JPH02142475A - ヒトの組織因子のクローニングと形質発現 - Google Patents

ヒトの組織因子のクローニングと形質発現

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JPH02142475A
JPH02142475A JP1155559A JP15555989A JPH02142475A JP H02142475 A JPH02142475 A JP H02142475A JP 1155559 A JP1155559 A JP 1155559A JP 15555989 A JP15555989 A JP 15555989A JP H02142475 A JPH02142475 A JP H02142475A
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JP
Japan
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tissue factor
human
human tissue
sequence
recombinant
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JP1155559A
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English (en)
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Yale Nemerson
イェール ネマーソン
William Konigsberg
ウィリアム コーニックスバーグ
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Yale University
Icahn School of Medicine at Mount Sinai
Original Assignee
Yale University
Mount Sinai School of Medicine
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Publication date
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/745Blood coagulation or fibrinolysis factors

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明はヒトの組織因子についてのクローン化したDN
Aの配列暗号化を含み、適当な宿主の中にレプリカ培養
(複製)できる新規の組換え(体)ベクターに関する。
また、本発明はヒトの組織因子のDNAコーディング(
暗号)、及びこれから暗号化した、実質的に純粋なヒト
の組織因子並びにその機能的部分に関する。更に、本発
明はヒトの組織因子を発現できる発現ベクターを含む形
質転換宿主並びにヒトの組織因子の新規な可溶形態及び
ヒトの組織因子の新規な切形を提供する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題)ヒト及
び動物における(血液の)凝固システムは止血の維持と
血栓(血餅、血塊)に対する主たる寄与者である。凝固
は、本質的には、不活性酵素の前駆体、すなわち、酵素
原として通常血液その他の組織に存在する各血餅形成因
子が次々に活性化されてタンパク分解酵素となり、今度
はこの酵素が血餅形成配列における次の酵素を選択的に
侵して、これを活性酵素に変換するという一種のカスケ
ード反応である。各段階でカスケード的増幅が行われる
ので、当初における小さな刺激も最終的には相当量のフ
ィブリンクロット(繊維素塊)となる。これが、血液凝
固の過程における最終生成物である。
血液凝固カスケードは、当初は2つの別個の経路である
が、最終的にはこれらが一つに収束する。
経路の一つは血液に対して「内因性」であるが、他の一
つは「外因性」と称される。外因性と言われる理由はこ
れが、通常は血液中に存在しない凝固因子によって誘発
されるものだからである。外傷につづく止血において主
な役割を果すのは内因性の経路の方であるとされている
。外因性経路は、多数の病理学的環境、例えば、漫(広
汎)性内皮損傷、悪性ガン、自前(素)血症、妊娠合併
症などにおいて活性化される。
現在では、第■因子、即ち、ビタミンに依存性血漿凝固
因子タンパクと組織因子、即ち、通常は血液細胞とは結
合していない細胞定着タンパクが相互に作用し合う、と
いう相当有力な証拠がある(例えば、ネマーソン、血液
71.1−8.1988年回顧号参照)。この相互作用
の結果、酵素的活性を有する活性複合体が生じ、他の2
種のタンパク、即ち、因子Xと因子■をその活性のある
酵素型、即ち、因子Xaと因子IXaに各変換すること
によって凝固を開始させることになる(一般の慣習によ
り、活性血液凝固因子の酵素前駆体はローマ数字によっ
て区別し、活性型は下付き文字“a”で表わす。例えば
、因子Xは酵素前駆体、因子Xaは活性因子を表わすも
のとする)。
組織因子は、通常状態では血液と直接には接触しないほ
とんどすべての細胞の表面に存在する血液凝固促進タン
パクである。しかしながら、種々の薬理学的メデイエー
タ−(伝達物質)、例えば腫瘍壊死因子(TNF) 、
インターロイキン1、エンドトキシン(内毒素)で刺激
すると内皮培養細胞や単核球内に組織因子を誘導できる
。外因性血液凝固経路は因子■、即ち、ビタミンに依存
性のセリンプロテアーゼ酵素前駆体と複合体を作る組織
因子によって誘発される。一種の血液凝固酵素補助因子
である組織因子による因子■の活性化は、カルシウムの
存在の下で生じ、且つ因子■におけるコンフォメーショ
ン(配座)の変化に由来する。
例えば、ネマーソン他、止血と血栓症、5paetT、
 H,e+IiL 、グリュン&ストラットン、ニュー
ヨーク、vol、6.pp、237〜261,1982
  ;カーソン。
Prog、 Cl1n、 Pathol ・9:l〜1
4.1984を参照)。
しかしながら、因子■が活性化し、且つ血液凝固を開始
させる原因となるコンフォメーション変化の正確な様子
は今なお明らかにされていない。
組織因子と血液凝固因子■は、血液凝固のカスケード反
応において極めて重要な成分である。因子■を顕著に欠
く個体にしばしば見られる激しい出血は、血液凝固の外
因性経路の生理学的重要性を立証するものである。これ
とは対照的に凝固の内因性経路の初期段階に関わりをも
つタンパク、例えば高分子キニノーゲン、プレカリクレ
イン、因子■を欠く固体の場合には無症候性である。
リン脂質と結合する細胞膜定着糖タンパクである組織因
子は、通常は血行中には存在しない。しかしながら、血
管が破裂すると、血漿凝固因子の一つである因子■は、
組織因子と複合体を形成することによって、触媒として
活性の種を作るのであって、これによって内因性経路の
成分である因子■(血漿トロンボプラスチン成分)が活
性化されてIXaが形成されると同時に、血液凝固の外
因性経路にも内因性経路にも関わりをもつ因子X(スチ
ュワート因子)が活性化されてXaとなる。
組織因子は、このように、ヒトの血液凝固経路における
重要成分なのである。ヒトの組織因子は凝固障害をモニ
ターし研究するための一種の診断用試薬として用いるこ
とのできる重要な物質であり、且つ凝固阻止剤として使
用できる可能性をもっている。ヒトの組織因子の化学的
且つ生物学的性格づけは、このように、人体における血
液凝固のしくみを理解するのに明らかな重要性をもって
いる。
組織因子の未精製標本は、「クイック・ワンステージ・
プロトロンビン・タイム」 (急速−段階プロトロンビ
ン時間)として知られる試験を実施するため日常臨床実
験室で利用されている。この試験では、未精製の組織因
子は、通常は、アセトン脱水したウサギの脳と肺の混合
物であるが、これをCaCl2 と共に血漿標本に付加
する。この試験は広(用いられており、標準条件下の凝
固時間は通常約12乃至14秒である。
上記凝固時間の主たる決定因子は因子■のレベルと活性
であるが、因子■は付加される組織因子の量にもよるが
、血漿中の濃度が高い。従って、因子■の濃度が通常よ
り高い場合でも標準的凝固時間(12乃至14秒)にな
る。ただし、「−段階プロトロンビン時間」は標準レベ
ルより高い因子■に対しては感受性がない。
凝固カスケード反応の諸相がこれまで明らかにされてい
るにもかかわらず、生体内で血液凝固が開始するときの
実態については、なお十分には理解されていない。特に
、組織因子の役割はなお完全には研究されていない。凝
固の内因性、外因性多経路におけるその役割はごく最近
に認識されたにすぎないからである。例えばネマーソン
他、Prog、止血&血栓症6:237〜261.19
82並びにネマーソン、血液71;1〜8.1988参
照。加えて、試験管内での組織因子の機序を明らかにし
ようとする努力も、研究用として適量の純タンパクを得
ることが困難なために阻害されてきた。因子■と組織因
子の触媒作用による諸反応の動力学解析を容易にするた
め、ウシの脳から組織因子をとって均一に精製すること
が行われている。Bacb他。
J、Biol、 Cbem、 256:8324〜83
31.1981 、免疫学的親和性クロマトグラフィー
などのタンパクを単離するのに用いられる従来の精製技
術は、ウシの組織因子に対して単クローン性抗体を使用
する場合ですら煩雑なものであ・す、詳細な実験や臨床
にタンパクを使用する場合にその正確な量を求めるに適
さない。
同様に、剖検材料から取ったヒトの脳や妊娠満期の胎盤
から少量のヒトの組織因子を精製することが行われてい
る。ブローズ他、J、Biol、Chem260:10
917〜10920.1985 ;グハ他、 Proc
 Natl。
Acad、 Sci、 J13:299〜302.19
86 。精製されたヒトの組織因子を、還元条件及び非
還元条件の下、ドデシル硫酸ナトリウム(SO3−PA
GE)中でポリアクリルアミド電気泳動によって分析し
たところ、分子量46000のポリペプチド単鎖である
ように思われた。
ヒトのタンパクはウシの脳の組織因子と同じく、トリプ
シンとキモトリプシンによる切断に抵抗する。しかしな
がら、いくつかの免疫学的研究の示すところによれば、
ウシとヒトとの組織因子は似たような機能を示すものの
、両者のタンパクの間には交叉反応性はほとんど認めら
れない。
ヒトの組織因子のアポタンパク(アポリポ蛋白)全体に
ついてDNAシーケスコーディング(塩基配列暗号)を
クローン化してみれば、この生物学的に重要なタンパク
の遺伝子配列及びタンパク質配列順序が決定できるであ
ろう。ヒトの組織因子の遺伝子暗号は染色体1に位置し
ていることが知られている。なおまた、組織因子及びこ
れから暗号化したタンパクのアミノ酸配列順序のための
DNA配列コーディング(暗号)に関する情報を提供す
る場合、組織因子についてのDNAコーディングが一旦
与えられれば、染色体遺伝子の構造に関する重要な情報
が得られる。その上、クローン化したヒトの組織因子の
遺伝子を適当な宿主の中に発現させれば臨床用、診断用
、また実験研究用としてすぐに使用できる組織因子が提
供されることになろう。組織因子によって開始された血
液凝固(すなわち、外因性凝固経路)に関係するタンパ
クをコード化(暗号)するDNA塩基配列については、
組織因子自体を除き、すでにクローン化され、決定され
ている。
最近のいくつかの報告には、ヒトの組織因子の一部につ
いての相補的DNA  (cDNA)コーディングのク
ローン化について述べられている。モリセー他、198
7. Fed 、 Proc、 46:716 (Ab
str、)  ;スカルバチ他、1987. Fed 
、 Proc46a:2242 (Absfr、)。
これらの研究では組織因子タンパク全体についてのクロ
ーン化されたDNA断片のコーディングは得られていな
い。但し、ヒトの組織因子のアポ蛋白全体に関するcD
NAのクローン・コーディングのクローン化と配列を開
示した米国特許出願第062166号が登録された日以
降いくつかの刊行物の中でヒトの組織因子に関するcD
NAクローン・コーディングの単離と配列についての報
告がなされている。
例えば、モリセー他、細胞50.129〜135,19
87  、スパイサー他、 Proc、Na!、Aca
d、Sci 、 84:5148〜5152.1987
  、スカルバチ他、生化学26:5234〜5238
.1987  、フィッシャー他、血液48;89〜9
9、198? )を参照。
[発明の構成] (課題を解決するための手段及び作用)本発明に基づき
、ヒトの組織因子アポ蛋白全体及びその機能的部分をコ
ード化(暗号)するような配列のクローン化DNAをも
