図は第３実
施例を示す印字ヘツド部分の側面図である。 １……インクリボンカセツト、４……駆動ロー
ラ、５……従動ローラ、６……インク供給体、７
……支持部材、９……回転支点、１０……リセツ
トスプリング、１１……吸引マグネツト、１４…
…インクリボン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 収納したインクリボンを対向する駆動ローラと
   従動ローラで挾持圧送して印字位置である外部露
   出部分へのインクリボンを走行させると共に収納
   しながらインクリボンにインクを供給するインク
   リボンカセツトにおいて、前記従動ローラに当接
   してインクを供給するインク供給体を設け、該イ
   ンク供給体と共に前記従動ローラを回転可能に支
   持部材に取付け、該支持部材の中程を回動可能に
   インクリボンカセツト内部に取付け、支持部材の
   端部に該端部を押圧して従動ローラを駆動ローラ
   から離反させるリセツトスプリングを設けると共
   に、該端部にリセツトスプリングの力に抗して該
   端部を所定時に吸引し従動ローラを駆動ローラに
   当接させる吸引マグネツトを設けたことを特徴と
   したインクリボンカセツト。