JPH0219253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案はプリンタ等に使用されるインクリボン
カセツトに関するものである。

（従来技術） 従来のインクリボン装置の中には、インクリボ
ンの装着性の容易化やあるいはインクリボンの装
着時の手や装着部周辺の汚れの解消並びに小型化
等を考慮して、インクリボンをカセツト内に収納
してインクリボンカセツトとし、これをキヤリツ
ジに搭載して使用するものがある。一方インクリ
ボンの寿命は一般的にインクリボンに含浸されて
いるインクの量にて決定されるが、インクリボン
基布自体の寿命はこれより格段に長いのが実状で
ある。そこでインクリボンの寿命を長くするた
め、インクリボンにインクを適量補充するインク
補充手段を具備することが従来より提案されてお
り、上記の様なインクリボンカセツトにおいても
カセツト内にインク補充手段を設けたものがあ
る。

ところで上記の如きインクリボンカセツトはそ
れ自身インクリボンの送り駆動源を持たず、上記
キヤリツジのスペーシング運動より駆動力を得て
いるものが多い。このためキヤリツジが停止して
いるときはインクリボンが給送されず、その間イ
ンク補充手段はインクリボンの同一位置にインク
を補充し続けることになり、インクリボンが定速
走行している間適量のインクが補充されるのに対
し、この部分のインク補充量は極端に多くなる。
したがつてこの部分が印字に供された場合その前
後の印字濃度と比較すると著しく濃くなり、印字
濃度にむらが生じる。またインクリボンが停止す
る毎にインクが過剰に補充される結果インク補充
手段自体の寿命が縮まり、インクリボンに対する
インク補充効率が悪くなる。

（考案の目的） 本考案は上記の問題を鑑み、印字濃度にむらが
なく、かつインクの使用効率が良くて寿命の長い
インクリボンカセツトを提供することを目的とす
るものである。

（考案の構成） 本考案は上述の如きインクリボンカセツトで
は、キヤリツジがホーム位置にあるときインクリ
ボンの送りが休止されることに着目し、キヤリツ
ジがホーム位置に来た時に上記インク補充手段を
インク補充可能位置から退避させることを特徴と
するものである。

以下図面に従つて本考案の実施例を説明する。

（実施例） 第１図は本考案に係る一実施例であるインクリ
ボンカセツトの要部を示す平面図、第２図は同側
面図である。エンドレスのインクリボン１はその
一部分が外部に露出されるだけで、その大部分は
リボンカセツト２内に収容されており、該リボン
カセツト２に回転自在に設けられている駆動ロー
ラ３とこれに圧接する従動ローラ６とにより挾持
されている。前記従動ローラ６は可動支持部材４
に支持されており、スプリング５にて駆動ローラ
３方向へ押圧されている。前記駆動ローラ３はキ
ヤリツジのスペーシング運動より動力を得て回転
するようになつている。エンドレスインクリボン
１はインクリボン収納部７に前記駆動ローラ３の
回転により引き込まれ折り畳まれた状態で収納さ
れる。インクリボン収納部７より引き出されたイ
ンクリボン１はリボンカセツト２の右側のアーム
状リボン案内部２ａを通る。ここでインクリボン
１はインクリボン張力用板バネ８により該リボン
案内部２ａの一方の内壁に押圧されており、前記
駆動ローラ３との間でインクリボン１を引張り、
左右のアーム状リボン案内部２ａ，２ｂ間でイン
クリボン１に張りを持たせている。リボン案内部
２ａからいつたん外部へ出たインクリボン１は左
側のリボン案内部２ｂを経て再び駆動ローラ３と
従動ローラ６間に至る。ここで、駆動ローラ３に
は、インク補充体押圧バネ９により所定の圧力で
押圧されたインク補充体１０のインク補充部１１
が当接しており、ステイツク状の該インク補充部
１１から滲み出たインクが駆動ローラ３に供給さ
れさらにインクリボン１に転写されることにな
る。ここでインク補充体１０はインクリボンカセ
ツト２内のインク補充体収容部１２に図示矢印方
向へ移動可能に装着されている。インク補充体１
０の内部材料はフエルトなどの繊維材料あるいは
多孔質のプラスチツク、ゴム等から出来ており、
内部にインクを保持し得るようになつており、イ
ンク補充部１１も同様の材料から成つている。イ
ンク補充体１０の一部には第４図に示すように下
方へ突き出した突起部１３があり、第３図に示す
ようにインクリボンカセツト２の底板に設けられ
た逃げ用開口部２ｃから下に飛び出している。前
記開口部２ｃはインク補充体１０の横方向の動き
に支障をきたさない形状になつている。さらにイ
ンクリボンカセツト２をキヤリツジフレーム１４
に装着した場合前記突起部１３は第２図に示すよ
うにキヤリツジフレーム１４の下部に飛び出すよ
うになつている。第５図はキヤリツジフレーム１
４がホームポジシヨンに停止している状態を示す
ものでインク補充体１０が全体に右方向へ移動し
てインク補充部１１が駆動ローラ３から離間して
いる。これはプリンタ本体のサイドフレーム又は
ベースフレームなどに取り付けた係止部材１５に
キヤリツジフレーム１４がホーム位置に来たとき
上記インク補充体１０の突起部１３が当たり、該
インク補充体１０が押圧バネ９に抗してキヤリツ
ジフレーム１４の移動と反対方向に滑動するため
である。