ち適当な宿主の中で機能的なヒトの組織因子アポ蛋白と
可溶性組織因子を発現させる発現ベクターの生成を提供
するようなレプリカ培養(複製)の可能な組換え(体)
ベクターについて記述する。この組換え(体)ベクター
はヒトの組織因子に関し同定可能なヒトの胎盤のcDN
Aライブラリーを含む組換え(体)クローニング・ベク
ターをスクリーニングし、且つヒトの組織因子アポ蛋白
全体に関するcDNAコーディング(暗号)を含む組換
え(体)ベクターを単離することによって得られたもの
である。クローン化した胎盤cDNAのライブラリーを
作ることのできる適当な組換え体のクローニング・ベク
ターには、バクテリア(細菌)等の原核生物宿主の中で
レプリカ培養できるベクター、あるいは、酵母、昆虫細
胞ないし動物やヒトの細胞等の真核生物宿主の中でレプ
リカ培養できるベクターを含む。適当な原核生物ベクタ
ーにはプラスミド、コスミッド及びバクテリオファージ
を含む。但し、これらのみに限定するものではない。適
当な真核生物ベクターには、なかんづく、ワクチニアウ
ィルス、ウシの乳頭腫ウィルス、シミアンウィルス40
 (SV40)及びバキュロウィルスを含む。当業者に
とっては、本発明の実施において広範囲のクローニング
・ベクターと宿主を利用できることは自ら明瞭であろう
更に、本発明はヒトの組織因子アポ蛋白全体につきコー
ド化(暗号)を行う2147塩基対(bp)cDNA、
このようなcDNAの塩基配列、並にcDNAによって
コード化されるヒトの組織因子タンパク及びその機能的
部分を提供する。このcDNAは、クローン化されたヒ
トの胎盤のcDNAライブラリーから同定し単離したも
のである。成熟した組織因子のアポ蛋白、即ち、263
のアミノ酸のポリペプチド単鎖の一つは、ヌクレオチド
112から997にまたがるcDNA断片のひとつの読
取り枠(ORF)によってコード化される。この読取り
枠に対応するmRNAの実際上の翻訳産物は、翻訳後切
断した成熟したヒトの組織因子アポ1白を形成する32
アミノのリーダー配列順序又はシグナルペプチドを有す
る295のアミノ酸の前駆体タンパク質である。
更に、式1に示すようなヌクレオチド90乃至1340
を含む2147bpcDNA1.25kb (キロベー
ス)の断片を分離した。この切断は読取り枠全体並びに
5′−と3′−のフランキング(両側)シーケンス(配
列)を含んでおり、制限酵素(エンドヌクレアーゼ)に
消化されてヒトのく胎盤の)ゲノムDNA且つ組織因子
の遺伝子を9.5kbDNAにまで局在化し、かつまた
、適当な宿主の中でヒトの組織因子のアポ蛋白とヒトの
可溶性組織因子を含むその機能的部分とを発現する組換
え(体)発現ベクターを作る目的でこれを使用した。
更に本発明は、適当な被形質転換体宿主の中でヒトの機
能的組織因子を発現するような組換え(体)形質発現ベ
クターを提供する。適当な形質発現ベクターには細菌等
の原核生物宿主の中で所期のタンパクを複製し発現する
ベクター、あるいは、酵母、昆虫の細胞、動物やヒトの
細胞等真核生物宿主の中で複製するベクターがある。適
当な原核生物ベクターにはプラスミド、コスミッド及び
バクテリオファージが含まれる。但し、これらのものに
限定されない。適当な真核生物ベクターには、なかんづ
く、ワクチニア・ウィルス、ウシの乳頭腫ウィルス、シ
ミアンウィルス40 (SV40)及びバキュロウィル
スを含む。当業者にとっては、本発明の実施において広
範囲のクローニング・ベクターと宿主を利用できること
は自ら明らかであろう。
特に重要なのは、タンパク質のカルボキシ末端疎水膜に
達する部分を欠く組織因子タンパクの端を切り取った、
可溶性のものを作る場合にも上記のベクターを利用でき
ることである。これらのベクターは、とりわけ、成熟し
たヒトの組織因子のアポ蛋白の細胞外ドメイン又は近似
的N末端219/222アミノ酸及び成熟したヒトの組
織因子アポ蛋白の1乃至227N末端アミノ酸を含む可
溶性の活性組織因子の形質を発現させる。このような、
可溶性のヒトの組織因子タンパク、切り取ったヒトの組
織因子タンパク並びに、その機能的な部分、即ち、ヒト
の組織因子の細胞外ドメインから取ったペプチドは、特
に診断試薬や血液凝固阻止剤として有用である。
(実施例) 今後は詳細説明、実施例及び図面を参照しながら本発明
を説明する。
本発明は、ヒトの組織因子アポタンパク全体又はその機
能的部分をコード化(暗号化)し、且つまた、適当な宿
主の中でその形質を発現させるような配列をもった、ク
ローン化したcDNA挿入物(インサート)を含むとこ
ろの、レプリカ培養(複製)の可能な組換えベクターを
提供するものである。この組換えベクターは、適当な宿
主の中で複製できるクローニングベクターに挿入された
クローン化したヒトの胎盤c DNAライブラリー中の
ヒトの組織因子についてのDNA塩基配列暗号(コーデ
ィング)をスクリーニングして得たものである。ヒトの
cDNAライブラリーをクローン化するための好ましい
ベクターの中に含まれるものとしては、プラスミド・バ
クテリオファージその他の細菌中で複製できるベクター
、また、酵母、昆虫の細胞、ヒトの細胞等の真核生物宿
主の中で複製できるベクターがある。原核生物に含まれ
るものとしては、なかんづく、プラスミド・コスミッド
及びバクテリオファージがある。真核生物ベクターに含
まれるものとしては、なかんず(ワクチニア・ウィルス
、ウシの乳頭腫ウィルス、5v40、酵母のベクター、
並びにバキュロウィルスがある。好ましいクローニング
ベクターとしてはバクテリオファージλgill 、即
ち、ヤング及びデーヴイス、科学222ニア78〜78
2.1983によって記述された形質表現ベクターがあ
る。好ましい宿主生物は、1g111の宿主として既知
の大腸菌株に1088である。
ヒトの組織因子のアポタンパク全体を暗号化(コード化
)する2147bpDNA断片は、1g1ll内にクロ
ーン化したヒトの胎盤のcDNAライブラリーから単離
した。ヒトの組織因子の暗号配列は、特定のオリゴヌク
レオチドのハイブリダイゼーション・プローブと雑種形
成(ハイブリッド)したDNAをもつ組換えバクテリオ
ファージをスクリーニングすることにより、クローン化
された胎盤のcDNAライブラリーにおいて同定した。
このハイブリダイゼーション・プローブのDNA塩基配
列は、(i)アミノ端、(ii)カルボキシ端、及び(
i i i)組織因子のポリペプチド鎖の内部からの類
ペプチド断片のアミノ酸配列に対応し、且つこれらアミ
ノ酸配列についての暗号化を行う。
また、本発明は、特に、ファージ1g111内でクロー
ン化した胎盤cDNAライブラリーから得た組換えバク
テリオファージλ10.3であって、胎盤cDNAライ
ブラリーから得たヒトの組織因子アポタンパク全体につ
いての暗号化を行うクローン化された2147bpcD
NAを含むものを提供する。同じく本発明に含まれるも
のとして、同じようにλgillから得た、組織因子暗
号配列を含む第2のバクテリオファージ、λ3,4があ
る。ファージ、λ3,4はヒトの胎盤のbpcDNAラ
イブラリーからのクローン化された1616bpcDN
A挿入物を含むが、そのヌクレオチド配列は、ファージ
λ10,3の2147bpcDNA挿入物(インサート
)の3′部位に一致し、且つ、組織因子アポタンパクの
カルボキシ端部位についての暗号化を行う。
また、本発明はヒトの組織因子アポタンパク全体に対す
るクローン化された2147bpcDNA暗号を提供す
る。式Iにその配列を提供する。DNA塩基配列の特徴
とするところは、ヌクレオチド112乃至114におけ
るATG開始コドンから295アミノ酸のポリペプチド
単鎖をコード化する、ヌクレオチド997乃至999に
おけるTAA終結へと延びる単一の読み取り枠であって
、上記ポリペプチド単鎖は32アミノ酸のリーダー配列
を含む組織因子前駆体タンパクである。この成熟した組
織因子のアポタンパクは、5er−Gly−Thr−T
hr−Ashのアミノ端配列をもつ263アミノ酸の単
一ポリペプチドである。
同じく式1(残基−32で始まる)に配列を示した上記
の前駆体タンパク質は、翻訳後に、式1の+1で示すア
ミノ残基で開始する配列をもつ成熟した組織因子アポタ
ンパクに変換される。この成熟組織因子アポタンパク(
炭水化物を含まず)の分子量は計算の結果およそ29.
600となった。
また、本発明は、組織因子用2147cDNA挿入物(
インサート)暗号プラス組織因子cDNA挿入物(イン
サート)の各端末の両側にくる約1000bpのλDN
Aを含む約4.]5kbのDNA断片をpUc19のラ
クトースオペロンZ′に挿入することにより、大腸菌の
クローニング・ベクターpUc19から得られる組換え
プラスミドpKS−2Bを提供する。pKS−2Bは、
pUc19の既知の宿主である大腸菌株71−18を変
換するのに用いられてきたものである。大腸菌71−1
8/pKS−2F!形質転換体は、ヒトの組織因子用2
147bpcDNA断片暗号化のソース(種)として好
ましいものである。
組織因子用のクローン化された2147bpcDNA暗
号の利用可能性により、タンパク質についての暗号化を
行うヒトのゲノム遺伝子を特徴づけることが可能になっ
ている。読取り枠を含み、且つ、5′及び3′−のフラ
ンキング・シーケンスを含む、式Iに示したヌクレオチ
ド90−1340にまたがる1、25kbDNA断片は
、プラスミドpKs−2Bの制御酵素消化作用によって
得られた。この1.25kb断片を、消化されたヒトの
胎盤のゲノムDNAの9.5kbDNA断片と雑種形成
(ハイブリッド)した。この9.5kbゲノムDNA断
片は、組織因子用配列暗号内に少なくとも3つのイント
ロン(介在配列)を含むものとされている。この組織因
子遺伝子はヒトの染色体1にすでにマツピングされでい
るが、これまでのところ、特定のゲノムDNA断片に対
する遺伝子の位置は割り出されていない。また、1.2
5kb断片は、適当な宿主細胞内に、ヒトの組織因子の
アポタンパク全体及び可溶性のヒトの組織因子のための
形質発現ベクターを作る場合にも使用されている。
タンパクをコード(暗号)化し、且つ、タンパクの約7
0%のアミノ酸配列解析によって確認されるλ10,3
のcDNA挿入物(インサート)の配列から予測される
ヒトの組織因子アポタンパク全体のアミノ酸配列に基づ
き、この内在性膜結合タンパク質についてのドメイン構
造を提案する。タンパクのドメインは、タンパク質の独
立に折りたたまれた機能的部位、と定義できる。本発明
の提供するヒトの組織因子アポタンパクのドメインのひ
とつひとつは、次のような独自の構造上、機能上の特徴
を備えている。即ち、(i)翻訳後、前駆体タンパク質
から成熟した活性組織因子への転換と同時に除去される
32アミノ酸のシグナルペプチド又はリーダー配列;(
2)アミノ端末部219のアミノ酸を含む、細胞外の、
−船釣に疎水性のN−グリコジル化反応したドメイン、
(3)タンパク質の細胞膜にまたがる部分と考えられて
いるアミノ酸約220乃至242を含む、主として疎水
性のアミノ酸から成る約23のアミノ酸ストレッチ(延
長);及び(4)細胞内の細胞膜ドメインとされている
、アミノ酸残基約243乃至263を含む約21のカル
ボキシ端アミノ酸。
第1図に示すのは、式Iに記するようなアミノ酸配列を
有する、本発明による実質的に純粋な成熟したヒトの組
織因子アポタンパク(これから32アミノ酸シグナルペ
プチドを除去する)のドメイン構造と考えられているも
のである。組織因子のドメイン構造として提示したもの
(1−4)のいくつかの際立った特徴を第1図から読み
取ることができる。
分子には4つの潜在N一連鎖炭水化物組込み位置0sn
−X−8et/Tbr)が見出される。これらの位置の
一つはカルボキシ末端の細胞膜ドメインに在り、従って
、おそらくはグリコジル化していない。細胞外ドメイン
にある三つの位置のそれぞれは、第1図の(◇)印によ
って示されているが、このうちの二つの位置は、アミノ
酸配列解析法によって炭化水素をもっているものと同定
されている。実施例1に述べたように、cDNA塩基配
列からアスパラギンと予測されたアミノ酸11及び13
7  (I式)においては、PTFIアミノ酸は一つも
同定することができなかった。これらのAgnの残基の
おのおのは、炭水化物組込み位置の初めの方を占める。
−般に炭水化物は、組織因子のような膜結合糖タンパク
の細胞外タンパク質にのみ見られるものであり、従って
、炭水化物は細胞外ドメインにのみ見出されるものと期
待されよう。
なお、同じく第1図及び式1から明らかなように、ヒト
の組織因子には全部で5つの半シスチン残基が含まれ(
第1図の丸で囲んだ個所)、そのうちの4つは細胞外の
ドメインに在り、従って、おそらくはジスルフィド結合
をなしている。ジスルフィド架橋の存在は、すでに以前
バッハ他、1゜8iol、 Chem、 256:H2
