JPH0460030B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はワイヤドツトプリンタなどインパクト
方式のプリンタに使用される特にインクリボンサ
ブカートリツジの及びインクリボンカートリツジ
改良に関する。

インパクトプリンタは印字素子がインクリボン
及び印字用紙を介してプラテンをインパクトする
ことにより、インクリボンに含浸されているイン
クを印字用紙に転写するものである。インパクト
プリンタの代表であるシリアル式ワイヤドツトプ
リンタは印字ヘツドに搭載された複数の印字ワイ
ヤ（ニードル）を印字すべき文字等に応じて選択
的に駆動し、この印字ワイヤの先端がインクリボ
ン及び印字用紙を介してプラテンに衝突すること
により印字用紙上にインクのドツトを形成し、こ
のドツトの集合により文字等を表現するものであ
る。

〔従来技術〕

このようなインパクト式プリンタに使用される
インクリボンはその取扱上の簡便さなどからイン
クリボンカートリツジに内蔵されて使用されるの
が一般的である。すなわち、インクリボンを無端
状すなわちエンドレス状とし、カートリツジ内に
収納し、カートリツジ内に設けられたリボン移送
ローラによつて印字動作に同期してリボンを移送
るすことにより、順次新しいリボンを印字に供す
ることができる。

一方、インクリボンの長寿命化、有効利用化の
ための開発が行なわれ、種々の提案がなされ実用
化されている。そのうちの１つがエンドレスイン
クリボンをメビウスの輪の形状にしたものであ
る。すなわち、１本のインクリボンの表と裏を反
転してその終端を接続することによりメビウスの
輪の形状をしたエンドレスインクリボンとしたも
のである。インクリボンカートリツジには表裏反
転領域を設け、移送経路の途中においてこの表裏
反転領域を経由して移送されることにより順次イ
ンクリボンの表裏がここで反転される。したがつ
てインクリボンの表裏が印字に供されることにな
るためににインクリボンの損傷が分散され、かつ
含浸されたインクのすべてを印字に供することが
できるため、インクリボンの寿命を長くすること
ができる。

しかし、インクリボンの寿命を長くすることは
できても、それを無限期間とすることはできな
い。インクリボンの寿命の決定する大きな要因
は、リボンの損傷とインク含浸量の減少である。
リボンは印字素子によつてインパクトされるため
に損傷し、インクは印字用紙に転写されるにつれ
て減少する。インクリボンの摩耗・損傷は脱字・
印字かすれ等の現象を生じ、インク含浸量の減少
は印字濃度の低下等の現象となつて現われ、いず
れの場合も印字品質の低下をもたらす。

したがつてこのような現象が生じる以前にイン
クリボンの交換を行なわなければならないが、イ
ンクリボンのみを交換する方法と、インクリボン
を収納したインクリボンカートリツジ全体を交換
する方法とが考えられる。しかし、未だ使用に耐
え得るインクリボンカートリツジも含めて交換す
ることはコスト的に得策ではない。その場合には
前者の方法すなわちカートリツジはそのままと
し、中のインクリボンのみを交換する方法が採ら
れる。

〔発明が解決しようとしている問題点〕

インクリボンカートリツジに対して、インクリ
ボンのみを交換するに際しては種々の煩雑さが伴
う。それは前述の如くカートリツジ内におけるイ
ンクリボンは表裏反転領域を経由しているので、
先ず交換すべきインクリボンをこの領域から脱す
作業を必要としている。表裏反転領域は表裏反転
のためにスリツトを含む反転経路を有し、この経
路にインクリボンが沿うようにセツトされている
が、この通路からインクリボンを脱すことが必要
となる。同様にして新品のインクリボンを充填す
るにはインクリボンの一部を前記通路に挿通する
作業が必要となる。この作業は煩雑であり、セツ
トミスを生じやすい。特に交換を行なう人がその
メカニズムを熟知していないことが多く、セツト
ミスが多い。また、インクリボンを直接もつて作
業を行なうためにインクによつて手・衣服などが
汚れないように注意を払らわなければならない。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明はインクリボンの交換が簡単に、確実に
行なうことができるインクリボンサブカートリツ
ジ及びインクリボンカートリツジを提供するもの
である。

そのための手段として、本発明のインクリボン
サブカートリツジは表裏が反転するようにその終
端を接続してなるエンドレス状のインクリボン
と、インクリボンを挿通するスリツトを有するス
リツトピースと、前記インクリボンおよびスリツ
トピースを収納するリボンケースとからなり、前
記インクリボンは前記スリツトピースのスリツト
に挿通された状態で前記リボンケースに収納さ
れ、前記スリツトピースに設けられた着脱自在の
被係合部が、インクリボンが充填されるカートリ
ツジの反転領域中間に設けたスリツトピース係合
部に対する取付方向を規定する形状を有すること
特徴とする。

