JPS6014593Y2 - タイプライタのリボンカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案はタイプライタに着脱可能に装着されるリボンカ
セットに関するものである。

従来技術 従来この種の装置としては、特開昭４９−５６７１６号
公報及び西ドイツ特許出願公開第２．６３７．１３８号
明細書に示されるように、未使用のリボンをロール状に
巻回すると共に使用済のリボンを自在に変形させながら
収納するものはあったが、そのようなリボンカセットに
おいて、リボンを有効に利用するために、リボンに適度
な張力を付与するような構造は全く開示されていなかっ
た。

考案の目的 この考案は、前記欠侭を解消するためになされたもので
あり、無駄な空間がない極めてコンパクトなリボンカセ
ットを形成することができ、また、リボンに適度な張力
を付与して、リボンのたるみをなくシ、リボンが印字用
紙をよごすことがなく、リボン送りをスムースに行なう
ことができるリボンカセットを提供しようとするもので
ある。

解決手段 この考案は、前記目的を遠戚するために、リボン送出口
側に長く延在するようにカセット本体に穿設され、且つ
前記リボンスプールをリボンの送り出し方向に移動自在
に案内支持するガイド孔と、ガイド孔のリボン送出口側
の近傍に設けられ、リボンスプールに巻回されたリボン
の外周と当接してリボンスプールの移動を規制するスト
ッパーと、端部がガイド孔に係止され、リボンスプール
に弾性的に係合して、リボンスプールに回転抵抗を付与
するテンション部材と、リボン送出口とストッパーとの
間に位置し、リボンスプールか送出されるリボンに係合
してそのリボンに張力を付与する弾性を有する張力付与
部材と、リボンを巻取るための駆動部材とを具備するこ
とにより、常にリボンに張力を付与して、リボンのたる
みをなくし、リボンを有効に利用しようとするものであ
る。

実施例 以下、図面に示した実施例を参照して本考案を詳細に説
明する。

第１図は本考案の一実施例を示すリボンカセットの平面
図、第２図はその要部詳細図、第３図はそのＡ−Ａ線断
面図である。

図中１はリボンカセットが装着されるタイプライタの印
字ヘッドであり、球状外周面に多数の活字を有し任意の
活字がプラテン（図示せず）方向に揺動されて印字が行
なわれるようになっている。

２は印字ヘッド１に近接してタイプライタに固定された
カセットホルダ３に着脱可能に装着されるカセット本体
であり、上部に蓋体４が装着されて箱体を構成しており
、これらのカセット本体２並びに蓋体４の一側（第１図
の左側）には、リボン送出口側つまり前後方向（第１図
の上下方向）に長く延びるこの考案のガイド孔である長
孔２ａ、４ａが互いに対向して穿設されている。

５は第３図に示すように、長孔２ａ、４ａ内に嵌合する
回転軸５ａが上下に突設されたリボンスプールであり、
その巻芯５ｂの周囲には使用前のカーボンリボン６が巻
回されており、更に、この巻芯５ｂの下端内部には線ば
ね７が巻回されている。

線ばね７は、前記長孔２ａの一端（第１図の下側）と連
通ずると共に長孔２ａの幅よりも幅のせまい係止孔２ｂ
の側壁に、その一端が圧接されるように延出されていて
、リボンスプール５全体の前後方向の移動を阻止するこ
となく、その回転に対して適度の抵抗力を付勢し得るよ
うになっている。

８はカセット本体２の第１図の右側内部に形成された収
容空間、９は収容空間８の前端部において回転可能に支
持された巻込み駆動ローラで、その軸１０の一端がカセ
ット本体２の下面から下方に突出し、このリボンカセッ
トをカセットホルダ３に装着した時に軸１０がタイプラ
イタの駆動軸（図示せず）に連結されて、印字動作が行
なわれる毎に第１図の矢印方向に間欠回転されるように
なっている。

１１はカセット本体２の右側前部に形成されたガイド部
１２に摺動可能に支持された軸支部材、１３はその軸支
部材１１に回転可能に支持された遊転ローラで、スプリ
ング１４により軸支部材１１を介して巻込み駆動ローラ
９に対して圧接される方向へ付勢され、巻込み駆動ロー
ラ９の間欠回転に追従して回転されるようになっている
。

１５はカセット本体２に突設された帯状体で前記収容空
間８の第１図の左側上部の境界となり、その一端１５ａ
は長孔２ａのリボン送出口１６側の近傍に設けられ、リ
ボンスプール５に巻回されたカーボンリボン６の外周部
分が当接してリボンスプール５の前方への移動を規制す
るストッパーを形成している。

１６．１７はカセット本体２の前部壁両側に形成された
リボン送出口及びリボン送入口であり、リボンスプール
５のカーボンリボン６はリボン送出口１６から外部へ出
て、印字ヘッド１を挟むようにタイプライタに支持され
た左右一対のバイブレータ１８の先端を通りリボン送入
口１７から巻込み駆動ローラ９と遊転ローラ１３との間
を通って収容空間８に送り込まれるようになっている。

１９はリボン送出口１６とストッパー１５ａとの間に位
置し、基端部１９ａがカセット本体２に取着された張力
付与部材であり、その先端部１９ｂがリボンスプール５
とリボン送出口１６との間においてカーボンリボン６の
裏面に当接して自身の弾性力によりカーボンリボン６に
対して引き出し方向と反対の力を付与してカセット本体
２外におけるカーボンリボン６を緊張させるようになっ
ている。