4−8331,1981による観察によって暗示されて
いたところである。これは、ウシの組織因子についての
所見で、SDSの存在の下で2−メルカプトエタノール
を用いて還元したところ、組織因子の凝固促進活動が失
われるにいたったが、SDSで処理した時にはそうはな
らなかった、という内容のものである。ヒトの組織因子
の位置245におけるCysは、分子間のジスルフィド
結合の形成には与からないとされる。細胞質ドメインで
分離される、と思われるからである。単一のメチオニン
残基M e (210におけるCNB rの切断により
、ジスルフィド結合還元なしに精製した組織からカルボ
キシ端ペプチドが遊離する、という観察により、ヒトの
組織因子のCYs245は分子間ジスルフィド結合の形
成に関わらない、といういまひとつの確認が得られた。
Cy s 245は、バッハ他、生物学25:4007
−4020.1985によって記述されているように、
おそらくは、組織因子の自家会合をモジュレートしなが
ら、あるいは、精製中にタンパク質ないし脂肪酸のよう
な他の物質と相互に作用することによって、分子間のジ
スフィルド結合を形成するとも考えられる。
また、第1図には、カイト及びトウーリットル、J、 
Mo1ec、  Biol、  157:105−13
2.1982の方法によるヒトロバシープロットを示す
。これは、組織因子の膜ドメインの疎水特性をグラフに
描いたものである。多値は21アミノ酸の配列の平均ヒ
トロバシー指数として計算し、これを各配列の中間残基
にプロットした。タンパク質のカルボキシ端末部位にお
ける23非極性アミノ酸の連続的ストレッチ(延び)は
、細胞の形質膜の脂質二重層にまたがる内在性膜タンパ
ク質のドメインに特有のものである。更に、正の負荷を
もつ4つのアミノ酸(第1図で(+)印を付したもの)
が、疎水部位のカルボキシ側のすぐ近くに観察されるが
、これは多数の膜内在住タンパクの膜と細胞質ドメイン
の間の界面に見られる特徴である。(例えば、サバチニ
他、J、Ce1l、 Biol、 92:l〜21.1
982を参照)。更に、組織因子の細胞質ドメインと思
われるところには、低密度のりボタンバク受容体とトロ
ンボモジュリン(fhrombomodulin)に共
通の特徴がある。即ち、この部位につき3つのタンパク
質すべてを比較したところ、細胞質ドメインは短く、且
つ、単一のCys残基を含むことが分った。(例えば、
ジャックマン他、Proc、  Natl、  Aca
d、  Sci、83:8834〜8838、1986
及び山本他、細胞39:27〜38.1984を参照)
1式に示すような実質上純粋なヒトの組織因子及びその
明らかなドメイン構造につき配置を決定することにより
、可溶性組織因子の形質を発現する形質発現ベクターを
含む形質転換宿主の外へ出すことのできるタンパク又は
その部分の細胞外ドメインを含むヒトの切り取った組織
因子及びヒトの可溶性組織因子を産生ずることが可能に
なった。
この配列は、また、ヒトの組織因子の機能的部分、即ち
、ヒトの組織因子から取ったペプチドの産生をも可能に
するもので、このペプチドは診断試薬として、また、因
子■が組織因子と結合することを防ぐ目的で使用するこ
とができる。無処理組織因子は膜結合の疎水性タンパク
である故、通常、ヒトの組織因子全体の形質発現のため
のベクターを含む形質転換宿主からこのタンパクを分離
することは容易ではない。しかしながら、可溶性の組織
因子を多量に使用できることから天然のタンパクを産生
ずることは可能である。ヒトの組織因子の膜に広がるド
メインと細胞質ドメインは、適当な技術、例えば、固相
ペプチド合成法等によって産生できる。無処理のヒトの
組織因子アポタンパクは、DNA組換え技術その他の方
法によって産生じた可溶性のヒトの組織因子を、フラグ
メント縮合等のタンパク合成方法又はタンパク半合成技
術を経由させるペプチド合成技術によって生成した膜/
細胞質ドメインとの共有結合により再構成できる。
本発明による可溶性の組織因子には疎水性の膜スパニン
グ(spanniB)  と細胞質ドメインを欠いてい
る。しかし、驚くべきことに、これまで産生されたこと
がないこのような可溶性組織因子は、因子■の活性化、
及び標準2段階の血液凝固検定における、これに続く因
子■とXの切断によって測定されるような最小限程度の
凝固促進活性を備えている。因子■と効果的に結合する
この可溶性組織因子は、未変性のヒトの組織因子の凝固
促進活性に対する阻害剤としての有用性ももっている。
従って、可溶性組織因子は一種の診断試薬として、また
、臨床用の潜在的抗凝固剤として強力且つ、重要な力を
内在する。
ヒトの組織因子及びプラスミドpKS−28用のクロー
ン化2147bpcDNA暗号により、形質転換した宿
主の中で臨床用、診断用また実験研究用のヒトの組織因
子アポタンパク質及び可溶性のヒトの組織因子及びヒト
の切り取った組織因子を産生ずる組換え形質発現ベクタ
ーを構成することが可能になった。このような形質発現
ベクターの中には、細菌等の原核生物中で複製し発現す
るもの、あるいは、酵母、昆虫の細胞及び動物ないしヒ
トの細胞のような真核宿主内で複製するものが含まれる
。適当な原核生物ベクターにはプラスミド、コスミッド
及びバクテリオファージが含まれる。但し、これらに限
定されるものではない。また、適当な真核生物ベクター
形質には、なかんづく、ワクチニア、ウィルス、ウシの
乳頭腫ウィルス、シミアンウィルス40(SV40)、
酵母ベクトル及びバキュロウィルスが含まれる。当業者
にとっては、本発明の実施において、広範囲のクローニ
ング・ベクターと宿主を利用できることは自ら明瞭であ
ろう。
特に、はぼl−219/220のアミノ酸にまたがる可
溶性組織因子、即ち、成熟したアポタンパク質の細胞外
ドメインをDNAクローン化技術によって調整した。可
溶性の活性組織因子のDNA暗号化は、1式に記す組織
因子のタンパク配列順序のアミン酸219/220につ
いてのヌクレオチド暗号化のすぐ後に、この組織因子の
遺伝子の中に停止コドンを挿入することによって行った
。その結果、ヒトの組織因子のうち、疎水性の膜にまた
がる部位(ドメイン3)並びに細胞質(ドメイン4)が
欠失した(第1図参照)。
また、上記の代りになるものとして、部位特異的突然変
異を含む他の技術により、シグナルペプチドを伴う、な
いしは伴わない細胞外ドメインを含む可溶性組織因子を
産生じて切断された可溶性タンパクを生成するか、もし
くは、成熟したタンパクの210における独自のメチオ
ニン(Met)残基においてタンパク質を切断するCN
Brによりλ10.11への2147bpcDNA挿入
(インサート)ニヨってコード(暗号)化される成熟タ
ンパク(シグナルペプチドなし)を切断してこれと同じ
結果を得ることができる。このような可溶性組織因子の
タンパクは凝固阻止剤及び血液凝固障害の診断用薬とし
て用いることができる。更に、可溶性タンパク質から得
たペプチドに対応する可溶性タンパクの機能的部分を凝
固阻止剤及び診断試薬として使用することも可能である
凝固促進活性をもつような無傷のヒトの組織因子アポタ
ンパク質は、組織因子の疎水性ドメインと細胞質ドメイ
ンを含むアミノ酸を添加することにより、可溶性組織因
子から再構成できる。この疎水性ドメイン及び細胞質ド
メインは、フラグメント縮合やタンパク質半合成等周知
のタンパク化学の技術により、可溶性組織因子タンパク
に添加することができる。
また、式Iのアミノ酸1−227を含むヒトの切り取っ
た組織因子は、第1図のcDNA暗号配列の3′末端か
ら110塩基対が欠失したヒトの組織因子遺伝子を含む
形質発現ベクターをつくることによって調製されている
また、本発明は、ヒトの組織因子及びタンパクの各部を
暗号化するDNA塩基配列のうち、ドメイン(1)乃至
(4)の構造、機能上の特徴をもつような部分を提供す
る。更に、本発明は、これまで産生されることのなかっ
た、実質的に精製された可溶性組織因子及び切り取った
組織因子をも提供する。
プラスミドpKS−28とpTL8TFA−1を担う大
腸菌株71−18は、ATCC(米代表徴生物種保存機
関)に登録、受は入れ番号67426を付与されており
、エール大学ケーニヒスベルグ教授研究室で入手できる
以下に本発明を具体的に説明する実施例をいくつか掲げ
るが、これらは本発明を限定することを目的とするもの
ではない。
実施例1 組織因子についてのクローン化されたcDNA暗号化を
行うに先立ち、タンパク質配列順序決定技術により、ヒ
トの胎盤の組織因子につき約67%のアミノ酸配置順序
を得た。アミノ酸の配列順序を知ることにより、クロー
ン化された胎盤cDNAライブラリー中の組織因子を暗
号化するDNA塩基配列についてのスクリーニングをす
るために使用する、実施例2に示す特定のオリゴヌクレ
オチド雑種形成(ハイブリッド)プローブを設計するこ
とができた。タンパク質の配列順序は次のようにして決
定した。即ち、グハ他、  1986. Proc、 
 Proc。
Na11. Acad、  Sci、83:299〜3
02によって記述されているような因子■の親和性カラ
ムを用いて精製したヒトの脳の組織因子に対する単クロ
ーン製免疫グロブリンG(IgG)、 HTFI−78
8をカーソン他、血液70:490−493.19a7
によって調製した。この抗体は、コロラド州立大学保健
科学センターのスティーヴンD、カーサン博士とシナイ
山医学校のロナルド・バッハ博士から得たもので、ヒト
の組織因子の免疫親和性単離のための免疫吸着カラムを
調製する目的で使用した。組織因子は界面活性剤オクチ
ルフェノキシ・ポリエトキシ00)エタノール(トリト
ン[F]x−100)を用いてヒトの脳ないし胎盤組織
のアセトン粉末から抽出、次いで免疫親和カラムに吸着
させた。トリトン[F]X−100を含むpH7,5の
緩衝液で洗浄した後、pH2,5で単質をカラムからま
溶離した。次いでこれを濃縮した後、トリトン’りX−
100に入れたウルトラゲルAcA34で更に精製、組
織因子をともに溶出した少量の混在物質から分離し、実
質的に均質なタンパク標本を得た。各標本の純度は5D
S−PAGE (ラエムリ)、「ネイチャー」227+
680〜685.1970)で評定した。バッハ他、1
、  Biol、Chem、  256:8324〜8
331.1981に記述されているようなリン脂質小胞
内に界面活性剤可溶化タンパクを再構成した後、標準2
段階凝固検定法により標本中の組織因子凝固促進活性を
測定して精製をモニターした。
各組織因子標本のアミノ酸組成及びタンパク濃度をアミ
ノ酸分析によって決定した。即ち、051MのNaC1
中に入れた10Mgのヒトの組織因子アポタンパク、0
.05Mのトリス(pH7,5)及びθ、1%のトリト
ン@X−IHに10%のトリクロロ酢酸(丁CA)を添
加(7て沈殿させた。15分間水冷した後、5.000
Xgで30分間の遠心分離してタンパク質をペレット化
した。界面活性材とTCAの残留物はアセトン抽出(3
×)によって取り除いた。ペレットは真空中で乾燥させ
、115℃で6時間、0.2%のフェノールを含有する
6NのHCl中で加水分解した。加水分解物はベック7
2121Mアミノ酸分析装置で分析した。
アプライド・バイオシステム社(カリフォルニア州フォ
スター市)の気相シークエネーターを用いて無傷の組織
因子とこれから生成したペプチド断片のアミノ酸配列分
析を行った。配列決定の各サイクルで遊離したフェニル
チオヒダントイン(PTH)誘導体をメリル他、J、B
iol、 Chem、 25910850〜10856
.1984が記述した方法で同定した。各タンパク質1
00乃至200μgを用いて無傷なヒトの脳と胎盤の組
織因子のアミノ酸配列順序を決定した。タンパクは上記
のようにして沈殿させた後、100%のトリフルオロ酢
酸(TFA) に溶解しGF/Cガラス濾過器のディス
クに塗布して気相配列決定を行った。TCAの沈殿とア
セトン抽出の後、塩酸グアニジン0.8 ml 6M、
 Nat(CJ50mMにpH8,0で溶解した。タン
パクのアミノ端末は、1■の固体無水コハク酸(ピアス
ケミカル社)を3回連続して添加するスクシニル化によ
って遮断した。添加のたびごとにINのNaOHでサン
プルのpHを8.0に調整してから30分間攪拌した。
その後、これにトリトン[F]x−iooを加えて最終
濃度を0.1%とし、こうしてできた混合物を25°C
で一晩中透析した。無傷のタンパクをスクシニル化し、
且つ、タンパク中の単一メチオニン残基M e (21
0においてCNBrを用いて切断した時に気相配列分析
法によってカルボキシ末端CNB rペプチド(残基2
11乃至263)のうち残基211乃至244にまたが
る一部のアミノ酸配列順次を得た。このカルボキシ端C
UB rペプチドは約60μgの胎盤アポタンパクから
調整した。TCAで沈殿させた胎盤の組織因子(120