また、インクリボンカートリツジはリボンカー
トリツジ本体のケースと、該本体のケースに収納
され、表裏が反転するようにその終端を接続して
なるエンドレス状のインクリボンと、該インクリ
ボンを挿通するスリツトを有するスリツトピース
と、前記本体のケース内のリボン走行路に沿つて
設けられたリボン反転領域と、該反転領域の中間
に設けられたスリツトピース係合部と、該リボン
反転領域の入口と出口でインクリボンと面接触す
るガイドとからなり、前記リボンカートリツジ本
体の反転領域に設けたスリツトピース係合部が、
前記スリツトピースに設けられた着脱自在の被係
合部の取付方向を規定する形状を有することを特
徴とする。

〔作 用〕

インクリボンをインクリボンカートリツジに充
填するに際してはインクリボンが挿通されている
スリツトピースをリボンカートリツジにセツトす
るだけであり、またリボンの取り出しもスリツト
ピースをリボンカートリツジから脱すだけなの
で、その作業は極めて簡単となる。

更に、リボンカートリツジのスリツトピース係
合部と着脱自在なスリツトピースの被係合部はそ
の形状により取付方向を規定するものであるか
ら、スリツトピースをセツトするだけでインクリ
ボンを反転した状態とすることができ、反転機構
のメカニズムを熟知していない人でも、確実にリ
ボンを交換できる。

〔発明の実施例〕

第１図はインパクト式プリンタの一例としてワ
イヤドツト式シリアルプリンタの全面斜視図を示
す。シリアル式ワイヤドツトプリンタはキヤリツ
ジ１２，スペース機構部，プラテンユニツト，紙
送り機構部を主構成要素としており、これらはベ
ースフレーム１０に搭載されている。キヤリツジ
１２は印字ヘツド１１を固定しており、印字ヘツ
ド１１は複数本の印字ワイヤ（ニードル）とこれ
を駆動するための電磁石機構を内蔵している。キ
ヤリツジ１２はスペース機構部によつてスペーシ
ングされる。スペース機構部はスペースモータ１
４及びその回転をキヤリツジ１２の直線運動に変
換して伝達するベルトなどよりなり、スペースモ
ータ１４を順方向および逆方向に回転することに
より、キヤリツジ１２はガイドステー１６に案内
されてプラテン１８の軸方向に沿つて往復移動す
る。プラテンユニツトはプラテン１８，ペーパベ
イルローラ２０などを含む。プラテン１８は弾性
体例えば硬質ゴムよりなる断面円形の棒状体であ
り、その両端はペースフレーム１０より垂直に伸
びる一対のサイドフレームに回転可能に支承され
る。ペーパベイルロール２０はプラテン１８に巻
装される印字用紙（図示せず）をプラテン１８の
表面に密着させるものである。紙送り機構部はペ
ーパフイードトラクタ２２ａ，２２ｂ，ペーパフ
イードモータ２４及び回転伝達のためのギア列よ
りなり、ペーパフイードモータ２４の回転により
ギア列が回転し、ペーパフイードトラクタ２２
ａ，２２ｂを回転し、印字用紙を移送する。同時
にペーパフイードモータ２４の回転はプラテン１
８にも伝達され、プラテン１８もペーパフイード
トラクタ２２ａ，２２ｂ，と同期して回転され
る。

３０はインクリボンカートリツジであり、印字
ヘツド１１の往復移動路となる空間を介してプラ
テン１８の反対側に設置される。ベースフレーム
１０より垂直に伸びるサイドフレームに対してこ
のカートリツジ３０は着脱可能に支承されるので
ある。インクリボンカートリツジ３０の詳細は後
述するが、インクリボンが内蔵され、リボンフイ
ードローラによつて移送される。移送経路の一部
においてインクリボンはカートリツジケースの外
部に露出しており、印字ヘツド１１と、プラテン
１８に巻装された印字用紙との間を移送し、その
部分において印字に供される。

第２図はインクリボンカートリツジ３０の構造
を示し、ａは一部を破断した上面図、ｂは側面図
である。インクリボンカートリツジ３０は本体ケ
ース３１ａと上蓋３１ｂよりなり、内部に一対の
ローラ３２ａ，３２ｂ及びリボン反転領域３３を
有している。上蓋３１ｂは本体ケース３１ａに対
して支点３４を中心として開閉可能であり、解放
することにより本体ケース３１ａの内部を露出す
ることができる。一対のローラはインクリボン３
５を矢印方向に移送するものであり、支持板３６
ａに回転可能に支持されたドライブローラ３２ａ
と、支持板３６ｂに回転可能に支持され、スプリ
ング３７によつてドライブローラ３２ａに圧接さ
れたピンチローラ３２ｂよりなる。

