JPS5851008Y2 - インクリボンカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、印字装置に使用されるインクリボンカセット
、特に印字領域が比較的狭い小形の媒体への印字に適す
るインクリボンカセットに関し、インクリボンの長寿命
化とリボンセットの操作の簡便化を実現するものである
。

インクリボンを印字用の媒体に重ね、両者間にインパク
トを与えて印字する装置において、カセット式のインク
リボンを使用する場合は、一般に第１図のような構成に
或っている。

この図は印字部の平面図であり、プラテンＰの前面に媒
体Ｓが配置され、この媒体Ｓの前方に印字ヘッドＨおよ
び（インクリボン）カセットＣが配置されている。

印字ヘッドＨとカセツ）Ｃは、キャリッジに搭載されて
おり、キャリッジのスペース方向移動によって、矢印ａ
１で示すように、プラテンＰの長手方向へ移動しながら
印字を行う。

インクリボンＲは、カセットＣ中から、印字ヘッドＨと
媒体Ｓ間に繰出され、印字に供されるが、使用後はカセ
ット内に引戻され、インク補給後、再度繰出されて印字
に使用される。

このようにインクリボンＲは、エンドレスになっていて
、何回も繰返し印字に使用されるが、インクリボンＲの
幅は１つの文字の高さをカバーできる程度しかなく、そ
のインクリボンを矢印ａ２で示すように印字ヘッドの移
動方向と同じ方向に送って印字するため、インクリボン
の同じ位置が集中的に印字ヘッドで打撃されることにな
り、インクツポンの寿命が短かく、頻繁にカセットＣを
交換しなければならない。

本考案は、このような問題を解消することを目的とする
ものであり、そのために第２図のような方式を採ってい
る。

図から明らかなように、インクリボンＲは、プラテンＰ
の長さと同程度の広い幅を有しており、矢印ａ３で示す
ように、印字ヘッドＨのスペース動作方向と直角方向へ
、リボン送りされる。

この方式によれば、幅の広いインクリボンを使用するこ
とができ、しかもそのリボンの全面が均一に印字ヘッド
で打撃されるので、インクリボンの単位面積当たりの印
字ヘッドによる打撃回数が、第１図の方式に比べて大幅
に減少し、しかも媒体Ｓを介して打撃されるので、イン
クリボンへの衝撃力が緩和されることと相まって、イン
クリボンが格段と長寿命化される。

本考案は、このように幅広のインクリボンを印字ヘッド
のスペース方向と直角方向に送る方式において、インク
リボンのカセット化を実現するものであり、そのために
本考案は、カセット側に、印字ヘッドがスペース方向に
移動して印字する領域をカバーで゛きる長さのプラテン
を備え、カセットのリボン収納室から供給された幅広の
インクリボンが、プラテンの前面を印字ヘッドのスペー
ス動作方向と直角方向へ移動して、再びカセット内に引
戻され得るように、エンドレスのインクリボンのループ
の内側に前記プラテンが配置された構成を採っている。

次に本考案によるインクリボンカセットの実施例を説明
する。

第３図はカセットの全体構成を示す側面図、第４図は同
カセットの底面図、第５図は分解状態の側面図である。

Ｐはプラテンであり、左右のサイドフレーム１゜２の前
端に固定されている。

サイドフレーム１，２間には、駆動ローラ３が取付けら
れ、駆動軸３′の回転によって回転し、リボンＲを走行
させる。

裏カバー４は、サイドフレーム１，２の下端に取付けら
れているが、この裏カバー４の内側には、板バネ５を介
してピンチローラ６が取付けられており、第３図のよう
に組立てた状態において、駆動ローラ３とピンチローラ
６が圧接するように或っている。

そして、サイドフレーム１，２の後端側には、スポンジ
等の多孔質体から成るインク補給ローラ７が取付けられ
、ピンチローラ６と圧接されている。

プラテンＰと駆動ローラ３間には、サイドフレーム１，
２の上端にほぼ沿った形に壁板８が設けられ、この壁板
８と裏カバー４間に、リボン収容室９が形成されている
。

インクリボンＲは、プラテンＰの印字領域をカバーでき
る幅広のエンドレス状体であって、プラテンＰおよび駆
動ローラ３を、ループの内側に囲む状態に取付けられて
おり、裏カバー４を取付けると、インクリボンＲは、駆
動ローラ３とピンチローラ６間に挾持される。