Mg)からトリプシンペプチドをも調整した。HPLC
で単離した後、このペプチドの配列を決定することによ
り更に配列情報を得た。TCA沈殿タンパク質のペレッ
トは50μmの8)4尿素で可溶化し、この溶液を15
0μm。
5 (1mMのN)fi HCO3で希釈した。次イテ
、N−トシル−L−フェニルアラニンクロロメチルケト
ン(TPCK、 クーパーバイオロジカル社)で処理し
たトリプシンを重量比1:25 (トリプシン:組織因
子)の比率で添加した。24時間、37℃で消化させ、
0.05%のTFAで平衡させたヴイダック■C−18
)IPLCカラム(0,45X 25cm)に注入し、
毎分1 mlの流量で流した。ペプチドは直線濃度勾配
の緩衝液B(0,05%TFA 、 H%アセトニトリ
ル)で次のようにして希釈した。すなわち、0乃至63
分(2%乃至37.5%B)、63乃至95分(37,
5%乃至75%B)、及び95乃至105分(75%乃
至98%B)。
溶出プロフィルはHOnmと280nmにおける吸光度
でモニターした。無傷のタンパクについて上記のように
して単離トリプシンペプチドの配列を決定した。
実施例2 ファージλ10,3とλ344の単離 ヒトの組織因子についての2147bpcDNAインサ
一ト暗号を含むファー・ジλ10,3を、ヒトの組織因
子の暗号配列のため形質発現ベクターのファージ1g1
11内にクローン化されたヒトの胎盤のcDNAライブ
ラリーをスクリーニングすることによって単離した。約
1.2X10’の独立した胎盤cDNAを含む組換え型
を有する上記ライブラリーはクローンチック社(カリフ
ォルニア州パロアルト市)から購入した。2g1llは
、β−ガラクトシダーゼ用の大腸菌Iacz遺伝子暗号
を含む周知のクローニングベクターである(ヤング及び
デーヴイス、サイエンス222:180〜182.19
83)。
クローン化した胎盤cDNAライブラリーの中から組織
因子暗号配列をスクリーニングするため、3つのオリゴ
ヌクレオチド雑種形成(ハイブリッド)プローブを合成
した。第2図に示すこれらのプローブは、実施例1で決
定した組織因子のポリペプチド鎖の種々の部位(アミノ
端末、カルボキシ端末及び内部)からの短ペプチドのア
ミノ酸配列順序に対応し、且つこれについての暗号化を
行うDNAと雑種形成(ハイブリッド)させた。オリゴ
ヌクレオチド・プローブは、アプライド・バイオシステ
ム社の38OADNAシンセサイザーを用いたホスホラ
ミダイト法によって合成した。プローブは[(PI、C
によりヌクレオーゲンDI!AE60−7カラム(マケ
リ=ナゲル社)で精製し、またこれらの5′端において
32FATP (アマージャム社)とT4ポリヌクレオ
チドキナーゼ(ファルマシア社)を用いて約IX 10
8 c pm/f1gの比活性まで放射ラベルをつけた
実施例1に示すようなヒトの組織因子のアミノ酸部分配
列の決定により、オリゴヌクレオチドの雑種形成(ハイ
ブリッド)プローブを構成できた。
第2図を参照することにより、組織因子タンパクの3つ
の部位についてのDNA暗号にこれらのプローブが対応
しているのが分る。すなわち、プローブ#1はアミノ酸
24乃至29(タンパクのアミノ端部位)の配列暗号に
対応しプローブ#3はアミノ酸210 乃至215(タ
ンパクのカルボキシ端部位)の配列暗号に対応、またプ
ローブ#2はアミノ酸145乃至149(ポリペプチド
鎖の内部部位)の配列暗号に対応する。プローブ#1と
#3は二つと共に32オリゴヌクレオチド、長さは各1
7塩基で、各ペプチドについての可能的暗号配列のすべ
てに対し相補性をもっていた。プローブ#2は、ヒトの
組織因子の内部トリプシンペプチドについての最適なり
NA配列暗号に対応する単一の45基デオキシオリゴヌ
クレオチド(45mer )であった。
45metプローブの場合の最適暗号配列は、レーダ。
J1分子生物学183;I〜12.1985が記述して
いるヒトの構造遺伝子における優先コドンに基づいて選
択した。
また第2図にはcDNA断片部位における、1式に示す
ようなヒトの組織因子に対するcDNA暗号の配列部分
のうちプローブ#2と雑種形成(ハイブリッド)したも
のを示す。星印(*)はプローブ#2と実施例3に定め
たような、実際の組織因子cDNA暗号配列との間の不
適性塩基対を示している。
プローブ#2と組織因子のcDNA暗号との間の全相同
性は75%であった。当初はArgと同定していた残基
148は後にTrpと同定された。
胎盤cDNAのライブラリーのスクリーニングは、寒天
平板に培養した大腸菌k 1088細胞の菌叢に組換え
ファージを平板分離する方法で行った。
λgtllの宿主である大腸菌に1088はアンピシリ
ン抵抗性を与えるプラスミドpMC9及びIacl遺伝
子(iac2遺伝子を効率的に抑制する)を担う。ヤン
グ及びデーヴイス、サイエンス222ニア78〜782
.1983を参照。スクリーニングは、主として、組換
え2g111のプラークを寒天平板からニトロセルロー
スフィルターに移し、且つ、固定ファージDNAを(3
2,)−オリゴヌクレオチド−プローブと雑種形成させ
ることにより、マニアチス他の分子クロニング:ラボラ
トリー・マニュアル、ニューヨーク市コールドスプリン
グ、コールドスプリング港ラボラトリ−、1982のプ
ロトコルに従って行った。
大腸菌k 1088の上に平板分離したプレート85c
mにつき約3乃至5X1G’のファージを、プローブま
で複製フィルタでリフトして(コロニー/プラーク・ス
クリーン、ニューイングランドニュクリアX SSC(
I X 5SC=0.15M  NaCl、  0.0
15クエン酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリ
ウム(SDS ) )においてTm−25℃でプローブ
#2と雑種形成(ハイブリッド)させることによってス
クリーニングした。次いで2XSSC中、T m −8
℃で上記のフィルタを洗浄、強力スクリーン(デュポン
・ライトニング・プラス)を用いてI6乃至40時間、
−70℃でオートラジオグラフィーにかけた。
プローブ#2に対して陽性シグナルを示したファージは
主としてプラーク精製してから、ベントン及びテーヴイ
ス、サイエンス196.180〜182.1977に記
述するプローブ#と#3にハイブリッド形成させること
によって再スクリーニングを行い、擬似陽性を取り除い
た。
胎盤c DNA挿入物インサートを含む約2.5X10
Bの組換え1g111フアージをプローブ#2でスクリ
ーニングした。このライブラリーから36の潜在陽性プ
ラークを分離、精製し、さらに、プローブ#1及び#3
とのハイブリッド形成によってスクリーニングした。い
づれの場合でも、プローブ#2はプローブ#1乃至#3
よりも有意的に強いノ1イブリッド形成シグナルを示し
た。当初36あった単離された組換え型λファージの中
僅かに2つが第2のプローブに反応した。組換えファー
ジλ10,3はプローブ#1及び#3に対し陽性を示し
たが、組換えファージλ3,4は、プローブ#3とのみ
ハイブリッド形成した。従って、ヒトの組織因子にかか
わるc DNA暗号を含む組換えファージ・クローンの
数は、2.5X10’の組換え体につき2乃至34と推
定された。このようにして、胎盤cDNA中に比較的多
い組織因子配列は、7X104乃至lX108 cDN
Aにつき1つのヒト組織因子c DNAの割合であると
推定された。
組換えファージλ10,3とλ3,4は、その宿主生物
である大腸菌k 1088の中で守備よく繁殖した。
これにより、ヒトの組織因子のためのDNA挿入物暗号
を含む組換えファージλ10,3とλ3,4を大量に産
生ずることが可能になった。
実施例3 制限(酵素)分析の結果λ10,3には2147bpD
NAインサートが含まれるのに対し、λ3,4には16
16bpインサートが含まれることが示された。λ1O
13とλ34の制限酵素断片EcoRI 、 5au3
A及びHinduをファージのクローニング・ベクター
M13mp18と旧3mp19の中にクローン化しくメ
ツシング、Meth、Enxy+++o1. 101:
20〜78,1983) 、これによってヌクレオチド
の配列分析をしやすいようにした。2つの組換えファー
ジの各々における(pNAインサートの配列順序は (
353)−デオキシアデノシン5′−(α−チオ)三リ
ン酸(アマ−ジャム; 500mC1/mモル)を用い
、サンガー他、ProcNatl、 Acad、  7
4:5463〜54671977によるチエインターミ
ネータ−法によって決定した。配列決定反応は、オート
ラジオグラフィーに先立って一晩中乾燥させた6%ポリ
アクリルアミド−7M尿素ゲルで分析した。鎖長反応は
、EcoR1位置に関係する位置−20と−40に対し
相補的な17のMI3ヌクレオチドプライマーを用いて
プライマー合成したにューイングランド・バイオラブズ
;プライマー#1211及び#1212)。更に、ヒド
リの組織因子cDNAの暗号配列に対して相補的な18
の異なるオリゴヌクレオチド18marを実施例2に記
述したようにして合成し、M13中の大型インサート内
に配列決定反応を開始するために使用した。
第3図に示したのは、λ10,3に挿入したヒトの組織
因子用クローン化2147bpcDNA暗号全体の制限
酵素地図並びにλ3,4への対応する切断1616bp
HAインサート(挿入物)である。これらcHAの双方
ともに2つのEcoRI内部位置を含み、且つλ3,4
の小さい方のcDNAがλ1O13の大きな方のDNA
インサートにすっぽり覆いかぶさって重複していること
が分った。
第3図について見ると、M13サブクローンを形成する
のに用いる制限酵素位置は図の上部に示しである(RI
=EcoR1; 5=Sau3A ; H3・Hind
m) 。中空の細長い部分と黒く塗りつぶした横線部は
、各、シグナルペプチドと成熟タンパクの暗号部位を表
わしている。同じく第3図の2番目と3番目のラインは
、λ3.4とλ10.3への組織因子cDNAインサー
トの相対的大きさと位置をそれぞれ示している。
波線部はM13サブクローンから決定したDNA塩基配
列の長さと方向を示す。丸で示したのは、配列決定反応
を開始させるため合成プライマーを用いた個所である。
これらのプライマーは、ヌクレオチド283−267 
、326乃至339 、539乃至527゜821乃至
838 、1075乃至1039.1310乃至129
3゜1875乃至1857及び1875における214
7bpcDNAの配列順序に対応している。ヌクレオチ
ドの配列は、DNAの両ストランドにつき、成熟組織因
子アポタンパク質のcDNA配列は100%、cDNA
配列全体は約80%として決定した。
ヒトの組織因子用のλ10,3暗号からの2147bp
cDN^全体のヌクレオチド配列を1式に示す。式Iに
おいて、2147bpcDN^は、ヌクレオチド112
乃至114におけるATG開始コドンからヌクレオチド
997乃至999におけるTAA停止コドンに延びる約
885bpの単一な、長い読取り枠を含んでいる。
263アミノ酸のヒトの成熟組織因子アポタンパク質の
前駆体である295アミノ酸の前駆動体タンパクに対し
この読取り枠が暗号化を行う。また、同じく式■にDN
A塩基配列から導いた前駆動体タンパク質の配列全体を
示す。実施例1で決定したようなヒトの成熟組織因子(
Ser−G17−Thr−Tht−Asn)のアミノ端
未配列との比較に基づき、この前駆動体タンパクには3
2アミノ酸リ一ダー配列またはシグナルペプチドが含ま
れることが分った。
1式に見る通り、2147bpcDNAに対応するmR
NAの5′不翻訳部位は、他の多くの真核生物シグナル
ペプチド部位の場合と同じ<GCがきわめて豊富(G十
〇で72%)である(例えば、大野他、ネイチャー32
5:161〜166、1987参照)。暗号化部分につ
づ< 1147ヌクレオチドの3′不翻訳配列は僅かに
ATが高かった(A+Tで63%)。ヌクレオチド21
21乃至2126における配列AATAAAはその後の
ヌクレオチド2142乃至2147で6つのA残基が並
んでいるので、明らかにmRNAのポリアデニル化であ
る。
式■に揚げる組織因子のDNA塩基配列順序暗号化の精
度は、組織因子用cDNA暗号化の読取り枠から予想さ
れるタンパクのアミノ酸配列と、ヒトの脳と胎盤から精
製し、式Iに記すタンパクの配列順序決定技術によって
配列を定めた無傷の組織因子とそのトリプシン消化物の
アミノ酸配列とを比較して評定した。
上述のようなアミノ酸配列によって確認した組織用cD
NA暗号化の読取り枠の配列から予想される組織因子ア
ポタンパク質のアミノ酸配列部分を式■のアングライン
を施した個所で示す。成熟タンパクの暗号化部位の合計
71.5%をアミノ酸配列分析によって確認し、ペプチ
ド配列はすべて予想したペプチドと合致した。λ10.