ローラによつてカートリツジの内部に移送され
たインクリボン３５は収納部３８において折り畳
まれて収納される。収納部３８から繰り出された
インクリボン３５はリボン反転領域３３を経由し
てガイド部３９ａを経てカートリツジの外部に露
出し、この露出された領域の一部において印字に
供され、他方のガイド部３９ｂを経て一循する。
リボン反転領域３３とリボンガイド３９ａとの中
間に設けられた板ばね４０はインクリボン３５を
本体ケースの内側に押圧し、露出されたインクリ
ボンに弛みが生じることを防止する。

インクリボン３５はメビウスの輪形状とされた
エンドレスインクリボンである。すなわち一本の
テープ状インクリボンの表面と裏面を反転してそ
の終端を接続してある。リボン反転領域３３はリ
ボンの移送に伴なつてエンドレス状のインクリボ
ン３５の表と裏とを反転するためのものである。
すなわち、収容部３８より引き出されたインクリ
ボンは反転領域の入口に設けられたガイドａにお
いて本体ケースの内面に面接触するとともに、反
転領域３３の中間に位置するスリツトピース４２
に設けられたスリツトを挿通し、再び出口側に設
けられたガイドｂにおいて面接触される。そして
ガイドａとスリツトピース４２との間においてイ
ンクリボンは90度捻られ、スリツトピース４２の
スリツトを通過するときは水平とされ、スリツト
ピース４２とガイドｂとの間においてインクリボ
ンは更に90度捻られる。したがつて、ガイドａに
おいてはケースの内面に対してインクリボンは一
方の面にて面接触するが、ガイドｂおいてはケー
ス内面に対して他方の面にて面接触する。

第３図はインクリボンサブカートリツジを示
す。

該サブカートリツジ１００はメビウスの輪形状
とされたエンドレスインクリボン３５０と、スリ
ツトピース４２０と、これらを収納するケース３
００よりなる。スリツトピース４２０は中央部に
スリツト４２１を有し、そのスリツトの幅及び長
さはインクリボン３５０の厚み及び幅よりもわず
かに広く設定されている。このスリツト４２１に
連通するスリツト４２２はインクリボン３５０を
エンドレス状にした後スリツト４２１にインクリ
ボンを挿通させるために必要とされるが、スリツ
ト４２１に挿通した後にインクリボンをエンドレ
ス状にする工程を採れば、このスリツト４２２は
必ずしも必要としない。いずれにしてもリボン３
５０はスリツトピース２０のスリツト４２１に挿
通されてケース３００に収納される。スリツトピ
ース４２０は更に両端に被係合部４２３，４２４
を有し、両被係合部４２３，４２４は後述する如
くリボンカートリツジの反転領域の中間に設けら
れたスリツトピース係合部と嵌合する穴を有す
る。しかし、一方の被係合部４２３の断面形状は
略半円形となつており、他方の被係合部４２４の
それは矩形となつている。この形状の違いによる
機能については後で詳細に述べる。

ケース３００は例えば紙製であり、ケース本体
３０１と上蓋３０２よりなる。ケース本体３０１
は一端に係合部３０１ａを有し、該係合片３０１
ａの先端が上蓋３０２のスリツト３０２ａに挿入
された状態において生じる空間にスリツトピース
４２０を収納する。収納された状態におけるイン
クリボン３５０は折り畳まれた状態となつてお
り、上蓋３０２に設けられたスリツト３０２ｂ，
３０２ｃを介して収納部より出てスリツトピース
４２０に連通している。尚、３０３は固定バンド
であり、本体ケース３０１と上蓋３０２とを一体
的にするものであり、例えば紙製である。