こうしてインク補充体１０が駆動ローラ３から
退避することにより、キヤリツジフレーム１４が
ホームポジシヨンに停止している間は該インク補
充体１０から駆動ローラ３にインクが補給され
ず、停止中のインクリボン１の特定の箇所にイン
クが過剰に転写されることがなくなる。

キヤリツジフレーム１４が再びホームポジシヨ
ンから移動すると、プリンタ本体側から出ている
係止部材１５からインク補充体１０の突起部１３
が離れるにしたがつて押圧バネ９により該インク
補充体１０は駆動ローラ３に接合し、インクの補
充を始める。

第６図及び第７図は本考案の他の実施例を示す
もので、インク補充体としてロール状のものを使
用したものである。

同図において、２０はフエルトなどの繊維材料
あるいは多孔質のゴム、プラスチツク等で作ら
れ、中にインクを含浸した転写ロールで、インク
リボン１に圧接してリボンカセツト２内に引き込
む駆動ローラ２１と接合している。インクは前記
転写ロール２０より駆動ローラ２１の外周面に供
給され、更にインクリボン１へと補給される。転
写ロール２０はバネ材２２により常に駆動ローラ
２１側へ弾圧されている上下一対のレバ２３に回
転可能にかつ該駆動ローラ２１と接離する方向に
移動自在に支持されており、その中心に設けられ
たピン２０ａはリボンカセツト２の底板に設けら
れた長孔状の開口部２４よりカセツト下方へ飛び
出している。前記ピン２０ａは更にリボンカセツ
ト２を搭載するキヤリツジフレーム１４の下方へ
突き出し、上記実施例と同様にキヤリツジフレー
ム１４がホームポジシヨンに来たときプリンタ本
体に設けられる係止部材（図示せず）に突き当た
るようになつており、転写ロール２０をその支持
レバー２３ごと駆動ローラ２１から逃がし、イン
クリボンの送り停止中インクの補給を止める。

（考案の効果） 以上実施例により説明したように、本考案のイ
ンクリボンカセツトによれば該インクリボンカセ
ツトを搭載するキヤリツジがホーム位置にあると
きインク補充手段が被インク補充体より退避する
ようになつているため、ホーム位置にある間イン
クリボンカセツトのインクリボンが送られなくて
も同一箇所に過剰にインクが補給されることがな
くなる。したがつてインクリボンに含浸されるイ
ンクの量が全体的に均一となり、印字濃度のむら
がなくなるとともにインクの使用効率が改善さ
れ、インクリボンカセツトの寿命が長くなる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は
同側面図、第３図は第１図の一部品を取除いた平
面図、第４図は第１図中の一部品を示す斜視図、
第５図は第１図の他の状態を示す平面図、第６
図、第７図は本考案の他の実施例を示す図であ
る。 １……インクリボン、３……駆動ローラ、１０
……インク補充体、２０……転写ロール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 インクリボンカセツト内に設けられてインクリ
   ボンにインクを補充するインク補充体をインクリ
   ボンから退避させる機構であつて、 インクリボンカセツト内においては、前記イン
   ク補充体を移動可能にすると共に、このインク補
   充体に突起を設け、また、インクリボンカセツト
   のケースに開口を設け、この開口を通して前記イ
   ンク補充体の突起をインクリボンカセツトの外部
   へ突出させ、 インクリボンカセツトの外部においては、イン
   クリボンカセツトが搭載されるキヤリツジのホー
   ム位置近傍に前記インク補充体の突起を係止する
   係止部材を設け、 前記キヤリツジがホーム位置に戻つているとき
   は、前記係止部材が前記インク補充体の突起を押
   して前記インク補充体をインクリボンから退避さ
   せることを特徴とするインク補充体の退避機構。