3とλ3,4双方のcDNAインサートのDNA塩基配
列からグルタミン酸であり、且つまた残基202乃至2
15にまたがるペプチドの気相配列決定に基づいてグリ
シンであると予想された残基208を除き、タンパクま
たはペプチドの配列決定によって決定された残り262
のアミノ酸残基は、すべて、組織因子用cDNA暗号化
の配列から予測した、1式に示すタンパク質配列と一致
した。以前はヒトの組織因子のアミノ酸配列の全貌は知
られていなかった。このようにして、ヒトノ組織因子用
2147bpcDNA断片の暗号化により、1式に示す
ようにアミノ酸配列をもつ実質的に純粋なヒトの組織因
子を合成することが可能になった。
実施例4 ヒトの組織因子アポタンパク質の特徴づけ脳と胎盤から
精製したアポタンパクにつき実施例1に示したようにし
てヒトの組織因子のアミノ産配列を決定した。これら2
つの精製物の配列は互いに等しく、また2147bpc
DN^断面のcDNA配列から予測したアミノ酸配列と
も一致した。脳の組織因子のアミノ酸残基1乃至22と
胎盤タンパク質の残基1乃至38は1式に示す組織因子
の予測配列と同一であった。無傷のタンパクのアミノ酸
配列の多環は、残基2基分だけ相からづれた重複配列の
ある2つのPTHアミノ酸を与えた。この解読内容はc
DNA配列から導いた一次構造と一致している(1式)
。従って、脳と胎盤組織から単離した組織因子アポタン
パクの約半分に最初の2つのアミノ酸が欠けていたこと
になる。位置11にはPT■アミノ酸は全く見られなか
った。これは、この共通のN一連鎖グリコセル化位置(
Asn−X−3er/においてAsn残基がグリコセル
化したためと思われる(例えば、マーシャル、Bioc
hem、  Soc、  Symp40:17〜6.1
974を参照)。
1式に示す成熟組織因子のアミノ酸配列の全体は、実質
的に純粋な組織因子アポタンパク質の分子量を約29.
600とするが、これは以前、ヒトの組織についてブロ
ンズ他、J、Biol、Chem、26010917〜
10920.1985 、グハ他、Proc、 Nat
l、 AcadSci、 83:299〜302.19
86 、が5DS−PAGEで評定した44、000乃
至46.000の分子量に比べて小さい。この差異を調
べるため、脳及び/または胎盤から精製した組織因子を
酵素的、化学的に脱グリコジル化し、その結果得たアポ
タンパクのMrを決定した。
胎盤組織因子(5μg)は、トリフルオロメタンスルホ
ン酸(TFMS)を用い、エツジ他、AnalBloc
hem、 118  : 131乃至137 、198
1の方法により化学的に脱グリコジル化した。タン゛バ
クはアセントン5vo1.で沈殿させ、5000X’g
で30分ペレット化した後、真空乾燥した。次いでアニ
ソール20μmとTFMS40μlをこれに加えた。試
験管は30秒間チッ素でフラッシングし、密栓した上3
時間これを氷冷した。次いで、タンパクの沈澱を早める
ために5μlのピリジンを添加、3mlのエーテル:ヘ
キサン(9:l)で3度にわたってサンプル抽出を行っ
た。最後にこれによって生成したペレットをアセントを
用いて一回限り抽出した。
組織因子からストイブ他、生化学24+3587〜35
92、1985が記述しているようなエンドグリコシダ
ーゼを用いた消化作用によりアスパラギン連鎖炭水化物
を酵素によって切り離した。またヒトの胎盤組織(5μ
g)を上述したようにしてアセトンで沈降させた。次い
で、タンパク質ペレットを0.5%β−オクチル−D−
グルコピラノシド、20mMのEDTAから成る緩衝液
40μl中に溶解し、これにpH6,1の酢酸ナトリウ
ム50mJ及びエンドグリコシタ−セF (0,1ユニ
ツト、ベーリンガーマンハイム、グレード■)を添加し
た。37°Cで16時間静置した後、アセトンが沈降し
て反応が終息した。
この後、化学的、酵素的脱グリコジル化の生成物をスワ
ンク及びムンクレス、Anal、  Biolchem
39:462〜477、1971の5DS−尿素ゲルシ
ステムによりPAGEで分析した。
未処理の組織因子を見掛けMr42.000でスワンク
及びマンフリーズのSDS/尿素PAGEシステム内に
移動させた。この値はラエムリの5DS−PAGEシス
テムで観察された見掛け!Jr46.000とは優位的
に差があり、従って界面活性剤の結合が異常ではないか
と考えられた。TFMSにより脱グリコジル化したタン
パクの場合スワンク及びマンフリーズのシステム内では
見掛けMrが34,500であったのに対し、酵素によ
って脱グリコジル化した原料の値は33,500であっ
た。従って炭水化物は組織因子の見掛けMrに対し約7
,500乃至8.500ダルトンの寄与をしていること
になる。化学的消化と酵素による消化の結果は本質的に
は同じものであったのでこの炭水化物はすべて(Asn
^)N一連鎖しているものと考えられる。
また、1式におけるヒトの組織因子の配列順序全体につ
き、ワシントンDC,国立生物化学研究所(NBRF)
のタンパク質配列データベースの中の4668の配列と
の相同性を調べた。リップマン他、サイエンス227:
1435〜14111985のFASTPプログラムを
用いて相同性を調べたが、ヒトの組織因子とデータベー
ス中のどのタンパク質との間にも有意なアミノ酸配列の
相同性は一切見られなかった。
特に、1式に示す組織因子の配列と他の凝固タンパク、
例えば、トロンボモジュリン、因子■、因子Vの周知の
アミノ酸配列との間には1次アミノ酸配列の類似はまっ
たく見られなかった。
実施例5(第4図) プラスミドPKS−2Bの構造 ファージλ1013のDNAを制限酵素Kpnlと5s
llで消化したところ組織因子の2147bpcDNA
インサートの暗号全体及びインサートの両側からの約1
000bpのλフアージDNAを含むDNAフラグメン
トが得られた。このよにして得た約4.15kbのKp
nl/SsNのフラグメントをあらかじめKpnlと5
stl (ママ)で消化しておいたプラスミドpUc1
9のIacZ遺伝子(ノランダー他、遺伝子26:10
1,1983  、ヤニッシューペロン他遺伝子33:
103.1985 )内にクローン化した。その後、こ
の組織因子遺伝子を含む組換えプラスミドpKS−2B
を得、これを用いて、pUcl、9の宿主である大腸菌
71−18への転換を行った。大腸菌71−18/pK
S−9Bの形質変換体はその後の研究及びヒトの成熟し
た組織因子アポタンパク(実施例7)とヒトの可溶性組
織因子(実施例8)を産生ずるための形質発現ベクター
の構成、並びにヒトのゲノム組織因子遺伝子(実施例6
)の局在化と特徴づけのためのこの上ない組織因子遺伝
子源を提供qることになった。
実施例6 ヒトの組織因子暗号のゲノムDNAへの局在化サザン式
プロット分析によるハイブリダイゼーション技法により
、組織因子の暗号化配列を約9.5kbフラグメントの
ゲノムDNAに局在化した。
適当な膜に対して電気泳動を行った後のアガロースゲル
からのDNA制限酵素フラグメントのトランスファー、
これに続く特定のプローブを用いてのハイブリダイゼー
ションを含むこの過程を多くの研究に利用しゲノムの組
織と機能を分析した。
プラスミドpKS−2Bから、2147b9の組織因子
cDNAのヌクレオチド90乃至1340を含む1.2
5kbの5au3A/HindlDNAフラグメントを
得た。ヒトの組織因子全体の読取り枠(ORF)を含む
この1,25kbフラグメント及び110bpの5′−
非翻訳配列と343bpの3′−非翻訳配列を用いてヒ
トのゲノムDNAにおける組織因子の暗号化配列を探っ
た。
ヒトの胎盤のゲノムDNA全体を1パネルの制限酵素で
消化させた。各消化物3μgを10%のアゲロースゲル
で電気泳動させてから15分間0.25MのMCIで処
理した。電気泳動に続いてこのような短時間の酸処理を
行うことによりDNAは部分的に脱プリン化され、DN
Aは膜に向って移動しやすい細片に分割された。長さが
5kbを越えるDNAフラグメントの定量的移動にはこ
の酸処理の段階が特に重要であった。
酸処理の後、上記のゲルを蒸留水で水洗いしその上にナ
イロン製のトランスファーメンブレン(膜)(ゼータプ
ローブ0、バイオラッド)をかぶせた。制限酵素の膜へ
のトランスファー(移動)は、0.4NのNaOH溶液
の存在化で一晩静置して行った。このようにして転移し
たDNAは膜との共有結合をするに至った。
pKs−2Bからの1.25kbSau3A/旧ndl
フラグメントを用いて組織因子暗号配列のための消化ゲ
ノムDNAを探った。ハイブリダイゼーションに先立ち
、ファインバーブ及びフォーゲルシュタイン、Anal
、Biochem、  132:5,1983;  A
naf、Biocbem137二266、1984に記
述されているランダム・プライミング法を用いて上記フ
ラグメントを約5X10’ cpm/μgという極めて
高い非活性まで放射能でラベルした。
パイラッド公報1234に記載の技術に従って、膜と結
合したゲノム制限酵素断片へのラベルした1、25kb
断片のサザン法によるプロッティング(雑種分子形成)
を行った。ハイブリダイゼーションに先出し50%ホル
ムアミド、4XSSPE (20XSSPE =3.6
 M  Nacl、  0.2 Mリン酸ナトリウム、
pH7,0゜0.2 M  EDTA) 、1%SDS
 、 0.5%プロット(Blotto)及び0.5m
g/mlの担体DNA  (サケの精子)を用いて上記
の膜を47℃で処理した。10%のプロットは、100
 mlの電離防除を施した無菌水の中に脱脂粉乳(ディ
プロマ)I0gを懸濁させ、これにアジ化ナトリウムを
加え全体の濃度を0.2%として調製した。非特異的ハ
イブリダイゼーションを最小限に抑えるため、ハイブリ
ダイゼーション前の段階で担体DNAを使用した。
47%ホルムアミド、10%デキストラン硫酸、3xS
SPE、 1%SDS及び0.5%のプロット中に放射
能でラベルした1、25kgの組織因子DNAプローブ
を含むハイブリダイゼーション・カクテルを使用してハ
イブリッド形成を行った。またハイブリッド形成の直前
にプローブを0.2MのNaOH中に放射能でラベルし
た1、25kbフラグメントを溶解することによって断
片化し変性させた。担体DNAを余分に加え、こうして
できた混合物を短時間攪拌し遠心分離した。混合物はハ
イブリダイゼーションカクテルに添加する前に約5分間
100℃で加熱した。
消化されたヒトのゲノムDNAを含む膜はプローブ/ハ
イブリダイゼーションカクテルと共に47℃(Tm−1
1℃)で−晩装置した。次いで2XSSC10,1%S
DSを用い室温で15分間洗浄した。さらに0.1%S
O3を用い14分間にわたり50℃(Tm−5°C)で
このプロットを洗浄した後、増感スクリーン1枚を用い
一70℃で一晩X線フィルム(XARX−オーマット、
コダック社)に露光した。
組織因子暗号配列を含む1.25DNAフラグメントを
胎盤のゲノムDNAの種々の制限酵素消化物とハイブリ
ッド形成させた結果が示された。レーン1とレーン8は
対照消化物、即ち、Hac[Ox/Hindlで消化さ
れたファージλDNAである。レーン2は画法で消化さ
れたヒトのDNA 、  レーン3はEcoRI消化物
、レーン4は旧nd[消化物、レーン5はPst消化物
、レーン6はS a 113A消化物、レーン7は5s