このようなインクリボンサブカートリツジのイ
ンクリボンを、前述したインクリボンカートリツ
ジ３０に補充することについて以下に述べる。
尚、カートリツジに対して新規にインクリボンを
装填するものと仮定する。まず第４図に示すよう
にインクリボンカートリツジ３０の上蓋３１ｂを
本体ケース３１ａに対して開放して、その内部を
露出する。次に第３図に示すサブカートリツジ１
００をリボンカートリツジ３０の収納部３８にそ
のまま、すなわち固定バンド３０３で固定した状
態でセツトする。次にサブカートリツジ１００の
ケース本体３０１の係合片３０１ａを上蓋３０２
のスリツト３０２ａより脱し、開放すると上蓋３
０２とケース本体３０１により挟持されていたス
リツトピース４２０が露出する。このスリツトピ
ース４２０を手で持つてリボンカートリツジ３０
の反転領域３３にセツトするのであるが、このと
きにスリツトピース４２０における被係合片４２
３，４２４の形状の相違がセツトミス防止に大き
な効果をもたらす。すなわち、前述したように一
方の被係合片４２３の断面形状は略半円形であ
り、他方の被係合片４２４の断面形状は矩形とな
つている。一方、リボンカートリツジ３０の反転
領域３３におけるスリツトピース４２０がセツト
されるスリツトピース係合部は第２図及び第４図
に示すように、一方のガイドポスト３３ａの周囲
側面は被係合片４２３の断面形状と同じように略
円形をしており、他方のガイドポスト３３ｂの周
囲側面は被係合片４２４の断面形状と同じように
矩形となつている。したがつて、スリツトピース
４２０を反転領域３３にセツトするに際してその
取付方向は一義的に定まる。換言すると、一方の
被係合片４２３の穴をガイドポスト３３ｂに、他
方の被係合片４２４の穴をガイドポスト３３ａに
合致するようにセツトしようとしても、スリツト
ピース４２０をリボン反転領域３３にセツトする
ことはできず、一方の被係合片４２３の穴をガイ
ドポスト３３ａに、他方の被係合片４２４の穴を
ガイドポスト３３ｂに合致するようにセツトしよ
うとするときだけ正確にスリツトピース４２０を
セツトできる。

次に、固定バンド３０３を脱し上蓋３０２を取
り去り、かつケース本体３０１をカートリツジ３
０の収納部３８より抜き取る。そして、インクリ
ボン３５０の一部をローラ材３２ａ，３２ｂ，ガ
イド部３９ａ，３９ｂのリボン移送経路に沿うよ
うにセツトし、リボンカートリツジ３０の上蓋３
１ｂを閉じることにより、インクリボン３５０の
充填は終了する。尚、この状態ではリボンカート
リツジ３０から露出されたインクリボンは弛みを
生じているので、ドライブローラ３２ａに連結さ
れた摘み３２ｃを規定された方向に回転すること
により、露出されたインクリボンに張力を与え
る。

以上の説明はインクリボンカートリツジがプリ
ンタのフレームに対して着脱される据置型につい
て述べたが、カートリツジがキヤリツジ上に搭載
され、印字ヘツドとともに移動するような搭載型
のインクリボンカートリツジにおいても適用でき
ることはいうまでもない。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば充填され
るインクリボンをスリツトピースのスリツトに挿
通させたものであるから、補充に際してはこのス
リツトピースをリボンカートリツジにセツトする
だけであるから、メビウスの輪形状のエンドレス
インクリボンの補充作業が簡単になる。また、ス
リツトピースの取付方向も規制されるため、リボ
ンを反転させた状態に確実にセツトできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシリアル式ワイヤドツトプリンタの全
体斜視図、第２図はインクリボンカートリツジを
示し、ａは上部を破断した上面図、ｂは側面図、
第３図はインクリボンサブカートリツジを示す斜
視図、第４図はインクリボンの充填状態を示す斜
視図である。 図中、１１は印字ヘツド、１８はプラテン、３
０はインクリボンカートリツジ、３３は反転領
域、３５，３５０はインクリボン、１００はイン
クリボンサブカートリツジ、３００はケース、４
２，４２０はスリツトピースを示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 表裏が反転するようにその終端を接続してな
   るエンドレス状のインクリボン３５，３５０と、 インクリボンを挿通するスリツト４２１を有す
   るスリツトピース４２，４２０と、 前記インクリボンおよびスリツトピースを収納
   するリボンケース３００と からなり、 前記インクリボンは前記スリツトピースのスリ
   ツトに挿通された状態で前記リボンケースに収納
   され、 前記スリツトピースに設けられた着脱自在の被
   係合部４２３，４２４が、インクリボンが充填さ
   れるカートリツジの反転領域中間に設けたスリツ
   トピース係合部３３ａ，３３ｂに対する取付方向
   を規定する形状を有すること特徴とするインクリ
   ボンサブカートリツジ。 ２ リボンカートリツジ本体のケース３１ａ，３
   １ｂと、 該本体のケースに収納され、表裏が反転するよ
   うにその終端を接続してなるエンドレス状のイン
   クリボン３５と、 該インクリボンを挿通するスリツト４２１を有
   するスリツトピース４２，４２０と、 前記本体のケース内のリボン走行路に沿つて設
   けられたリボン反転領域３３と、 該反転領域の中間に設けられたスリツトピース
   係合部３３ａ，３３ｂと、 該リボン反転領域の入口と出口でインクリボン
   と面接触するガイドａ，ｂと、 からなり、 前記リボンカートリツジ本体の反転領域に設け
   たスリツトピース係合部が、前記スリツトピース
   に設けられた着脱自在の被係合部４２３，４２４
   の取付方向を規定する形状を有することを特徴と
   するインクリボンカートリツジ。