そのため、駆動ローラ３が矢印ａ４方向に回転すると、
インクリボンＲは、リボン収容室９から引出されて、プ
ラテンＰの前面を矢印ａ５方向に通過し、壁板８の上を
通って駆動ローラ３で巻取られ、リボン収容室９に送込
まれて溜まる。

スポンジ等から戊るインク補給ローラ７には、予めイン
クが含浸されているので、プラテン部で印字に使用され
たインクリボンが、駆動ローラ３でリボン収容室９に送
込まれる際に、ピンチローラ６を介して、インクリボン
にインクが補給され、再生状態でリボン収容室９に溜め
られる。

駆動ローラ３とピンチローラ６には、輪切り状の切込み
が数個所に形成され、その中にリボン収容室９側から爪
１０．１１が嵌入されている。

インクリボンがリボン収容室９に送入されるとき、イン
クリボンは爪１０．１１にガイドされるため、ローラ３
．６への巻きつきが防止される。

また裏カバー４の内側には、プラテンＰ寄りの位置に堰
板１２が配設され、その頂端と壁板８間に小さな隙間１
３を形成することにより、リボン収容室９中のリボンが
一度に大量に引出されないように或っている。

また、堰板１２の下端からは、プラテンＰの背面に向い
た爪板１４が形成され、プラテン背部には堰板１２側に
向いた爪板１５が設けられている。

そのため、万一必要以上のインクリボンががらみ合って
堰板１２を乗り越えたとしても、爪１４．１５でほぐさ
れ、リボンガイド１６に沿って、一定量ずつプラテン前
面に引出される。

なお、サイドフレーム１，２の上端には、表カバー１７
が取付けられる。

第６図は、第３図のカセットＣ′を印字装置にセットし
た状態の平面図である。

装置側には突当板１８．１８’が設けてあり、プラテン
Ｐの両端をこの突当板１８，１８’に突当てた状態で、
爪１９．１９’やネジ等でプラテンＰを装置側に固定す
る。

これによって、カセットの取付けが完了すると共に、印
字ヘッドＨとプラテン２間のギャップＧが設定される。

以上のように本考案によれば、インクリボンカセットに
直接プラテンを設けると共に、カセット内に、印字ヘッ
ドがスペース方向に移動して印字する領域をカバーでき
る幅広のインクリボンを内蔵し、カセットのリボン収納
室から供給された幅広のインクリボンが、プラテンの前
面を印字ヘッドのスペース動作方向と直角方向に移動し
て、再びカセット内に引戻され得るようにエンドレスの
インクリボンのループの内側に前記プラテンが配置され
た構成になっている。

そしてこれによれば、カセット式のインクリボンにおい
ても、印字ヘッドのスペース移動範囲をカバーできる幅
広のインクリボンを、印字ヘッドのスペース動作方向と
直角方向に移動させることにより、インクリボンの長寿
命化を実現することができる。

また、カセットの装置への取付けは、プラテンを装置側
に固定するだけでよいから、取扱いは簡単であり、しか
もインクリボンが長寿命になることにより、このカセッ
トの取付は作業の回数も従来に比べて著しく少なくてす
み、取扱いが一層容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のインクリボンカセットの使用状態を示す
平面図、第２図は本考案によるインクリボンカセットの
基本思想を示す要部平面図、第３図以下は本考案による
インクリボンカセットの実施例を示すもので、第３図は
側面図、第４図は底面図、第５図は分解状態の側面図、
第６図は装置に取付けた状態の平面図である。 図において、Ｈは印字ヘッド、Ｓは印字媒体、Ｃ′はカ
セット、Ｐはプラテン、Ｒはインクリボン、３は駆動ロ
ーラ、６はピンチローラ、７はインク補給ローラ、９は
リボン収容室である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンドレスのインクリボンが内蔵されたインクリボンカ
   セットにおいて、カセット１則に、少なくとも印字ヘッ
   ドがスペース方向に移動して印字する領域をカバーでき
   る長さのプラテンを備えると共に、カセット内には、少
   なくとも前記領域をカバーできる幅広のインクリボンを
   内蔵し、カセットのリボン収納室から供給された幅広の
   インクリボンが、プラテンの前面を印字ヘッドのスペー
   ス動作方向と直角方向に移動して、再び゛カセット内に
   引戻され得るように、エンドレスのインクリボンのルー
   プの内側に前記プラテンが配置された構成に或っている
   ことを特徴とするインクリボンカセット。