pl消化物である。第4図の右側に示したのは所定の長
さ(kb)のDNAの電気泳動移動度である。
1.25kbの組織因子プローブが各7.Okbと2、
546kbの二つの旧ndlフラグメント、各4.2゜
3.0 、1.5 、0.7kbの4つのPstlフラ
グメント、各4.5 、3.8 、0.98.0.35
の4つの5splフラグメントとそれぞれハイブリット
を形成しているのがサザン式プロット分析(South
ernblol)から分った。この情報に基づき、組織
因子のDNA暗号にまたがる染色体遺伝子の大きさは約
9.5kbと決定した。
実施例7 ヒトの組織因子の形質発現 ヒトの組織因子の構造遺伝子の形質発現のためにいくつ
かの宿主系を選択した。例えば、大腸菌、CHO細胞や
昆虫の細胞である。
周知の技術を用いてこれらの宿主系の中で形質を発現さ
せ、選択された宿主内に組織因子を発現させるための形
質発現ベクターを構成することができる。例えば、大腸
菌に対してはM13/μUCベクター、CHO細胞に対
しては哺乳動物のシャトルベクター、昆虫細胞の場合に
はバキュロウィルスである。組織因子の形質発現は、酵
母形質発現ベクター、例えばCYCl、 YCpCYC
l 、 YRpCYCl 。
dYeCEN3を用いて酵母細胞内で行うことが可能で
ある。
(1)  プラスミドpTL8FQの構造プラスミドp
TL8FQは、適当な宿主、例えば大腸菌71−18の
中でヒトの組織因子のアポタンパク質の形質を発現させ
るが、これは次のようにして構成した。
第4図において、実施例6で得たようなpKs−2Bか
らの1.25kbの5anlA/Hindllフラグメ
ントをクローニングベクターM13mp19のBamH
I/[1indl[で消化されたDNAと連結反応させ
てベクターM13/LB2TFを産生した。
第5C図に示したTFADオリゴヌクレオチド配列を利
用し、座位特異的突然変異誘発により、M13/LB2
TFから1重複鎖DNA内組織因子暗号部位のヌクレオ
チド201と202の間に6つの塩基を挿入し、遺伝子
内にPsi切断座位を形成した。
その構造はM13/LB3TFと呼ばれているが(第5
A図)、これをPsflと旧ndllで消化させ、Ps
jl/Hinduで消化した9UC19DN八と連結反
応させることにより第5A図に見るようなプラスミドp
LB4TFを産生じた。
次にG8PSTと称するオリゴヌクレオチド(第5C図
)を用いて、Mi3遺伝子■のリーダー配列のすぐ下流
のバクテリオファージtg131(多種クローニング部
位を含むファージM13の誘導体)から部位特異的突然
変異誘発により、1重鎖DNAの中にPst1部位を挿
入し、これにより!1l13/TL131P (第5B
図)を形成した。次いでMI3/TL131Pからの1
00bp 5naBI/Pstlフラグメントをプラス
ミドpLB4TFのPsll/Sma1部位に挿入して
プラスミドpTL8TFを産生じたが、このプラスミド
pTL87Fには、M13遺伝子■リーダー配列用DN
A暗号とヒトの組織因子用の構造遺伝子がともに含まれ
ていた(第6図)。次いでプラスミドpTL8TFを5
stlと旧ndlで消化させて遺伝子■リーダーと組織
因子構造DNAの配列を含む1252bpの制御酵素フ
ラグメントを産生じた。その後このフラグメントをアガ
ロースゲル電気泳動によって単離し、5stIと旧nd
lで直鎖状にしてあったプラスミドpTL131Qの中
ヘクローン化した(第6図)。
プラスミドpTL131Qは、i g 131 DNA
をプラスミドptac−12の唯一のPuv[I坐位に
tg131のDNAを挿入して予め形成させておいたも
ので、プラスミドptac−12はジョン・ブロシウス
博士から入手していたものである。プラスミドptac
−12はpBR322誘導体の一種でアマン他、遺伝子
25:167〜178.1983によって開示されたよ
うなハイブリッドの“tac’  (trp/Iac)
プロモータ遺伝子を含んでいる。ファージtg131の
DNAはBglnで切断され、EcoRIは、大腸菌の
DNAポリメラーゼエのフレノウフラグメントを用いて
プラントエンドに転換された。このI)NAをptac
−12のPvu■部位に挿入したところBgll[の部
位は破壊されたが組換えpTL131Q中のEcoR1
部位は復活した。今度はプラスミドpTL131Qにt
acプロモーター遺伝子が含まれていた。これはイソプ
ロピルチオガラクトシド(IPTG)で誘導できる。
1252bpフラグメントをpTL8TFからpTL1
31Qに挿入したところ組換え形質発現ベクターpTL
8FQ(第6図)を結果したが、これは、大腸菌71−
18のような適当な宿主の中ではヒトの組織因子アポタ
ンパク質の形質を発現させる。
(2)  大腸菌/pTL8FQ形質転換体におけるヒ
トの組織因子の発現 次いでプラスミドpTL8FQを用いて大腸菌71−1
8の形質転換を行った。ヒトの組織因子遺伝子をプラス
ミド中のtacプロモーター遺伝子と対照させたので、
大腸菌71−18/DTL8FQ形質転換細胞中のヒト
の組織の形質を最大限に発現させるよめにIPTGを使
用した。形質発現を誘導した後、実施例1のような2段
階血液凝固検定法を用い、細胞の音波処理をして組織因
子活性を検定した。
形質転換細胞の抽出物は、約6X101ユニツト/■タ
ンパクの組織因子の比活性を示した。このタンパク質は
、培養菌1 mlにつきlnHのヒトの組織因子に対応
する。比較の標準として実施例1で調整したようなヒト
の精製組織因子タンパクを使用した。
坑ヒト組織因子単りローン性抗体を用いてウェスターン
法によるプロッティング(吸収転移)分析をしたところ
、単りローン性抗組織因子抗体と特異的に反応すタンパ
ク質の存在が、立証された。レーン1には分子量標準液
を通した。
レーン2は全大腸菌71−18/pTL8FQ形質転換
細胞抽出物、レーン3は、音波処理した大腸菌7l−1
8pTI、8FQ形質転換細胞の遠心分離の結果得られ
た上清、レーン4は、大腸菌71−18/pT18FQ
形質転換細胞の遠心分離の結果得られたペレット。2つ
のバンドの近似的分子量は各35.000と33.00
0であった。35に対33にの比は約5:lであった。
大きな方のタンパクは、M13遺伝子■のリーダー配列
を有するタンパクと思われる。
大腸菌やCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞な
どの哺乳動物の形質を転換できるシャトルベクター、p
MAM (クローンチック、cat#6100−1より
得たもの)を選択し、適当な哺乳動物宿主の細胞、例え
ばCIO細胞中にヒトの組織因子を発現する哺乳動物ベ
クターの構成を試みた。このpMAMベクターにはマウ
スの乳房腫瘍ウィルス(MMTV)のプロモーター遺伝
子などの目的に適合する若干の重要な特徴を備えている
MMTVは転写及びMMT’/プロモータ遺伝子に隣接
する多数のクローニング部位のデキサメタシン調節を可
能にし、また、大腸菌のグアニン、フォスフオリボシル
トランスフエラーゼ用の遺伝子を許容する。このトラン
スフェラーゼは、選択的遺伝標識の暗号化を行って哺乳
動物の細胞の形質転換を標準したり、同じく一種の遺伝
標識であるアンピシリン耐性の暗号化を行って、大腸菌
形質転換細胞中のプラスミドを検出することを可能にす
る。また、pMAMには、哺乳動物の細胞内でタンパク
の合成を可能にするSV40のポリアデニル化部位が含
まれている。
第7図は哺乳動物の細胞内でヒトの組織因子の形質を発
現させるのに使用できるpMAM/TFベクターを示し
たものである。このベクターは、実施例6に示したpK
S−2Bの5au3A/Hindu 7ラグメントを次
のようにしてpMAM内にクローン化することによって
構成した。即ち、まずpKs−28のDNAを旧ndl
で消化させ、次いで旧ndl切断部位にXholリンカ
−を加えた。その後Ssf[で])N^を消化させ、5
stlの切断部位にXbalリンカ−を添加した。こう
して得たフラグメントを、pl、IAM/TFを産生ず
るためl:Nhelとxh01ニヨル切断であらかじめ
直鎖状にしてあったpMAMDNA内にクローン化した
(第7図)。
大腸菌XL−1青色(ブルー)細胞(ストラタジーン社
から得たもの)をpMAM/TFで形質転換する。ヒト
の組織因子遺伝子の有無を調べるため、アンピシリン耐
性XL−1/pMAM/TF形質転換細胞をスクリーニ
ングする。組織因子の暗号配列をもつXL−1の青色(
ブルー)形質転換細胞を選択し、プラスアミドを増幅、
獲得して適当なCll0宿主細胞の形質を転換する(こ
れにはグアニン・フォスフオリボシルトランスフエラー
ゼの遺伝子暗号がない)。機能的グアニンフオスフオリ
ボシルトランスフエラーゼを獲得した細胞だけが増殖で
きるような培地、例えばHAT培地中にCHO/pMA
M/TF形質転換細胞を選抜する。次いで、選択培地に
増殖した形質転換細胞をテストしてヒトの組織因子DN
A塩基配列の有無、及びヒトの組織因子タンパク産生の
有無を調べる。
実施例8 可溶性のヒトの組織因子タンパクの形質発現第8図にお
いて、実施例6に記述した全組織因子読取り枠(ORF
)を含む5au3a/1(indJの1、25kbDN
AフラグメントをBamHI/Hindl消化したpU
c19に連結した。こうして得たプラスミドを、まず旧
ndlで消化、次いで5splで部分消化させたところ
、アポタンパク質配列のアミノ酸に近似的に対応する部
位の組織因子ORF内に切断を生じた(N端末からの読
み取り)。消化されたDNAをアガロースゲルで電気泳
動した後、成熟アポタンパクの細胞外ドメイン(近似的
にアミノ酸1−219/220)のDNA塩基配列暗号
をもった3、447bp断片か得られた。断片の陥入(
凹)端は、大腸菌DNAポリメラーゼエのフレノウ断片
を用いて埋めた。
3つの読取り枠内のナンセンス(終結)コドンを含むX
balリンカ−にューイングランド、ノ々イオラブ、C
at、 # 1062から得たもの)をこの断片に連結
した。次いで、この断片をXbalで消化させた後、再
び連結してプラスミドpLB5TFを産出した(第8図
)。
切断した組織因子のORFの3′側に接するXbalリ
ンカ−が、組織因子細胞外ドメインC端末のDNA暗号
のすぐ下流のプラスミド中に停止コドンを誘導する。こ
のようにしてプラスミドPLB5TFは細胞外ドメイン
を含むヒトの切断した可溶性組織因子の暗号化を行う。
切断した組織因子の暗号配列を増幅するため、プラスミ
ドpL85TFを大腸菌71−18細胞に挿入し、この
細胞による複製を行った。しかしながら、プラスミドp
LB57Fは形質発現ベクターではなく、また大腸菌7
1−18/pLB5TFの形質転換細胞は、可溶性組織
因子を産生じなかった。
形質転換宿主の中で細胞外ドメインを含むヒトの可溶性
組織因子の形質を発現させた形質発現ベクターpLB6
TFは以下のようにして産生じた(第9図参照)。
実施例7に記述したプラスミドpTL8FQをEcoO
109とAcclで消化して電気泳動にかけた。バクテ
リオファージM]3遺伝子■生成物のリーダー配列のD
NA塩基配列暗号をもつ500bllの断片、ヒトの成
熟組織因子アポタンパクのN端末アミノ酸1−34 (
プラス、N一端末にala−asp  (アラニン−ア
スパラギン酸)を添加1.tacプロモーター遺伝子領