また、リボンスプ・−ル５に巻回されたカーボンリボン
６の外周部分とストッパー１５ａとの当接点がカーボン
リボン６の引き出し点になっている。

以上のような構成において、タイプライタの文字キーの
操作による印字ヘッド１の印字動作に先立ってバイブレ
ータ１８が上昇して、そのバイブレータ１８間のカーボ
ンリボン６がプラテンの印字位置に対向すると共に巻込
み駆動ローラ９が一定角度回動して遊転ローラ１３との
協働によりカーボン６を一定の長さ移動させ、その後に
印字動作が行なわれるようになっており、この時、カー
ボンリボン６は前記線ばね７、ストッパー１５ａ及び張
力付与部材１９の作用により適度の緊張状態を有して印
字位置に運ばれ、使用済みの部分は巻取り駆動ローラ９
と遊転ローラ１３との間から収容空間８内に送り込まれ
、自在に変形しながら収容される。

一方、リボンスプール５はリボンの引き出し力によりそ
の巻芯５ｂに巻回されたカーボンリボン６の外周部分が
ストッパー１５ａに常に当接してその移動が規制され、
カーボンリボン６の残量に応じて前方、即ちリボンの送
り出し方向に移動しく第１図の一点鎖線部分で示す）そ
の後方の空間を徐々に増加させ、その結果、収容空間８
の容積や増大するようになる。

従って、カーボンリボン６の送り出し並びに使用後の巻
込みがスムーズに行なわれ得るようにカーボンリボン６
の使用状態に応じて使用済みのものに対する収容空間が
増大し、カセット本体を有効に利用したものとなる。

第４図は本考案の他の実施例を示すもので、前記実施例
に対して更に改良を加えたものである。

尚、同図にて第１図〜第３図で説明したと同一箇所には
同一符合を付してその説明を省略する。

同図にて、２０はリボンスプール５と収容空間８との間
に位置するように、カセット本体２の前壁近傍に固設さ
れた掛止ピン２１に一端が回動可能に掛止された可撓性
を有する仕切板であり、他端はカセット本体２の左側壁
内面に当接されており、この仕切板２０は使用前のカー
ボンリボン６の残量に応じて収容空間８の容積を増大さ
せるために、第４図の一点鎖線で示すように変形可能と
なっており、しかもその変形は収容空間８内の使用済み
のカーボンリボン６の量に応じてなされるようになって
いる。

２２は前記長孔２ａの長手方向の延長線上に突出形成さ
れたストッパーであり、リボンスプール５の前方への移
動量を規制すると共に、リボンスプール５に回転抵抗を
付与するものである。

また、リボンスプール５に巻回されたカーボンリボン６
の外周部分とストッパー２２との当接点がカーボンリボ
ン６の引き出し点になっている。

そして、図示していないがこの実施例においてもリボン
スプール５は第１図〜第３図で説明したと同様にリボン
の送り出し方向に移動可能となっていると共に、過剰送
り状態を阻止するようになっている。

このように構成されたリボンカセットは、第１図〜第３
図で説明したものに対し同等の効果を奏する他、使用済
みのインクリボン６が使用前のものに接触して好適な送
出動作を妨げること或いは誤ってリボン送出口１６から
使用済みのものが引き出されること等がない点、そして
、リボンスプール５が使用後のリボン量に応じて確実に
リボンの送り出し方向に移動させられる点で優れたもの
となっている。

考案の効果 以上詳述したように、本考案は、リボン送出口側に長く
延在するように前記カセット本体に穿設され、且つ前記
リボンスプールをリボンの送り出し方向に移動自在に案
内支持するガイド孔と、ガイド孔のリボン送出口側の近
傍に設けられ；前記リボンスプールに巻回されたリボン
の外周と当接し１．リボンスプールの移動を規制するス
トッパーと、端部がガイド孔に係止され、リボンスプー
ルに弾性的に係合して、リボンスプールに回転抵抗を付
与するテンション部材と、リボン送出口とストッパーと
の間に位置し、リボンスプールから送出されるリボンに
係合してそのリボンに張力を付与する弾性を有する張力
付与部材と、リボンを巻取るための駆動部材とを具備し
ているので、無駄な空間がない極めてコンパクトなカセ
ットを得ることができる。

また、リボンに適度な張力を付与してリボンのたるみを
なくシー、リボンが印字用紙をよごすことがなく、リボ
ン送りをスムースに行なうことができ、更に、リボンを
有効に利用できるなど、その奏する効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すリボンカセットの平面
図、第２図はその要部詳細図、第３図はそのＡ−Ａ線断
面図、第４図は本考案の他の実施例を示すリボンカセッ
トの平面図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カセット本体の一側に使用前のリボンが巻回されたリボ
   ンスプールを回転可能に支持すると共に、他側に使用後
   のリボンが自在に変形しながら収容される収容空間を形
   成したタイプライタのリボンカセットにおいて、 リボン送出口側に長く延在するように前記カセット本体
   に穿設され、且つ前記リボンスプールをリボンの送り出
   し方向に移動自在に案内支持するガイド孔と、 前記ガイド孔のリボン送出口側の近傍に設けられ、前記
   リボンスプールに巻回されたリボンの外周と当接し、リ
   ボンスプールの移動を規制するストッパーと、 端部が前記ガイド孔に係止され、前記リボンスプールに
   弾性的に係合して、リボンスプールに回転抵抗を付与す
   るテンション部材と、 前記リボン送出口とストッパーとの間に位置し、前記リ
   ボンスプールから送出されるリボンに係合してそのリボ
   ンに張力を付与する弾性を有する張力付与部材と、 前記リボンを巻取るための駆動部材と、を具備したこと
   を特徴とするタイプライタのリボンカセット。