域及びベクターDNAの一部を電気泳動にかけた後アガ
ロースゲルから単離し、予めEcoO109とAccl
で消化させておいたpLB57FのDNA断片に連結さ
せた。このようにして得たプラスミドpLB6TFはt
acプロモーター遺伝子を含んでいた。また、遺伝子■
リーダーのDNA塩基配列暗号は、ヒトの成熟組織因子
の細胞外ドメインのDNA配列暗号と結合していた。p
LB6TFは、一種の形質発現ベクターであり、大腸菌
のような適当な宿主の中では、ヒトの成熟組織因子アポ
タンパクの細胞外ドメインを含む可溶性因子アポタンパ
クの細胞外ドメインを含む可溶性の活性ヒト組織因子を
産生じた。
切断された可溶性組織因子の形質発現はlacプロモー
タ遺伝子に左右されるので、ヒトの可溶性組織因子の形
質発現を最大限にするためIPTGを用いて大腸菌71
−18/pLB6TF形質転換細胞誘導した。
形質転換細胞は対数増殖器の後半で回収し、標準技法を
用いてスフエコプラストと、周辺質タンパクを含む上清
フラクションに転換した。スフ二ロプラスト内、また、
大腸菌71−18/1JLB6TF形質転換体の周辺質
タンパク(ペリプラズムフラクション)を含む上清フラ
ンジョン内の組織因子活性をバッハ他、J、  Bio
l、 Chem、256:8324−8331.198
1 (実施例1で記述したもの)による2段階クロッテ
ィング検定法を用いて検定した。
スフエコプラスト、周辺質フラクションの両者に低い組
織因子凝固促進活性が検出できた。スフ二口プラストの
活性は、周辺質(ぺ°リプラズム)フラクションの活性
の約100倍であった。ペリプラズムフラクションの可
溶性組織因子の活性を高めるため、ペリプラズムフラク
ション90Omlに混合脳脂質(10mg/ml) t
oo mlと0.25%のデオキシコール酸塩100 
mlを添加し、この混合物を5 flmMのトリス−H
ClpH7,5、100mMのNaCl250 mlで
一晩中透析した。2段階のクロッティング検定法を用い
組織因子の活性を調べるため分割量(アリコート)を分
析した。
ペリプラズム・フラクションへのレリピデーション(脂
質強化)の結果、組織因子の活性は、スフェロプラスト
断片(フラクション)のレベルに近いところまで増大し
た。
実施例1に記述した単クローン抗ヒト組織因子抗体を用
いて調製した免疫吸着カラムで免疫親和性クロマトグラ
フィを行うことにより可溶性組織因子を精製することが
できた。0.1Mのグリシン−HCl、 pH2,1を
用いカラムから可溶性組織因子を溶離した。
スフエコプラストとペリプラズマ・フラクション中の可
溶性のヒトの組織因子及び抗体精製可溶性組織因子につ
いても、ヒトの組織因子に対する単クローン抗体を用い
、ウェスターン法によるプロット分析によって分析した
。ペリプラズム・フラクションには抗体と結合して分子
量的30.000の単タンパクが含まれていたのに対し
、スフエコプラストには、分子量が約32,500.3
0.000ダルトンの2つのタンパクが認められた。こ
れらのサンプルを次のようなゲルに加えた。即ち、レー
ン1はMW標準物、レーン2はスフェロプラズムフラク
ション、レーン3はペリプラズム・ファンクション、レ
ーン4乃至6は、免疫吸着カラムからのブレークスルー
、フラクション、レート8はグリシン−HClを用いて
免疫吸着カラムから溶離したヒトの可溶性組織因子。上
記の中、大型のタンパクは、M13遺伝子■リーダー配
列を含む前駆体タンパク質と思われるが、これは、結果
として、タンパクが放出されて細胞周辺腔に入ると共に
ヒトの可溶性組織因子から除去される。抗原性の物質は
スフ二口プラストにもペリプラズム・フラクションにも
等しく分布しているように思われた。更に、ヒトの可溶
性組織因子タンパクは免疫吸着カラムで簡単に離脱でき
た。
大腸菌71−18/pLB6TF形質転換体精製物の第
2のウェスターン法によるプロットかにじんだ。レーン
1には分子量標準物質を含み、レーン2と3は精製した
可溶性組織因子を含む。生成物の凝固促進活性はタンパ
ク1■につき約1.9X104ユニツトと決定された。
従って可溶性組織因子は、無処理のアポタンパク質に較
べはるかに活性の低い凝固促進剤である。しかしながら
、可溶性タンパクは因子■と結合するのであり、従って
無処理のアポタンパク質と因子■が結合するのを阻害で
きる。
実施例9 (a)プラスミドpTL8TFA−1の構造精製したフ
ァージDNA  (実施例2乃至3)を制限酵素Kpn
l、 5stlと共に切り取り、2.2kbフラグメン
トをプラスミドptlc19の中にクローン化した[M
essing、 1. (1983) r酵素学的方法
J 10020乃至78]。これは事前にKpnl及び
5stlとリニアにしてあったものである。白色集落を
スクリーニングして得たプラスミドpLBITF (第
10図)を単離、精製し、また酵素5au3aと旧nd
lで制御して、ヒトの組織因子のコード領域を含む12
52pbフラグメントを得た。このフラグメントは、ゲ
ル電気泳動による単離の後、BamHIと旧ndlによ
る消化によって多重クローニング部域にオープンしてあ
ったファージmp19のRF型の中にクローン化した。
これによって得たファージ13/LB2TFを青色/白
色コロニー・スクリーニングを用いて単離した(第5図
) 。Kun Kel、 T、A、 (1985) P
toc、 Nal、 Acad。
Sci、  USA82. 488−492のクンケル
法により組織因子の構造遺伝子の5′末端にpst1部
域をつくるためにオリゴヌクレオチドの突然変異誘起を
用いた。使用したオリゴヌクレオチドの種類は5’GG
TGGCCGGOGCTGCAGATTCAGGCAC
TACA 3’である。
M13/LB3TFのRF型(第5図)はPstlと旧
ndlで消化させ、組織因子の暗号配列を含む1150
bpフラグメントは、プラスミドpL84TFを与える
ためPstlと旧ndlでオープンにしてあったpUc
l、9のリニア型につないだ(第5図)。
組織因子の構造遺伝子を、組織因子遺伝子生成物が細胞
周辺腔に分泌できるような形に変換するため、Pstl
と5naBlに消化させることにより、M13/TL1
31Pから、バクテリオファージM13遺伝子■のリー
ダー配列と対応するリポソームの結合部位に対する制限
フラグメントの暗号づけ(ニーディング)を得た。この
100bp フラグメントは、T4DNAリガーゼを用
いPsiと5naBlで切断してあったpLB4TFに
挿入した(実施例7.第5図)。その結果得たプラスミ
ドpTL8TF (実施例7.第6図)は、U…プロモ
ータの上流部域に存在する組織因子構造遺伝子に先立ち
、遺伝子■リーダーを含む5stl−Hindlフラグ
メントを挿入することにより組織因子の形質発現に有用
なベクターに転換した。
このことは、1lTL131Q  (実施例7.第6図
)をSsNと旧ndlで制限し、かつ、第8図に示すよ
うにpTL8TFから5つのpTL8FQ (実施例7
)まで5stl−Hindl制限フラグメントでつなぐ
ことによって実施した。プラスミドpTL8FQ (実
施例7)は、組織の構造遺伝子に種々の欠失をつくる場
合に親としての役割を果す。
pTLllFQは旧ndlと5splに消化させ、また
Xbalリンカ−を消化させたpTL8FQにつないで
pl、B6TFを得た(第11図) 。pTL8TFは
AlulとPstlに消化させた。
組織因子の細胞外ドメインのすべてに対する。また細胞
膜に及ぶ領域のうち残り6ケ所に対するコード領域を含
む700tUフラグメントをアガロースゲル電気泳動に
よって単離し、Psll−Xbal フラグメントをあ
らかじめ除去してあったpL86TFのリニア型とつな
いだ。このことは、まず初めに、XbalにpLB6T
Fを消化させ、5′の突出部に大腸菌pol IKle
nowのフラグメントを用いてdlJTPを充填して平
滑末端を得、次いで、この型をPstlで消化させた後
、大フラグメントを電気泳動で単離することによって行
った。上述した700bpフラグメントをpLB6TF
の大フラグメントと連結させることにより、第12図に
示すようなpTL87F−AIが生成し、これにともな
い、切り取ったヒトの組織因子と称されるヒトの組織因
子のC0OH末端から37−残基の欠失を見た。
(b)切り取ったヒトの組織因子の形質発現pTL8T
F−AIを大腸菌株71−18に転換し、細胞が対数増
殖期の半ばに達するまで(D570 ”0.5 )ルリ
ア培養液の中で37°で増殖させた。ptacプロモー
タからの転写誘導はイソプロピルチオガラクトシド(I
PTG) (培養mlにつき2マイクロリツトル)を添
加して行い、また細胞は4時間25°に保った。
次いで遠心分離によって細胞を回収し、0.1Mのトリ
ス緩衝液pH7,5で1回洗浄した後、この緩衝液に再
度懸濁させて希釈スラリーを得た(緩衝液10m1につ
き細胞5グラム) 。CI(CI3 1 mlを加え、
混合物を2分間烈しく震盪させ、7000RPMで遠心
分離にかけてから水層をデカントし、次の段階の精製に
そなえた。上記の手順を繰返し、水層と水層を混ぜた。
抽出物30m1を3時間冷室内において1mMのベンズ
アミジン−〇CIを含む2リツトルの10mM )リス
−CIpH7,5で透析した。透析後の混濁した状態の
懸濁液をベックマン冷凍遠心分離機で15分間1500
0RPMで遠心分離した。沈殿物を捨て、上澄液(30
ml)を用いて切り取ったヒト組織因子を精製した。
30m1の上澄液はFPLCシステム(ファルマシア)
(サイズ:IX20cm)のモノQカラムにスーパール
ープを用いて注入した。勾配は10m1リス−CIpH
7,5(トリス−CIpH7,510mM中にNaCl
 0.3M)。流量は毎分2ml、2ml/管の画分を
35%で捕集した(NaC1約0.105 M) 。1
socratic 5tep (14ml)を用いた。
l5ocrafic 5tepの最終段階において切り
取ったヒト組織因子を溶出した。切り取ったヒト組織因
子は、ドツトプロット、ウェスタン−ブロッティング及
び5O9−ポリアクリルアミド電気泳動を用いて特定し
た。切り取ったヒト組織因子を含むプールピーク(#1
2乃至14.約10m1)を3時間、500m1の10
mM トリス−CIpH7,5で透析した。
透析を終えたサンプルをモノQカラムに供し、最終のが
ラムと同じ条件でクロマトグラフィー処理した。
切り取ったヒト組織因子タンパクは40%(約0.12
M  NaCI)で溶離した。プールピーク(#26乃
至30.約10m1)をセントリコン10を用いて濃縮
、約0.5mlとした。
0.5mのNaClを含む1h+A トリス−CIpH
7,5の緩衝液中にスーパーローズ12カラム(IX3
0an)により切り取ったヒト濃縮組織因子を注入した
(流速0.25m1/分)。0.5ml/管の画分を逮
集した。
単一シンメトリカルピークの画分#29乃至30(全量
:1m1)に切り取ったヒト組織因子を溶離した。また
#37には低モル成分のマイナーピークを溶出した。
ゲル分析で予測した通り約55乃至70%の収率で約4
乃至6■の切り取ったヒト組織因子を得た。
切り取ったヒト組織因子の因子■に対する応答は自然の
ままの組織因子とは際立って異なる。第13図に示した
ように、自然の組織因子の場合には、1mM程度の小さ
い因子■でも凝固時間は最小限であるが、切り取った因
子の場合には因子■1(10hMまで漸次短くなってい
る。ここから明らかなように、切り取ったヒト組織因子
は、血漿中の因子■の活性レベルの増減を検出する血液
凝固試験において有用となろう。
[発明の効果コ 本発明によれば、ヒトの組織因子のアポ蛋白全体、組織
因子のアポ蛋白またはクローン化されたc DNAによ
ってコード化されるその機能部分につきコード化を行う
配列をもった完全単一クローン化cDNA、並びに、ヒ
トの組織因子のアポ蛋白全体、可溶性のヒトの組織因子
のタンパク端を切り取ったヒトの組織因子タンパク及び
適当な宿主における機能的部分をコード化し、且つ、こ
れらを発現すべく誘発できるクローン化されたcDNA
を含む組換え(体)ベクトルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1に示すのは成熟したヒトの組織因子アポ蛋白のアミ
ノ酸配列とそのヒトロバシープロットである。 第2図はクローン化された胎盤のcONAライブラリー
のスクリーニングに用いるヒト、の組織因子に特異的な
オリゴヌクレオチドΦプローブのヌクレオチド配列を示
す。 図3は、ヒトの組織因子アポ蛋白についてのコード化(
暗号)を行う2147bpcDNAの略図解とそのヌク
レオチド配列を得るのに用いられる方法を示す。 第4図は、組換えプラスミドpKs−2Bと組換えラア
ージm13/LB27Fを示す。 第5A図は、組換えプラスミドpLB4TFの構造を示
す。 第5B図はJ3/TL131Pの構造を示す。 第5C図は座位特異的突然変異誘発に用いられるオリゴ
ヌクレオチドTFADとG8PSTの配列を示したもの
である。 第6図はヒトの組織因子形質発現プラスミド2丁L8F
Qの構造を示す。 第7図は哺乳動物の細胞中にあるヒトの組織因子を発現
させるためのpMAM/TFシャトルベクターを表した
ものである。 第8図はプラスミドpLB57Fの構造の略図解である
。 第9図は可溶性組織因子表現ベクターpLB6TFの構
造を略図で示したものである。 第10図はM13/LB2TFの構造を示す。 第11図はpLB6TFの構造を示す。 第12図はpTL8TFA−1ノ構造を示すもノテ、S
は遺伝子■(M13)のシグナルペプチド、Eは細胞外
ドメイン、Mは膜ドメインである。 第13図は切り取ったヒトの組織因子の因子■に対する
活性を示した図である。

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ヒトの組織因子またはその一部についての暗号と
    なるような配列順序を有するDNAインサートを含む宿
    主中で複製できる組換えクローニングベクター。
  2. (2)複製可能な組換えクローニングベクターを含む宿
    主生物であって、当該ベクターがヒトの組織因子または
    その一部の暗号となるような配列順序のDNAインサー
    トを含むもの。
  3. (3)請求項1による組換えクローニングベクターであ
    って、プラスミド、コスミッド、バクテリオファージか
    らなるグループ、その他細菌内で複製できる複数ベクタ
    ー、及び真核生物中で複製できる複数ベクターから選択
    可能なベクター。
  4. (4)請求項3による組換えクローニングベクターであ
    って、真核生物宿主内で複製できるベクターをワクチニ
    アウィルス、ウシの乳頭腫ウィルス、シミアンウィルス
    ^4^0、酵母ベクター及びバキュロウィルスのグルー
    プから選択できるもの。
  5. (5)請求項2による宿主生物であって、細菌、酵母、
    昆虫細胞、及びヒトの細胞のグループから選択されるも
    の。
  6. (6)請求項1による組換えクローニングベクターであ
    って、ファージλ10,3、ファージλ3,4及びプラ
    スミドpKS−2Bのグループから選択されるもの。
  7. (7)請求項1による組換えクローニングベクターでフ
    ァージλ10,3であるもの。
  8. (8)請求項1による組換えクローニングベクターでプ
    ラスミドpKS−2Bであるもの。
  9. (9)請求項2による宿主生物で大腸菌株k1088で
    あるもの。
  10. (10)請求項2による宿主生物で大腸菌株71−18
    であるもの。
  11. (11)請求項9による宿主生物で組換えクローニング
    ベクターがファージλ10.3あるもの。
  12. (12)請求項9による宿主生物でファージλ3,4を
    組換えクローニングベクターとするもの。
  13. (13)プラスミドpKS−2Bを組換えクローニング
    ベクターとするような請求項10による宿主生物。
  14. (14)ヒトの組織因子用の2147塩基対cDNA断
    片暗号であって、 I 式のようなヌクレオチド配列を含
    み、ヌクレオチド112乃至114でのATG開始コド
    ンからヌクレオチド997乃至999でのTAA停止コ
    ドンまでのびる読取り枠を有し、当該読取り枠がポリペ
    プチド単鎖であり、且つ295アミノ酸配列をもつヒト
    の組織因子の前駆体タンパク質の暗号となり、且つ当該
    前駆体タンパクが I 式のような263アミノのアミノ
    酸配列をもつポリペプチド単鎖である実質的に純粋な成
    熟組織に翻訳後切断されるもの。
  15. (15) I 式のようなアミノ酸配列を有する実質的に
    純粋なヒトの組織因子のアポタンパク質またはその機能
    的部分。
  16. (16)ヒトの組織因子用DNA暗号を同定するための
    オリゴヌクレオチド・プローブであって、そのヌクレオ
    チド配列が、 I 式ようなアミノ酸配列をもつ実質的に
    純粋なヒトの組織因子のアミノ酸24から29までのD
    NA暗号の配列に対応するもの。
  17. (17)ヒトの組織因子用DNA暗号を同定するための
    オリゴヌクレオチド・プローブであって、そのヌクレオ
    チド配列が I 式のようなアミノ酸配列をもつ実質的に
    純粋なヒトの組織因子のアミノ酸145から159迄の
    DNA暗号の配列に対応するもの。
  18. (18)ヒトの組織因子使用DNA暗号を同定するため
    のオリゴヌクレオチド・プローブであって、そのヌクレ
    オチド配列が I 式のようなアミノ酸配列をもつ実質的
    に純粋なヒトの組織因子のアミノ酸210から215ま
    でのDNA暗号の配列に対応するもの。
  19. (19)適当な宿主の中で、ヒトの組織因子またはその
    機能的部分の遺伝子暗号を発現するような組換えクロー
    ニング・ベクター。
  20. (20)ヒトの組織因子アポタンパク質またはその機能
    的部分を産生する宿主生物であって、ヒトの組織因子ま
    たはその機能的部分の暗号となるDNAインサートを含
    む組換えクローニング・ベクターによって形質転換され
    るもの。
  21. (21)請求項19による組換えベクターであって、プ
    ラスミド、コスミッド、バクテリオファージ、細菌内で
    複製できる他のベクター及び真核生物内で複製できるベ
    クターの中から選択されるもの。
  22. (22)請求項22(ママ)による組換えベクターであ
    って、真核生物宿主内で複製できるベクターがワクチニ
    アウィルス、ウシの乳頭腫ウィルス、シミアンウィルス
    ^4^0、酵母ベクター及びバキュロウィルスのグルー
    プから選択されるもの。
  23. (23)請求項20による宿主生物であって、細菌、酵
    母、昆虫細胞、動物細胞及びヒトの細胞のグループから
    選択されるもの。
  24. (24)請求項19による組換えベクタ−をpTL8F
    Qとするもの。
  25. (25)請求項19による組換えベクターをpMAM/
    TFとするもの。
  26. (26)請求項20による宿主生物を大腸菌株71−1
    8とするもの。
  27. (27)請求項20による宿主生物を大腸菌XL−1ブ
    ルーとするもの。
  28. (28)請求項20による宿主生物をCHO細胞とする
    もの。
  29. (29)ヒトの可溶性組織因子またはその機能的部分の
    形質を発現させるための請求項19による組換えクロー
    ニング・ベクター。
  30. (30)請求項29による組換えクローニング・ベクタ
    ーであって、ヒトの可溶性組織因子にヒトの成熟組織因
    子アポタンパク質のアミノ端末細胞外ドメインが含まれ
    るもの。
  31. (31)ヒトノ可溶性組織因子の中に、 I 式のような
    配列順序をもつヒトの成熟組織因子のN端末アミノ酸1
    乃至219/220を含むような請求項29による組換
    えクローニング・ベター。
  32. (32)組換えベクターをpLB6TFとするような請
    求項31による組換えクローニングベクター。
  33. (33)切り取ったヒトの組織因子又はその機能的部分
    の形質発現のための、請求項19による組換体クローニ
    ング・ベクター。
  34. (34)請求項33による組換体クローニングベクター
    において、切り取ったヒト組織因子が成熟した組織因子
    のN末端アミノ酸1−227を含み、式 I に示すよう
    な配列をしたベクター。
  35. (35)請求項33による組換体クローニングベクター
    であって、組換体ベクターがpTL8TF−AIである
    もの。
  36. (36)請求項20による宿主生物体であって可溶性の
    ヒト組織因子及び切り取ったヒト組織因子から成るグル
    ープから選んだヒトの組織因子を生成するもの。
  37. (37)ヒトの成熟組織因子アポタンパク質またはその
    機能的部分の細胞外ドメインが可溶性の組織因子に含ま
    れるような請求項36による宿主生物。
  38. (38)可溶性組織因子の中に I 式のようなヒトの成
    熟組織因子のN端末アミノ酸1乃至210/220を含
    むような請求項36による宿主生物。
  39. (39)請求項36による宿主生物において、切り取っ
    たヒト組織因子の中に式 I に規定するような成熟した
    ヒトの組織因子のN末端アミノ酸1−227が含まれる
    もの。
  40. (40)大腸菌株71−18が宿主であるような請求項
    38による宿主生物。
  41. (41)実質的に純粋なヒトの可溶性組織因子であって
    、 I 式のような配列順序をもつヒトの成熟組織因子ま
    たはその機能的部分の細胞外ドメインを含むもの。
  42. (42)請求項37によるヒトの可溶性組織因子であっ
    て、 I 式のような配列順序の、ヒトの成熟組織因子の
    N端末アミノ酸1−219/220を含むもの。
  43. (43)切り取ったヒト組織因子の中に成熟したヒトの
    組織因子のN末端アミノ酸1−227を含み、式 I に
    規定するような配列をもつ、実質的に純粋なヒトの切り
    取った組織因子。
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